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田村和也雑想

2018年4月アーカイブ

2018/04/25

年末から年度末にかけて続いた竣工ラッシュもようやく終わり、ほっと一息。
しかし、4月になると、
さあ、家づくりを真剣にスタートさせるかっ!
と考えられる方も多いのか、僕たちにとっても新しい出会いの多い季節です。
紹介したい完成物件や進行中の物件もあるのですが、たまには建築以外のお話も。

映画「港町」を見てきました。

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なんだか、新作が出るたびに映画館に足をはこんでしまう、想田和弘監督のドキュメンタリー映画です。
想田監督自ら、カメラを持って音声を拾い、基本一人で、とある人々の日常の風景を淡々と撮影した映画です。
そこにはテロップも音楽も一切流れません。
「観察映画」と監督は言い、あるがままを映像におさめることをモットーにしているといいます。
実際映画は、事前情報がなければ、ここがどこで、映っている人たちが誰かも全くわからない状態から始まりますが、終わってみるといつも消化しきれない何か重たいものが残ります。

「港町」は牛窓という岡山県の小さな漁村で撮影された映画です。
登場人物は腰が90度くらいに曲がった90歳近い現役漁師のおじいちゃんと、なんだかいつも港近くで暇をつぶしているおばあちゃんを中心に撮影されています。
漁師のおじいちゃんが置き場で網を直している日常風景から映画は始まり、漁の様子、そして市場でセリに落とされ、小さな魚屋さんで下処理をされ、ご近所の人たちが購入する。
そんな小さな小さな田舎ならではの流通形態が驚くほどゆっくりと、丁寧に撮影されています。
そこには、アマゾンでポチッと購入ボタンを押す私の日常とは違い、微笑ましいほどの人と人とのつながりや、やさしさが映し出されます。
その風景は、私にとって、まさに郷愁です。
というのも、私も牛窓のような島根県の小さな漁村で育ち、父親は魚の卸問屋をやっていました。
同じ中国地方ということもあり、そこで語られる方言もどことなく懐かしく、映画を見ながら、昔のいろいろな思い出が一緒になって思い出され、その様子は僕の子供のころの風景のよう。

話は途中からおばあちゃん中心に変わっていき、違った方向に展開してゆきます。
長くなってきたので、詳細は省きますが、そこには単なる郷愁だけではなく、田舎ならではの閉塞感や孤独感が圧倒的な他者の視点から映し出されています。

終盤
「今では、この家は空き家だよ。あれも。それも。」
とカメラに向かって語りかけるおばあちゃんの言葉に
父親が亡くなり、空き家になってしまっている私の生まれ育った家を思い出し、遠くなってしまったその場所と、いつの間にか重なり合っている、私の視点と想田監督のカメラの視点に気づかされ、今回も重たいボディーブローを受けたような映画体験となりました。

2018/04/09

昨年末にお引き渡しした、町田市大蔵町の家(リフォーム工事)の完成写真を撮影させていただきました。

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これまで竣工写真というと、完成し、お引越し前に何もない状態で、建築そのままの姿というか、大仰な言い方をすると、考えた空間そのままの写真を撮影させていただいていました。
お引越しの後に、つかつかと行って写真撮影させてくださいってのも、なんだか申し訳ない気もしたりして。

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しかし、最近なんだかそれも違うのかなーと思っています。
確かに何もない状態では、それなりにきれいなすっきりとした写真が撮れるのですが、見ていてものさみしい気がしてきます。
一体何のための家なのか。

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設計者はよく住宅を作品という言い方をします。
私たちもホームページで作品集としていますが・・・
もちろん、自分の作品を作るような気持ちで様々な条件に真剣に取り組み、誇れるものを作ろうと、職人さんやお施主さんまで含めみんなで頑張って出来上がったものです。

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作品とは一体だれのもので、何のためのものなのか。
もちろん家は、住むための人のものであり、その町、地域のもの、もっと多くの周りの人々のものであって欲しい。
僕たちがいくら愛情をこめて作っても、いずれ僕たちの手を離れ、独り立ちしていく家たち。
もちろんずっと見守っていきますが。

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何が言いたいか、よくわからなくなってきたので、この辺にして・・・
要するに、お引越し後のしばらく生活していただた後の、家具やおもちゃ、人の入った写真はいいよね、ということ。
そのための器を僕たちは、作っているのですから。

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お施主さんとこれからの生活についてずっと話し合いながら作ってきたものだから。

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