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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

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増井真也日記
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増井真也日記

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2017/02/05

午前中は家の掃除などを済ませる。受験の関係だろうか、珍しく息子も家にいて、子供たち3人はそれぞれの勉強をしている。

午後、茅場町にて「食べ神様の不思議なレストラン」を家族みんなで見に行く。このインスタレーションはモーメントファクトリーというデジタルアート集団によるもので、今回は和食をテーマにした内容となっている。古い空きビルなのだろうか、はたまた改修工事のはざまの建物であろうか、利用されていないビルの利活用のような形で行われているイベントだ。

映像によるインスタレーションがなんの装飾もないがらんどうの建築と結びついたときどのような空間が生まれるかを見ていると、映像による建築の新しい姿というものの可能性を感じたような気がした。つまりは内装の一部としての映像の利用とか、映像を利用した空間イメージのコントロールとかが、建築の世界に浸透してくる気配を感じたのである。一部の先進的な取り組みが、一般的な世界に入ってくるときには、そうでなければいけないとみんなが思うような利便性や仕組みがきっかけとなる。洗濯機やらテレビやら自動車やらが人々の暮らしに浸透した時にはきっとそういう何かがそれぞれに存在したのだと思う。映像が建築に浸透するとしたら・・・そのきっかけは何だろうか。それも大型商業施設のような特別な空間ではなく、人々の普通の生活の中に入るとしたら。そんなことを考えていたら、映画トータルリコールでアーノルド・シュワルツネガーが大きなテレビ画面に向かって話しかけると、今でいうAIで制御された住宅がいろいろな行動を起こす場面を思い出したりもした。

こうしたインスタレーションはまだまだ特別なものであるけれど、でも少しずつ現実と仮想現実の世界が近づいてきているような気がしてならないのである。使っていないビルを真っ黒な布で覆って、そこに映像を投影している様子を何百人もが見に来る様子。装飾を排除したモダニズムの時代から、さらなる暗黒の建築へと進化するのであろうか。暗黒の建築につくのは無数の映像となるのか。そこで人間はどのように過ごすのであろうか。

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なんだか意味なく沈んでいく思考にはまってしまった。現時点ではあっけらかんと新しい技術のイベントとして楽しめばよいのに。

終了後家族みんなで日本橋まで歩く。そのあとは日本橋の三越へお散歩である。先進的なものを見た後には食直しに歴史的なものを見たくなる。そして僕にはこっちのほうが向いていると改めて思うのである。

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2017/02/04

朝礼終了後、打ち合わせの準備。

10時、埼玉県久喜市にて設計中のIさんの家の打ち合わせ。周りを住宅に囲まれる土地に新築住宅を検討しているということで、今回はCGを用いての日照検討を主なテーマとする打ち合わせとなった。模型に光を当てての検討などに比べると日時を指定してのリアルな画像を見ることができるのでよい。周りを囲まれる土地に設計を行う時には、空に対して開くということが常套手段である。そこで今回の設計では大きな中庭のあるこの字型プランを作成することにした。さらに建物内部に光を取り込む工夫として、平屋部分のリビングの上に棟屋を設けることにした。この棟屋には東・南面に開口部が設けられ、より積極的に光を取り込むようにしている。中庭型のプランということで、プライバシーの確保にも配慮している。出来上がるのが楽しみな住宅である。

14時、東京都練馬区にて設計中のKさんの家の打ち合わせ。今回は2回目のプレゼンテーションということで、前回に引き続き江崎と土田の二人から1案ずつご提案させていただいた。つまりは小さな小さな社内コンペである。Kさんは建築系のお仕事をされている。つまりは自分で自分の家を考えることができる人である。だから今回はKさんご自身で作成されたプランを奥様に対してプレゼンするということも行うことにした。つまりは僕たちと一緒に提案する側に回ったのである。クライアントも含めた3人でのコンペ、何とも楽しい打ち合わせの時間であった。

ますいいリビングカンパニーは「自分の家は自分で作る」ということを大切にしている。僕が初めて建てさせていただいた家は水道屋さんの家だった。水道やさんなのに大手ハウスメーカーでは自分で水道工事をやらせてもらえない、でもますいいならできるということで僕に家づくりを依頼してくれた。以来、ゼネコン・組織設計事務所、ハウスメーカー、都市計画事務所、デザイナー、アーティスト・・・ますいいのクライアントの約半数は建築やデザインを仕事とする人々、つまりは自分の家を自分で作ることに挑戦したいという心と、すべては無理だけれど一部分を考えたり行動したりすることができる知識や技術を持ち合わせている人たちであるのだ。今の時代に家を作る意味があるならば、やはり個人の強い意志の表現、本当の意味での自分の家を作ること以外にないのではないだろうかと思うのである。

2017/02/03

朝礼終了後、埼玉県川越市にてリフォームの設計をしているSさんの家打ち合わせ。Sさんの家は築50年程度、先日一般的な耐震診断を行い耐震強度が0.19程度の結果が出た住宅である。2000万円ほどの予算をかけて構造補強も含めた全面的な改修工事を検討しているのだけれど、この耐震診断の結果では既存の住宅があまりに弱すぎる。ということで今日はプランの打ち合わせに加えて、詳細な建物調査を行うことにした次第である。

Sさんのお宅にお邪魔すると、設計担当の江崎がプラン打ち合わせを開始。その一方で僕と鈴木、そして橋本の3人で詳細の調査を開始した。

まずは2階の床の畳を上げてみた。畳を上げると古い住宅の場合はその下に写真のような板が現れる。この板は根太に釘で固定されているので、根太の上で切ると簡単に外すことができる。まずは一か所を外してみて中をのぞくと・・、1箇所目は何も探すことはできなかった。続いて隣の畳へ移動。すると外壁側に1階の筋交いを発見である。さらに移動するともう1本発見。2本の筋交いを目視できたことで思わず歓声を上げる。

耐震診断では見えないものはないことにする。でも本当はそこに筋交いがあったのである。これらの筋交いは建築当時の図面に点線で表記されているのだけれど、それがあったということはほかの数本もある可能性が高いと予想される。見えないものはない、という安全側の診断を行うことは当然正しい手順なのだけれど、その方針のおかげで実際よりも弱い数値を見せられて驚くクライアントが多いのも事実である。新築のごときのリフォームを行うことを売りにする会社など、サービスのような耐震診断を行い何も見ないで耐震壁がないことにして、結果とても弱い住宅であるという過剰な不安をあおるという営業手法が横行しているようでもある。

しかしこれではクライアントは何を信じてよいのかわからない。だからこそ、このように詳細な調査を行い、図面に記載されている筋交いの一部が目視できたことでほかの筋交いの存在を強く予想できるときは、筋交いが存在する場合の強度を解析して、リフォーム全体の設計や見積もりを進めるほうが、耐震工事に関するコストを大幅に抑えることができるわけなので、やはり見ることができる部分は多少の解体工事を行ってもしっかりと設計者自身の目で確認するべきなのである。

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畳を上げると外壁際にネズミの糞がある。なぜこんなところにあるのかと思ったら、その外壁部分の裏側は雨戸の戸袋になっていた。古い住宅の場合、雨戸の戸袋の中は仕上がっていないことが多い。クライアントに話を聞くと毎年この部分にはヒヨドリが巣を作るとのこと、そしてネズミさんもたまに来るというわけである。戸袋の中を覗き込んでみると・・・またもや筋交いを発見した。戸袋の筋交いは目視できるということだから、さっそく2階の戸袋をすべて点検すると、合計4本の筋交いを見ることができた。まずまずの成果である。耐震診断の数値もこれで倍増することであろう。

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続いて床下へ。床下に潜るとこれはこれでいろいろなことが見えてくる。土台の腐り具合を見るとそんなにひどくない。一部にカビなどが見えるけれどスカスカに腐っているところは無いようだ。数回のリフォームを経ているので、新しい部分の床はとてもしっかりしている。古い部分の床は根太から交換したほうがよさそうである。外壁周りの足元について基礎と土台、そして柱をつなぐ補強を行うこと、外壁側の足元を構造用合板で固めることが有効なように思えた。

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耐震補強を伴う設計に先立つ調査とは、まるで人間の健康診断のごときである。目視、予想、を繰り返し当時の大工と対話しながら建物を読み解く。調査の途中、おそらく新築当時の大工さんのものと思われるのみが天井の中から出てきた。腕の良い大工と評判の人だったらしい。なんだか本当に対話をしているような気持ちになった瞬間であった。約3時間、3人がかりでの作業を終えて4人で事務所に帰る。帰り際に遅めの昼食、美味なラーメンであった。

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2017/02/01

10時、東京都豊島区の鬼子母神の近くにある本納寺さんへ。数年ほど前からこのお寺のメンテナンスをさせていただいている。お寺のメンテナンスなど僕のような新参者の工務店にとっては夢のまた夢と思っていたのだけれど、このようにかかわらせていただいていることに感謝感謝である。

地震の影響からか、昨年より本堂の壁が崩落するという事故が起きている。崩落した部分には応急処置を施し漆喰の仕上げを終えたのだけれど、そのほかの部分についても仕上げ部分の浮きが目立っており、崩落までは時間の問題であることが予想される。ということで本日はあじま左官さんを招いての現地調査を行った。あじま左官さんというのはいわゆる寺院建築の左官工事を専業としている業者さんである。今回は本堂部分の工事ということなのでお声かけさせていただいた。見積もりの金額がどうなることやら...の心配はあるもののまずは調査検討の材料集めをしっかりと行っていきたいと思っている。

このような検討をするときの僕の気持ちは、「もしも僕がクライアントだったら・・・」である。自分の建物だったら当然しっかりとした計画を立ててほしいと思う。でも、もし自分の建物だったらお金も自分で払わなければいけないわけで、コストは安ければ安いに越したことはない。つまりはバランスが大切であるということだ。バランスの良い判断を下すためには綿密な調査が不可欠である。見積もりもいろいろと見たほうが良い。そのうえで最良の計画を立てることがまさに求められていることなのである。

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2017/01/30

18時30分よりますいいRDRギャラリーにて「ますいい建築塾」開催。今日の勉強会では耐震補強工事に使う金物を研究している住宅構造研究所の遠藤さんによる商品説明、耐震診断工事のポイントを解説する日経ホームビルダーのDVD鑑賞、そして和順君による両国の家の耐震補強工事を兼ねたリノベーションを経験しての所感という構成であった。
以下に和順君がまとめた所感を転載する。ぜひご一読いただきたい。

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増田様邸は築55年の下町民家のリノベーションである。古いモノと新しいモノをどのように共存させるかに取り組んだ。下町民家において、最も象徴的な小屋組みをそのまま残し、小さく仕切らてしまっている間仕切りを取り払い、広々とした一室空間とした。それら古いモノを全体の軸とし、新しいモノを加えていった。リノベーションで肝となる窓は、既存の状況に応じて、防水性が気になる箇所はアルミサッシに、そのまま利用できる箇所には断熱性向上も兼ねた新たに障子を取り付けた。障子は敷居、鴨居を一筆書のように連続させ、室として一体感を作り、古い小屋とそれらを支える柱、梁をくるりと包み込むような雰囲気となった。

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一方一階は、既に何回かに分けてリフォーム工事をしている。震災後に新設された鉄骨で出来ているシェルター部屋の工事や、一階部分の外壁のリフォーム工事などがすでに行われていた。鉄骨シェルターが工事作業スペースを限定していたり、外壁リフォームは基礎周りの納まりに不備があり、柱と土台が腐っていたりのトラブルもあった。こういった状況から判断して、一階は修繕工事を優先することにした。一階は、そもそも採光が少ない上に、外からの視線により開口が小さくなり、光の量が限られてしまう。そこで、全体を明るい色味の漆喰壁で包み寝室を配した。結果として、2階の下に隠れた穴蔵のような味わいのある空間となった。

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2階テラスに庭を作るという事も行った。都市部では土地の過密さゆえに生活空間が窮屈になりがちなので、どうにか広がりや奥行きを作り出せないかと考えた。そこで、サイズの違う焼き杉のボックスをいくつか作り、バランスに気をつけながらそれらを配置し、そこに竹を植えている。そうすることで、奥行きを持って配された竹とボックスにより、陰影が生まれた。竹は、比較的小ぶりな布袋竹で、風が通ると音をたてて葉が揺らぎ、自然を感じられる庭となっている。

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今回のリノベーション物件では、新築のように一から線を引いていくようなデザインとは異なる思考が求められるように感じた。新築のような感覚だと、建物の線が通っていないとどうも落ち着かない。しかし、リフォームの現場でその線を通そうとすると、工事範囲が広がり費用が拡大してゆく。

古いモノたちというのは、視覚的表現として安易に現しにして扱えるモノでは無かったし、性能を保つために、取り替えたほうが善いものは取り替えた方が良い。一方で、古いモノの持つ、魅力というのもあるのも事実だと思う。どれを残してどれを隠すか。はたまた取り換えるか否か。この答えを出すには一つ一つの「古いモノ」との対話が必要という事なのだろう。今回の経験を活かし、次の物件でも考えていきたいと思う。

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2017/01/29

日曜日、今日は埼玉県伊奈町にて設計中のWさんの家の契約である。契約のお時間は12時、その前の11時に11年ほど前に僕が造らせていただいたWさんの弟さんの家に向かった。家に着くと、弟さんが早速出迎えてくれた。当時の思い出話し、住宅のメンテナンスのアドバイスなどなど1時間ほどのお話であった。住宅の窓辺にはかわいらしい猫がいた。この猫を飼うきっかけになったのは僕の家に猫が来たという日記を読んだことだということだ。そういえば10年ほど前に僕がフォルクスワーゲンのゴルフ5GTIを購入したのは、逆にWさんのお勧めの言葉であった。その当時のWさんは同じくワーゲンを2台所有していた。昭和49年生まれの同い年、様々な影響をしあいながらこれまで来た。なんだかとても懐かしいひと時であった。

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終了後、Wさんのご実家にて契約作業、2時間ほど。

14時過ぎ、茶道でお世話になっている東大宮の先生宅をご訪問。5月に茶席を持つ関東地区大会の茶席について1時間ほどのご相談をさせていただく。僕が所属している裏千家淡交会埼玉県青年部、とても丁寧に面倒を見ていただいている担当の先生なしでは茶席など持てるはずもなく、本当に感謝感謝である。

17時前、畑に到着。少々の作業。

2017/01/28

今日は川口市が主催している民間街づくり実践・川口セミナーに、僕と江崎さんの二人で参加させていただいた。このセミナーは市内にあるあまり有効に利用されていない古い公共建築について利活用の計画を考え、ワークショップ形式で提案としてまとめたものを市長を含めた行政に対してプレゼンするというものである。アドバイザーには資金計画やプロデュース、建築設計の専門家が呼ばれ、市内から参加の名乗りを上げた参加者とともにワークショップを進めていった。市内からの参加者は僕たちのような建築系の人もいれば、アート系の人もいたり、はたまた酒屋さんがいたり、さらには元鋳物やさんの貸しスペース運営をしている人がいたり・・・とにかく雑多で、でもこの町が好きでこの町で何かをしたいと考えている面々が集まった。僕にとっては約半数が知った顔、半数は初対面というところであろうか。

僕たちのグループの研究テーマはシャトー赤柴という施設である。この施設は川口グリーンセンターという公園の中にあり、その昔国体の観戦のために川口市にお泊りになった現在の天皇陛下ご夫妻の宿泊のために造られた施設だ。当時は皇太子さまだったのだけれど、かれこれ50年ほど前、皇太子さまが来られるということだけで建築を作る、今では考えられないような行為だけれど、様々なものが整備されていない時代、町が成長しているまさにその時だからこそ、こういう風に新しい建築が作られることもあったのである。

午前中は現地視察を行い、午後はアドバイザーの先生方の講演を聞いた。夕方よりワークショップ、短時間のため答えを出すには至らないけれど、2週間の時間を経て再度行う時までには各自のアイデアをまとめてくることをお約束。大人になるとなかなか味わうことのできない、なかなか有意義な時間であった。

2017/01/26

朝礼終了後、埼玉県東松山市にて設計中のKさんの家の打ち合わせに出かける。いつも車を止めさせていただいている近所の薬局の駐車場に車を止めて歩いていると、茶道でお世話になっている東松山の清晨庵という和菓子屋さんの小林社長に出会う。こんなところで奇遇ですな・・・の挨拶を交わすが、こういうのも何かの縁なのであろう。今日は実施設計第1回目の打ち合わせである。基本設計の時よりもスケールを大きくした平面図、展開図などを使ってよりリアルなイメージを描きながらの打ち合わせとなった。12時過ぎ終了。

夜、埼玉県建築士事務所協会川口支部新年会に参加。


2017/01/25

朝礼終了後、各プロジェクト打ち合わせ。

10時過ぎより、「小屋の家」についてのスタディー。今日の打ち合わせでは、僕と江崎さん、鈴木君、和順君そして妻の5人がそれぞれ考えた、1500万円程度で作ることができる「小屋の家」の住宅像についてのイメージを出し合った。小屋の家なる名前は、小屋というイメージが、最小限で無駄のないシンプルな暮らしの拠点としてふさわしいという判断である。まずはこれまでのますいいの作品群の中から、このイメージに合う住宅を1戸ずつ抽出してみてそれらの特徴を見てみようと思う。もしかしたら何らかの共通点が見いだせるかもしれないし、そうでないかもしれない。でも150件以上の住宅を作ったからこそのスタディーをしてみる価値はあると思うのである。

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2017/01/24

朝礼終了後、各プロジェクト打ち合わせ。

午後13時過ぎ、茶道稽古。今月は日曜日に行われた初釜を含め、2回の稽古に参加することができた。月に2回参加できれば上々である。僕にとってお稽古の時間は、茶道というものに心を落ち着けてかかわることができる唯一の時間だ。若いころ、まさか茶道などやるようになるとは思ってもみなかったけれど、でもそれなりの年齢を重ね、こういう時間を大切に過ごすことが、人生をとても豊かにしてくれる要素であるということに気が付くことができたことは何よりの幸運であったように思える。僕がお茶を教えていただいている先生はとても素晴らしい先生だ。素晴らしい先生だからこそ余計に豊かな時間となるのである。

夕方、僕が初めてリフォームのお仕事をさせていただいたFさんのご自宅を訪問。もう16年も前の話であるけれど、独立したばっかりで全くやることがなかった僕に、リビングとキッチンのリフォームを依頼してくれたご婦人である。当時はおそらく60歳くらい、ご主人と既婚者のお嬢さんがいらしたのだけれど、そのどちらも2年ほど前と昨年にすでにお亡くなりになったということであった。義理の息子さんとお孫さんがいるけれど、それほど頻繁に会うわけではない・・・とても寂しい状況である。

何で急にお邪魔することになったのかというと、先日、突然の電話を受けたからである。内容は土地の売買に関することでとある不動産屋さんから、わけのわからない支払いを要求されているというものだった。生前、がんに侵されたお嬢様の治療費を作るために売却した土地の取引に関連するトラブルらしい。昔不動産屋さんを営み、とっても気の強い社長さんだったFさん、現役時代だったらこんなことで僕に電話を掛けることなんて考えられないのだけれど、一人になって、気も弱くなって、それで電話をくれたのだと思う。僕は早速お付き合いのあるますいいの顧問弁護士さんを紹介してあげることにした。

その電話でちょこっとした防犯器具の取り付けを依頼された。今日の訪問はその下見であった。仕事はすぐに終了した。あとはお茶飲み話である。約1時間ほど在宅し、事務所に戻った。こういうことをしていると家づくりの仕事というのは、その人の人生のあるひと時から、ずーっと先の最後の最後までに関わる可能性の高い、とても尊い仕事のように思える。僕は自分の仕事を町医者のような仕事だと思っている。何かに関して特別な最高の技術があるとかではなくって、もし大学病院で手術が必要な場合なんかには大学病院を紹介するみたいにキチンとそういうレベルの構造事務所とかとのつながりがあって、適材適所にいろんなものや人を配置できて、コストも適正に抑えることができる、家づくりに関してそんな存在になっていることが僕の役割なんだと思う。僕にとって今回の仕事は、防犯器具の取り付けの仕事ではなくって、Fさんの今後の人生のちょっとした活力を与えてあげることなのかななんて思ったりもする。マフラーの忘れ物をしてしまったので、また受け取りにお邪魔しようと思う。

2017/01/23

朝礼終了後、午前中は裏千家関係会議に参加。

16時、埼玉県草加市にてKさんの家、リフォームのご相談。Kさんの家はかれこれ11年ほど前に造らせていただいた美容室兼住宅である。僕がまだ32歳だったころ、今は高校1年生の息子がまだ4歳だったころの仕事だ。11年というと大した時間ではないような気もする。でも、子供の年齢を考えてみると、ものすごく前のことのような気もする。

約29坪で1700万円少々、結構なローコスト住宅の仕事だった。でも、独立するタイミングでの新築工事とあっては、それでも大金である。人生をかける大金である。お互い頑張ってきちんと営業をできていることに本当に感謝である。草加市でOlu Oluという名前で営業されているのでぜひ行ってみてほしい。

Kさんのお子様たちも小学校高学年となった。さらにはお母様も同居するという事情となった。それで間仕切りを製作するなどのリフォーム工事を行うこととなったわけであるが、こういう風に何年もたってまたその家の工事を依頼されるというのは、何よりも嬉しいことである。キッチンの交換、収納の増設、洗面化粧台交換などのほかの工事も計画している。今日のご相談で大方のことは決定したのでいよいよ契約をして工事の準備に移ることとなる。工事の様子も後ほどご報告したい。

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新築工事とは時期をずらして独立のタイミングで工事が行われた店舗の様子。この工事の時にはセルフビルドもふんだんに取り入れながらの工事となった。

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2017/01/22

日曜日。少々早めの朝を迎えたので、家族全員の分の朝食を作る。朝食といってもパンを焼いてスクランブルエッグを作り、簡単なサラダとスープを作ったくらいのものだけれど、こういうことをしているときは僕の中で結構大切な時間だ。普段の生活では大体は時間に追われて暮らしているわけだけれど、日曜日はそうでもない時が多い。こういう数少ない機会はやはり大切にしていきたいと思う。

息子は柔道の東京都大会に出場するために朝早くから試合に出かけて行った。大人から見ると日本の部活は忙しすぎる気がするけれど、子供にとっては夢中になって取り組んでいることがあるというだけで幸せなことであろう。僕はといえば、家の片づけを終えた後は読書などを楽しむことにした。

14時ごろ、青山にある岡本太郎記念館へ出かける。今はレディーガガの靴のデザインで知られる舘鼻則孝さんの作品が岡本太郎氏の作品群の中に同居して展示されていて、両方を楽しむことができるのだけれど、僕のお目当てはやっぱり岡本氏の作品群である。芸術という言葉では表すことができないような何が人間の内面に潜む力のようなもの、感覚、意識、そういうものを形で現したりの難しさを感じるときに、この岡本氏の作品群は何らかのインスピレーションを与えてくれる。何度も足を運ぶ美術館などあんまりあるものではないのだけれど、ここだけはもう何回来たのかわからないくらいに訪れている場所なのである。

帰りがけに久しぶりのアニエス・ベー。学生時代から愛用するメーカーである。高すぎず気取りすぎないワークウェアーが好きで今でもたまに足を運ぶお店である。

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2017/01/21

朝礼終了後、渡邊君と一緒に埼玉家の伊奈町にて設計中のWさんの家の地鎮祭に参加。長らく続いてきた設計もようやく終了し、いよいよ工事段階に入ることになった。実はWさん、もう10年ほど前に造った伊奈の家のクライアントのお兄さんである。伊那の家は当時いたスタッフの池上君が初めて担当した現場で、設計期間が約1年間、工事を経て渡辺篤史の建物探訪に登場するなどとても思い出深い住宅だ。地鎮祭にはWさんのお父さんも参列してくれた。10年が過ぎみんなちょっと年を取ったけれど、でもこういう風にまた違う形でかかわらせていただけることに心から感動するばかりである。伝統なんて言うにはまだまだひよっこのますいいリビングカンパニーだけど、でもこういう風に繰り返していくことで作り上げられる大切な何かが伝統とかっていうものなのであろうとも思う。再び頼んでくれたクライアントに恥じることのないしっかりとした仕事をしていきたいと思う。

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午後、川口市にて設計中のIさんの家打ち合わせ。Iさんの家では鉄骨造の住宅兼店舗の住宅部分を全面的に改修工事することを計画している。階段の移動に断熱性の向上や、はたまたプランの変更などなど、ほとんど新築状態のリフォームだけにコストのコントロールも難しい。次回の見積もり提示に向けて、作業を進めていきたい。

2017/01/20

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

10時、埼玉県さいたま市にて設計中のYさんの家の打ち合わせ。設計担当の柳沢君と僕の妻、そして僕の3人でYさんの家にお邪魔させていただいた。今回の打ち合わせでは1/30の模型を用いてのプレゼンテーションを行った。このくらいのスケールになると、吹き抜けにあるすのこ状の光床やバルコニーのルーバーなどの造作もリアルに作ることができる。図面だけではよくわからない形状や空間の広がりなどを確認しながら、一つ一つ確認していくための打ち合わせとなった。

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終了後、土田君と二人で埼玉県寄居町にて進行中のMさんの家の現場確認。明日が引き渡しということで最終的な確認作業である。裏千家の茶道仲間であるMさん、もちろん茶室のある住宅を作らせていただいた。引き渡し前日、でも茶室では和紙職人の岡崎さんが最後の作業を行っている。天井の和紙貼りである。

岡崎さんは着色料をあまり使わない和紙の製造を行っている職人さんなので、今回の和紙も植物を利用して色を出している。写真の天井は2重貼りをしていて、実は天井の下地材に全面張り付いているわけではない。ところどころ貼り付いているけれど、全体的には浮いている、袋貼りという工法を採用した。この方法は天井下地の動きによる破れが発生しにくいだけでなく、部屋の湿気を吸収したし放出したりによる和紙の動きが可能となることで、破れや隙間が発生しないという利点がある。いわゆる伝統的な貼り方なのである。

天然素材を使用した家づくり、今回は本当に職人さんの手作りの素材を仕上げ材として利用することができた。実はこの和紙職人さんの工房では、自分自身で和紙を漉くこともさせてくれる。とても楽しい仕上げのバリエーションの一つなのである。

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作業終了とともにいよいよ茶室が完成した。床柱には赤松、床框はヒノキのさび丸太、落とし掛けには杉を使っている。壁は聚楽で、天井が和紙、照明は一段落ち込んでいる部分にLEDを埋め込んだ。エアコンは写真のルーバー部分に仕込んでいる。障子は吉村障子に近いデザインを採用し、茶室でありながら周辺のモダンなデザインと調和するようにした。今回は新築ということで、建物の大きさを自由に調整できることから畳は京間のサイズを採用している。僕は男性だから余計かもしれないけれど、やっぱり茶道は京間のほうがゆったりと楽しめる。こういう点はリフォームではなかなかできない贅沢なところだと思う。結果、とても良い茶室ができたのではないかと思う。実際に使っていただくのが楽しみな限りである。

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2017/01/17

朝礼終了後、1000万円住宅プロジェクトについてのスタディー。1000万円でできることを考えてみたものの物価の上昇やらのことを考えると現実的には1500万円の予算が適正との方針に固まる。というわけで20坪程度で1500万円の住宅像を設計することにした。

1500万円で作る小さな庵のような住宅。小さいけれど豊かな空間にしようと思う。僕はこの住宅を禅的な方向で考えていきたいと思っている。禅的とはいっても、仏教には関係がない。鈴木大拙により禅の思想がアメリカに渡った戦後の時代、禅の特徴として7つ挙げられたのが、不均斉・簡素・孤高・幽玄・自然・脱俗・静寂である。この7つの特徴にみられる禅的なるものの様相を根幹に据えながら、終の棲家としてふさわしい住宅の姿を考えていきたいということである。

不均斉とは、完全でなく、ゆがんでいて、ムラがあるような状態を指すのであろう。住宅の場面においては、自然の素材の持つ魅力、あじという言葉で表現されるような要素のようなものに置き換えられるかもしれない。自然はこの不均斉とともにあり、さらには外部の自然とのつながりへと発展していくものだと思う。

簡素はシンプルでかつそれが魅力的に感じること。

孤高は自分を大切にする、つまりは住まい手の嗜好にあったオリジナルなものであり、決して大衆受けするような一般解の張りぼてのような、つまりは建売のようなものではないということであろう。脱俗はここに当てはまると思う。

幽玄・静寂は建築のプランの中に現れる場の質のようなものである。

まずは1週間ほどで仮想のプランと設計のコンセプトを作ることとなった。仮想のプランは自分自身に向けて作るプランとすることにした。さてさてどのようなものになるであろうか?自分でも楽しみである。

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