ますいいの運営するノンプロフィットレンタルアートギャラリーとギャラリー。各アート作品の展示・販売をするショップとなっております。

公式サイト>

ますいいでは、古くなった物件を壊すことなく次の世代に引き継ぐお手伝いをしております。

詳細情報>

ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

ますいいリビングカンパニー|埼玉県川口市

ますいいについて/about us
作品集/galleryコンセプト/concept現場進行中/project仕事の進め方/workflow
増井真也日記
田村和也雑想設計室雑感
お問い合わせ/contact

top > 田村和也雑想 > 2015年4月アーカイブ

田村和也雑想

2015年4月アーカイブ

2015/04/30

東京都日野市で進めていた現場が引渡しをむかえました。
ますいいでは通常、設計・施工を基本としていますが、今回の物件は設計者が本社増井の大学の先輩ということもあり、施工を担当させていただきました。

設計はメタボルテックスアーキテクツ事務所です。
http://www.metavortex.com/metavortex/index.htm

IMG_0550.JPG IMG_0548.JPG

IMG_0549.JPG

家族お二人で住む住宅ですが、玄関、洗面・浴室、居間・ゲストルーム、キッチン、寝室、それぞれの部屋を半階づつずらし、スキップさせることで各居場所に絶妙な距離感を作り出しています。
設計者の渡邊さんいわく、平屋を螺旋状にひねって持ち上げたイメージのようです。
お住まいになる、お母さんと娘さんのプライバシーを保てるように配慮しつつ、家のどこにいてもなんとなくお互いの気配を感じられるようなつくりになっています。
また敷地が、旗竿状のため、東西、南面は隣の住宅に囲まれてしまいます。
通常の二階建てにすると1階にはほとんど日の当たらない空間になってしまいそうですが、スキップフロアーと吹き抜けを上手に組み合わせて、迫って住宅の建つ南側からも採光が望め、風もうまく通り抜けてくれると思います。

私も普段は設計を行っていますが、他の人の設計した住宅に施工という立場でとことんお付き合いさせていただくと、勉強になることがたくさんありました。

2015/04/20

東京都調布市小島町で進行していた住宅のお話です。
お施主さんは、建築を学び、設計事務所でも働いた経験もある方です。
設計当初より、とても私にはかけない、味のある手書きのプランやパースを描いて持ってきていただき、一緒に設計を進めてきました。
「僕の家は実験住宅と考えてください。」
いつもお施主さんはおっしゃいます。
人の住宅で実験させていただけるなんて...設計者としてはなんて幸せなことでしょう。

お施主さんのご提案もあり、一緒にいくつかの新しい試みを行いました。
一階の床下にエアコンを入れて、床下を暖め、そこからパイプスペースを通して家全体を暖めようとするエアコンを使った床暖房計画や外壁の杉板貼り、単管足場の材料で造った物干台など。
まさしくローコストを追求しつつ、機能性や意匠性を向上させようと試みました。

IMG_0545.JPG

床下エアコンについては、後日時間をかけてご紹介するとして、今日は、外壁の杉板貼りについてご紹介します。
都内などに多く指定されている準防火地域においては、これまで防火上、なかなか外壁に木材は貼れませんでした。
貼れるものといえば、リン酸処理等された不燃木材など、すごく高価な外壁となってしまいます。
今回試みた計画は、ダイライトという外壁耐力材の12mm厚のもと、木製材の9mm以上のものを組み合わせて防火認定をとっている工法です。
この工法を使うと、ダイライトで外壁の耐力壁と防火の下地を兼ね、仕上げに使う木材は厚み9mm以上であれば、そのほかに規制はありません。

そこで今回の外壁仕上げ材は、厚み12mm幅180mmの屋根下地材を下見板貼りに貼っていきました。
通常、木の外壁材は、表面を削ってきれいに仕上げられています。
今回の材料は、昔の瓦屋根等の下地材なので、表面はラフなままです。
そのため、削る等の手間がかかっていないため、リーズナブルな価格で手にはいり、ラフな仕上がりが逆に外壁に表情をつくってくれます。
なるべく、痛みにくい赤みのあるものを選び、メンテナンスの可能な1階に杉板貼りを行いました。

IMG_0541.JPG
IMG_0542.JPG

施工もお施主さん自ら、セルフビルドです。
「何年、もちますかね?」
と私がたずねると
「まあ、痛んだらまた貼りかえますよ。最初も自分で貼ってますから(笑)」
「それより、人の手に触れる場所や近所の人が通りすがりに見る場所、こういうところに柔らかく、見ていて気持ちのよい素材を使うことで、良い町並みが形成されると思うんです。」
まさに、あっぱれな回答で、何も言うことが出来ませんでした。

IMG_4659.JPG

この杉板は防腐材等の塗装もしていません。
だんだんと黒ずんでいく杉板が、時間の流れを映し出し、より味のある景観をつくってくれると思います。

2015/04/19

週末、友人の結婚式で長野県の諏訪に行ってきました。
諏訪を訪れるのは、大学生時代に茅野にある藤森照信さんの設計した神長官守矢史料館・高過庵や諏訪大社をめぐって以来、十年以上ぶりです。

IMG_0533.JPG

IMG_0517.JPG
神長官守矢史料館周辺と高過庵

今回は、少し足を延ばし安曇野にある、内藤廣さん設計のちひろ美術館に行ってきました。
松本から各駅電車にゆられ40分、信濃松川駅で下りて、徒歩30分です。
私は、建築を見にゆく場合、たいていは最寄駅から歩きます。
地方へ行くと1時間くらい離れているところもありますが、特別な事情がない場合は歩きます。
建築は、その用途や機能はもちろんですが、その土地の風土や歴史なども踏まえ設計されています。
少しの時間ですが、周囲を歩くことで、その土地の持っている雰囲気を感じ、風にあたり、その上で建築を見たいと思うのです。

駅から畑や田んぼのあぜ道をとぼとぼ歩いていると、北アルプスの裾野に馬小屋のような建物が見えてきました。
山々を背景に、素朴で、風景の一部のような建物です。

IMG_0534.JPG

外周をぐるりと一周して中へ入ると、なんともいえない絶妙のボリューム感(天井の高さなど)です。
美術館としてはぐっと低く押さえられたボリューム感が逆に心地よく、通常の美術館のもっている張り詰めた空気感というより住宅に近い感覚です。
きっと、遠景で見た外観の違和感のなさは、このボリューム感が大切なのだと思います。

岩崎ちひろさんの絵の展示のほかに、自由に絵本の読めるスペースや子供の遊ぶスペース、カフェ、中庭など絵本を多面的に捉えるというコンセプトと、おそらく信州の松でつくられた柔らかな空間が一致しており、とても心地よいスペースです。
休日ということもあり、子供連れの家族や、年配の方、学生風の人たちまで大勢の人が来館していました。

途中で雨が降り出して来ました。
回廊の庇からしとしと雨の落ちる外を眺め、きり妻屋根の形状にあわせた大きな開口からの柔らかい光に包まれているとなんとも落ち着いた心境になります。

IMG_0539.JPG

IMG_0537.JPG

なんて雨の似合う建築なんだろう。
僕もいつかこんな建物を造れたらなあ。

2015/04/16

実に半年以上、更新をさぼってしまいました。
病に倒れていたわけでもなく、ネタになるような話がなかったわけでもなく・・・
逆にこの間に7件もの住宅が完成し、ご紹介する話やネタはたくさんあったのですが。
つい、日々の忙しさの中で後回しにしている間に、半年もの時間が過ぎてしまいました。

ちょうど、半年前の日記が東京都東村山の家でしたので近況報告を。
昨年の11月に無事竣工・引渡しをして半年、隣の公園の桜が咲く季節なので花見に来ませんか、とお誘いをいただきました。
この住宅は隣地東側の公園に対して二階リビングに大きな出窓をつくり、公園の緑を借景としています。
公園には大きな八重桜があり、ソメイヨシノに遅れること半月くらいできれいな花を咲かせます。
設計当初からずっと話題に上がっていたその桜が、住宅が完成してからはじめて花をつけるのです。

一体どんな景色が見れるのか、設計の意図通りに桜の眺められる心地よい場所になっているかな、とドキドキしながら伺いました。
家について建物の外周を点検し、一階の趣味室や予備室を案内いただき、手作りの家具などよい感じで使っていただいているなーという印象。
そして二階に上がり、目線を公園側に移すとびっくり。
窓一面桜の花が広がっています。
「まるで絵画のようでしょ。」
とお施主さん。
「設計の意図通りですね」と冷静に言いたいところですが、それをはるかに超える迫力。
「ここまでとは思いませんでしたね。ごっつあんですね。日ごろのおこないですかね・・・」
という感じ。

IMG_0510.JPG

IMG_0511.JPG


携帯の写真では、うまく撮影できず、一眼レフを持っていけばよかったと、本当に後悔。

お施主さんは息子さんたちがそれぞれ独立された、私の両親くらいのご夫婦です。
おいしい手料理と、能登で杜氏の修行をされている3男さんのお土産のおいしい日本酒をいただきながら、家作りの思い出や新居での生活、ご旅行の
お話など、話はつきません。
やはり家づくりをしていて、至福のときはこういったひと時です。
お施主さん、職人さん、そして私たち、みんなで作った住宅で充実した生活を過ごされている様子が垣間見れると、幸せな仕事をさせていただいているなとつくづく思います。
計画をし、当初のお見積もりを出した際など、資材や工賃の高騰している時期と気持ちの入った設計が重なり、大幅な予算オーバーをしてしまい、びっくり、ハラハラさせてしまいましたが、根気良く予算調整にお付き合いいただき、壁のしっくいや塗装工事などのセルフビルドにも積極的に挑戦され、
「ますいいのみなさんに建ててもらえてよかったです」
と最後言っていただいたときは感無量でした。

最近、お二人のお子さんが結婚されたというお話を聞き、今度はお孫さんと一緒に庭でバーベキューをしました、なんてお話が聞けたらうれしいなーと思います。

page top