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田村和也雑想

2020/01/29

住宅の建築を考えておられるお施主さんと、はじめてお話をするときによく口にする言葉があります。
それは「愛着」という言葉。
一緒に住宅の間取りや細かな部分を考えたり、セルフビルドで漆喰を塗ったり、塗装をしたり、僕たちと一緒に家づくりをするとコストを抑えられるだけではなく、「愛着」のある家ができ、ずっと大事にしていただける家になりますよ。
というわけです。

しかし、一緒に頭を悩ませ、実際に現場で体を動かして、家が出来上がる頃、その「愛着」という言葉では言い表せない感情になります。
設計者であり現場で作業を手伝っている私達ですらそうなのだから、きっと、これからずっと使い続けるお施主さんはもっとそうではないかと思います。
だって、自分の子供に「愛着」なんて表現を使っている人を僕は知らないから。

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先週末、世田谷区宇奈根のお寺の塀をワークショップで作りました。
以前の日記にも書いたように、土を突き固めて作る版築という伝統的な工法を採用しています。

もう、一年以上も前になりますが、初めてこの場所を訪れて、住職から塀の建て替えについてのお話を聞きながら、何か、檀家さんや住民の人達も参加してできるような工法の塀ができないか、そんなことが最初に頭に浮かんできました。
いつも住宅でやっているようなセルフビルドの延長のようなことが、お寺の塀で、まちづくりでできないか。

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住職の口からは、道路から既存の塀までの使い道のない4Mの空白のような場所があること、交通量のある道路に面していながらお寺の存在を隠すように古い万年塀が建っている問題、檀家離れやお墓じまいなどと言われるように、これからはお寺も少しずつ変わらなければいけないというお話を聞きました。

それまでは、私自身もお寺や宗教と聞くと一歩引いてしまうような、自分とは関係のない世界、そんなイメージをもっていました。
有名なお寺には観光や参拝に行ったり、もちろん法事やお葬式ではお世話になっているのに。
そうした僕と同じような人たちにも、身近に寄り添えるような場所を、お寺(お墓)と道路(まち)との接点であるこの場所を設計だけではなく、みんなで実際に塀を作るという行為を通して、檀家さんや町の人達も一緒に誇れるような、そんな場所になるんじゃないか。
そんなことを考えました。

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当日は、現場に建てていた看板を見ていただいた町の人や、お寺さんの声かけで集まった檀家さん、これまでますいいで一緒に家づくりをしたお施主さんなど、総勢60人を超える人たちが集まっていただき、大変にぎやかな作業になりました。
土をドンドン、ドンドンたたく音はまるで太鼓の様に一日中鳴り響き(近所の方にはご迷惑をかけましたが)お祭りのような雰囲気です。

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昼食には、豚汁の炊き出しをつくり、

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子供達にも塀と同じ材料と工法で、小さな版築の一輪挿しをつくるワークショップを開きました。
それでも満足できない子たちは、大人と一緒に土を混ぜ、足場に上ってトントン、トントン塀を作っています。

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子供たちの記憶にも、小さなころ、この場所であんなことやったなと刻まれることを期待し、

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ずっと愛される場所になることを期待します。

最後に、僕たちの好き勝手な提案を快く受け入れていただいた常光寺さんと
無理難題ばかりに根気よく付き合ってくれた、外構屋さんの荒川さん、その仲間たちに感謝します。

当日の動画はこちらです。

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