ますいいの運営するノンプロフィットレンタルアートギャラリーとギャラリー。各アート作品の展示・販売をするショップとなっております。

公式サイト>

ますいいでは、古くなった物件を壊すことなく次の世代に引き継ぐお手伝いをしております。

詳細情報>

ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

ますいいリビングカンパニー|埼玉県川口市

ますいいについて/about us
作品集/galleryコンセプト/concept現場進行中/project仕事の進め方/workflow
増井真也日記
田村和也雑想設計室雑感
お問い合わせ/contact

top > 田村和也雑想 > 2018.01.19

田村和也雑想

2018/01/19

「この家の玄関はどこなんですか?」

先日お引き渡しをした横浜市金沢文庫の家の工事中、職人さんや運送業者さんによく質問されました。
それも、立派な玄関ドアから室内に入っているにも関わらず。
職人さんに関してはさらに図面も持っているにも関わらず。

この家の一階は、一部、畳の小上がり(4畳半)をのぞいてすべてコンクリートの土間仕上げとなっています。
玄関ドアから室内に入ると、何の間仕切りもなく大きな階段やキッチンが目に飛び込んできます。

kk (4).jpg

確かに一般的に玄関と呼ばれるような、リビングや居室に入る前の靴脱ぎスペース、いわゆる外部と室内の干渉スペースはありません。

お施主さんは、設計当初からこれから自分たちの暮らす家について、明確なイメージをもっていました。
金沢文庫駅から続く長いのぼり坂の中腹に位置するこの土地は、南東の二面が崖上となっていて、美しい景色が広がります。

kk (5).jpg

その景色を最大限に取り込み、一階のLDKは室内にいながらキャンプを楽しんでいるような、半外部のような場所にしてほしい。
出会って最初の打ち合わせで、そんなイメージを伝えられました。

そして何度も打ち合わせを重ね、ようやくお施主さんも私たちも納得のいくプランができたとき、
「ところで、一階は土間ですが、靴脱ぎスペースはマットかなにか置く形で大丈夫ですか?」
と質問したところ
「えっっ!靴は脱ぎませんよ。強いて言えば、小上がりの畳スペースの前で脱いで、さっと靴を隠すことのできる場所があるといいかな。」
と言われました。

kk (1).jpg

このようなコンクリートの土間床の広がる家を設計したことは、今までに何度もありましたが、みなさん玄関スペースで靴を脱いで生活されています。
町田分室の事務所も土間床ですが、それでさえ私たちは靴を脱いで使っています。

その時、このお施主さんは本当にキャンプを楽むような生活を望んでいるんだと身に染みて気づかされました。
玄関で靴は脱ぐもの、という既成概念を持っていいたのは私の方で、通常は当たり前に行う行為の範囲を、場所を少し変えるだけで、確かにその場所はいつもと違ったものになるかもしれない。
そんなことを考えるきっかけともなりました。

階段は、幅が広く人が座っていても通行に邪魔にならないくらいにしたいな。
近くに本棚があるといいな。
二階の一番景色の良い南東はセカンドリビングとして使えたらなー。
寝室以外はすべて間仕切りなくつながった一室空間として、小さくても良いから寝室のみ個室とし、動線の一番奥、東側に立っている桜の木が視界いっぱい楽しめる大きな窓が欲しいなー。

などなど、お施主さんのイメージはつきることがありません。

kk (3).jpg

それなら、景色をきれいにとらえられるように、アルミサッシのフレームはなるべく消すようなデザインにしましょうか。
二階は屋根の形をそのまま表現し、寝室以外は開放的な空間にしましょう。
その分、温熱環境的には不利になるので、外断熱で断熱性能はあげましょう。
大きく庇をはねだすことで室内と外部空間を柔らかくつなぎ、夏の直射日光はカットしましょう。

などなど、意匠と性能のバランスを考えながら、お互いに話し合いながら設計と現場は進んでいきました。

kk (2).jpg


ますいいさんの家は、ほんと変わった家が多いよね。
職人さんや知人などに、よく言われます。

当たり前ですが、僕は奇抜な家を設計したいわけではありません。
なんなら、僕の設計は、モジュールにあったシンプルな計画が多いように思います。
無駄なことをするのは好きではありません。

しかし、お施主さんと話し、何を求められているのか真剣に考えていくと、出来上がるものは、確かに少し変わっている。
まあ、人の顔がそれぞれ違うように、家だっていろんな形があっていいんじゃないか、
その方が、楽しいし、きっと大切にしてもらえるものになるんじゃないかと。
ただそんな風に考えているだけなんですけどねー。

page top