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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

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増井真也日記

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2017/05/28

今日は裏千家の関係で山梨県甲府市に訪れた。甲府に来たのはこれで2回目、どちらも裏千家の、つまりは茶道の関係の行事である。今日の行事は、淡交会という裏千家の人々が作っている団体の50周年事業だ。よくわからないかもしれないけれど、会社の周年事業とか、学校の周年事業とかを思い出してもらえば想像はつくだろう。要するに50年前に、甲府の地で茶道に関係する人々が集まり、ある団体を作った。そしてその団体の活動がこれまで継続していて、その活動の節目を記念してお祝いをしたわけだ。何でお前が呼ばれるのかっていうと、それは僕が同じ団体の埼玉県版の代表者だからである。

今回のお祝いに花を添えたのは、ご宗家の千万紀子様、つまりお家元のお嬢様のご講演であった。すでに結婚を予定しているので、今回が最後のご公務となるとのこと。これまでのこと、そしてこれからの裏千家茶道への思いを語られる中には、思わず涙する場面もあった。伝統の中に生きる方が、一番言いたかったことは「変わるものと、変えてはいけないものをしっかりと見定めてほしい」ということであった。これ、社会の実情と同じである。

昨今、皇室の生前退位の問題が話題になっている。真子様の婚約もしかり。ここまで政治と皇室の見解がかい離し、社会問題となったことは記憶にない。こういう難しい問題に簡単に意見をするつもりはないけれど、でも一つ思ううことは、日本人とは一体何なのだろうかの感覚的な根拠になっている存在のなかで、最も重い存在が皇室であるということ、そしてその皇室も象徴というあいまいな存在のように言われているけれど僕たちの同じ感情を持つ人間であるということである。人間である以上、世の中の様々なことに共感もするし、反発もするし、年齢によってはいろんなことをしたくなったり、したくなくなったり、とにかく感情があるわけなのだ。今の時代の皇室、今の時代の茶道、・・・ともに日本人のアイデンティティーを認識するうえでとても重要なものだと思う。葬式がセレモニーホールでの儀式に代わり、お墓がボタンを押すと回ってくる霊園に代わり、先に言う「変わってよいものと、変えてはいけないもの。」の区別がつきにくくなった現代社会だからこそ、変わってはいけないものの継続のための変化を勇気を持って受け入れるべきなのではないかと思うのである。

変わってはいけないものの継続のために身をささげる人々のことを僕は本当にすごいと思う。そういう人は少ないけれど、でも僕の周りには結構いるのだ。今日もそんな人々に出会うことができた一日だった。そして、とても幸せな気分になることができた一日であった。

2017/05/27

午前中、埼玉県古河市にて計画中のTさんの家、第1回プレゼンテーション。今回は1回目のご提案ということで、二つのパターンのプランを提案させていただいた。初期段階の設計を基本設計というけれど、ますいいリビングカンパニーの場合クライアントからのご要望である程度プランが決まっている場合を除いては、この段階で一つのプランに決めることはなく、ほとんどの場合いくつかのプランを提案することにしている。特に敷地が大きな場合などは、土地に対してどのように建築を配置するかの検討は様々な可能性の中から選択するのであって、まずはフレキシブルに多くのパターンを作り上げてみて、その中から本当に気にいったプランはどれなのかを検討したほうが良いと思う。今回計画地の古河の家は、奥行きが50mもある、とても細長い敷地に計画されている。長さを生かした面白いプランを二つ考えてみた。プレゼンに対するご返答をいただいたら次回の計画につなげる予定である。次のプランが楽しみである。

午後、埼玉県富士見市にて計画中のMさんの家の打ち合わせ。実施設計に移り、プランをどうするかの検討がほぼ終わりつつある。この敷地は公園に面するとても良い景色を持つ。当然その公園側に庭を作るわけだけれど、そちらに向かってキッチンを配置するか、はたまたリビングを配置するかは結構悩むところだ。外部の庭とつながるところにあるキッチンは、まるで農家の台所のごとき趣を持つ。庭で育てたハーブを摘んで、それを台所で洗って・・・のような家事動線にはとても適したプランとなろう。逆にキッチンは奥に配置し、庭に面したところにリビングを配置すれば、普段家族が団欒をするスペースが眺めの良い開放的なスペースとなる。

下の写真では、奥にキッチン点前にリビングの配置をした。リビングは、木製建具を介して庭と連続している。雑誌「住まいの設計」のライターさんであるWさんのご自宅であるこの家は、庭とリビングの程良いつながりが心地よい。どちらが正解ということはない。結局はクライアントの好みに合った暮らし方を探していけばよいと思うのである。

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2017/05/26

朝10時、埼玉県川越市にて計画を進めてきたSさんの家改修工事の契約のために、担当者のテル君と一緒にご訪問。すでに細かい内容について打ち合わせを重ねてきたので今日は契約書の読み合わせから押印までの作業だけを行った。Sさんの家はとても古い木造住宅をほぼ全面的に改修工事をする計画である。本来であればお子様も巣立った後なので、減築をして、ローコストの小さな住宅を作るという選択でもよいのかもしれないし、当然ながらそういうご提案をさせていただいた時もあったのだけれど、結果的には改修工事で進めようという方針に決定したわけである。

そこに至るには様々な理由があろう。すべての心情を理解することはできないけれど、僕が一番強く感じた感情は亡くなられたお父様に対する強い気持であった。そこには、お父様がどれだけ素晴らしい人だったのかが他人の僕にまで伝わってくるような感覚があったような気がした。数十年前に造り、何回かのリフォームを重ね、記憶や物がぎっしりと詰まった家を取り壊すことはできないという奥様やお子様たちの思いを感じるごとに、リフォームを成功させてあげたいという感覚が強くなっていった。

そういえば最近はリフォームの仕事が増えているように思う。別に最近の家づくりが丈夫な建築を供給している結果の変化ではない。だって地築年数が40年とかのとても古い木造建築の話なのである。だから社会の変化とかの大きな話ではなく、ますいいにそういう依頼が増えているという話なのである。

東京都の両国で行ったリフォームの事例を示す。この事例では、ご兄弟で暮らす古い木造住宅を写真のごとくよみがえらせた。住宅はお二人のお父様が、まるで僕のような工務店を営まれていた時代に造ったものだ。天井の高い洋間があったりのこだわりが随所にみられる住宅であった。工事中はいろいろな問題が生じる。柱が腐っている・・・なんていうのは当たり前である。現場の進行に合わせて監督と大工さんが協議を重ね進めていくしかない。ある意味でなるようにしかならない、リフォームの良さでもある現場合わせを繰り返していきながらの結果であるのだ。

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2017/05/25

朝礼終了後、埼玉県川口市にて新築住宅を検討中のSさん来社。これまで何十年も住み続けてきた古家を取り壊して新たな住宅を作ろうという計画である。Sさん自身は仕事を退職してお孫さんの面倒を見たりのゆとりある暮らしをされているとのことである。同居している息子さんとの暮らしがこの先もこれまでと同じように継続することを想定し、より暮らしやすくしたいという思いで考えを進めているということである。

東日本大震災以降、家族が集まって住むという形がとても増えた。それ以前は都内の狭小地に核家族化を象徴するかのような小さな住宅を建築家が作るというようなケースが一つのモデルスタイルのようになっていたが、最近ではそのような事例よりも実家を建て替えたり、実家の一部を取り壊して新しい住宅を造ったり、はたまた実家の敷地の一部に離れを作ったりの計画が目立つようになっている。

Sさん、実はご自身でご希望のプランを書いてきてくれた。少々敷地に収まっていないいわゆる素人プランであるけれど、でもこういうご希望は持っていてしかるべきものだと思う。昔の家づくりでは、素人といってもこうして間取りを書くのが当然で、その間取りを大工さんが住宅にしてくれた。デザインなどというものは介在しなくとも、その地方に伝わる伝統的な工法で作り上げられた。つまりは伝統に裏打ちされた寸法があったのである。

さて、Sさんの図面には寸法がない。ここに寸法を入れること、そしてプロポーションを整えることが設計のスタートである。文字に表すことができなようなクライアントの思いを何らかの形に置き換え、素材を与え、寸法を与えたときに設計が始まるわけだが、Sさんの思いをくみ取ることから始めようと思う。

午後、東京都板橋区にて住宅の建て替えを検討中のSさん打ち合わせ。お嬢さんが重い障害を持っているSさん、今回はそのお嬢さんが一生安心して暮らすことができる住宅を作りたいとの思いで建て替えを検討されている。約2時間ほどであろうか、様々なお話を伺っているうちに求める住宅のイメージが浮かびあがってきたような気がした。帰り際、外出先から戻ってきたお嬢さんにお会いした時、この人のために建築を作ってあげたいという強い思いに駆られた。こういう気持ちを感じさせていただきとても感謝している。

2017/05/24

朝礼終了後、東京都豊島区にある本納寺さんへ。今日は細かいメンテナンス工事の見積もりなどのご説明と、本堂の屋根の葺き替え工事に関する打ち合わせである。お寺という場所は仏教のための宗教建築である。ゆえにその時間の流れ方が非常にゆっくりとしていて、つまりは未来にわたってしっかりとその場に存在し続けてくれなければならないという使命を持つ。ご住職もたまたま今の時代を任されているということであり、次の世代のご住職にしっかりとバトンを渡さなければいけないという責任がある。建築は人が住むという機能を満たす住宅とは異なり、信仰の場としてふさわしい容姿を示さなければならないのである。

しかしながらコストもやはり重要な要素だ。大切な建築だからいくらでもかけてよいというわけでもなく、限られた予算の中で効率的にメンテナンスを行わなければいけないのが現実だ。近年の仏教はお金が集まる仕組みをそれほど持っていない。だって日本人は積極的にお寺にお布施をするような習慣をすでにほとんど失ってしまっているのだ。お葬式だってセレモニーホールが台頭している。お墓ですら集団墓地やメモリアルパークのごときものが増えている。
(僕はメモリアルパークの仕事をしたことはない。依頼を受けたことはあるけれどなんとなく手を付けることができなかった。その施設の持つべき永劫性を満たすかどうかわからない民間経営母体による運営をされる墓地を、企業の言いなりになって作ることに何となく抵抗感を感じたのである。)

寺院には寺院の役割がある。その役割をしっかりと果たすための場所を作らせていただく仕事はとても貴重なものだと思う。人が暮らす住宅、人が亡くなった後も生きている家族とつながることができる寺院、なんとなく共通する何かがあるような気がするのである。

2017/05/22

先週は週末はバタバタと過ごしていたので、たまっている仕事をひとつずつ終わらせていく。建築の仕事というのは、毎日ただ設計だけをしているよりもそのほかの経験を積んでいきながら仕事にフォードバックすることができるような日々を送っているほうが、結果的に仕事の質も高まっていくような気がする。特に良いものを見て、触れて、実感する経験はモノづくりを行う上で不可欠のように感じる。

朝礼終了後、明日打ち合わせを予定している埼玉県加須市にて設計中のNさんの家のスタディー。明日は初めてのプラン提案ということで、タイプの異なる二つのご提案をさせていただく予定である。下の写真はそのうちの一つのイメージ模型。敷地を見たときに感じた直観的な土地の区切り方を建築に置き換えていく過程を示している。

僕は敷地を初めて見たときの印象をとても大切にしている。その場所にどのような建築ができることでクライアントが日々何らかの心地よさを感じることができるような状態を作ることができるか、その街並みが建築ができる前よりも少し良くなったと感じることができるか、そんなことをイメージしながら色のついた空気のようなぼんやりとした建築の卵のようなものを思い描くようにしている。Nさんの家の建築がどのように育っていくか、とても楽しみにしている。

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2017/05/20

昨日と今日は、裏千家の関東地区大会なる事業に運営者としてかかわる二日間であった。この行事は東京都以外の関東地方の茶人2000人が一同に集まり、交流をするためのもので、京都からは宗家の皆様もご参加される。何で東京都以外なのかはよくわからないけれど、きっと東京都は人数が多すぎるから別枠にしたのかもしれない。

僕はといえば600人ものお客様がいる茶会の席主、つまりは責任者であり、金曜日は朝の8時30分から茶会が終わる14時過ぎまでたちっぱなしのしゃべりっぱなし、席の説明を行い続ける一日であった。これだけ大規模な茶会を行ったのは初めての経験である。お運びくらいはやったことがあるけれど、席主、つまりは道具組からメンバーの手配、とにかくすべてを責任者として采配したことはあるはずもない。

結果、僕の中にお大寄せの茶会に対する少しの意識の変化が生まれた。僕は大寄せの茶会が好きではなかった。一度に何十人もの人が入り、誰がいたのかもわからないような状況の中の一人として席入りすることへの抵抗感があった。でもそれを行う側として携わってみると、決してそんなことはないことに気が付いたのである。

一人一人のお客様に対して少しでもおいしいお茶とお菓子を味わっていただくためのしつらえに嗜好を凝らし、力を注いているのは大寄せでも小寄席でも関係がなく、逆に少しでも楽しんでもらおうといつもより余計に考えを尽くしている感もあった。席中、説明し、良い反応が返ってきたときはにんまりの喜びであり、それが席主の楽しみと知った。客の役割、それは逆の立場を経験し始めてわかるものなのかもしれない。とにかく二日間のとても良い経験ができたと思う。

2017/05/17

朝礼終了後、東京都台東区にて計画中のSさんの家の打ち合わせ。Sさんたちは1000万円台前半でのローコスト住宅の建築を考えているご夫婦である。敷地はとても小さい狭小地で、住宅も延べ床面積が20坪弱なので、絶対に無理な計画ではないけれど、それでもセルフビルドなどをふんだんに取り入れないと厳しい計画であることは明らかだ。Sさんの奥様は昔ディズニーランドの塗装工事をしていた経験があるという。エイジング塗装などを含むこうしたアート塗装工事は普通の塗装よりも技術が必要だから、芸大系の学生などがアルバイトをしていたりするのだけれど、ということは今回の計画ではクライアントがかなり精度の高いセルフビルドをできるということであるわけで、なかなか面白い作品g出来そうな気配があるわけなのだ。

さてさてどうなることやら。まずは銀行ローン申請のためのプランを作成するところからのスタートだ。

2017/05/16

朝礼終了後、各プロジェクト打ち合わせ。

まずは、埼玉県加須市にて設計中のNさんの家のスタディー。南向きの100坪近い広い土地に建つ木造2基建て住宅の計画である。まずは敷地を見たときに感じた直観に従って素直なボリュームの検討を進めてみようと考えている。

続いて、茨城県古河市にて計画中のTさんの家スタディー。すでに二つのアイデアについてプランを進めているのだけれど、建築のイメージについてスタディーをする中で千葉県の笠森寺の写真を見た。この寺は四方懸け造として有名で、僕がまだ若いころに石山先生に是非見に行くように進められた建築である。写真は今から10年ほど前に撮影したものだ。この建築の持つ感覚が今回の計画につながるような気がするのである。

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夕方、東京都豊島区にてマンションのリフォームを計画中のWさんご夫妻打ち合わせ。今日は第1回目のプラン打ち合わせである。まずはあらかじめいただいていたご希望に基づいてプランを作成し、内観のパースをCGで作成させていただいた。お話をしていると、新居に入れたいご希望の家具たちのお話になった。どれも北欧の有名な家具たちであり、とてもデザイン性の高い品々である。次回のご提案ではそれらのデザインと釣り合うような室内空間がご提案できればと考えている。まずはどのような建築にしていくかについて考えてみよう。

2017/05/15

朝礼終了後、埼玉県東松山市にて設計中のKさんの家の打ち合わせ。今回は2回目の金額調整打ち合わせということで、前回からさらにコストダウンをした場合の変更案についてプレゼンをさせていただいた。日々探してきたコストダウンのアイデアであるが、今日の打ち合わせではまだ十分ではない。さらに次回に向けてスタディーを重ねていく必要がある。何とかクライアントの期待にこたえられるようにしっかりと作業を重ねていきたいと思う。

夕方、近所の整骨院へ。どうも背中の当たりの筋肉がこわばっていて痛い。僕にしては珍しく肩こりのような症状である。最近は無理なスポーツをしていないどころか、まったくの運動不足であるのでそれが原因であろうとのこと。やはり適度に体を動かさないとダメなのだなあ、の感。

2017/05/14

日曜日。11時新宿パークタワーにあるオゾンにて東京都荒川区にて計画中のSさんの家のプレゼンテーション。スタッフの柳沢君と二人で会場に入るとすでにSさんご夫婦とオゾンの担当者さんがスタンバイされている。今日は初回のプレゼンということで、1/100の図面と模型を使用しながらのご提案をさせていただくこととなった。

今回の計画は狭小地に建つ木造3階建てである。クライアントの要求に従って道路からガレージと玄関の入り口を確保しようとするとおのずと壁量が少なくなるので、鉄骨造にしたり、門型フレーム構造にしたりの工夫をしたくなるプランであった。構造を変更すれば当然コストがかかる。どれくらい増額になってしまうかの予測も含めて、比較検討できる資料を提出させていただいた。

僕は特に構造的な必要がなければ、木造住宅が最も人の暮らしにあっているものだと思っている。コンクリートの塊の中に暮らしたりの行為は、なるべくならしたくない。木に囲まれていたほうが気持ちよいに決まっているのだ。でも構造的な要求、つまりは鉄骨造などを利用したほうが安心して暮らすことができるであろう建物を作らなければいけない場合は話は別だ。私の事務所のように鉄を主要構造部に利用して、間柱などは木を利用する方法などもあるので、構造家と相談をしながら。最適な構造を探していくこととしたほうが良い。果たしてどうなることか、この先の進行が楽しみである。

12時過ぎ終了。せっかくの日曜日ということで一緒に来ていた妻と娘と合流し、まずは昼食へ。知人の彫刻家、高野さんが台東区のギャラリーで展示をしているのでそちらへ向かうことにしていたのだけれど、途中ホテルニューオータニのビュッフェスタイルのハワイアンレストランにて食事を摂ることとした。別に決めていたわけではない。ただとても懐かしくって思わず入ってしまっただけである。実は僕と妻もそして僕の両親もこのホテルで結婚式を挙げた。だから何だといえば何もないのだけれど、この古いホテルが僕にとってはなんとなく特別な場所で、たまたま前を通りがかると、そして時間があるときには何となく入りたくなってしまうのである。

16時、上野のギャラリーにて久しぶりに高野さんと再会。もう10年ぶりくらいであろうか。変わらぬ笑顔を見ることができてよかった。

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2017/05/13

朝礼終了後、埼玉県川越市にて設計中のSさんの家の打ち合わせ。今日は工事請負契約前の最終確認のための打ち合わせということで、これまでの減額提案に基づく設計変更をすべて反映させた図面と、1/30の模型を作成し確認作業を行った。

この計画は築数十年は経っている、とても古い木造住宅のリフォーム計画である。普通ならば建て替えをしてもおかしくないところだけれど、その家に対する思いを大切にするためにリフォームを行うこととなった。今回の計画では当然ながら構造的な補強工事を中心に行い、それに加えて間取りの変更を伴うリフォーム工事を行うこととしている。この手の複雑な工事では、求められるコストとやりたい工事の量を調整する作業はとても難しい。打ち合わせの結果、一部の仕上げを漆喰にするかクロスにするかといった細部を除いては、すべての方針を決定することができた。いよいよ工事、出来上がりが楽しみである。

13時ごろ事務所に戻り、各プロジェクト打ち合わせ。温かくなるのと同時にプロジェクトも動き出している感がある。

2017/05/12

午前中は新たに家づくりを検討されているという方からの電話対応や面会を行う。一日に二人の新規お問い合わせというのも珍しく少々あたふたという感じであった。

板橋区で住宅の建て替えを検討されているSさんとは来週16日のご訪問をお約束した。Sさんのお嬢さんは障害を持っているそうで、階段ではなくスロープで上下移動できる建築をご希望されているということ。どのような住宅になるか、まずは来週お話を伺うことにした。

続いて埼玉県さいたま市にて土地の購入を検討しているSさんご夫妻来社。なんだかごつい人だなと思っていたら警視庁のお巡りさんであった。ごついはずである。購入を検討している土地は擁壁のあるがけ地、購入後に多額の費用を要することが予想される。設計者判断が許される2m未満の崖なのだけれど、その高さが1.6mということだから何もしなでよいのかどうかが悩ましい。感覚的に安全といえる高さを超えている場合は、その安全性を確かめたくなるのが技術者というもので、そうすると間違いなくコストがかさんでしまうのである。アドバイスの結果、土地購入は見送ることになり、今後の土地探しのお手伝いをさせていただくこととなった。背中を押してあげることができなかったのは残念だけれど、やはりここは冷静にとどまることも必要である。

昼過ぎ、模型室では埼玉県伊奈町にて工事進行中のWさんの家の模型作成が進んでいる。大工工事も佳境になり、現場の細かい造作の形状確認などを模型で行っている。写真は模型製作中の林君。なんだかとても楽しそうである。

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2017/05/08

休み明けの再スタート。仕事モードに切り替わっていく自分がなんとなく楽しく感じる。やっぱり5日も休んでいると仕事が恋しいのはみんな同じであろう。誰かの役にたつことを行うことが仕事であると僕は考えているのだけれど、誰かの役にたつ時間を過ごすことは自分自身にとっても最高の時間であるのだと思う。

午前中は各プロジェクト打ち合わせ。まずは、埼玉県東松山市にて設計中のKさんの家の減額案作成作業について渡邊君と一緒に打ち合わせを行う。続いて、知人が川口市内の土地を購入したいという連絡をくれたのでその土地についての調査を行う。どれくらいのボリュームの住宅を作ることができるかの検討なども行ったが、希望する面積の住宅を作ることができそうであることが分かった。

埼玉県の古河市にて設計中のTさんの家の敷地である。奥行きが50mもある細長い土地、昔ながらの商店街の一角ということでとても特徴的だ。こうして敷地模型を作ってみるとその形状に改めて驚く。日本の住宅地の形状は面白い。それぞれの地域にそれぞれの歴史があり、その歴史の中で作られてきた自然発生的な形状なのだ。

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15時、川口グリーンセンターにあるシャトー赤柴の現地調査。川口市が所有する古い公共建築の中の一部の部屋を、展示室として利用する計画に対するプロポーザルコンペ提案を行うための調査である。この部屋は50年ほど前の国体の時に現在の天皇陛下がお泊りになった経緯がある。このことを記念して、広く市民に開放される展示室とする計画というわけだ。部屋一つの小さなリノベーション計画であるけれど、初めての公共建築ということで楽しんで取り組みたいと思う。

2017/05/06

昨日の山行の疲れで足がひどい筋肉痛だ。階段の上り下りもまともにできない程である。ここまでなるのは何年ぶりだろうか。たかだか5時間弱の工程でここまでなるのはあまりよくないから、もうしばらくトレーニングを続けることにしよう。半年も続けることができればだいぶましになるだろう。

連休も終わりに近づいてきてだいぶ頭の中に仕事のことが浮かび上がるようになってきた。建築を作るという行為は仕事のモードの時だけに何かをすればよいというものでもなく、例えば山を歩いている時にふと思いついたことが設計に生きてきたりする類のものだから当然といえば当然である。自然の中に身を置いていると、建築の初元のようなものを思う。ヘンリー・D・ソローの森の生活の中という本がある。この人物は1800年代の半ばのアメリカにおいて、ウォールデン池のほとりに自ら建てた小屋で2年3か月の間、施策と労働と自然観察の日々を過ごした人である。今の日本社会の中でいうと、山小屋の管理をしている人の生活に似ているかもしれない。あこがれるけれど、そうそうできるものでもない。僕の知る限り、燃えてなくなってしまった長野県の入笠山荘がこのソローのイメージに合っていた。詩人の尾崎喜八氏から小屋を買い取り、山小屋を経営していた小間井さんのイメージである。

森の生活の中の一説にこんな文章がある。

「暖房について
いよいよ煙突を作ることになって私は煉瓦工事の勉強をした。私の使用する煉瓦は使い古しのものだから鏝できれいに磨き立てねばならず、そのため煉瓦と鏝の性質を人並み以上に学ぶことができた。・・・実際はかなり慎重に仕事をしたので、朝地面から積み上げたのに、夜になっても床から数インチの高さまでしか積めなかったので、寝るときに枕代わりになるというありさまだった。」

暖房を手に入れるための煙突工事に関する記載である。この感覚は僕たちの生活の中にはすでにない。復活させようと思ってもなかなかできるものでもない。時間がそれほどゆっくりと流れていないのである。亡くなった小間井さんの小屋には手作りの暖炉があった。渡り廊下を登っていくと天空につながりそうな露天風呂があった。どれも手作りだから今にも壊れそうだった。亡くなる数年前にすべて燃えてなくなってしまったからもう見ることはできない。家は何のために造るのか。自分のための時間が流れる場所、自分のペースの時間が流れる場所、自分のペースで時間の流れをコントロールできる場所・・・、現代社会における自分自身のための住宅の意味、そんなことをふと考えてしまったお休みであった。

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