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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

ますいいリビングカンパニー|埼玉県川口市

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増井真也日記

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2016/11/09

朝一番で、東京ガスさん来社。ZEHについてのレクチャーを受ける。ZEH?何のことやらという感じであるが、ゼロエネルギーハウスと言ってしまえば、とてもわかりやすい概念である。要するに、使うエネルギーと作るエネルギーを比較したら、作るエネルギーのほうが多い住宅をこう呼んでいるわけである。このZEH、2030年ごろまでには日本で造られる住宅の半数位をZEHにしたいという風に国が目指している、つまりは国家戦略的目標に位置付けられている。だから一応無視はできないのである。

ますいいリビングカンパニーはクライアントのご希望を形にする工務店機能を兼ね備えた建築家集団である。だから国に言われたから急に全部の建物をZEHにするという方針を掲げることはない。第一そんなことをしたらすべての建物が高くなってしまう。ローコストはますいいの命である。でもZEHをやってほしいと言われた時に何のことやら?という状況ではいけない。ということで、まずは早急にZEHビルダーの登録をすることとした。なんでもこの登録をしないと助成金の申請が出来ないらしい。何とも国のやりそうな制度なのである。

10時より、埼玉県越谷市蒲生にて新築住宅を計画しているというSさん来社。Sさんのご主人は大工さんである。でも建売住宅しか作ったことが無い、そしてまだ一棟の建築を請け負ったことの無い大工さんだ。大工さんがなんでますいいに来るの?の疑問はそれを聞いて晴れた。つまり決められた建売の組み立てはできても、家をゼロから作る経験が無いのである。職人の技術力の低下が叫ばれる昨今であるけれど、こうして初めて大工さんから仕事を依頼されるとその現実を改めて感じざるを得ない。

話を進めれば当然自分の家の大工工事は自分でやりたいということになる。ハウスメーカーではありえない提案だと思うけれど、ますいいでは至極当然のご提案だ。予算はなんと1000万円。普通じゃないクライアントが来ると、当然予算も普通じゃない。ちょっとめまいがするくらいのローコストである。でも好きなんだなこういう話が・・・。今日は奥様が来ての話し合いであった。でももし本当にやりたいなら、大工さん本人がぜひ来て下さい。その時は一緒に最高の家をつくりましょう。

埼玉県蕨市にて設計中の木造住宅のリフォームについての作業打ち合わせ。築50年ほどの古い住宅は、クライアントであるAさんが長年暮らしてきた御実家である。家の前にはこじんまりとした、でも心のこもった手入れをされているであろうことが感じられる庭がある。普通だったらバリアフリーとか言って壊して建て直してしまいそうな古い住宅なんだけれど、かたくなにリフォームにこだわるのは、この住宅に対する愛着であろう。

今回の計画ではただ単に新しくするだけではなく、この住宅の居間の部分をカフェとして利用できるようにリノベーションをすることを計画している。Aさんはご自身の経験から、自然を重んじた食事などにとても詳しいということである。このカフェでは同じように、オーガニックな食事を欲している人たちに対してや、地域におけるちょっとさびしい思いをしている人たちに対して開かれたコミュニティースペースとして利用することを予定している。もうすぐ工事が始まることとなるわけだが、その進行がとても楽しみだ。

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2016/11/08

朝礼終了後、林君が担当してる川口市前川にて設計中のNさんの家スタディー。ますいいではとても珍しい貸家のお仕事。しかもご予算は1500万円ほどのローコストである。Nさんが建てて、全く違う老夫婦が住む。土地がとても狭いので、2階建てになってしまうのだけれど、キッチン以外の水廻りは1階に配置することにした。ローコスト、狭小地、デザインを進めるのがとても難しい状況なのだけれど、それでも粘って何かを考えるのがますいいである。今日はファサードについての一考を進めることとした。

午後、茶道稽古。炉開き後の初めての御稽古ということで、初炭のお点前から続き薄茶までを行うことに。月末に控える茶名披露の茶事のための御稽古である。今日は少々長めの時間をかけて細部までこだわってお点前をしてみた。茶事をやるということは、当然点前もすべて自分でやることとなる。普段の御稽古はやっていても、人前でお点前をする機会というのは実は少ない。だからこそ、たまにはこういう緊張感のなかでの稽古も新鮮かつ大切なことだと思うのである。

2016/11/07

建築のファサードについて考えてみた。ファサードというのは要するに顔、建築がどのように見えるかということである。建築というのは都市におけるとても大きな物体であるから、このファサードというのはお施主さんの自己満足のためのものという側面だけではなく、まちの顔、まちのデザインに大きな影響を与える要素ともいえる。場合によってはその建築が出来たことで、なんとなくパッとしない通りが急に華やかになったり、趣のある通りになったりの変化を生み出すことだってある。たった一つの建物だけれど、そういう力を持つことがあるから建築は面白いのである。

下の写真は、川口本社にほど近い場所に作った絵画教室の建物だ。僕の子供もお世話になったことがある教室なのだけれど、英語で絵画を教えてくれるというとてもユニークな試みをしている。先生は昔ディズニーの建物にある巨大な壁画を描く仕事をしていたそうだ。もちろん勤務地はアメリカ。日本ではそんな仕事はめったにないであろう。このアトリエ、当然多くのお子様、そして大人も学びに来る場所である。だからこそいつも作っている住宅とは少々異なる、そういう場所としてふさわしいファサードを作る必要があるわけだ。

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ちなみにこちらは内部の様子。内部の様子が外から垣間見えつつ、楽しげな雰囲気が漏れ出すような建築としている。

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こちらは東川口エリアに作ったカフェのファサードである。目の前にあるおおきな道を走っている車からも認識されるような塔上のかわいらしいファサードを構成している。このカフェでは現在オープンに向けて準備が進められている。セルフビルドをふんだんに取り入れた建築の中で、若い夫婦が運営する手作りの温かいカフェとなるであろう。

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ちなみに最後にご紹介するのはスペインバルセロナにそびえるサクラダファミリアのファサードである。僕はこれまでも沢山の建築を見てきているのだけれど、この建築のファサードを見た時の感動は今でも忘れることが出来ない。人が作ったまるで自然の造形のごとき複雑な造形で、驚くほど巨大で、そして長い長い時間をかけて作り続けている人の手の跡が消えることなく残り続ける神秘性があり、見た目だけではなく中に入ったときに洞窟の中にいるような感覚となる空間性、建築の夢というものがあるとすれば、これがその答えであると言わんばかりの建築なのである。

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2016/11/06

今日は神奈川県川崎市にして茶事に参加。先月の茶事に引き続いての今年2回目の参加である。内容は先日の日記に記載したので重複は避けるが、心のこもったおもてなしに感謝感謝であった。

夜、神宮外苑での事故のニュースを見る。東京デザインウィークに出店していた日本工業大学の展示作品に火災が発生し、その中で5歳のお子様がお亡くなりになったということであった。ジャングルジムのような木組みのなかに、光を受ける木の破片が飾られているものであったようだ。

何とも言うことが出来ない、言葉をなくすような事件である。アートのための作品が一変してこういう事故の場面になりうるということを改めて思い知らされたし、建築に関わる私たちは常にそういう可能性を意識しなければいけないという戒めを感じもした。

亡くなられたお子様のご冥福をお祈りしたい。

2016/11/03

午前中は急用にて外出。

午後、江戸東京たてもの園にて建築見学。祭日ということで駐車場が大変混んでおり車をとめることが出来ない。公園のちょうど裏側にあるコインパーキングが空いていたのでそこから歩いて建物園まで向かうことにした。エントランスを入ると目の前に前川國男邸がある。2枚目の写真の階段の足元、1段目の段板の下でまるでピロティーで建築を支える柱のごとき造作があることに気が付く。しかも円柱ではなく楕円である。まるでコルビジェの建築の柱のような形態がこんなところにも埋め込まれている様子をみていると自然とにんまりしてしまう。面白い建築なのである。

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続いて小出邸である。この住宅は建築家堀口捨己が作ったもので、和洋折衷の形式となっている。それにしても和瓦がのる三角屋根の下が洋室で、洋風の水平屋根の下に和室が設えられているのは何なのであろうか?なんとなく逆なのかと思って中に入ると、予想を裏切られることで変な感覚になる、もしかしたらそんなことも意識して設計したのかもしれない。

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見学後、北口を目指してあるくもなぜかまた同じところに戻ってしまう。なんと軽い迷子である。夕刻の暗闇の中1時間ほどさ迷い歩きようやく車までたどり着くことが出来た。18時過ぎ帰宅。

2016/11/01

朝礼終了後、埼玉県さいたま市にて1年ほど前に作ったTさんの家取材立会い。Tさんの家は、ご家族と初めてであった時に話題となったベニシアさんの家をモチーフに作っている。ベニシアさんの家と言われても知らない人には何のことやらわからないと思う。ベニシアさんというのは、失礼ながらすごく簡単にご紹介すると、日本人と結婚したイギリス人で、ハーブなどを育てたりしながらのナチュラルなライフスタイルや独特の詩が多くの人の共感を呼び、NHKの「猫のしっぽカエルの手」に登場することになった人である。僕も、妻に紹介されるまでは知らなかったのだけれど、そのテレビを見てから関心を抱くようになったというわけだ。写真家のご主人が経営するカレー屋さんが京都にあるのだけれど、そこまでカレーを食べに行ったりもした。(残念ながらご主人に会うことはできなかったけれど、・・・)

で、家を作るに当たって何をモチーフにしたのか?

ベニシアさんは大原あたりにある古い民家を購入して、自分たちでセルフビルドのリフォームをして暮らしている。先のテレビ番組でもその様子はたびたび紹介されていて、その自由なリフォームがとても良い暮らしを演出している。

ベニシアさんの家の前には畑があって、その畑でのハーブや野菜の栽培とベニシアさんの魅力的な暮らしがとても近い関係を持っている。ベニシアさんはその畑で採れたハーブや野菜を使って、まるで料理の専門家のようなナチュラルなグルメを創り上げる。

ベニシアさんのそんな暮らし方は多くの人の共感を呼び、人が集まったり、その暮らし方を講演したりの状態になるくらいである。

僕がモチーフにしたという点は、上記のような事柄である。

まずはセルフビルドに対して。
僕は新築住宅を設計するときに、まずは予算にとらわれない理想的な設計をして(とはいうものの全く的外れな設計はしないようにしているけれど・・・)、その後に見積もりをして、予算内で収まらない部分はあとから作ればよいというふうに考えるようにしていることが多い。もちろんクライアントの年齢や体力を考えてそういうことが出来ない場合はしないのだけれど、もしも若くて自分たちでいろいろなことが出来る場合には、予算を理由に妥協の塊みたいな家を作ることは絶対にしない。ちなみに若いという定義はとても難しい。だってアスタリスクカフェのクライアントご夫妻は退職後に多くのセルフビルドを取り入れて、あんなに素晴らしいカフェを創り上げていたりもするのである。Tさんの家でも多くのセルフビルドを残すことで、家が成長し続ける余地を残している。

外と内の関係。
Tさんの家ではダイニングキッチンが土間仕上げとなっている。(正確に言うと寒がりの奥様のために床暖房付のフレキシブルボード仕上げ)リビングは一段上がったところにあって、DKとは障子で仕切れるようになっている。そのリビングにはストーヴが置かれ、家の中心をしっかりと形成している。こうすることでベニシアさんの暮らしの魅力の一つである外と内の関係、分かりやすく言うと、普通の家では冷蔵庫とキッチンの関係しかないところに、畑の野菜とキッチンの関係を作り出しているのである。

この家にどんなふうに人が集まったりのことが起きるのかはまだわからない。でも、きっと魅力的な暮らしに集まるお友達が集う楽しい場所になることを確信している。

夜、飯田郷介氏「おいしい美術館」出版記念パーティーに参加。もともと大林組の方ということで、大林組の会長さんやら丹下事務所の副社長さんやらのお歴々が参加している。縁あって参加させていただくことが出来、楽しい時間を過ごさせていただいた。

終了後、母と二人で赤坂にある寿司屋さんへ。赤坂サカスの真裏にあるお店で、年に2回くらいは通っているのだけれど母と二人で過ごす誕生日というのは生まれて初めてのことである。たまにはこういうのも良いものかもしれないななどと思いながら0時ごろ帰宅した。

2016/10/31

午前中、埼玉県東松山市にて設計中のKさんの家の打ち合わせ。今回は3回目のプレゼンテーションということで前回からの変更案をご提案させていただいた。基本設計というのは敷地に対する配置計画やらプランの考え方やらを、いろいろと変更してみながらの思考錯誤を繰り返す段階である。最終的にどのアイデアが気に入るかは別として、その敷地が持つ可能性を探るという意味で、何度も繰り返すことがとても大切であるような気がする。

終了後、同じく東松山にて土地を購入したいというYさんご相談。土地についてみると、道路から2mほど上がったところにある高台の土地である。道路との境は土のままの傾斜となっており、そこに家を作るにはどう考えても1000万円以上はかかるであろう擁壁の工事が必要となるように思われた。しばらくするとYさんが訪れた。事情を話してみると、そうした土木工事は全く想像外であったようで、予算的に今回は無理であろうとの判断をされていたようであった。がけ地に家を作るにはいろいろなお金がかかることが多い。今回は購入の前にご相談いただいたので良かったけれど、皆様もご注意願いたい。

2016/10/30

日曜日、今日は遠山記念館にてミニ茶会を行う。遠山記念館というのは埼玉県の川島町というところにある邸宅と美術館のある施設で、今は財団法人によって運営管理されている。もともとは、日興証券の創業者である遠山元一さんが、幼いころに没落した生家を再興し、苦労した母の住まいとなるようにと、昭和8年から2年7か月の歳月を費やして完成させてそうである。ちなみにここにある美術館には遠山家に伝わる美術品が展示されているのだけれど、それを飾る建築もまた美術品と同じくらい素晴らしい。設計は今井兼次で早稲田大学の大先輩ということだから、僕も学生時代にこの美術館だけを見学しに来たことがあるのを記憶している。

ちなみに今日は大名物の茶入れが展示されていた。この茶入れ、なんと大坂夏の陣の時に大阪城と一緒に崩れ落ち、その後バラバラだったものをもとの姿に直して、そして徳川家康の手に渡り・・・最後に遠山家に行きついたという道具だそうだ。そんなものが普通に目の前にあることが何となく不思議な気持ちがするのだけれど、そう感じるのはきっと今回の行事のおかげで遠山記念館の学芸員さんと親しくなり、なんとなく身近に感じるようになったからかもしれない。(だって普通の美術館でどんなに高価な物や珍しい物が展示されていて、もこんな気持ちになることはないのである。)

茶会の終了後、アスタリスクカフェにて昼食。総勢30名弱の人数ということで2班に分かれての昼食会となった。アスタリスクカフェさんはいまさらここで紹介するまでもないけれど、僕が作ったとても素敵なカフェである。

続いて岡崎さんの工房にて和紙漉き体験。岡崎さんもたびたび登場する和紙職人さん。ここでは自然の色を付けた和紙を漉くことが出来て、しかもそれを自分の家に貼ることも出来るので、ますいいの家づくりにもたびたび利用させていただいている。

最後に東松山の和菓子屋さん清晨庵にてお土産を購入して解散。なかなか充実した一日を過ごすことが出来た。

2016/10/27

午前中は事務所にて雑務。

夕刻より、夕ざりの茶事に参加。茶事自体が初めての体験であるのだけれど、さらに夕ざりとなると余計に分からないことだらけとなる。でも、お茶をやっているうえで最もうれしいひと時が茶事に招かれた時であるので、見よう見まねで楽しもうとの感である。

茶事とは?お茶をやっていない人には何のことやらわからないと思うので簡単にご説明すると、要するに食事をして、御菓子を食べて、お茶を飲む一連の流れのことを言う。この時に食べる食事のことを「懐石」という。この懐石には一応のルールがあって、始めは米と味噌汁と向付がのった盆が出てくるなどの決まりごとの中ですすむことになっている。さらに言うと客がそれをどういう順番で食べるかということまで決められているので、一応のルールは覚えていかなければならない。

食事が終わると、炭をおこす。そしてお菓子を食べる。お菓子を食べたら一度茶室から出る。そしてまた呼ばれてはいると濃茶が出る。その後にまたお菓子を食べて、そしたら薄茶を飲んで終わりとなる。時間にして3時間強ほど。亭主はこの時間を最大限の心を込めたおもてなしをする。そして客はその時間を最大限に楽しむ。まさに一期一会の思いで、一座を建立するわけである。お招きいただいた南浦和のOさんには心より感謝感謝である。

2016/10/25

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。


13時過ぎ、埼玉県川口市にて設計中の撮影スタジオ打ち合わせ。コストを大幅に減額すべく設計を変更しての打ち合わせである。それほど大幅な変更をしたわけでもないのだけれど、一部の構造を木造にしたり、屋根をかける向きを90度回転させたりの変更の結果、3分の1ほどのコストカットが出来たということで、いよいよプロジェクトの実現に向けた判断をしていただくところまでたどり着いた次第である。後は良いお返事を待つばかりである。

夕方、畑にて作業。11月に玉ねぎの苗を植えるための畝を作る。これまでは苗づくりから行っていたのだけれど、今年は時間が取れずに苗を購入して植えることにした。つまり少々の手抜きをしたということ。まあ趣味だからこういうこともある。でも畑作業を出来るくらいの余裕は出来るだけ失わないようにしたいものでもある。

それにしても最近は日が短くなった。5時過ぎには暗くなる。ちなみに夏場は7時30分ごろまで畑で作業が出来る。その差は2時間、大きな違いである。冬になれば日が短くなるのは当たり前だと言われるかもしれない。でもオフィスの中で電気のあるところで仕事をしている人にとって、こんな当たり前のことでも感じにくくなっているのも事実なのである。日本には四季があって、昔からその四季をいとおしみ楽しみながら暮らしてきたという歴史がある。魔法瓶のごとき環境の中で暮らし、仕事をすることを義務付けられている現代人には、こんなあたりまえのことを感じることが出来ることもまた難しい世の中なわけだけれど、四季を感じることくらいは最低限のこととして大切にしていきたいと思うのである。

2016/10/23

今日で3日目となる川口市産品フェアもいよいよ最終日である。今日は日曜日ということで一番下の娘を連れて、妻と一緒に参加することにした。会場には今日も林君と埼玉大学大学院1年生の張さんがいる。張さんは埼玉大学に通う中国人で、在日外国人と日本人の融合を研究しているのであるが、ますいいでの実践を経験したいということでインターンシップに参加してくれた。

張さんは昨日も来てくれていたのだけれど、参加している子供たちの中には最近川口に増えているパキスタン人のお子さんがいた。様子を見ていると張さんが優しく対応してくれている。自身が外国人として苦労した点を生かし、当たり前だけれど僕たちにはとっさに出来ないような対応をしている。「日本語はしゃべれますか」「英語のほうがいい」「どこの国から来たの」・・・よく考えればそれを聞かなければ何もはじめられない質問をして、相手の情報をつかんで、結局は片言の日本語で外人同士がコミュニケーションしている様子は、将来の日本のまちで普通に見ることになるであろう「今よりも少し国際的な国のイメージ」を感じさせるものであった。

夜、村上春樹「神の子供たちはみな踊る」読了。この本は1995年に発生した阪神淡路大震災の後に書かれた短編小説を集めたもので、神戸と何らかの関係のある人物が登場し、そして神戸で起きた地震とは全く関係のないその人のエピソードの中で、何かを描こうとしているものである。

物語自体は地震とはほとんど関係はないわけだし、しかもその一部はアンリアルな村上春樹ワールドであったりもするわけで、読んでいるといつものように何が言いたいのかの思考をぐるぐるとめぐらすことになるわけだけれど、僕にとってはそれが本当に心地が良い時間となる。

そもそも村上作品というのは、言葉で簡単に説明されがちだけれど本当はそんなに簡単に操ることが出来ない人間のうちにある何かや、その何かがちょっとした拍子にはじけたり、しぼんだり、暴力的になったりの変化を、リアル・アンリアルに関わらず様々な登場キャラクターを駆使することで生き生きと描いている。そしてその訳のわからない表現を解読する中で、僕自身に抱える矛盾を再認識することとか、矛盾を乗り越えたうえでの再びの前進とかにつなげる力を得ることが出来るような気がするのである。

人間の社会というのはとかく何かの枠にあてはめられがちである。ちょっと油断をするとすぐに何かの組織だったり、肩書だったり、立場だったりの枠にはまってしまうことになるし、そういう枠があることがその人にとっての安らぎになってしまうこともあるわけだけれど、そういうものではない何か、もう少し生々しい本質的なものを探り出そうとする言葉の羅列こそが村上作品であると思うのだ。だからこそ僕にとっては最も優れた心の薬となるのかもしれない。

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2016/10/22

川口市産品フェア二日目。昼ごろまで会場にいて、午後からは埼玉県寄居町にて進行中のMさんの家の上棟式に参加した。

ますいいからは僕と鈴木君と土田君の3名、Mさんとご両親、そして工事を手伝ってくれているおじさんという顔ぶれである。上棟式とはいっても上棟してだいぶ日数が経っており、すでに外壁の下地や内装の唐松の床板貼りが始められている状態であるので、この時期でもそれほど寒さを感じることもない。

とてもおいしいお料理をご用意していただき、しかも僕が運転係とうことでスタッフ2人は十分にお酒までいただくことが出来、とても楽しいひと時を過ごさせていただいた。

お母さんの手作り料理で栗を入れたお赤飯のおにぎりがふるまわれたのだけれど、こういう料理を作ることは僕の家ではすでに皆無になってしまっている。でも考えてみれば栗という旬の素材と、赤飯というおめでたい料理を混ぜ合わせたとても心のこもったお料理なわけである。こういう小さな心遣いとそれを感じる幸せの積み重ねこそが、実はとても大切なもののような気がするわけで、僕も何かの時にはお赤飯を炊いてあげられるような人になりたいものだなあなどと思ったしだいである。

夜、自宅に茶道裏千家淡交会・埼玉県青年部の役員さんお二人来訪。30日に行う行事の準備などを行う。20時過ぎ終了。

2016/10/21

朝礼終了後、川口市内にあるスキップシティーというところで開催されている川口市産品フェアに出向く。昨年から始まった奥ノ木新市長肝いりのお祭りなのだけれど、今年はますいいも他の会社さんたちに交じって出展しているのである。展示の内容は、ますいい建築圏で展示をした15年間にわたる150件の住宅作品の一部と、おなじくますいい建築圏で展示したプロジェクト3事例に関するパネル展示である。そのほかには、20センチほどの四角いベニヤ板に、モザイクタイルを張り付けるという、鍋敷きつくりワークショップを開催することに。こちらは無料で合計100名ほどの皆様にご参加いただくようにした。

初日は開会式が開催されることもあり、多くの市役所職員さんや市議会議員さんたちが会場に足を運んでいるようである。市長が先頭を切って運営しているのだから当然であるけれど、こんなにも多くの行政関係者を一堂に見るのは初めてのことかもしれない。午後になるとだんだんと多くの一般来場者が来始めて、ますいいのブースにもワークショップに参加する人の予約がたくさん入った。担当のスタッフは林君、さらにはインターンシップでますいいに参加している埼玉大学の大学生のふたりである。こういうイベントの設営はやってみると楽しいもので、二人とも夢中になって運営をしてくれていた。

会場を回ると、100以上の企業のブースが様々な形で展示されている。行政職員が川口市内の企業を知る機会となり、市内の企業同士が出会う機会ともなる。植木産業のブースにあった10センチ程の厚さで植物が育つナイロンの網、意外に美味しかった和菓子屋さん、行きつけの居酒屋さんで出しているカツサンド、十数年来のお付き合いをしていながらも初めて会社で作っているものを見せていただいた製造業の社長さん、火であぶると動き出すエンジンを作っている会社、3Dプリンターの型屋さん、とにかくたくさんの企業活動を垣間見ることが出来てとても有意義な一時を過ごすことが出来た。

2016/10/19

朝礼終了後、埼玉県寄居町にて進行中のMさんの家スタディー。続いて川越にある川越銘木センターに出かける。ますいいの家づくりでは銘木なるものはめったに登場しない。銘木というのは、要するになかなか採ることが出来ない価値のある=価格の高い木ということで、ローコスト住宅を得意とするますいいの家づくりに早々登場するはずのない物なのであるけれど、ごくたまに茶室を作る時にだけどうしても必要となるのである。

今日探し求めて来たものは床の間関係の木である。床の間というとまずはじめに床柱を決める。決め方にはいろいろとあって、例えば茶室の雰囲気に合ったものを選んだり、誰か大切に人から由緒ある材木を頂いたり、もしくは建て替える前に住んでいた家の古い床柱を再利用したり・・・。今回は茶室の雰囲気に合ったものを選択しようということで、赤松を使用することとした。赤松の床柱と言えば、室町三井家の三井高大氏が箱根に作った松の茶屋にある「卯の花」という6畳の茶室に用いられている。ここでは6畳ということで2寸4分、少々細めの物が使われているが、今回は8畳の部屋なので3寸4分ほどの太さを選ぶことにした。

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次に決めなければいけないのが落とし掛けである。落とし掛けと言われてもどの部分かわからないと思うので説明すると、床の間の上の方から降りてくる垂れ壁の下端にある横に流れる木のことを言う。ここには松を選ぶことにした。松というのは少々赤みがかった木で、かんなで仕上げると何とも言えない良い艶を出す。まっすぐな柾目を見付けに向けて、良い具合に出た木目を下端に向けるのだけれど、松という樹種自体も何とも茶道の世界らしい、縁起の良い木なのである。

最後に決めるのは床框、床の間というのは一段高くすることが多いのだけれど、その段差の部分に入れるのが床框となる。今回はその部分にヒノキの錆丸太を選ぶことにした。丸い部分を正面に向けて平らな部分を上に向けて取り付けることとなる。この茶室は内装を白い和紙張りとし、床の間の奥の壁だけは黒い漆喰で仕上げる予定である。全体的にはモダンな雰囲気の創作茶室といった感じなのだけれど、床の間だけはいわゆる伝統的な意匠を設えるようにしている。

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14時過ぎ事務所に戻り、茶室部材の注文作業を行う。蛭釘、二重折れの軸釘、蛭花釘、花釘、柳釘といった金物は床の間に花をかけたり、軸をかけたりするときに使用するもの。炉壇の受け金物は、金物製の炉を取り付ける下地である。こうした物の注文はやはり僕しかできないのである。

茶道を初めて7年ほどであろうか。その前には聞いたこともなかった部材やら部位についての理解は次第に深まってきたように感じる。そして知れば知るほどに、高価な物への見識も深まってしまう様な感覚もある。そしてそれに対する嫌悪感もまた同時に感じるのだ。高価なものというのは一度知るとそれが次の基準になってしまうようなところがある。そして実はもっと安くできるはずなのに、植樹林でなく天然ものでなければいけないとか、木目がきれいでないとか、そういうことにとらわれてしまったりもしがちである。でもそういうことには本質的な価値はない。茶室を家に作るという感覚や、それを生活の中でどのように利用するのか、しいては暮らしの中で日本の文化というものがどのように根付き、関係し、人間の暮らしを豊かなものにしてくれるのかということにこそ本質的価値があるのであり、珍しい木だからといって一本何十万円もするような銘木を使うことは、高級なブランドを身に着けるがごときに過ぎないような気もするのである。今日の部材の選定も高価すぎず、そして茶室の設えとしてふさわしいものを選ぶことを心掛けたつもり、果たしてクライアントに気に入っていただけるであろうか?

2016/10/18

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

午後、茶道稽古。今日は僕一人の御稽古、たまにこういう風にマンツーマンで指導を受けることが出来る時があり、そういう時は普段できないことを指導してもらうことが出きるチャンスとなる。今日は風炉の炭点前、そして中置きのお点前をさせて頂いた。風炉の炭出前はかれこれ一年ほど前に習得した記憶があるのだけれど、自分自身を疑いたくなるほどに見事に忘却している状態からのスタートで、それでも記憶というものは何かのきっかけを与えると芋づる式に蘇ることもあるようで、何とか最後まで進めることが出来た様であった。中置というのは風炉がいつもの位置よりもお客様の方に移動しているお点前で、水差しがいつもとは逆に勝手付け側に移動するという形式となる。火が客に近づく、もっと近づく11月には炉になるのだけれど、炉に変わる前の月の10月に行う、火が移動する途中での名残の点前というものなのである。

夜、事務所にいたスタッフ4人を連れて、赤羽にあるステーキハウスに出向く。橋本君に何が食べたいかを聞いた返事が「肉」ということで決まった食事会である。会社で仕事をしているときだけの付き合いでは聞くことが出来ない話を聞いたり、僕のくだらない経験談を伝えてみたり、時には建築やデザインについて議論を交わしてみたり、とにかくよく話をすること3時間ほど。途中から土田と林の2名も加わり、11時過ぎまで楽しい時を過ごした。

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