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田村和也雑想

2018年9月アーカイブ

2018/09/26

最近スタッフのみんなと話す言葉の中に、いつも心にとめておかなければいけないと思えるものがあります。
それは
「僕たちの仕事が評価されるのはずっと先かもしれない」
ということ。
もちろん、評価とは褒めたたえられることだけではなく、その逆だって十分にあり得るということ。

横浜市戸塚区でリフォーム工事が進行中です。
一階はほぼ柱と梁のスケルトンに解体し、キッチンの位置を変更したり、個室とリビングダイニングの間取りを大きく変更する工事をしています。

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解体工時が始まって間もなく、現場に顔を出すと、職人さんが
「不法侵入者が入っているよ」
と一言。
何のことだろうと、指さす先を覗いてみると
土台と柱にシロアリに侵食された跡が...

築30年を超える今回の建物。
今までもその年代の建物のリフォームでは、ことあるごとに、解体後にシロアリ被害や雨漏りの発見がありました。
今回も解体を進めていくとその状況がはっきりしてきます。
被害は土台から柱にわたり、その上部の梁にまで達しています。

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しかし、不幸中の幸い、建物全体を見ま
わしてみても、被害にあっているのはその場所だけです。
どうしてここだけ?と大工さんと一緒に原因を突き止めていると、シロアリ被害にあっている梁の上部から雨漏りを発見しました。
シロアリは湿気の多いところ、水分と木の養分を好みます。
ちょうどその場所は、増築工事が行われていた場所で、二階の壁と増築した下屋の部分が取り合っています。

要はそこの作り方が悪かったのです。
まず、新築ではありえない工事方法、増築だから難しいかもしれないけれど、もうちょっと工夫があっても良かったんじゃないかと思えます。
基本的にこういった雨漏りに遭遇する場合は、経年変化というよりは、ほとんど作り方の問題が多いです。
しかも、水は壁の内側でとどまり、室内には表れてこないようなじわじわとした雨漏りが誰も知らいないところで躯体を侵食させていると考えると怖くなります。
今回は被害にあった柱、梁を取り換え、屋根を葺き替え、取り合いの悪かった収まりも変更しました。

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こういった事例を目撃する度に、とても他人ごととは思えません。
自分たちの作った建物でも、30年、40年と経ち、リフォームされた時などに、雨漏りひとつない良い建物だったと思ってもらえるか、そうでないかは、日ごろの収まりの検討と、丁寧な現場管理にかかってきます。

もしかしたら、雨漏りだけではない、何十年かに一度の地震が起きたとき、万が一火災が起こった時、そいった非常時の時にはじめて、僕たちの仕事は評価されるのかもしれない。
もちろんそうした、性能や耐力だででなく、日々の使いやすさ、意匠も含め、長く愛される建物をつくることも大切です。
いくら頑丈でも、愛されず、解体される建物もいっぱい見てきました。

竣工の時に喜ばれるのは当たり前(それも十分大変で、難しいことですが)、そんな気持ちで
もっと長いスパンで設計を、施工を考えられる集団にならなければならいない。
そんなことを改めて考えさせられる経験です。

2018/09/22

先日、東京都三鷹市中原でリフォーム工事を行ったお宅にお伺いしました。
既存の扉の足元が床にすってしまうということで、大工さんと一緒にメンテナンスに。
お引越し後は初めての訪問です。

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大工さんは一足先に到着し、僕たちがついたころには既に扉調整が終了し、リフォームの仕上がり感をまじまじと見ていました。
実は大工さん、大抵の現場がそうですが、完成を待たずして自分たちの仕事は終了します。
基本的な工事の順番としては、大工さんが作った下地の上に、漆喰を塗ったり、建具を取り付けたり、設備器具を設置したりします。

そうした諸々の仕上げ工事が終了し、お引き渡しをする頃には大体、次の現場の正念場を迎えており、結局完成を見れないことが大半です。
何か月も工事に携わっていたにも関わらず。

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そしてこういう機会に、成長した自分の息子を見るかのように、扉を空けては閉め、家具に触り、まじまじと仕上がり感をチェックしています。

「リビングに面する建具を交換し、天井までの高さの高いものに統一したので、なんだか天井の高さが以前より高くなった気がして開放感があるんです。」
と奥さんの一言。

今回の工事は、主に新規フローリングを増し貼り、一部の家具工事、キッチン、洗面の交換、クロス張替えです。
それに付け加えて、リビングの建具2枚を製作し、天井まである大きな扉としました。
建物の骨格には手を付けない内装と設備のリフォームですが、素材の統一感と建具のちょっとした工夫で、リビングの開放感が変わったと言ってもらえることは
設計者としては、とてもうれしいことです。

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そして今度は、ダイニングテーブルの制作を依頼していただきました。
最近は、家具制作もお手の物です。
おしゃれに住まわれているこのスペースに負けない、テーブルを作らねば。

2018/09/04

東京都渋谷区で大工工事が進んでします。

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都心の狭小地、木造三階建ての住宅です。
こういう場所で、木造の三階建てを建てるとなると、防火上の規制が厳しくなります。
外壁、天井、内壁等、万が一火事がおきてしまった時に、何分間燃え広がらず持ちこたえることのできる仕様にするか、
ひとつ、ひとつ決まっています。
一般的な考え方では、柱や梁、木の構造部分には、厚い石膏ボードを貼って、防火性能を上げていきます。
いつも二階建てでやっているような、柱や梁を表し(直接見せる)ような表現は、なかなか難しいんです。

しかし
計画当初、お施主さんの持ってくる、こんな家にしたいなーというイメージ写真は梁や柱が見えていて、
天井に木が貼られているような家ばかりです。

まーー、難しいだけでできなくはないんです・・・法的には。
お金は少しかかるだろうなあ。
一番の問題は、今まで僕も会社もやったことがありません・・・

「この家では、こんな挑戦をしました。」
それぞれの家にそれぞれ、そんな特徴のある家を設計したい。
せっかく注文住宅をやっているのだし、その方が絶対に楽しい。
しかしそれは、私の想像力の中からふつふつと湧き出るようなものではありません。
残念ながら。
それはいつも、お施主さんとの話し合いやご要望から生まれてくることがほとんどです。

要は木を見せても、燃えたときに人の逃げる、もしくは消防が助けに来てくれるだけ、持ちこらえればよいのです。
つまり、木のサイズを通常建物を支えるサイズよりも、燃えても大丈夫な分だけ大きくすればよい。
こう書くと、それだけなんだーと思いますが、そんな大きな木が見えていて果たして、かっこよいのだろうか?
となります。

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今回は、二階リビングの天井の梁をいつもの半分の間隔で並べ、なるべく一本一本の梁を違和感のないサイズに抑えています。
たくさん並んだ梁は、リズミカルで小気味良いですが、天井が近いとうっとうしく見えそうなので、リビングは梁上で3M近くの
開放的な天井高さにしました。
その代わり、高さ制限もあるので、一階と三階の個室の天井高さはぐっと押さえ、メリハリのある家に。

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建物北側に設けた階段室は、三層の吹き抜けを持った開放的な空間にして、そこから光を取り入れ、風の抜け道となる計画としています。
暑い夏がようやく落ち着き、大工工事もいよいよ終盤です。


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