ますいいの運営するノンプロフィットレンタルアートギャラリーとギャラリー。各アート作品の展示・販売をするショップとなっております。

公式サイト>

ますいいでは、古くなった物件を壊すことなく次の世代に引き継ぐお手伝いをしております。

詳細情報>

ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

ますいいリビングカンパニー|埼玉県川口市

ますいいについて/about us
作品集/gallery会社概要/corporate現場進行中/project仕事の進め方/workflow
増井真也日記
田村和也雑想柳澤和孝雑想
お問い合わせ/contact

top > 田村和也雑想 > 2020年1月アーカイブ

田村和也雑想

2020年1月アーカイブ

2020/01/24

映画「パラサイト 半地下の家族」を観ました。
もともと韓国映画が好きなことと、話題になっていることもあり、久しぶりに映画館へ。

IMG_0094 (6).png

内容はソウルの半地下にある、賃貸住宅に住む貧困層の家族が山の手にある高級住宅に住む富裕層家族の家にパラサイト(寄生)してゆくお話。
主人公の息子が友人からの紹介で家庭教師として富裕層の家に雇われたことをきっかけに、貧困層家族が運転手や家政婦などあらゆる手を使ってその家に入り込んでゆきます。
その手口に初めはハラハラ、ドキドキ、笑いありと楽しく見ていられるのですが、中盤からサスペンスあり、最後はホラーのようにもなり・・・
終わってみると一言、おもしろかったあーという感じなのですが、いろいろと考えさせられる部分も残ります。

中盤、富裕層家族がキャンプのために留守にしている豪邸に上がり込んで、贅沢三昧をする貧困家族が、突然の豪雨のため、いきなりの帰宅してきた富裕層家族に何とか見つからずに自宅まで逃げ帰るという圧巻の場面があります。
それまでは、半地下での貧困な生活の様子、山の手の高級住宅での生活がそれぞれ語られていたのですが、山の手から半地下へ逃げ帰る場面でそれぞれの土地的な配置が明らかになります。
豪雨の中、山の手から坂道や階段を途方もなく、ずんずん下って行った最終地点のような場所にある半地下の家には、山の手から流れ落ちてきた雨水があふれかえって洪水になっています。
もちろんそこはきれいな水ではなく、ごみやヘドロ、生活排水などが溜まり、掃きだめのような場所となっています。

高低差の多いソウルだけでなく、日本や他の都市も同じですが、そもそも山の手とははじめに人の住みだした場所だと思います。
地盤が強く、日当たりが良い、水害も少ないそうした土地を人は本能で選び棲みつくのだと思います。
しかし人口が増え、造成や埋め立てをして、従来、人の住んでいなかった場所にも棲家を作って都市はできてゆきます。
地価が高騰するとこんなところにも・・・と思うようなところにも人が住み始め、だんだんとひずみのようなものも生まれてきます。
ソウルの半地下の住宅はまさにその典型的な場所のように見えます。

富裕層にパラサイトして一見優雅に見えたこの家族が、覆すことのできない現実に一気に引き戻されるシーンを、こうした都市構造の「ひずみ」や「ゆがみ」みたいなものや、高いところから低いところへと社会のヘドロを飲み込みながら流れ落ちる洪水の表現を使って見事に映像化しています。

そして、貧困層家族も決して学がないわけではなく、富裕層家族ともに仲の良い家族として描かれていることに、もっと大きな社会のひずみのようなものが表現されているように思います。

まだまだ、書きたいことはありますが、ネタバレしそうですし、随分長い感想となってしまいましたので、この辺でやめておきます。

2020/01/21

神奈川県金沢文庫の家を取材していただきました。

飯田邸撮影 (1).jpg

最近の雑誌を見ていると、建築専門誌でも、生活の風景、人や生活用品の入った住宅の写真がよく見られます。
「住宅を取り上げた雑誌なんだからそんなの当たり前でしょ」
と思われるかもしれませんが、ひと昔前の専門誌には住宅の内観に一切人は入っていません。
しかも、椅子やテーブルなどの家具は建築家が自分好みのものを持ち寄り、写真に映えない網戸などは外して・・・
そんな話を聞いたこともあります。
つまり全く生活感のない、空間としての建築、作品としての建築という写真が並んでいるのです。

昔からそうした写真を見ていると、住宅って人の住むためのものじゃないのかなと不思議に思ったことを思い出します。
住み手やその場所の生活風景がにじみ出て、持っているものや習慣などを受け止める場所が住宅なんじゃないかと。
かっこよいことを言うと生活に必需品の網戸が外したいくらい気に入らないのであれば、建築家ならそれも納得いくように設計するのが本当じゃないかと
生意気に思っていました。

飯田邸撮影 (2).jpg

まあ、普段の生活を撮影と言ってもそれも難しいですけどねー。
素人のお施主さんがカメラを向けられて、自然に・・・なんてなかなか難しいですし、
「もう少し柔らかい表情で」
などと、声をかけながら、時にはカメラアングルに邪魔な生活用品をどけたりしながら。
その辺はご愛敬で。

多くの人の見ていただくものに、普段のそのままの生活を切り取るのもまた難しいものだなと。
自分たちの設計した住宅の撮影風景を、第三者として見ているのは、それはそれで考えさせられる部分もあり、面白い経験です。

2020/01/17

東京都日野市程久保で工事中の住宅が上棟しました。
天気にも恵まれ、予定通り屋根まで組みあがりました。

t2400.JPG

細い上階の梁の上をスタスタと歩き、レッカーに上から指示を出している大工さんを見ていると、
職人さんってやっぱりかっこいいなーと思います。
事前に組まれる足場、重たい荷物を操作するレッカーの運転手、大工さん、鳶さん、材料を運んでくる材木屋さん
みんなの息が合って初めて危険な上棟作業がスムーズに進みます。

t1400.JPG

平日にも関わらず、現場に駆けつけてくれたお施主さんも、立ち上がったばかりの二階に上がり、
「もっと大きく、もっと大きく」
と、打ち合わせの度に大きくなっていった、北向きに設けた出窓からの景色を眺めて感動していただいた様子。

北側にかけて下がっていく傾斜地に建つこの住宅の二階の窓からは、予定通り、多摩動物公園の山や遠くの町まで見渡せます。
傾斜地に伴う土留めの擁壁工事に、多くの予算と時間がかかりましたが、こうした土地だからこその眺望です。

二階は25畳と大きく取ったリビングとパントリーだけ、シンプルではありますが、切妻の屋根形状をトレースした大きな空間はとても魅力的です。

2020/01/17

世田谷区常光寺版築ワークショップ開催いたします。
1月25日(土)10時から16時まで
ご興味ある方はご連絡お待ちしています。

IMG_0096.JPG

IMG_0097.JPG

2020/01/04

新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年、日記をずいぶんサボってしまい、反省。
年が変わって、気持ちを新たに、家づくりの様子や日常の様子をつづってゆけたらと考えています。

さて、昨年9月から年末にかけて世田谷区宇奈根にあるお寺の塀の工事を進めていました。

IMG_0070.JPG

当初、住職よりお願いされたのは、古い万年塀の建て替え計画。
今にも倒れてしまいそうな万年塀を新しくし、駐車場を整備するお仕事。
しかし、いろいろとお話を伺っていると、他の問題点も見えてきます。

IMG_0075.JPG
■工事前の写真

交通量や人通りの多い道路に面していながら、お寺にとっては裏側(墓地側)にあたるその場所は、古い万年塀がまるで本堂を閉ざすかのように建っていて、お寺があることに気づいてもらえない・・・
いつ通るかわからない計画道路のセットバック部分が4Mもあり、使い道もなく町に空白を作っている。

住職にいろいろと現在のお寺の問題点などを伺っているうちに、そもそもお寺って何をするところだろう?
塀を直すにあたって、またこの空白の土地を利用することによって何か町に働きかけるようなものができないか?
そんなことを考え、勝手に話を膨らませ、町の人も利用できる東屋や休憩スペース、塀にお寺の様子が覗き見れる窓を開けたり、と様々な提案をさせていただきました。
いきなりの提案に住職も戸惑ったこともあったとは思いますが、快く提案を受け入れていただき、工事が進んでいます。
計画の詳しい内容は別ページに上げさせていただくとして、その提案のひとつの集大成として、檀家さんや町の人、ますいいにゆかりのある人に声をかけて、今回の計画地の顔となる場所に高さ1.2M長さ8Mの土の壁をつくるワークショップを開きたいと考えています。

IMG_0077.JPG

この写真は試しに町田事務所に作った土の壁です。
版築という昔ながらの工法で、砂や粘土質の何種類かの土、石灰、にがりなどを混ぜて土をつくります。

IMG_0071.JPG

それを30センチづつくらい型枠の中に入れ、どんどん、どんどん、木の棒でついて固めていきます。

IMG_0072.JPG

IMG_0073.JPG

養生期間をとって型枠を外してみると、まるで地層のような趣のある壁が出来上がります。

今回の仕事を通して、お寺ってもっと町に対して開けているといいなと切に感じました。
私自身、これまで普段の生活の中でお寺を意識することはほとんどありませんでしたが、改めて見ていると、その広い敷地や豊かな緑は町の財産だと気づきます。
大きく有名なお寺だけでなく、こうした町のお寺が檀家さんだけでなく、町の人達も気軽に寄り添える場所になったら、その場所はもっと魅力的になるのではないか。

今回の計画や、実際にみんなでお寺の塀をつくるというワークショップを通して、この場所がそんな場所になるきっかけになるといいなと期待しています。
誰でも参加できますので、興味ある方はメールでお問合せください。


page top