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田村和也雑想

2016年10月アーカイブ

2016/10/24

竣工する家があれば、いよいよ工事がはじまる家もあります。
設計中の家も含めて、紹介したい家がたくさんたまっています。
なんだか宿題をためてしまっている気分ですが、順番に、ひとつつづ、ひとつづつ。

模型写真1.JPG

横浜市旭区で基礎工事進行中の住宅です。
この住宅の設計は、堤君が中心となって進めています。
私の設計したものも含めて、色々なプランを提案したのですが、お施主さんが選んだのは堤君の考えた設計でした。

いやー、とうとうこんな日がきたか、といった感じです。
町田分室をはじめてから、5年になります。
個性豊かな考えの設計者が集まり、現場管理まで含めて、お施主さんと一緒になって、ワイワイと楽しい家づくりをしてゆく。
そんな人たちの集まり、私一人が中心ではなく、中心がいっぱいあるような組織になるといいなと常々思っています。

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さてこの住宅の特徴は、ハナレがあることです。
模型写真でいうと右下にある切妻屋根のかわいいボリューム、4.5畳の小さな空間です。
ハナレといっても、二階からはデッキを通ってしか行けませんが、一階ではつながっています。
つまり、この家には通常の二階へ上る階段と、ハナレに上る二つの階段があります。

提案する前は、こんな無駄のある提案、お施主さんに受け入れてもらえるかな?
と不安を抱いていましたが、来客スペースにも書斎にも使えるこの場所の面白さに共感いただきました。
そして何より、切妻屋根が分棟しているこのボリュームが、かわいいと。

最初にこの住宅の案を見たときに、私は田舎の友達の家を思い出しました。
農家のその家では、ハナレになっている倉庫の二階が子供部屋になっていました。
当時の大人でも子供でもない年齢だった私たちにとって、そこは大人たちと適度な距離を持ったとても魅力的な場所でした。

客観的にみると一つの住宅に階段が二つもあることは無駄以外の何物でもないと思います。
費用だってかかります。
設計をしていると、こうした場所がお施主さんに無駄ととらえられるか、その建物の奥行きと捉えられるかは紙一重です。
しかし、コストや使い勝手のみを中心に考えた、一切無駄のない、そんな家魅力的かな?
だらーーとリラックスできる家になのかな?とも思います。

この場所を作ってよかったなと思われるように、ここからの細かな部分の設計は非常に大切になってきます。
いつも書いていますが、設計は現場が終わるまでずっと続きます。

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基礎ももうすぐ終わり、いよいよ上棟です。

2016/10/13

横浜市泉区、世田谷区喜多見の家に続き、江戸川区の家も無事引き渡しを終えました。
ちょうど同時期に工事をしていたこれらの住宅は、個人的にもいろいろなことがあった時期でもあり、とても印象深い家づくり三部作となりました。

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江戸川区の住宅は、私の大学時代からの友人の家です。
初めて相談を受けたのは、2年以上も前。
「家を建てようかと思っているんだけど、相談にのってくれないか、出来れば、ますいいに家づくりをにお願いしたい」
と。
はじめて話を聞いた時は、単純にびっくりしました。

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学校を卒業して、20代中盤から設計を仕事にしている僕にとって、お施主さんは年上の方で、家を建てることのできるような大人な人たちという印象。
まず、僕たちもいつの間にかそんな年(立場)になっていたか、と。

また、建築学科を卒業している僕たちの周りには、設計を仕事にしている友人、知人が多くいます。
なんで、僕なんだ?
確かに、学生時代から一番仲の良い友人のひとりではあるのですが、
それまでにはいつも、生意気にも
「知り合いの家を設計するのはなんだか抵抗がある」
という話をしていました。

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先日、増井さんも日記で書いていましたが、知人・友人の家を建てて、その後の関係がうまくいっていないという話はよく聞きます。
設計あるあるのような話です。
では、何が問題なのか。

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一般的に、ますいいに家づくりを頼みたいというお施主さんは、HPや雑誌で知ったり、これまで建てさせていただいたお施主さんからのご紹介だったりします。
それでも、何社かまわって、その中で私たちともお話をし、作品を見たうえで、この人達となら、と思って頼んでいただいていると思います。

知人・友人の場合、そこのところがずれる可能性があるのではないかと思うのです。
つまり、どういう気持ちや体制でどういう住宅を僕たち(ますいい)が作っているかはあまり知らないが、メディアに出ていたり、知り合いだし、きっといい家を作ってくれるだろう。
そんな不確かな確信で頼まれると、僕たちが行っているような家づくりではきっとうまくいかない。

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こんなことを言うと高飛車な奴と思われるかもしれませんが、無理に友達の仕事を受けなくても、頼んでいただける方は他にもいる。
何より、友人をなくすと大変だ・・・
分室の主催ではあるけれど、無理した売り上げより、友人との関係を壊すことのほうが大変だ。

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「俺、言っても会社員だし、特別なことはできないよ。もちろん値引きとかできないし・・・」
「つまり他のお施主さんと同じような家づくりだよ。」

「そんなことは分かっている。」
「でも、やってほしいんだ。」

そんな一言、二言だった気がする。
それでも、言わんとしていることは分かってもらえて、それでも頼んでくれるんだ!
とすごくうれしい気持ちになったことを覚えています。

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この住宅は施主である友人に、僕のわがままも多く聞いてもらいました。

階段は壁から突き出したような宙に浮かんでいる感じがいいな。
手間のかかる面倒な仕事にいつもながら、大工の山中さんには頭が上がりません。
それも作ってみないと、これで支えられるかどうかも不安な階段・・・
よくOKしてくれたなーという感じ。
結果的には思ったより全然大丈夫でしたが。

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アプローチは、以前からやりたかった洗い出し仕上げに。
小さな砂利を混ぜて押さえたモルタルの表面を水を流して洗ってゆきます。
そうすると砂利が顔を出し、なんだか懐かしい土間仕上げとなります。

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和紙を扱う作家である岡崎さん
http://www.kouitudo.com/
のもとに、みんなで紙を漉きに行って、岡崎さん指導のもとセルフの和紙貼り

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外壁の板金工事も鉄骨のバルコニーまわりなど、細かいところまで本当に丁寧にやってもらっています。
至るところに貼ったタイルはすべて、施主である友人のセルフビルドです。

こうして普段から付き合いのある職人さんは皆、家づくりの先輩たちですが、皆友達のような存在です。
施主である友人も含め、そうした人たちと一緒に家を作ることは本当に楽しいですし、幸せな仕事だなと思います。

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引き渡し時に、表札をつけた際、奥さんが、
「建てる前に、砧の家を見学をさせてもらったとき、お施主さんがいろんなところのエピソードを嬉しそうに話してくれたんだよね。
 その時は、ちょっとびっくりしたけど、今ならその気持ちすごくよくわかるわー。」
としみじみ。

そりゃーもう、僕はガッツボーズですよ。心の中で。
注文住宅において、100%なんてありえないと僕はいつも思っています。
人が作るものですし、ましてや素人も一緒にセルフビルドしているわけで。
よくできた所も、うまくいかなかった所もすべて含めて好きになる。人に話したくなる。
それってもう愛着ですらないのではないか。
愛情ですよね。

2016/10/03

東京都世田谷区喜多見の家が竣工をむかえました。

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毎回のことですが、竣工をむかえ、完成写真を眺めていると設計当時のことや工事中の出来事を懐かしく思い出します。
喜多見の家のお施主さんは、当初、他の設計事務所さんでお話を進めていました。
初めて、ますいいに来られた時には、既に図面も、本見積もりも出来上がっているというお話でした。
そして設計図は気に入っておられると。
では、何が問題だったのか?

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それは、お施主さんの話を聞いているとひとえに、細かい部分の説明、コミュニケーション不足だとわかります。
一言コミュニケーションと言っても、お施主さんとのコミュニケーションだけではなく、設計者、営業をする人、積算をする人、工事を監督する人と通常分野分けしている社内体制の中でのコミュニケーションも含まれます。
設計者には伝わっていても積算する人には伝わってない、営業の人には言ったのに・・・
ひとつひとつは小さなことでも、それが積み重なると、大きな問題につながってきます。

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ますいいでは、そうした社内体制をシンプルにするために、設計・施工を行う工務店として、設計・積算・現場管理とすべて担当の人間が行っています。
実際に建物をつくる職人さんとも常に一対一、直接のやり取りをしています。
とはいえ、こうした問題はもちろん他人事ではありません。
住宅という建築物の中では小さなものでさえ、本当に多くのことを決め、多くのことを話し合いながら作り上げていきます。
設計期間半年、工事期間半年という決して短くない時間の中で、重要なことからくだらない世間話まで、本当にたくさんのことを話します。
その一つ一つの積み重ねが、信頼となってお互いに満足のいく家が出来上がるのだと思います。

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喜多見の家のお施主さんは、満足のいく家ができたのだろうか。
僕たちに頼んでよかったと思っていただける家づくりができたのだろうか。
どの物件でも竣工の際は、そんなことを考えてしまいます。

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今回も内装漆喰や塗装など、多くのセルフビルド工事を行いました。
終盤は忙しい会社の合間を縫ってご主人が壁を塗りに現場に来られます。
週末は、お子さんも含め家族全員で現場に来れれます。
本当に終わるのかなと途中、僕でさえ心配になった大量のセルフビルドを現場を担当した関野さんと一緒になって、とうとう仕上げました。

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おかげで、内装の壁、天井はすべて漆喰、床は無垢の杉フローリングなどすべてが自然素材の気持ちの良い家が出来上がりました。
リビングの壁や子供室の壁はアクセントに色をつけ、室内に奥行きが感じられます。

手のついていない外構工事などまだまだやることはありますが、ひとまずここでお引越しです。
これからも長い付き合いをさせていただけそうでが、まずは新しい家を楽しんで欲しいなと思います。

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