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田村和也雑想

2020/05/08

毎年ゴールデンウィークは、休みを少しずらして、航空券が安くなったところを見計らって海外旅行に出かけていました。
見聞を広めるのも仕事の内、と自分に言い訳を用意し、気ままな旅を。
旅での現地の人とのやり取りや、偶然の出会いも、またひとつの魅力だった。

今年はというと、もちろんそういうわけにはいかず、家にいる日々。
なかなかまとまった休みも取れない日常の中で、こんな時にやりたいことをやるぞと、意気込み、
一日目は前から見たかった海外ドラマを一気見。
そして、二日目も朝から読みたい本を読み、のんびり生活のつもりが午後あたりから、そわそわ。
あーー、こんな天気の良い日にずーーと家にいるなんて・・・
外に出たい、友達と飲みにいきたい!

しかし、僕たちに与えられた外出は、必要最低限の食材の買い物と公園の散歩くらい。
それも人とは極力接触せず、立ち話をすることも罪悪・・・

改めてウィルスというものの怖さを知った。

それまでの日常も、もちろん、コロナ前とは違い、事務所での作業スペースに透明のフィルムを貼ってなるべくスタッフ同士の接触がないように、
お客さんとの打ち合わせはなれないWebを利用してTV会議等、様々な対策はしているものの、
基本的にお施主さんが待っている以上、現場は動かしていますし、自転車通勤のスタッフ達は、事務所で作業をしています。

それが休みになって、決して広くはないマンションの一室にいろと言われると・・・

そして、そんな折に考えることはこれまで作ってきた家たちのことです。
お施主さんたちの中にもリモートワークになったという話をよく聞きます。
こんな中でも快適に過ごしてもらえるような家を僕たちは作ってきたのだろうか。

Web会議は、ちまたで言われているように、無駄話も少なくなり、要点重視の打ち合わせになります。
それまでのお互いの移動時間もなくなり、効率的です。
しかし、家をつくるうえでは、無駄話からその人の考えや習慣などが垣間見えることもしばしば。
サンプルの無垢材を一緒に触れ、打ち合わせの際中、事務所の庭で遊んでいる子供たちの姿を眺めていることがヒントになることもあります。
家づくりとはそうした行為の積み重ねによってつくりあげられていくものの様に思います。

政府の出した、新しい生活様式。
もちろん、頭ではわかります。
しかし極論になってしまうかもしれませんが、触れ合うコミュニケーションのないバーチャルやオンラインの世界では、きっと家や建築、もっと言うと町や都市なんて
重要な存在ではなくなるでしょう。
まるでオウム真理教のサティアンのような。

そんなことを考え、もやもやしている中で、
「最近はリモートワークをしています。こんなことになる前に家を建てられ、家にいることが苦痛でないことがせめてもの救いです。」
とか
「コロナの影響で時間ができたので、手の付けられなかった庭の柵をセルフビルドしました」

と写真つきで、久しぶりのお施主さんから思いがけない連絡をいただき、少しづつ心が晴れてきます。

コロナ後の生活や住宅、僕にはとてもすぐにはイメージできませんが、何か考えるきっかけにしたいと思います。

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