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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
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増井真也日記
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増井真也日記

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2017/11/14

朝礼終了後、川口市役所鳩谷分室にて現在設計中のKさんの家の敷地前通路の調査に出かける。この敷地の前面道路は厳密には水路の舗装路で道路ではない。両側には植栽が植えられており、計画地の前にもわずか2mの隙間を除いてはすべて植栽が配置されている。ただでさえ狭い水路上の舗装路で、しかもたった2mの幅しか開口がないとなると工事の進行にも支障がある。ということでこの植栽の撤去もしくは一時撤去についての問い合わせに行った次第である。結果は良好、おそらくこちらの意向通りに対応してくれそうな感触であった。行政とは市民の健全な暮らしのために存在するのであって、こうした相談は中立の立場に立ってきちんと行えば、聞いてもらえるものなのだと思っている。相談する側にもされる側にも、とにかく大切なことは良心なのだろうと思う。

午後、茶道稽古。今日は炉の点前である。茶道の中で湯を沸かす設えには風炉と炉があるのだけれど、11月からは炉を使うという決まりになっている。炉というのは畳を切り、彫り込んで作られた部分のことで、おそらくは皆さんのイメージにある茶道の風景の湯を沸かす様子は、こちらのほうが多いのではないかと思う。炉開きというのは、特に晴れがましい行事でとても大切にされる瞬間である。僕はといえば、突然変わってしまったお点前について行けるはずもなく、先生に助言されながらの進行であった・・・。

2017/11/12

午前中、東京都国分寺市で新築住宅を検討中のJさんご家族打ちあわせ。今日は1回目のプレゼンテーションだ。プロジェクトは東西に細長く切られた土地に建てる住宅である。南側にも当然同じような住宅が建つわけで、そのうえでどのように南側からの光を取り入れたり、風が通り抜ける住宅としたりするかの検討を中心に取り組んできた。南側の住宅との距離は1m程度しかない。もう少し離れるかもしれないけれど、おそらくそんなものだ。外壁面、つまり横からの光はあまり望めない。とすれば・・・やはり思いつくのは上からの光である。屋根の一部を立ち上げて、そこの外壁面に開口部を設けることで明り取りのための棟屋となる。仕上げを漆喰などを施すことにより白くしておけば、光は反射して拡散する。上からの光は気持ちが良い。1階のリビングに降り注ぐ光は、まさに光庭ともいうべき明るい空間を作り出すだろう。

下の写真は埼玉県伊奈町で作った住宅である。中央部分に設けられた吹き抜けの上部には棟屋を設け、1階に配置したリビングまで光が降り注ぐようにした。吹き抜けにはストーヴが設置されている。家の中央にあるのは柔らかく燃える火である。普通の家では家の中央にテレビが配置されることが多いけれど、それに比べてこのように火の回りに集う様子はとても文化的だと思う。ちなみにキッチンのガスコンロの火は絵にならない。ガスコンロの周りに集い、語り合う人はいないだろう。ストーヴの火は見ていて飽きない。それどころか、人間とは・・・なんて考えてしまったりもする。ワインを片手にストーブの周りに集う、そんな生活ができる住宅はとても豊かな空間だと思うのである。

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国分寺の家もそんな家になればよいと思う。2回目のプレゼンに向けて考えを進めていきたいと思う。

夕方より埼玉県川越市にて家づk類を検討中のMさんご家族打ちあわせ。土地を買おうかどうかの最終決断の時期である。1年半前に初めてますいいに来てくれた時の土地の話はうまく進まなかったということだけれど、今回の土地は綺麗な分譲地だからスムーズに話が進むであろう。それにしても1年半である。1年半たってもまたますいいに来てくれる、それが何よりもうれしかったのである。

2017/11/10

朝礼終了後、東京都墨田区にて計画中のマンションのリフォームの現地調査に出かける。現場につくと、オゾンさんとクライアントのKさんが迎えてくれた。都会のマンションだから周りの環境はどのようになっているのかと確認してみると、窓の向こう側には隣のビルの窓があったり、はたまたバルコニーがあったりと言う具合である。こうなると開口部の周りにくつろぎの場を配置しての通常のプランニングが最適な答えであるとは言えず、開口部とくつろぎの場の間にいかに中間領域を配置するかのデザインをすることがテーマのように思えてくる。Kさんがセレクトしている最近の事例などを見ても、個室や書斎といったスペースを窓際に配置することでくつろぎの場を柔らかく周囲の喧騒から遮るものが多いようだ。都会には都会ならではのデザインがある。ここ両国は息子の高校があるのだけれど、縁というのは本当に面白いもので、息子が両国に通いだして初めて両国の仕事をいただき、それ以来なぜか両国で依頼されることが多いのだ。さてさて、今回の両国でのお仕事はいかがなものか。これからの進展が楽しみである。

事務所に戻り各プロジェクト打ち合わせ。日曜日の打ち合わせに向けた渡辺君の作業確認などを行った。

2017/11/08

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。10時、岐阜県からお越しいただいたNさんとの打ち合わせ。東京都のお寺の改修工事に関して限界耐力計算という手法での耐震診断を依頼したところ、予想よりもだいぶ良い結果が出た。この計算手法では、地震の時の揺れ幅を建物の高さの何分の一であるか予測し、その数値が小さければ小さいほど有利となる。何もしなければ1/15、お勧めの耐震改修工事を行えば1/21、という具合に揺れ幅が小さくなる。揺れ幅が小さくなるということはつまり壊れなくなるというわけである。

実はこの耐震診断やらの手法はあまりメジャーではない。僕たちが通常の住宅で使用する耐震診断は一般診断といわれるもので、この限界耐力計算とは違う。限界耐力計算では柱や梁の仕口も耐力があるということで計算するけれど、一般診断では接合部だけの耐力は考慮されない等の差がある。ではなぜお寺の場合だけこんな計算方法があるかといえば、開口部だらけのお寺などでは、通常の耐震診断で耐力壁とみなされる壁が少なく、仕口や接合部の強度を考慮しなければ、耐震要素が少ないので簡単に壊れるという判定になってしまいがちだからである。メジャーではないから東京都の構造設計士さんの中で探そうとしても技術者がいない。でもお寺などの建築物の多い関西にはたくさんいる。だから岐阜県から来ていただいたというわけなのだ。

東京だけが最も高い技術力を有しているというのは勘違いである。むしろ地方のほうが人の手にまつわる技術力に関しては高いような気がするのである。

15時、左官職人の金澤さん来社。ものつくり大学出身の女性左官職人である。1級技能士であり、母である。一人でやっているから広い面積の仕事はできないけれど、でもこだわりの仕事を続けている。旦那さんはゼネコンマンだというから建築一家だ。ますいいではセルフビルドを多く取り入れているけれど、金澤さんはそのセルフビルドの指導なども快く受けてくれるという。小さな面積ならタイルも貼れる。何かと心強いのである。

2017/11/07

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

14時より埼玉県川口市にて設計中のYさんの家のリフォーム打ち合わせ。ますいいからは田部井・土田・吉村と私の4名の参加である。なかなかの大人数となったのは、施工範囲の検討などでだいぶ遠回りの検討を重ねてきたからなのであるけれど、ようやく予算内での施工範囲と工事内容の目途が立ってきた。リフォーム工事の難しいところはまさにこの施工範囲の設定である。ここも、あそこもという具合に範囲を広げていっては当然コストも膨らむ一方であり、だからといってここもやるならあそこもついでに綺麗にしたいというのが人情でもあるわけで、どこかで線引きをする瞬間が必要となるのである。

夜、埼玉県川口市にて設計中のIさんの家の打ち合わせ。これまたまさにご近所でのお仕事である。先のYさんもご近所だけど、工務店にとっては地元に愛されるということが何よりも大切なことだと思う。今日は実施設計に入っての各所の仕上げなどについて打ち合わせを行った。22時間ほどの打ち合わせの後終了。

2017/11/06

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。埼玉県川口市にて設計中のHさんの家ではこれまで設計を進めてきた3階建ての案を一時中断して、2階建てのプランを考えてみた。もちろん3階建てのプランもとても気に入っているのだけれど、コストのことや周辺の住宅との調和を考えると2階建ても候補として考えてもよいかなの思考である。ちなみに周辺の住宅はほぼすべて2階建てである。30坪の土地面積があればどちらも自由に選択できるわけなので、この辺は冷静に考えていきたいと思う。

2階建ての3階建てのコストとの違いについて考えてみた。基本的には3階建てのほうがやっぱりコストは高くなる。まず基礎の構造が少し複雑になる分コストが上がる。設計段階においては構造計算費用が割高となる。足場や外壁工事は面積によって決められるのであまり変わらないけれど、上下移動の量が増える分労務費が上昇する。直接的な費用の差はこんなものだと思うけれど、3階建ての場合は地震の場合の揺れ幅も増えるわけなので、例えばひび割れしにくい外壁材を選択するなどの配慮も必要となる。準防火地域の場合には3階建てにした瞬間に準耐火建築にしなければいけない規制がかかる。まあいろいろとあるのだ。

13時過ぎ、川口市役所公園課の皆様と一緒に青木町公園視察。市の中心部にある総合運動公園の外柵とサインのデザインを行っている関係である。今日は公園の周りを一周回りながら、伐採する樹木を選んだり、高低差の処理の仕方などを話し合ったりの有意義な打ち合わせであった。外周約1キロの長い長い柵である。実際の工事は来年となるであろうけれど完成するのがとても楽しみだ。

2017/11/05

今日は裏千家淡交会の事業で、和菓子つくり体験を行った。講師は与野にある梅月堂というお菓子屋さんの大熊氏である。全部で4種類、栗の饅頭・花をイメージした練り切りなどを、3時間ほどの講習の中で作成させていただいた。参加者はみんなで22名ほど。皆淡交会という会合の会員である。茶道という共通の目的に集う仲間たちである。和気あいあいとする中でも、節度ある楽しい時間を過ごすことができた。

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2017/11/03

祭日というのにほとんどのスタッフは出社している。まあいつものことである。

10時、千葉県流山市にて設計中のIさんご夫妻打ち合わせ。今日は2回目のプレゼンテーションである。前回は2階にリビングを配置していたのだけれど、今日は1階にリビングを配置したプランをご提案させていただいた。リビングを1階に配置するか2階に配置するかは、敷地条件の厳しい都会の家づくりではいつも悩むところである。家の前に全く視界を遮るもののない広い庭を作ることができて、・・・の好条件であれば迷いなく1階となるところなのだけれど、土地の価格の高い都会ではそんな贅沢ができるのは地主さんくらいのものである。下の写真は数年前に造った越谷の家である。この計画では、道路からの視線を遮るウッドデッキの中庭を作り、リビングから連続する仕上げとすることで一体感のある空間を実現している。中庭は、道路面とは異なる方位に面しており、プライバシーもある程度確保されている。

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下の写真は、船橋に造った住宅である。30坪ほどの小さな土地であったが、1階に配置したリビングが道路面よりも70センチほどかさ上げされた庭に面しており、木製建具を通して一体感のあるスペースを作り上げている。

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それに対して、2階にリビングを配置した例もある。浜田山の家では河川敷沿いの公園に面する土地であったが、プライバシーの確保に考慮して2階のリビングに連続するウッドデッキを造っている。地面とは離れているけれど、連続するウッドデッキとその先の緑に囲まれた心地よい空間が完成した。

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1階リビング、2階リビング、どちらが正解ということもない。開放感やプライバシー、光の取り込み方などを考慮してその都度悩んでいく問題なのである。

夕方、東京都の高円寺にて新築住宅を検討中のIさん打ち合わせ。今日は初めての面談ということで家づくりに対する考え方などを伺った。20時ごろまで。

2017/11/01

誕生日。今年で43歳になる。建築業界で働き始めて21年目が始まろうとしている。いつの間にか業界でも中堅の位置になってしまった。いつまでも若いと思っているのは自分だけ、あっという間に年月は過ぎていく。四十にして惑わずというが、僕の場合は住宅をつくる住宅作家としての道に誇りを感じるし、やりがいも感じているのでこのままきっと進んでいくんだろうと思う。地元に密着した建築家、工務店のおやじとしての側面も大好きで、このまま素敵な年の取り方ができればよい。とにかくあんまり世間の情勢に左右されることなく自由でありたいし、良い仲間とともに良いものを作っていければと思っている。偉大過ぎて比較することもおこがましいけれど、桑田佳祐のような生き方が僕は好きだ。何歳になっても変わらず一つのことを全うする姿に惹かれるし、そのスタイルが変わらないこともまたすごいと思う。時代が変われど、そして人も変われど、どんな世代にも受け入れられる価値を生み出す姿は建築にも通じるものだ。流行が過ぎれば廃れる建築もある。月日が流れれば見るも無残な建築もある。でもいつの時代にどんな人が見ても心打たれる建築もあるのだ。普通だけどちょっといい家。これからもそんな家を作っていきたいと改めて思う。

10時、東京都台東区にて新築住宅を検討中のSさんご夫妻打ち合わせ。次回の模型作成に向けて展開図などを用いた打ち合わせである。とても小さな敷地に造るとても小さな住宅ということで基本設計のペースは早いけれど、その分コストにもとても厳しい制限があるので丁寧に進めていかなければならない。

2017/10/31

今朝のニュースで3大メガバンクがAIを導入して、大量の人員削減を見込んでいるというニュースが流れた。みずほグループでは6万人の人員を19000人削減するそうだ。スウェーデンの田舎町に昨年誕生した無人コンビニが話題を呼んでいるけれど、これもスマホとAIを使って、完全に無人化を実現した店舗を生み出したということである。しかも完全無人で大きなトラブルはないというのだから不思議である。人がいて現金があるよりも逆に安全なのかもしれないなどと思ったりもする。これが世界的に普及すれば、いま日本にある大量のコンビニとそこで働く人が不要となるわけで、先の銀行の話とまた同じことが起こる。人手不足といわれるけれど、いったいいつまでこの状況が続くことやら。近い将来働きたくとも仕事に就けないという状況が起こるのではないかの気配もある。

人が働かなくともAI、ロボットがすべてをやってくれるの夢が実現すれば、その先には人が必要なくなってしまうとの結論にたどり着きかねないような気もする。それはまさに映画の中の話であったけれど、それでもそんな未来がなんとなく予想されてしまうのが気持ち悪い。

2017/10/30

朝礼終了後、各プロジェクト打ち合わせ。本当は10時ごろには渡邊君と一緒に国分寺の敷地調査委に出かけようとしていたのだけれど、次から次へとくる質問の嵐になかなか事務所を出ることができない。結局11時過ぎにようやく事務所を出て、現地調査に向かうことができた。12時過ぎ、国分寺の家の現場に到着。西側に道路があって、東西に長細く分割されて売られている土地である。南側には当然家が建つ。その実が見側からいったいどのように光を取り込むことができるかのイメージを浮かべながら、現地で空想の家を建ててみる。吹き抜けを設けたり、光のラインを想像してみたり、よくわからなくなると近所の家並みを見てみたり・・・、約1時間ほど敷地と対峙して事務所に戻った。

17時、埼玉県川口市にて新築住宅を設計中のHさんご家族打ちあわせ。基本設計の終盤戦ではあるけれど、まだまだ調整できる余地はある。急ぐ仕事ではないので、様々な可能性を探っていきたいと思う。

2017/10/29

今日は、僕が普段お世話になっている裏千家茶道の松田先生の社中の皆様と、仲間と一緒に造った茶道同好会のメンバーとでミニ茶会を開催した。仲間内で作った同好会のほうは、茶道経験者があんまりいない。今日初めてお点前をする人、今日初めて着物を着た人、そんなメンバーである。皆、地元川口市の会社の経営者たちで、普段は皆がお山の大将である。そんな仲間が集い、茶会をするとなるとどうなるかが楽しみであったのだけれど、皆一様に緊張し手を震わせながら真剣にふるまっている姿を見ると、やはり伝統というものの力を感じたりもした。かくいう僕も最後のお点前で微妙に手を震わせながらの点前である。真剣に何かを行えばおのずと緊張するものだ。その緊張が解けるには、やはりそれ以上の繰り返しの精進をしたときだけである。それが自信となり、自然体となったときに本当に良い所作が生まれてくるのであろう。

茶道に和敬清寂という言葉がある。この「寂」というのは、どんなときにも動じない心のことを言う。「寂然不動」という言葉から来ているらしいが、そんな境地にいったい自分がなれるものなのだろうか、できる事なら目指してみたいと思う。

2017/10/28

午前中、東京都板橋区にて設計中のSさんの家の打ち合わせ。今は基本設計の段階である。プランの修正、住宅の利用方法の想定などを繰り返しながら図面の修正を進めている。次回に向けての検討課題も数点見えてきているので、スタディーを進めていきたいと思う。

午後、新宿パークタワーにあるリビングデザインセンターOZONにて打ち合わせ。東京都の両国駅に程近いマンションにてリフォームを検討しているKさんご夫妻との初顔合わせである。ご家族4人で暮らす古いマンションの全面改修ということで、ご提案が楽しみなところだ。

2017/10/27

午前中、川口市産品フェア2017に参加。今日から3日間は川口市にあるスキップシティーなるところで、川口市内の企業が集まり、それぞれの企業のPRをするお祭りが開催される。今年で3回目となるこのお祭り、昨年に引き続きますいいも出展することとなった。工務店というのは地元に密着している組織である。そもそも工事現場に管理に行くには車で移動となるわけであり、そうすると会社を中心に車で1時間30分程度の圏内でしか仕事をすることはできないのであるから、当然地元意識が強くなる。それに、この川口市という町は僕が生まれ育った故郷であるし、僕の両親も、そのまた両親もこの町で育っているわけだから、少しでも良くなってもらいたいという気持ちを持つこと自体が当たり前といえば当たり前なわけだ。

僕が好きな建築家にガウディーがいる。最近独立運動で話題になっているスペインのカタルーニャ地方のレウスという町で1852年に生まれた彼は、金物細工師の5番目の子息であり末っ子であった。ちなみにレウスは、バルセロナに次ぐ主要都市で人口が2万3千人ほどいた。ガウディーは「私の唯一の長所は私の下で働いている人々の一人一人が仕事を十分にできるよう、彼らの能力を引き出すことにある。」と繰り返し語っていたそうだ。

僕が生まれ育った川口市という町も工業都市として発展してきた。そして僕もガウディーと同じように町の機械加工職人の長男として生まれ育った。ものつくりをする父の姿を見て育ち、自然と建築の世界に足を踏み入れた。そして今、なんとなくではあるけれど川口の鋳物産業にかかわる方々の技術を街の魅力に取り入れるという計画に参画させていただいている。

バルセロナの街の魅力は間違いなくガウディの力によるところが大きい。建築がこれほどまでに力を持ち、町を興すという世界に誇る成功例であろう。川口市が少しでも魅力的な街となるよう微力ながら尽力していきたいと思う。

2017/10/23

先日、首都大学東京からますいいに参加いている滝本君と一緒に、セルフビルドを行ったクライアントのインタビューに行ってきた。なぜにインタビューかというと、彼の卒業論文のテーマがクライアントの家づくりへの参加に関することをテーマにしているということで、まずはその経験者に体験談を伺いたいという要請を受けたからである。二つの中庭のある家は2011年に造った女性の一人暮らしのための住宅である。1500万円というローコストでどのように魅力的な空間を作るかを考え、セルフビルドをふんだんに取り入れながら作り上げた作品で、埼玉建築文化賞の最優秀賞を受賞した作品だ。

現地に着くと、クライアントのMさんが快く迎えてくれた。当時を振り返り、楽しく思い出話をしていると本当にこの家を作ってよかったと思えてくる。僕が当時書いた手紙を壁に貼っておいてくれたり、大切にファイルに保管している当時の図面を見せてくれたりの様子は、これ以上ないくらいのご褒美だ。下に滝本君がまとめたレポートを掲載する。是非ご一読いただきたい。

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2つの中庭のある家(増田邸)ヒアリング

セルフビルドの内容 
柿渋塗装(天井、柱、フローリング、造作家具) EPクリア(フレキシブルボード) 漆喰も当初セルフの予定だったが、工期の都合(年末年始で忙しい時期)で職人さんにやってもらった。

セルフビルドを取り入れるきっかけは?
最初からセルフビルドでやろうと思っていたのではなく、設計の後にセルフビルドが付いてきた感じ。 打ち合わせに行って、事務所のHPを紹介してもらってセルフビルドを取り入れた事例を知る。 なるべくローコストで抑えたいし、楽しそうだからやってみようという気になった。 気を使うより失敗を覚悟で自分でやりたい性格で、木型屋の父を見て育ったということもあり、あまり抵抗 はなかった。

セルフビルドを実際にやってみて、作業はどのように感じられたか?
友人に手伝ってもらう予定だったが都合が合わず結局一人でやった。 平日はスタッフに多少手伝ってもらったが、休日はなるべくきて一人で黙々と作業した。 初めての作業で初めのうちは新鮮に感じられて楽しくやれたが、徐々に一人でやらなければならない大変さ (一人だから投げ出せない、孤独感)も感じた。 やってみて初めて間に合うか不安になった。(シナ合板60枚の柿渋塗装を9~17時で仕上げた) 冬場に作業をしたので、時期も考えて工事に移れたら良かったかもしれない。

セルフビルドを取り入れ家作りをしたことで、日々の暮らしの中でどのように感じているか?
素人の手で塗装をしたので少しシミやムラができたりもしているが、自分がやったものだからそれがむしろ愛着につながっている。真新しいものにはない、昔からそこに住んでいるかのような温かみがあり、距離感が近い感じがする。もう一度新築で建てることがあったとしても、セルフを取り入れたいと思う。(大変さも知ったが、それ以 上に得られるものがある。)やっぱり職人さんにやってもらったら良かったという後悔はなく、むしろ漆喰も自分でやりたかったくらい。 自然素材は不均一で手入れも必要だがその分愛着にもつながり、セルフビルドと自然素材はほとんど隣り合わせ。自然素材を選ぶとセルフビルドは付いてくる。セルフビルドを取り入れることの最大の利点は手作りによる愛着感、馴染みの良さだと思う。

その他
施主からの要望はそれほどなく、自分が細かく口を出すよりもプロの設計者に作家にお願いするつもりで任せた。 エアコンがあまり好きではなくて、ガス暖房で自分のいるところだけ暖めたり、冬場は着込むなどの工夫をして、不便を楽しんで暮らしている。 夜勤明けで疲れているのもあって、俗世間と少し距離をとって生活をしたい。(インターホンはつけていない) 室内にいながら季節を感じられ、1、2年住むと段々と暮らし方がわかるようになってくる。

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