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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

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田村和也雑想

2015年7月アーカイブ

2015/07/30

ますいいの左官をお願いしている達己工業の塙さんと食事をしました。
外壁はサイディング、内装はクロスが主流の昨今、昔と比べると家作りの中での左官工事はどんどん少なくなっています。
しかし、ますいいでよく採用するモルタルやジョリパットなどの塗りものの外壁や、内装の漆喰仕上げなどは性能ももちろんですが、人の手で仕上げるぬくもりを感じます。
そしてコテを使ってモルタルや漆喰をスイスイと塗っていく様はとてもかっこよく、素敵な仕事だなと思います。
そんな中、塙さんは
「こんな仕上げの塗り方考えたけどどう?」
とサンプルをつくって来たり、
粉の漆喰を混ぜてつくる材料でコストを下げる方法や
他に付き合いのある設計事務所でこんなおもしろい仕上げやったよ、などなど様々な提案をしてくれます。
そんな感覚が好きで、川口の職人さんですが、町田分室の仕事もはるばる来てもらっています。

しかし、まあ、現場をやっていると職人さんに無理を言って協力してもらったり、迷惑をかけることも多々あるわけです。
塙さんは職人でもありますが、社長でもあるので、今後よりうまく進めていくために食事をしながら話でもとなったわけですが、結局すべてご馳走になってしまい、逆に申し訳なかったような。
でもためになる話はいっぱい聞けました。
出来れば今度は他のスタッフも一緒に聞かせてあげたいなーと思える充実した夜になりました。

2015/07/25

友人の自宅を設計しています。

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大学の建築学科の同期で夜遅くまで、時には朝まで徹夜して一緒に過ごした、同じ釜の飯を食った仲間の一人です。
時間のあったあのころは、突然車にのりこみ、何時間もかけて建物探訪によく出かけていました。
卒業後、僕はますいいに、彼は企業に就職し、カーテンウォールの設計をしています。
カーテンウォールとは、一面ガラス貼りのビルの表皮(外壁のガラスとそれを支える鉄やステンレス等フレーム部分)のことです。
私たちの普段行っている住宅規模の設計では、こうした窓部分等、細部にいたるまですべて自分達で設計を行います。
しかし、当たり前ですが規模が大きな建物となると一人の設計者ですべてを、というわけにはいきません。
今話題の国立競技場の白紙になったザハ案にしても、ザハだけではなく、それを支える多くの設計者や技術者、スタッフがかかわっていると思います。
こうした、大きな設計のコンセプトや意図を読み取り、細部にこだわりをもって設計する、そうした人たちがひとつのチームになることで、次世代に引き継がれるような、その場所のシンボルになるような建物が出来上がるのだと思います。

私がますいいに入ったきっかけはひとつのオープンハウス(内覧会)です。
インターネットで見つけ、面白そうな会社だなと思い、たまたま行われていたオープンハウスに課題で設計した作品集をもって押しかけました。
スタッフ募集をしていたわけではありませんが、こういう会社は気に入ってもらえれば入れてくれるかもしれない、そんな思いで当時大阪から出かけて行ったのを覚えています。
持参した作品集をまとめているとき、作品数が少しさみしい気がして隣にいた友人からひとつ住宅の設計作品を拝借しました。
そう、今回住宅を設計している友人からです。
当日、作品集をみた本社の増井から
「この住宅いいねー。すぐにでも建てられそうだねー。」
とえらく気に入られ、そわそわしたことを思いだします。

まー、もう時効ですよね、増井さん。

その頃から考えると、僕が彼の自宅を設計することになるとは夢にも思いません。
あの時の恩返しをしなければ・・・
今回もいつもながら、大量のセルフビルドになると思います。
また、一緒に建築を通して作業できることが学生時代に戻るようで楽しみですし、東京にいる他の友達にも声をかけて、ワイワイ楽しくできたらいいなと思います。

 

2015/07/22

私は素材感のある材料が好きです。
例えば、杉の床板のやわらかさとか、コンクリートの硬くごつごつとした荒々しい感じ、漆喰のつやっぽさなど。
そしてそうしたものに触れたとき、不意に古い記憶がよみがえることがあります。
先日、東京都調布の家の一階外壁に、しっかりと削られていない、あえて荒々しい杉の板張りをしました。

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その材料を見たとき、なんだか魚を入れる木箱のような素材だなと。
私の実家は、島根の漁師町で鮮魚の卸問屋をやっていました。
家の横に作業場があり、地元の漁港で仕入れてきた様々な魚貝類をそこでより分けます。
高級なものは氷を敷いた発砲スチロールに並べられ、かまぼこの材料になるような魚はその木箱に入れられ、上からざばっと氷がかけられます。
そしていつもその作業場には木箱が並べて詰まれていました。
杉の荒い材料に触れるといつもその光景と、なんともいえないその場のにおい(決していいにおいではありませんが)まで思い出して懐かしい気持ちになります。
それはきれいな発砲スチロールの箱ではなく、少し汚い木箱に無意識ながらも何らかの魅力を感じていたのかもしれません。

最近、素材のそうした魅力に改めて興味をもっています。
おそらくそれは見た目だけではなく、肌触りやにおいなど五感に訴えかけてくる本物の素材だからこそ、古い記憶や懐かしさが喚起されるのだと思います。
当たり前ですが、そうした記憶やいろんなものの断片の集積や些細な過去とのつながりで、今の私の趣向や性格が形成されているように思えます。
そして私の設計した家で育つ子供達にとって、無意識の中にも記憶の断片として残るような素材や場所のある住宅をつくってゆけたらいいなと思います。

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写真は昨年夏、地元漁師の友人とイカ釣りに出たときの写真です。
ちなみに足元のイカの入っているものが木箱です。

2015/07/17

「屋根散水」はじめました。

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とうとう、本格的な夏がやってきます。
町田分室は、内部が吹き抜け、壁、床断熱材なし。
本当に暑い。
でもエアコンはあまり好きではありません。
機械的に冷やされた部屋で作業しているよりは、軽く汗ばんでいるくらいが健康的な気がします。

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そこで屋根に水をまいてみよう、ということになり
ホームセンターで小さな穴のたくさん空いた、水撒きホースと適当な金具を買って

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屋根に取り付け。
思った以上に簡単、ローコスト。

建物には雨樋がないため、屋根から流れ落ちた水は雨水受けのために地面に敷いた砂利へ。
散水して屋根の表面温度を下げ、落ちてきた水は砂利を濡らし、その気化熱で涼しい風が入って来るはず、と考えています。

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屋根から落ちる水は、「水のカーテン」のよう。
ポタポタと落ちる水の音を聞いているだけでも、涼しげな気分になりますが。
 さてどれほどの効果があるか。。。
一体水道料金はいかほどか?
本当は井戸水で出来れば最高なのですが。 

2015/07/14

仕上がりに職人さんも満足できる仕事。
そんな設計が出来たときは、非常にうれしい。

横浜市東戸塚のマンションリフォームで、連続する水平窓辺にベンチを製作しました。
なかなかイメージする設計ができず、製作前、何度も設計変更、使用素材の変更を繰り返してしまいました。
そして手間のかかる素材、仕様でつくることになったそのベンチが、先日現場へ行くと完成していました。

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「おーー、いい感じにできてますねー。」
とはしゃいでいる僕に、普段は寡黙な大工さんが
「これはきちんと写真に残したほうがいいよ。」
ぼそりと一言。

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大工さんも納得のいく仕事をしてもらえたのですね。

 

2015/07/13

じとじととした梅雨から一転、一気に暑くなってきました。
毎年、この時期になるとビアガーデンに行きたくて、うずうずしてきます。
仮設的な、非日常的な空間。
気の置けない仲間達と、少し明るいうちから、外で冷たいビールを。
最高ですね。
ということで、日比谷公園にあるビアテラスに行ってきました。

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私の田舎でも、車で15分ほど走った町のなんてことないビジネスホテルの屋上で、夏になると、ビヤガーデンが開催されていました。
行ったことはないのですが、子供心にちょうちんのぶら下がったあの魅惑的な場所で、大人たちはどんな楽しいことをしているのだろう。
といつも、まだ見ぬその空間に思いをはせ、前を通るたびに見上げていました。
なぜだかいまだに、この季節になると、あの情景とわくわく感を思い出します。

2015/07/11

なにも内装の壁って白くなくてもいいんじゃないか。
最近、そんなことを考えています。
白い壁はすっきりしていて明るいですし、一部木の仕上げなどを使うと北欧風の柔らかな感じに仕上がります。
いいんです。
でも、私の中で内装壁=白い壁ってなっていること自体、思考停止じゃないかと。
これは、危ないんじゃないかと。

そもそも、日本の民家は白い壁なんてほとんどないですよね。
土壁は色がついてますし。
考えてみればうちの実家の土壁もすべて色がついています。
実はクロスが出てきたくらいから白い壁になっていったんじゃないか、などと勝手に考え出して・・・

そんな思いで先日ご紹介したポーターズペイントを検討していたのですが、高級なんです。
壁一面のアクセントくらいのには使えますが、ローコストでうたっているうちの住宅ではすべての壁にと言う訳にはなかなかいかない。

そもそも、セルフビルドで塗るんだし、自分で作れないだろうか?
漆喰と顔料を混ぜて、実験してみました。

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ネットで調べてみると、漆喰やモルタルに混ぜる様々な色の顔料があります。
それぞれの顔料を混ぜ合わせることで、なかなか難しいですが、色の調合も可能です。

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塗り方も、漆喰は通常はコテと呼ばれる左官屋さんが使う道具で塗りますが、刷毛で塗って刷毛目をデザインしたり、鍋つかみや布でポンポン
たたいてみたり。
色々な表情が。

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これも混ぜてみましょうーよ?
とコーヒーやお茶を持ち寄るスタッフ達。
写真手前のブレンディーはまるで土壁のような表情に。
インスタントコーヒーを混ぜると、茶色い細骨材のように。

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匂っている人。
香る壁。いいかもしれない。

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やりすぎた感のものもありますが、
並べてみると、現代アートのようですねー。
なんてご満悦。

試してみますか、セルフ漆喰塗料?


2015/07/08

海街diaryを観て来ました。
TVやCMで、公開前後によく宣伝していたので皆さんご存知かと。

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とても面白い映画でした。
うーん。面白かったというより心地良かったといったほうが的確かもしれません。

鎌倉と古民家、そこで暮らす4姉妹のお話です。
あらすじは飛ばしますが、3姉妹が腹違いの妹を引き取って4人で暮らすことになるという始めの設定がすべてで、あとはその日常が淡々と描かれています。
これといった映画的な事件は起こりません。
むしろ、そこをあえてさらっと流している感さえあります。
おそらく一年を通して撮影された、四季折々の鎌倉のうつくしい風景と、説明セリフではなく俳優の表情や立ち振る舞いで物語が進められていく様子に、物語の中にどんどん引き込まれていきます。
ずーとこの家族を観ていたい、ずっとこの空間にいたい、そんな気持ちにさせてくれる映画でした。

以前、俳優さんの住宅を建てさせていただいたことがあります。
そのお施主さんいわく、映画づくりと家づくりはそっくりだと。
脚本家や監督は、設計者や現場監督という立場で、その廻りにはカメラマンや音声さんなど様々なスタッフがいるそうです。もちろんスポンサーや役者さんもいます。
建築でいうとそれは職人さんやお施主さんですね。
そこにはきびしい予算があり、みんなが一丸となってひとつの作品を作り上げてゆくそうです。

海街diaryは細かなディテールがすごく良く出来ている作品だとおもいます。
建物でいうと、細部の納まりでしょうか。
奇抜なことを狙うのではなく、日々の生活や住む人、その町のことを考え、丁寧に設計・施工された家でしょうか。
一見、面白みがなく平凡な作品になりそうですが、それぞれの職人が細かいところまでとことんこだわり抜いた上でのチームワークと、それをまとめる是枝監督が「家族とか、血縁関係、一緒に住むこと、成長」といったひとつのテーマを一貫して表現していることが、この作品を奥行きのあるものにしているのだとおもいます。

鎌倉の景色同様、家族はうつりゆくものです。
浜辺での姉妹の会話のあと、仲良く歩いていくラストシーンに、今の暮らしがずっと続くものではない(当然のことですが)ことが暗示されているように思え、この映画で切り取られた一年がより一層、いとおしいものに感じられます。

2015/07/05

東京都狛江市の家の地鎮祭を行いました。

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生憎の空模様で、予報では天気がもってくれそうでしたが、始まる直前からぽつりぽつりと雨が降り出してしまいました。
地鎮祭で雨が降ると「雨降って地固まるといいますし」と言い、天気がよければ「今日は晴天でよかったですね」と挨拶を交わします。
そう、どちらでもいいんです。
これから始まる工事に向けて、安全に良い家が建ちますようにと気持ちのこもった挨拶が神様に出来さえすれば。

しかし、神主さんがなんだかそわそわしています。
お施主さんの用意したお供え物をなんとなくぞんざいに扱い、お祈りする口調も早口です。
そしてひとつひとつの所作がなんとも雑なのです。
あれっ、生憎の空模様だし、早く終わらせようとしていないかな?
挙句の果てには玉串奉奠(玉串をお備えし、柏手をうってお祈りする)をひとりひとりではなく、お施主さんとわれわれ横に並んで一気にやらされる始末です。
これまで何度となく地鎮祭は経験して来ましたが、こんなことは正直はじめてです。

現在、川口のますいいRDRギャラリーで展示している茶室の考案者である藤森照信さんが以前行われていた地鎮祭の映像をなんとなく思い出しました。
藤森さんは日本で指折りの建築史家であり建築家です。
そんな方がどんな地鎮祭をするのかなと思ってみていると、お施主さん、設計者、施工関係者が集まり、円陣を組んで、地面に向かって
「おーーーーーーーー」
と叫ぶのです。
そこには神主さんの姿はありません。
「おーーーーーーーー」
というのは、神主さんが神様を土地にお招きする際の掛け声です。
「ねえ、なんだか繋がった感じがするでしょ。がっはっは。」
と藤森さん。
まさに藤森流セルフ地鎮祭。度肝を抜かれた感じです。

狛江の家は、まずはご夫婦二人で住むコンパクトな家です。

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お施主さんが始めに描いてこられた手書きのスケッチをもとにして、細やかな部分やおさまり、素材選びを丁寧に設計して来ました。
こちらから提案する素材だけではなく、お施主さん自らショールームをいろいろとまわられ、床材やタイル、設備機器、建具に至るまで、ほぼ使用するすべての仕上げ材の現物を見て
その雰囲気や素材感を確認し、それぞれの場所のそれぞれの素材にこだわりました。
中でも一階のリビングダイニングの床はアメリカンブラックチェリーのヘリンボーンという細かなフローリングを魚の骨のような形状に張っていく仕様を採用しています。

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当然、通常のフローリングよりも手間がかかりますし、アメリカンブラックチェリーは高価な材料です。
最初の見積もり提出の際は、全体の予算もオーバーしてしまい、その調整に約二ヶ月間費やしましたが、この部分には一度も減額の手をつけませんでした。
その分、セルフ工事は壁・天井すべての漆喰塗り、キッチンや玄関のタイル貼り、各所塗装等々、膨大な量になってしまいました。
こだわりの部分を大切にする気持ちは共感できますし、自ら選び抜いた材料を出来るところは自分の手で施工することは楽しいと思います。
もちろんお施主さんにとっては初めてのことですので不安もあると思いますが、やると決めたからには僕達も可能な限りバックアップするつもりで意気込んでいます。
何より、私もヘリンボーン施工は初めてで、お施主さん同様その姿を見ることを楽しみにしています。

地鎮祭はこうして半年間丁寧に設計してきた内容が、いよいよ現実のものとなるべく踏み出す最初の一歩です。

神主さん。
あなたにとっては、数ある地鎮祭の何気ない一日かも知れませんが、私たち、ことお施主さんにとっては一生に一度の、そしてこんな思いのこもった大事な日なんです。

その高価な祈祷料でキッチンのタイル貼れちゃいます。
その気持ちを汲んでください、とまでは言いませんが、自分の仕事はきっちりしてください。
 今度からは藤森流、いや「ますいい流セルフ地鎮祭」真剣に考えようかなー。
ともあれ、地鎮祭終了後、まるでドリフでも見たかのように、その様子をおもしろおかしく笑っているお施主さんご夫婦の心の豊かさには救われますし、
きっと良い家が出来上がるだろうなーと思います。

2015/07/03

横浜市東戸塚のマンションリフォームでは、いよいよ大工工事も大詰めをむかえています。
スケルトンリフォームのうえに、床面積も大きな部屋ですので、大工工事も随分時間がかかりました。
今回リフォーム工事をしているマンションは、28階建の21階部分にある一室です。
このくらいの高層マンションになると室内に出てくるコンクリートの柱や梁のサイズも大きく、今回の部屋はLDKの真ん中に85CM角の柱がどーんと存在しています。

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通常の住宅ではもちろんですが、小規模なマンションではここまでの大きさの柱、梁は出てきません。
設計当初からこの柱や梁、またはコンクリートの天井をむき出しにして、建物自体の持つ通常の住宅では体感できないスケール感(構造体の大きさ)を感じれる空間に出来ないか考えていました。
私のすんでいる団地もそうですが、通常はこうした柱はなるべく壁の一部として隠され、梁と一緒にクロスで仕上げられています。
そうすると柱や梁は、ただの壁や天井の出っ張りとしか認識されません。
今回のように解体しコンクリートの塊として現れてくると、それが逆に倉庫のような開放感、いやそれ以上の空間の魅力を生むのではないかと考えています。

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しかしもともとはその柱や梁に天井が貼ってあったり、壁が出来ていたり、クロスが貼ってあったりするので、そもそもボコボコですし、接着剤がついていたり、施工を指示した際の文字が書いてあったりします。
これはこれで、竣工時の工事跡として残しても魅力的な感じはするのですが・・・
あら隠しの塗装するのも何かもったいない感じもするし。
でもこのままだと、床や他の部分がきれいに仕上がってくると浮いてしまうかな?
などと考えながら、現場でぼーっとその柱や梁を眺めていました。

以前、設計施工した木造住宅、鎌倉のリフォームや生田のリフォームでは解体時に現れた古い柱や二階の床を支えるざら板をそのまま化粧で見せています。

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こちらも、当時の印字や釘のあと、柱を彫った跡などボコボコですが、それもこの住宅の歴史と思い、そのまま使っています。
この二件は、新しくつくった部分とそうした古い部分が違和感なく存在する、リフォームならではの奥行きのある住宅になりました。

今回のマンションリフォームのコンクリートの柱、梁・・・
さて、どうしたものか。

2015/07/01

日曜日、ますいいで家を建てようか検討いただいているMさんと一緒に横浜市港北区大倉山に建てた住宅を訪問させていただきました。
一件目は、大倉山の家で二階リビングの吹き抜けとロフトの感じが今回提案させていただいている案のイメージに近く、
二件目のダンススタジオのある住宅は、用途は違いますが一階に店舗併用という共通点があり、ご紹介させていただきました。

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下の写真は以前撮影したダンススタジオのある住宅のリビング(竣工後の様子)

日曜日だというのに、両ご家族とも快くご案内いただき、セルフビルドの際の様子や家作りのこだわりの部分などを直接ご説明いただいた。
出来上がった建物を見ることも十分参考になりますが、ますいいで一緒に家づくりをしたお施主さんから生の声を聞けることが、こんなにも私たちの家作りの本質が客観的に聞ける機会であることを、私自身改めて気づかされた一日でもありました。
それは設計や予算のやり取り、セルフビルドの面白さや大変さ、職人さんの現場での様子やお施主さんとのかかわりなど、面白おかしく、ひとつの物語のよう。
また、こちらが恥ずかしくなるほど、ますいいに頼んでよかったことや褒めていただくこともたくさんで、Mさんからもまるで、さくら(笑)かと思うくらいのプレゼンでしたね、と。

実際に私たちは設計や施工管理をしているときは、目の前のことに無我夢中で、いつも気がつくと「あれよあれよ」という間に竣工を迎えてしまいます。
引渡しの際にはいつも、もっと出来たことがあったんじゃないかな?
とか
あそこはもっとこうしたほうが実は良かったかも・・・
などと考えてしまい、達成感のようなものは80%くらいな感じです。
それはどの物件も同じで、その時もてる力を100%、いや120%出してもいつも同じ思いです。
本気でものづくりをしている人は皆そんなものじゃないかなとか、その思いがモチベーションの持続に繋がるのかな、などと勝手に思っていますが、
今回のような竣工後のお施主さんのお話や大切に使っていただいている様子を見ると、足りなかった達成感や満足度は200%くらいになります。
もちろん目指しますが、完璧な人間がいないように、人がやる以上完璧な仕事なんてないと思いますし、足りない達成感はこうしたコミュニケーションで埋められていくのかもしれません。

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