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田村和也雑想

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2012/06/16

新築工事の設計も進んでいるのですが、今回は町田事務所の初施工物件の外溝工事を御紹介します。

ある日、突然、事務所に奥さんが来られて、外溝工事の提案と見積もりの依頼をいただきました。
なんでも、通勤の際に町田事務所の前をいつも通っておられるという事で、事務所建物や周りの雰囲気を気に入ってもらえ、飛び込みで来ていただきました。

ホームページや雑誌を見ていただいて、電話やメールで問い合わせをいただく事が多い為、こうして、御近所の方がひょいと訪れていただいて、仕事が出来る事はとてもうれしく思います。

そのようにはじまった今回の工事は、主に駐車場の土間コンクリート施工と建物裏側(裏側と言っても南面で接道もしています)の土留ブロック、階段、そしてデッキの設計・施工です。
デッキを施工する部分の、当初の状態は下の写真のようでした。

GAIKOU1.jpg町田市や多摩などは、本社のある川口とは違い、非常に起伏が多く、高台を造成して住宅を建てているケースが多くあります。
この敷地のように検知ブロックを積んでいる場合は、検知ブロックが地中にも斜めに施工されているため、検知ブロックと道路境界に何とも使いようの無い隙間の土地が出来てしまいます。
今回はその隙間に柱を立て、デッキがなるべく広く使えるように施工しました。

まずは、掘削からはじめます。

GAIKOU2.jpg掘った部分に土留めブロックを積み、階段を作ってゆきます。
手前の低い部分は駐輪場となる予定です。

GAIKOU3.jpg

大工さんがデッキを組んでいます。

GAIKOU4.jpg

デッキの完成はこんな感じです。
目隠し兼手摺材を2,1,2となるように隙間を開け、表、裏と貼ることにより、意匠上のアクセントをつけ、通風を確保しました。

GAIKOU5.jpg

GAIKOU6.jpg

デッキ下にも一面コンクリートを打設し、デッキに湿気が上がってこないようにしています。
木製デッキなので、床下のコンクリートを打設することで、水はけも良くなり、その後の痛み方は随分変わってくると思います。
階段上にはデッキへとつながる大工さん製作の木製扉がつきました。

もちろん、新築の依頼もうれしいのですが、今後もこのような仕事を通じて、地域のおかかえ工務店のような存在になれたらいいなと思います。

2012/06/13

大林宣彦監督の「この空の花-長岡映画-」を見ました。

thCAQW4723.jpg
第二次大戦以降、平和と復興のシンボルとして打ち上げられる長岡花火を軸に、そこにこめられた人々の思いを実話をもとに描いています。
そこには、東日本大震災の復興、世界平和の願いがこめられています。

はずかしながら、私自身、この映画を見るまで長岡花火の事も、第二次世界大戦中に長岡が大きな被害に合ったという歴史も全く知りませんでした。

映画としては、事前に想像していたイメージとは大きく異なり、開始数分で「とんでもない映画だぞ」と思わされてしまいます。
映画の登場人物は、観客に向かって話しかけてきますし、時間軸も複雑に行ったりきたりします。
実話をもとにしたフィクションでありながら、いきなりモデルの人-本人-も登場しますし、撮影された映像と絵のようなCGが重ねられた不思議な映像が、すごい勢いででてきます。

登場人物も意味の分からないことを突然言いますし、はっきり言ってすごく「デタラメ」な感じがするのですが、その無駄のないテンポのよさと、映像の新鮮さや美しさにどんどん引き込まれていきます。
その構成力たるや、ものすごいものがあります。
2時間40分という長めの映画だとは思いますが、あっという間に終わってしまい、何か重たいものがズシンと残ります。
大林監督は70歳を超えていると思いますが、その活力、精神力はすごい。

印象的な場面や言葉はたくさんあるのですが
「人と人との隙間を埋めるのは想像力」(正確には違うかもしれません)
という言葉が印象に残っています。
背中におぶっていた赤ん坊を爆撃で亡くした母親が
「爆撃機からは、このかわいい子の顔が見えなかったんだわ。見えていたら爆弾なんて落とすはず無いもの」
みたいなことを言っていました。

もっと複雑な問題であるとは分かっていますが、そんな想像力が働けば、戦争が本当に無くなるかもしれないなどと希望が持てそうです。
また日常のコミュニケーション自体がそもそも想像力だという事に改めて気づかされました。

「テロリストだって自分たちの子供が飢えずに平和に暮らす世界を望んでいるということ。当ったり前じゃん。でもハンバーガーばかり食ってる脳にはそれが理解できないんだよね」
これは、コラムニストで映画評論家の町山智浩さんの言葉です。


2012/04/02

東京都国分寺市で住宅の設計が進んでいます。

今は基本設計の段階ですが、本日の打ち合わせで大分、方向性が見えてきました。
基本設計は、間取りや建物の形、ボリュームなどを検討する段階で、設計の根本となる一番大切な作業です。
ここでは予算や敷地の形状、周囲の環境等を考慮する事はもちろんですが、住み手のライフスタイルや住宅に関する考え方、価値観を共有する事が大切だと思っています。
それは打ち合わせの会話に出る何気ない一言やメールのやり取り、実際に今住まわれているお宅を見せていただいたりする中でおぼろげながら見えてきます。

・広い家はいらない。手の届く範囲、管理のできる範囲の中でコンパクトに収まった家
・ネコと一緒に暮らす家(部屋を分けるのではなく)
・趣味の本やCDがすぐ手に取れる家
・団地のような住まい(プライベートとパブリックのあり方)
・使いこんだような古びた趣の家

等などを手がかりに、今回は下のような提案をさせていただきました。

kokubunnji.jpg
写真では分かりづらいのですが、中央にある壁は本棚です。
1階床から2階天井まである本棚を中心に、少しづつ段差をつけた4つのフロアーと一間幅ある部屋のような階段をらせん状に配置しています。
6畳程度のそれぞれのフロアーと階段は、段差と本棚によってゆるやかに仕切られており、いろいろなところが居場所になります。
本棚は本やCDが収められるのと同時に、ネコの部屋(居場所)ともなればいいなと思っています。

コンパクトにまとめたボリュームは敷地の中央に寄せて置かれ、四周に庭(空地)をとり、プライベートともパブリックともいえないような豊かな空間になれば良いなと思います。

2012/02/29

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先日、庭の隅にふきのとうを見つけ、もうすぐ春だなと思っていたら、今日は一面、雪化粧。

yukijimu.jpg

2012/02/26

『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』(高橋栄樹監督)を見ました。
AKB48のドキュメンタリー映画第二段のようです。

akb.jpg
とりわけAKB48のファンというわけでもなく、第一段も見たことなければ、メンバーだってこの映画を見るまでは3人くらいしか知らない程度の知識です。
それまでのAKBのイメージといえば、高校や中学の時の体育祭や学園祭のノリだな程度の感覚で、あまり興味を持った事がなかったのですが、好きなラジオ番組で取り上げられていたので、たまには違った分野の映画を見るのもいいかなくらいの感覚でした。
しかし、その内容はアイドルのドキュメンタリー映画としてはあまりにも衝撃的です。

現代社会の中でアイドルというものを成立させるために大人たちの考えた仕掛け、TVなどでも特集されている「総選挙」に代表されるようなゲーム的なものの中での、少女たちの葛藤や苦しみをその舞台裏まで赤裸々に見せています。
その虚構のようなゲームの中での彼女たちの心の動きや行動はまさしくドキュメントで、非常に残酷ではあるけれども、見ていると心打たれるし、非常に面白い。
それはファンが応援すればするほど、それが彼女たちをいっそう傷つけ、またその様子をエンターテイメントとして楽しんでいるというような恐ろしい構造です。
無責任に言えば、それは残酷であればあるほど、面白いのではないかと思うほどです。

そして、そんな事までして成立させるアイドルって何だろうというひとつの着地点として、東日本大震災における復興チャリティーコンサートの様子、被災地での子供達や大人達の笑顔が描かれています。
それはトラックコンテナの荷台という通常のライブから考えると粗末な舞台であるにもかかわらず、まさに国民的アイドルであるAKBだからこそ子供たちに勇気を与えられるし、そこにいる大人やちょこっと写る被災地で救援活動をしている自衛隊の人たちにも希望が与えられる。
またそれは、この活動を通じて自分達の仕事は人々に勇気を与えられることが分かった、というAKB本人たちの希望でもあるというような。

しかしこの映画で見せられるこうした構造は、うまくいえないのですが、とてもあやういバランスで成り立っているような気がします。そこには現代の様々な問題にも共通して見られるような、何かひとつが崩れてしまうと全体が一気に崩壊してしまうような怖さがあるような気がします。

2012/02/24

12tのユニック車に載せられてコンテナが町田事務所にやってきました。

konntena.jpg現場を管理するのに必要な、道具や材料などを保管する物置として使用します。
あらかじめセットしておいたコンクリートの平板の上に、ユニックで吊り上げて、ただ置くだけです。
設置の作業時間は30分程。
たとえば木造や簡単な軽量鉄骨で物置を作ることを考えると、その施行時間は雲泥の差です。
もちろんそれは、コストにも反映してきます。


その施工性やコストに注目され、最近ではレンタルトランクルームや震災の仮設住宅、復興住宅などにコンテナを転用した事例をよく見かけます。
ますいい本社にも、コンテナを住宅に改造したコンテナハウスがあり、私が入社した頃、先輩がコンテナハウスに住んでいました。

http://www.masuii.co.jp/kensozai-kontenahausu.htm

また住宅がトラックに乗ってやってくるという観点から言うと、積水ハイムと建築家の大野勝彦さんが開発した、M1があります。一部屋を工場でユニットにし、トラックに乗っけて運び、現場で組み合わせてゆきます。
今でも、たまに建っているものを見かけることがありますが、画期的なプレファブ工法に見えます。

http://www.sekisuiheimm1.com/

また住宅への転用という例を挙げると、私が大学時代を過ごした大阪には、戦時中に作られた高射砲台を住宅に転用して住んでいる一角がありました。屋上を庭園としたり、まるでモダニズム建築のようだったことを覚えています。

houdai.jpgその時代時代や住み手の状況から必然的に生まれたこうした住宅は面白く、住むとはどういうことかを問いかけられているような気がします。

2012/02/09

ご相談をいただいている、西東京市の住宅の敷地調査へ。
敷地周辺の状況、接道と周囲の家の建ち方、水道やガスのの引き込み等のライフラインをチェックし、
新しい家のボリュームのイメージをなんとなく思い浮かべながらあたりをぐるぐると回ってきました。

帰りに、江戸東京たてもの園へ。
調査した敷地から車で5分程度のところにある、江戸時代や近現代の貴重な建物を移築、復元した施設です。
西東京市のお施主さんはそこに移築された、建築家前川國男の自邸が欲しいくらい好きという事で、調査という口実もでき、行ってきました。
若いご夫婦なのに日本の近代建築の大御所建築家、前川國男の自邸が好きだというのは、「つう」だなと思います。

maekawa.jpg
戦時体制化につくられたこともあり、既成が厳しく外観こそは和風ですが、サロンと呼ばれる吹き抜けのある大きな空間を中心として各個室がシンメトリーに配置されています。
まさしくモダンで、スカッとして気持ちよく、ところどころにある木造の無骨さもまたかっこいい。


その隣に、建築家堀口捨己の設計した、小出邸がありました。
こちらも近代を代表する建築家ですが、その様相は全く違います。
当時のオランダ風の建物に、日本のかやぶき屋根の家(小出邸は瓦ですが)を突き刺したような形をしています。
室内も仕上げや仕様もぜんぜん違う個室がパッケージされたように並んでいます。
また、家の建ち方も前川自邸が南北を正面にキチッと建っているのに対して、方位からも道路からも振れていて斜めに建っています。
一筋縄では理解できない建物ですが、キッチュな感じでかわいらしく、憎めない建物で奥深さをかんじます。

koide.jpg
こういう対照的なものが、並んで建っているところが博物館の面白いところです。
他にもたくさん建物はあるのですが、仕事の合間に見るには膨大なので、また休みに行こうと思います。

2012/02/07

「団地団-ベランダから 見渡す映画論- 大山顕 佐藤大 速水健朗」を読みました。

dannti.jpg
トークイベントをきっかけに集まった団地好きの三人が、映画や漫画などのサブカルに描かれる団地、というフィルターを通して、団地の魅力や歴史をおもしろおかしく語っています。
それは、団地の魅力=ノスタルジーといった単純解を回避し、違った側面からの団地の魅力や歴史を浮き彫りにし、ひいては各時代の社会や家族像が垣間見えてきます。

1950年中頃からつくられはじめた団地の歴史は、私たちの世代にはにわかに信じがたいですが、「下町の太陽1963年」で山田洋二が描がいているように、当初は庶民(大衆)にとって憧れの存在だったようです。
鉄筋コンクリート造、ステンレスの流し台、風呂、水洗トイレ付等、都市への人口流入に伴い郊外に作られた団地は洋風化(近代化)への憧れの象徴、ショッピングモールなどを伴った理想的な都市。
しかし、70年代になると「団地妻」に描かれるような、画一的で窮屈なもの、その閉鎖性が取り上げられるようになります。
そして80年代には、大友克洋の漫画「童夢」で、パッケージ化された同じ形の箱の中に様々な人間が住んでいる、という得体の知れない怖さが描かれ、ついに「家族ゲーム 森田芳光監督」では団地に住む核家族の解体が描かれます。

これはこの本に紹介されているほんの一部ですが、団地という建築に社会が投影されていることが、まじまじとわかります。
そして、現在このような本が出版される事からも解るように、団地が見直されてきています。
団地での高齢者の孤独死などの問題がある一方で、幼少期を団地で暮らした若い子育て世代が、その住環境の良さや子育てのしやすさを理由に団地に帰ってくるという現象があると聞いた事があります。
またシェアーハウス等へのリノベーションやURなどによる様々な試みも始まっているようです。
確かに、団地をひとつの「もの」として捉えると、その広々とした空地や時間が経って成長した樹木、同じものが並んで建っているその風景さえ、魅力的なものに見えてきます。
そしてこんな時代だからこそ、人と人が集まって住むということの本質が問われているのだと思います。


2012/02/02

DVDで「その街のこども 劇場版」を観ました。
2010年に放送されたNHKのテレビドラマに、未公開シーンと再編集を加え劇場公開した作品です。

SONOMA~1.JPG
阪神淡路大震災をテーマとした作品で、震災を神戸で経験し、その後東京で暮らす若い男女二人が、「追悼のつどい」が行われる前日の神戸で偶然知り合い、震災15年目の朝を迎えるまでの時間を共に過ごすというストーリです。
終電をなくしてしまった二人が、「追悼のつどい」を迎える朝まで、復興を遂げた真夜中の神戸の町を歩きながら、震災を経験した事で背負わされた重荷を、それぞれ打ち明けていく様を淡々とドキュメント風に描いています。

自分たちの過ごした町(友達の家や遊んだ公園)を背景に、それぞれが少しづつうちあける重い過去に、お互いがコメントをするわけでもなく、ただ聞きあうだけ、恋愛感情に発展するわけでもないのですが、はじめは離れていた二人の心の距離がすこしづつ縮まってゆき、心の重荷をすこしづつ下ろしてゆく、またこれから下ろすことを予感させるシーンを、時には現代の若者っぽいと言われそうなユーモラスな描写を織り交ぜながら、見事に描いてゆきます。

友達を震災でなくした佐藤江梨子演じる美香が
「何であんなええ子が先に死ななあかんの。・・・・地震はほんま訳がわからへん」
と言った言葉が印象的です。

東日本大震災の際に私も含めて多くの人の感じたであろう地震の理不尽さや、一方で日常の生活をおくっている罪悪感、地震だけでなく日常的に起こる様々な理不尽な事象やそのような感情に、明確な答えはおそらく誰も出せないと思いますが、主人公二人の何気ない描写の重なり合いを通して、決して励ましあっているわけでもなく、本質的には同じ悩みを抱えているとも言えない二人が、ただ話を聞くだけ、寄り添うだけで人は人によってこんな感じで救われるんだ・・・と心が温かくなってきます。

クライマックスシーンも見ものです。
震災を扱った映画やTVはたくさんあると思いますが、切り口も新鮮で話にぐいぐい引き込まれていってしまいます。
ネタばれしないようにコメントを書くのは難しいので、ぜひ、観てみてください。

2012/01/28

新宿にあるリビングデザインセンター OZONEでセミナーをやらせていただきました。
昨年、OZONE-家づくりサポート-の登録工務店となった事もあり、家づくりを考えている人や興味を持っている人を対象に「良い家のつくり方」という表題で一時間話をさせていただきました。

もちろん「良い家のつくり方」という表題に、はっきり答えを出せるわけではないのですが、ますいいの家のつくり方や施工例を中心に、日ごろから考えている事を、日ごろ、お施主さんと話しているような感覚で話をしてきました。

ozon1.jpg
当たり前の事ですが、全ての人にとっての「良い家のつくり方」はないと思います。
それは、人それぞれの住宅に対する考え方は違うからです。
ますいいでは、設計や施行においても、セルフビルド等なるべく参加型の家づくりを推奨しています。
住宅は家族をかたち作るもののひとつであると思いますし、住み手が住宅に対してしっかりと「考える」事や、実際に作業をして「知る」事は大切な事だと思うからです。
そして何よりも、そのほうが楽しいと思うからです。

ただし、そうしたデザインやものづくりに興味のない方にとっては、「面倒」以外の何者でもないと思います。
住宅を建てようとする建て主にとって大切な事は、建て主と価値観を共有でき、この事務所なら、この人なら、信頼して家づくりを頼める所を見極める事なのだと今回話をしてゆく中で改めて思いました。
それが一番の「良い家のつくりかた」かもしれません。

私もそういう人間になれるように努力してゆきたいです。

2012/01/24

21時過ぎ、窓から外を眺め雪が降ってきたと思ったら、みるみるうちに積もっていきました。
子供のころはもちろん、いまだに雪が降るとなんだかわくわくしてきます。

しばらくすると、「ドン・ドン・ドドン」と建物に雪合戦の流れ弾でも当たっているかのような音がします。
はじめはそんなに気にならなかったのですが、どんどんひどくなってゆきます。
こんな夜中に、近所の子供でもいたずらしているのかなと思い、寒い中、外に出て建物を一周し、あたりを見回すのですが誰もいません。

室内に戻り、鳴り止まない音を不気味に思いながら外を見ていると、道路を挟んだ向かい側の住宅の駐車場にとまっている車が上空から攻撃をうけています。
「ドン・ドン・ドドン」と。

再び外へ出て見上げてみると、
なんと犯人は上空を走っている高圧電線です。
電線に積もった雪が、固まって落ちてきているのです。

写真の円形に土が見えている部分は足跡ではありません。
高圧電線からの爆撃跡です。
結構すごいでしょ。

yuki.jpg

2012/01/23

午前中、ご相談をいただいている東京都国分寺市の住宅の打ち合わせに伺いました。
築40年になる住宅をリフォームするか、この際、新築に建て替えるかの相談をうけました。

この住宅はお施主さんが、8年前に中古物件で購入しました。
古い家ではありますが、その状態をみると、ご自分で少しづつ手を加えながら、大切にされてきた様子がわかります。
しかし、水周りの使いづらさ、断熱材が入っていないための冬の寒さ、そもそも構造は問題ないのか、そういった不安から今回ご相談をいただきました。

こうした築年数の古い住宅の建て替えか、リフォームかの判断は非常に難しいところがあります。
もちろんお施主さんの愛着のある家ですので、リフォームをして問題を解決する事が一番良いと思います。
しかし、水周りを使いやすくすることや断熱性能を向上させることは簡単ですが、構造を現行の基準に合うように補強するには、かなりの費用がかかってしまう事が予想されます。
内装をはがし、骨組みの状態にし、痛んでいる材料を取替え、筋交いや金物補強をしてゆく。
そして上部の木構造が強くなると、地震が起きたときに従来以上に建物が浮き上がろうとする引っ張りの力が基礎コンクリートにかかる為、基礎部分の補強も必要になってきます。
そんな事をしていると、新築が建ってしまうくらいの費用がかかってしまうことが予想されます。
敷地の事情で再建築不可の建物ならばまだしも、今回の敷地は新築も可能ですので、そこまでするならば建て替えようとなるわけです。

しかし別の考え方もあると思います。
例えば現行の構造基準を1とすると、リフォームをして建物全体で0.7くらいになるように構造補強をしてゆくという考え方です。
つまり、大地震がおきた際に、部分的には壊れたとしても、おそらく建物が崩壊しない、ひっくり返らないだろうと考えられるくらいの補強をする。
「おそらく・・・考えられるだろう」というのは、リフォームですし0.7という数字に問題ないと言える根拠はないのですが、現状よりは確実に構造的なバランスは良くなり、建物は強くなるということです。
今回の住宅ですと、水周り、断熱性能を向上させて、上記のような構造補強を行なっても、新築の1/3程度の予算で行なえるのではないかと思います。

新築にせよ、リフォームにせよ、住宅に手を加える事は多くの費用を必要とします。
住宅を考える事は、今後の家族の設計、家族のかたち(お施主さんの言葉の引用)を考える事だと思います。
じっくり考えていただき、最良のかたちでスタートできればいいなと思います。


2012/01/14

お問い合わせをいただいている、神奈川県川崎市の住宅の敷地調査へ行ってきました。

敷地は、道路面より2M程高台にあり、道路を挟んで緑地に面している、とても雰囲気の良い場所です。
これまでも、何度かこうした緑地に面した敷地で設計をしましたが、こういった敷地は周りの風景をうまく取り込むと間違いなく良い雰囲気の住宅になります。

kawasaki1.jpg
しかし今回の敷地の問題は、いつ作られたかも解らない約2M~2.5Mの石積みの上に位置していることです。
昔のものなので、所有者である川崎市も図面などは持っていませんし、もちろんその強度もわかりません。
それ故、地震などでこの石積みが壊れてしまう可能性は十分に考えられます。
しかし先にも書いたように、石積み自体は川崎市のものですので、作り変えるわけにもいきません。

kawasaki%203.jpg
そこで、今回の住宅は、この石積みに建物の荷重かけないように設計しないといけません。
簡単に言うと、隣の石積みが万一、崩壊しても建物には全く影響がないように設計しないといけません。
影響が無くなるまで、石積みより離して建てることが一番簡単なのですが、そうすると敷地の中に必要なボリュームの建物が建たなくなってしまいます。

そのため、石積み崩壊時に建物が倒れないように基礎を深くするなどいくつか方法はあると思うのですが、土工事やコンクリート工事は、慎重に考えないと費用がかかるところですし、折角、このような敷地なのでその対処方法が建物をより魅力的にするような方法が考えられるといいなと思います。


2012/01/09

先日、模型写真を紹介した、東京都稲城市の家の基本設計を進めています。
年末にクライアントと打ち合わせをし、スキップフロアーのボリュームや大まかな方向性は決まりましたが、水周りの配置やダイニングスペースとキッチンの配置などを調整しました。
水周り、物干し場所、キッチンの配置などは、実際に使う人によって作業の仕方や、重要なポイントが違う為、慎重に決めるようにしています。
クライアントの意見はもちろん、今までに設計した物件の実際に使われているクライアントから聞いた意見などを参考にしながら、今回は3案提案してみる事にしました。

午後は、川口のリフォームの実施図面を作成。
こちらは、見積もりを取りながら、細かい設計を詰めていっています。

夜は、近所のTUTAYAで借りてきたDVD「息もできない」を見ました。
町田に引っ越してから、TVのない生活をしている為か、本を読んだり、DVDを見る機会が増えました。


「母なる証明」 ポン・ジュノ
「十三人の刺客」 三池崇史
「殺人の追憶」 ポン・ジュノ
「東京原発」 山川 元
「奇跡」 是枝裕和
「息もできない」 ヤン・イクチュン

数えてみると、今年に入ってからもう6本も見ています。
印象に残っているのは「東京原発」と韓国映画の3本です。

「東京原発」は役所広司演じる東京都知事が東京に原発を誘致しようと提案する話。
そこで、原発推進派と原発反対派が現れ、原発誘致について討論します。
話されている内容は、福島原発事故後にTVや新聞で語られていた内容と全くといってよいほど同じでした。
しかし驚くべき事は、この映画は2004年に公開されている事です。
やはり、知っている人は知っていた訳で、いかに自分が原発に対する知識や関心がなかったかに改めて気づかされます。
映画としても良いのでお勧めします。

韓国映画の3本は友人に薦められてみたのですが、シナリオの構成力もすごく、それぞれの撮影の仕方も独特でおもしろく、圧倒されてしまいました。


2012/01/06

あけましておめでとうございます。

ますいいは今日が仕事はじめです。
本年もよろしくお願い致します。

お正月は、島根県の実家に帰省し、地元の友達と飲みに出たり、DVDで映画を見たり、長い移動中の電車で本を読んだり、ゆっくりとした時間を過ごしました。
なかなか、普段の仕事で忙しくしていると、何日もゆっくりと過ごす時間はないので、大変貴重な時間に思えます。


折角なので、本とDVDの感想を。

「奇縁まんだら」 瀬戸内寂聴
kiennmanndara.jpg日本経済新聞に連載されていたエッセイをまとめた本。 瀬戸内寂聴が今はもう亡くなった、ゆかりのある作家との交友を愛情を持って赤裸々に描いています。 どれも名前を聞いた事のある有名な作家ばかりだけれども、語り口調のようなユーモラスな書き方で、親しみもわき、非常に面白く、帰りの電車の中で一気に読み終えてしまいました。 人との出会いを書いているようで、実は自伝のようでもあり、あまり知らなかった寂聴さんの人となりが見えてきます。 よく言われることかもしれませんが、その人とは、実は周りにいる人や囲まれている物、本等の周辺との関係から、おぼろげながら立ち現れてくるものという事に改めて気づかされた気がしました。


「大聖堂」 ケン・フォレット

daiseidou.jpgこれは上、中、下とある長編なのでまだ半分くらいですが、とても面白く読んでいます。
十二世紀のイギリスの話で、国王による統治と教会による宗教的な統治とが重なっていない、非常に混乱した時期における社会の構築を「大聖堂を建てること」を通して描いています。
「大聖堂を建てること」は、ただ設計者が図面を引き、職人が作るだけではない。
資金を稼ぐ為に、町の市場を活性化したり、敵から町を守るなど、「大聖堂を建てる」という目的のためにひとつの共同体が一致団結してゆきます。
教会にとって大聖堂は神様に祈りを捧げる大切な場所であると同時に、ひとつのシンボルです。
しかし、この物語ではそれ以上に大聖堂を建築するという行為によって、個人個人が自分を律し、共同体(社会)を構築してゆくという、建築することの魅力を描いているように思います。
これは、住宅のような小さな建築も全くかわらないと思います。

 
他にもDVDや映画館で映画を見たのですが、長くなってしまいそうなので、また今度紹介します。


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