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top > 田村和也雑想 > 2020.01.24

田村和也雑想

2020/01/24

映画「パラサイト 半地下の家族」を観ました。
もともと韓国映画が好きなことと、話題になっていることもあり、久しぶりに映画館へ。

IMG_0094 (6).png

内容はソウルの半地下にある、賃貸住宅に住む貧困層の家族が山の手にある高級住宅に住む富裕層家族の家にパラサイト(寄生)してゆくお話。
主人公の息子が友人からの紹介で家庭教師として富裕層の家に雇われたことをきっかけに、貧困層家族が運転手や家政婦などあらゆる手を使ってその家に入り込んでゆきます。
その手口に初めはハラハラ、ドキドキ、笑いありと楽しく見ていられるのですが、中盤からサスペンスあり、最後はホラーのようにもなり・・・
終わってみると一言、おもしろかったあーという感じなのですが、いろいろと考えさせられる部分も残ります。

中盤、富裕層家族がキャンプのために留守にしている豪邸に上がり込んで、贅沢三昧をする貧困家族が、突然の豪雨のため、いきなりの帰宅してきた富裕層家族に何とか見つからずに自宅まで逃げ帰るという圧巻の場面があります。
それまでは、半地下での貧困な生活の様子、山の手の高級住宅での生活がそれぞれ語られていたのですが、山の手から半地下へ逃げ帰る場面でそれぞれの土地的な配置が明らかになります。
豪雨の中、山の手から坂道や階段を途方もなく、ずんずん下って行った最終地点のような場所にある半地下の家には、山の手から流れ落ちてきた雨水があふれかえって洪水になっています。
もちろんそこはきれいな水ではなく、ごみやヘドロ、生活排水などが溜まり、掃きだめのような場所となっています。

高低差の多いソウルだけでなく、日本や他の都市も同じですが、そもそも山の手とははじめに人の住みだした場所だと思います。
地盤が強く、日当たりが良い、水害も少ないそうした土地を人は本能で選び棲みつくのだと思います。
しかし人口が増え、造成や埋め立てをして、従来、人の住んでいなかった場所にも棲家を作って都市はできてゆきます。
地価が高騰するとこんなところにも・・・と思うようなところにも人が住み始め、だんだんとひずみのようなものも生まれてきます。
ソウルの半地下の住宅はまさにその典型的な場所のように見えます。

富裕層にパラサイトして一見優雅に見えたこの家族が、覆すことのできない現実に一気に引き戻されるシーンを、こうした都市構造の「ひずみ」や「ゆがみ」みたいなものや、高いところから低いところへと社会のヘドロを飲み込みながら流れ落ちる洪水の表現を使って見事に映像化しています。

そして、貧困層家族も決して学がないわけではなく、富裕層家族ともに仲の良い家族として描かれていることに、もっと大きな社会のひずみのようなものが表現されているように思います。

まだまだ、書きたいことはありますが、ネタバレしそうですし、随分長い感想となってしまいましたので、この辺でやめておきます。

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