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増井真也日記
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増井真也日記

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2017/05/24

朝礼終了後、東京都豊島区にある本納寺さんへ。今日は細かいメンテナンス工事の見積もりなどのご説明と、本堂の屋根の葺き替え工事に関する打ち合わせである。お寺という場所は仏教のための宗教建築である。ゆえにその時間の流れ方が非常にゆっくりとしていて、つまりは未来にわたってしっかりとその場に存在し続けてくれなければならないという使命を持つ。ご住職もたまたま今の時代を任されているということであり、次の世代のご住職にしっかりとバトンを渡さなければいけないという責任がある。建築は人が住むという機能を満たす住宅とは異なり、信仰の場としてふさわしい容姿を示さなければならないのである。

しかしながらコストもやはり重要な要素だ。大切な建築だからいくらでもかけてよいというわけでもなく、限られた予算の中で効率的にメンテナンスを行わなければいけないのが現実だ。近年の仏教はお金が集まる仕組みをそれほど持っていない。だって日本人は積極的にお寺にお布施をするような習慣をすでにほとんど失ってしまっているのだ。お葬式だってセレモニーホールが台頭している。お墓ですら集団墓地やメモリアルパークのごときものが増えている。
(僕はメモリアルパークの仕事をしたことはない。依頼を受けたことはあるけれどなんとなく手を付けることができなかった。その施設の持つべき永劫性を満たすかどうかわからない民間経営母体による運営をされる墓地を、企業の言いなりになって作ることに何となく抵抗感を感じたのである。)

寺院には寺院の役割がある。その役割をしっかりと果たすための場所を作らせていただく仕事はとても貴重なものだと思う。人が暮らす住宅、人が亡くなった後も生きている家族とつながることができる寺院、なんとなく共通する何かがあるような気がするのである。

2017/05/22

先週は週末はバタバタと過ごしていたので、たまっている仕事をひとつずつ終わらせていく。建築の仕事というのは、毎日ただ設計だけをしているよりもそのほかの経験を積んでいきながら仕事にフォードバックすることができるような日々を送っているほうが、結果的に仕事の質も高まっていくような気がする。特に良いものを見て、触れて、実感する経験はモノづくりを行う上で不可欠のように感じる。

朝礼終了後、明日打ち合わせを予定している埼玉県加須市にて設計中のNさんの家のスタディー。明日は初めてのプラン提案ということで、タイプの異なる二つのご提案をさせていただく予定である。下の写真はそのうちの一つのイメージ模型。敷地を見たときに感じた直観的な土地の区切り方を建築に置き換えていく過程を示している。

僕は敷地を初めて見たときの印象をとても大切にしている。その場所にどのような建築ができることでクライアントが日々何らかの心地よさを感じることができるような状態を作ることができるか、その街並みが建築ができる前よりも少し良くなったと感じることができるか、そんなことをイメージしながら色のついた空気のようなぼんやりとした建築の卵のようなものを思い描くようにしている。Nさんの家の建築がどのように育っていくか、とても楽しみにしている。

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2017/05/20

昨日と今日は、裏千家の関東地区大会なる事業に運営者としてかかわる二日間であった。この行事は東京都以外の関東地方の茶人2000人が一同に集まり、交流をするためのもので、京都からは宗家の皆様もご参加される。何で東京都以外なのかはよくわからないけれど、きっと東京都は人数が多すぎるから別枠にしたのかもしれない。

僕はといえば600人ものお客様がいる茶会の席主、つまりは責任者であり、金曜日は朝の8時30分から茶会が終わる14時過ぎまでたちっぱなしのしゃべりっぱなし、席の説明を行い続ける一日であった。これだけ大規模な茶会を行ったのは初めての経験である。お運びくらいはやったことがあるけれど、席主、つまりは道具組からメンバーの手配、とにかくすべてを責任者として采配したことはあるはずもない。

結果、僕の中にお大寄せの茶会に対する少しの意識の変化が生まれた。僕は大寄せの茶会が好きではなかった。一度に何十人もの人が入り、誰がいたのかもわからないような状況の中の一人として席入りすることへの抵抗感があった。でもそれを行う側として携わってみると、決してそんなことはないことに気が付いたのである。

一人一人のお客様に対して少しでもおいしいお茶とお菓子を味わっていただくためのしつらえに嗜好を凝らし、力を注いているのは大寄せでも小寄席でも関係がなく、逆に少しでも楽しんでもらおうといつもより余計に考えを尽くしている感もあった。席中、説明し、良い反応が返ってきたときはにんまりの喜びであり、それが席主の楽しみと知った。客の役割、それは逆の立場を経験し始めてわかるものなのかもしれない。とにかく二日間のとても良い経験ができたと思う。

2017/05/17

朝礼終了後、東京都台東区にて計画中のSさんの家の打ち合わせ。Sさんたちは1000万円台前半でのローコスト住宅の建築を考えているご夫婦である。敷地はとても小さい狭小地で、住宅も延べ床面積が20坪弱なので、絶対に無理な計画ではないけれど、それでもセルフビルドなどをふんだんに取り入れないと厳しい計画であることは明らかだ。Sさんの奥様は昔ディズニーランドの塗装工事をしていた経験があるという。エイジング塗装などを含むこうしたアート塗装工事は普通の塗装よりも技術が必要だから、芸大系の学生などがアルバイトをしていたりするのだけれど、ということは今回の計画ではクライアントがかなり精度の高いセルフビルドをできるということであるわけで、なかなか面白い作品g出来そうな気配があるわけなのだ。

さてさてどうなることやら。まずは銀行ローン申請のためのプランを作成するところからのスタートだ。

2017/05/16

朝礼終了後、各プロジェクト打ち合わせ。

まずは、埼玉県加須市にて設計中のNさんの家のスタディー。南向きの100坪近い広い土地に建つ木造2基建て住宅の計画である。まずは敷地を見たときに感じた直観に従って素直なボリュームの検討を進めてみようと考えている。

続いて、茨城県古河市にて計画中のTさんの家スタディー。すでに二つのアイデアについてプランを進めているのだけれど、建築のイメージについてスタディーをする中で千葉県の笠森寺の写真を見た。この寺は四方懸け造として有名で、僕がまだ若いころに石山先生に是非見に行くように進められた建築である。写真は今から10年ほど前に撮影したものだ。この建築の持つ感覚が今回の計画につながるような気がするのである。

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夕方、東京都豊島区にてマンションのリフォームを計画中のWさんご夫妻打ち合わせ。今日は第1回目のプラン打ち合わせである。まずはあらかじめいただいていたご希望に基づいてプランを作成し、内観のパースをCGで作成させていただいた。お話をしていると、新居に入れたいご希望の家具たちのお話になった。どれも北欧の有名な家具たちであり、とてもデザイン性の高い品々である。次回のご提案ではそれらのデザインと釣り合うような室内空間がご提案できればと考えている。まずはどのような建築にしていくかについて考えてみよう。

2017/05/15

朝礼終了後、埼玉県東松山市にて設計中のKさんの家の打ち合わせ。今回は2回目の金額調整打ち合わせということで、前回からさらにコストダウンをした場合の変更案についてプレゼンをさせていただいた。日々探してきたコストダウンのアイデアであるが、今日の打ち合わせではまだ十分ではない。さらに次回に向けてスタディーを重ねていく必要がある。何とかクライアントの期待にこたえられるようにしっかりと作業を重ねていきたいと思う。

夕方、近所の整骨院へ。どうも背中の当たりの筋肉がこわばっていて痛い。僕にしては珍しく肩こりのような症状である。最近は無理なスポーツをしていないどころか、まったくの運動不足であるのでそれが原因であろうとのこと。やはり適度に体を動かさないとダメなのだなあ、の感。

2017/05/14

日曜日。11時新宿パークタワーにあるオゾンにて東京都荒川区にて計画中のSさんの家のプレゼンテーション。スタッフの柳沢君と二人で会場に入るとすでにSさんご夫婦とオゾンの担当者さんがスタンバイされている。今日は初回のプレゼンということで、1/100の図面と模型を使用しながらのご提案をさせていただくこととなった。

今回の計画は狭小地に建つ木造3階建てである。クライアントの要求に従って道路からガレージと玄関の入り口を確保しようとするとおのずと壁量が少なくなるので、鉄骨造にしたり、門型フレーム構造にしたりの工夫をしたくなるプランであった。構造を変更すれば当然コストがかかる。どれくらい増額になってしまうかの予測も含めて、比較検討できる資料を提出させていただいた。

僕は特に構造的な必要がなければ、木造住宅が最も人の暮らしにあっているものだと思っている。コンクリートの塊の中に暮らしたりの行為は、なるべくならしたくない。木に囲まれていたほうが気持ちよいに決まっているのだ。でも構造的な要求、つまりは鉄骨造などを利用したほうが安心して暮らすことができるであろう建物を作らなければいけない場合は話は別だ。私の事務所のように鉄を主要構造部に利用して、間柱などは木を利用する方法などもあるので、構造家と相談をしながら。最適な構造を探していくこととしたほうが良い。果たしてどうなることか、この先の進行が楽しみである。

12時過ぎ終了。せっかくの日曜日ということで一緒に来ていた妻と娘と合流し、まずは昼食へ。知人の彫刻家、高野さんが台東区のギャラリーで展示をしているのでそちらへ向かうことにしていたのだけれど、途中ホテルニューオータニのビュッフェスタイルのハワイアンレストランにて食事を摂ることとした。別に決めていたわけではない。ただとても懐かしくって思わず入ってしまっただけである。実は僕と妻もそして僕の両親もこのホテルで結婚式を挙げた。だから何だといえば何もないのだけれど、この古いホテルが僕にとってはなんとなく特別な場所で、たまたま前を通りがかると、そして時間があるときには何となく入りたくなってしまうのである。

16時、上野のギャラリーにて久しぶりに高野さんと再会。もう10年ぶりくらいであろうか。変わらぬ笑顔を見ることができてよかった。

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2017/05/13

朝礼終了後、埼玉県川越市にて設計中のSさんの家の打ち合わせ。今日は工事請負契約前の最終確認のための打ち合わせということで、これまでの減額提案に基づく設計変更をすべて反映させた図面と、1/30の模型を作成し確認作業を行った。

この計画は築数十年は経っている、とても古い木造住宅のリフォーム計画である。普通ならば建て替えをしてもおかしくないところだけれど、その家に対する思いを大切にするためにリフォームを行うこととなった。今回の計画では当然ながら構造的な補強工事を中心に行い、それに加えて間取りの変更を伴うリフォーム工事を行うこととしている。この手の複雑な工事では、求められるコストとやりたい工事の量を調整する作業はとても難しい。打ち合わせの結果、一部の仕上げを漆喰にするかクロスにするかといった細部を除いては、すべての方針を決定することができた。いよいよ工事、出来上がりが楽しみである。

13時ごろ事務所に戻り、各プロジェクト打ち合わせ。温かくなるのと同時にプロジェクトも動き出している感がある。

2017/05/12

午前中は新たに家づくりを検討されているという方からの電話対応や面会を行う。一日に二人の新規お問い合わせというのも珍しく少々あたふたという感じであった。

板橋区で住宅の建て替えを検討されているSさんとは来週16日のご訪問をお約束した。Sさんのお嬢さんは障害を持っているそうで、階段ではなくスロープで上下移動できる建築をご希望されているということ。どのような住宅になるか、まずは来週お話を伺うことにした。

続いて埼玉県さいたま市にて土地の購入を検討しているSさんご夫妻来社。なんだかごつい人だなと思っていたら警視庁のお巡りさんであった。ごついはずである。購入を検討している土地は擁壁のあるがけ地、購入後に多額の費用を要することが予想される。設計者判断が許される2m未満の崖なのだけれど、その高さが1.6mということだから何もしなでよいのかどうかが悩ましい。感覚的に安全といえる高さを超えている場合は、その安全性を確かめたくなるのが技術者というもので、そうすると間違いなくコストがかさんでしまうのである。アドバイスの結果、土地購入は見送ることになり、今後の土地探しのお手伝いをさせていただくこととなった。背中を押してあげることができなかったのは残念だけれど、やはりここは冷静にとどまることも必要である。

昼過ぎ、模型室では埼玉県伊奈町にて工事進行中のWさんの家の模型作成が進んでいる。大工工事も佳境になり、現場の細かい造作の形状確認などを模型で行っている。写真は模型製作中の林君。なんだかとても楽しそうである。

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2017/05/08

休み明けの再スタート。仕事モードに切り替わっていく自分がなんとなく楽しく感じる。やっぱり5日も休んでいると仕事が恋しいのはみんな同じであろう。誰かの役にたつことを行うことが仕事であると僕は考えているのだけれど、誰かの役にたつ時間を過ごすことは自分自身にとっても最高の時間であるのだと思う。

午前中は各プロジェクト打ち合わせ。まずは、埼玉県東松山市にて設計中のKさんの家の減額案作成作業について渡邊君と一緒に打ち合わせを行う。続いて、知人が川口市内の土地を購入したいという連絡をくれたのでその土地についての調査を行う。どれくらいのボリュームの住宅を作ることができるかの検討なども行ったが、希望する面積の住宅を作ることができそうであることが分かった。

埼玉県の古河市にて設計中のTさんの家の敷地である。奥行きが50mもある細長い土地、昔ながらの商店街の一角ということでとても特徴的だ。こうして敷地模型を作ってみるとその形状に改めて驚く。日本の住宅地の形状は面白い。それぞれの地域にそれぞれの歴史があり、その歴史の中で作られてきた自然発生的な形状なのだ。

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15時、川口グリーンセンターにあるシャトー赤柴の現地調査。川口市が所有する古い公共建築の中の一部の部屋を、展示室として利用する計画に対するプロポーザルコンペ提案を行うための調査である。この部屋は50年ほど前の国体の時に現在の天皇陛下がお泊りになった経緯がある。このことを記念して、広く市民に開放される展示室とする計画というわけだ。部屋一つの小さなリノベーション計画であるけれど、初めての公共建築ということで楽しんで取り組みたいと思う。

2017/05/06

昨日の山行の疲れで足がひどい筋肉痛だ。階段の上り下りもまともにできない程である。ここまでなるのは何年ぶりだろうか。たかだか5時間弱の工程でここまでなるのはあまりよくないから、もうしばらくトレーニングを続けることにしよう。半年も続けることができればだいぶましになるだろう。

連休も終わりに近づいてきてだいぶ頭の中に仕事のことが浮かび上がるようになってきた。建築を作るという行為は仕事のモードの時だけに何かをすればよいというものでもなく、例えば山を歩いている時にふと思いついたことが設計に生きてきたりする類のものだから当然といえば当然である。自然の中に身を置いていると、建築の初元のようなものを思う。ヘンリー・D・ソローの森の生活の中という本がある。この人物は1800年代の半ばのアメリカにおいて、ウォールデン池のほとりに自ら建てた小屋で2年3か月の間、施策と労働と自然観察の日々を過ごした人である。今の日本社会の中でいうと、山小屋の管理をしている人の生活に似ているかもしれない。あこがれるけれど、そうそうできるものでもない。僕の知る限り、燃えてなくなってしまった長野県の入笠山荘がこのソローのイメージに合っていた。詩人の尾崎喜八氏から小屋を買い取り、山小屋を経営していた小間井さんのイメージである。

森の生活の中の一説にこんな文章がある。

「暖房について
いよいよ煙突を作ることになって私は煉瓦工事の勉強をした。私の使用する煉瓦は使い古しのものだから鏝できれいに磨き立てねばならず、そのため煉瓦と鏝の性質を人並み以上に学ぶことができた。・・・実際はかなり慎重に仕事をしたので、朝地面から積み上げたのに、夜になっても床から数インチの高さまでしか積めなかったので、寝るときに枕代わりになるというありさまだった。」

暖房を手に入れるための煙突工事に関する記載である。この感覚は僕たちの生活の中にはすでにない。復活させようと思ってもなかなかできるものでもない。時間がそれほどゆっくりと流れていないのである。亡くなった小間井さんの小屋には手作りの暖炉があった。渡り廊下を登っていくと天空につながりそうな露天風呂があった。どれも手作りだから今にも壊れそうだった。亡くなる数年前にすべて燃えてなくなってしまったからもう見ることはできない。家は何のために造るのか。自分のための時間が流れる場所、自分のペースの時間が流れる場所、自分のペースで時間の流れをコントロールできる場所・・・、現代社会における自分自身のための住宅の意味、そんなことをふと考えてしまったお休みであった。

2017/05/05

連休3日目。部活や塾で忙しそうな子供たちをほったらかして海外旅行に行けるわけもなく、かといって何もしないのも嫌なので、今日はたまたま休みのとれた二人の娘と妻と一緒に奥多摩の三頭山に上ることにした。中3の長女は本当は部活に行きたそうだったけれど、半ば無理やり連れていくことに。こうして一緒に過ごせる時間は短いのだ。それくらいのわがままは許されるだろう。

この三頭山という山は4時間30分ほどの短いコースタイムだけれど、都民の森から入って奥多摩湖側に下ると最後には浮橋で湖を渡ることができるというなかなかのコースである。この山は日本の山にありがちな杉林ではなく、ブナの森が残っていることでも知られている。緑が濃くなりきる前の新緑の薄緑の葉が、太陽の日に照らされている様子はとてもきれいだ。幸いとてもお天気が良いので空の青ともマッチしている。それにしても久しぶりの運動は足に来る。下り道で震える足を笑いながら、再挑戦を誓う。また山を趣味にしてみよう。中学高校の山岳部のころのようにはいかないけれど、それなりには楽しめる事だろう。

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2017/05/01

朝礼終了後、事務所にて雑務。3日から7日まで5連休とあって、スタッフの表情もいつもより穏やかである。休み前の期待感というのは何歳になっても心地よい感覚である。10時ごろ事務所を出発して、埼玉県伊奈町にて進行中のWさんの家の現場確認へ。今日は大工さんが2階の天井下地の工事を行っている。屋根勾配に合わせた勾配天井の工事ということで、足場を使っての高所作業だ。足場の固定がされていない状況だったので、急遽ゴムバンドを購入し現場に届けた。大工さんには安全に作業をしてもらわなければいけない。そういう状況にするように指導することも現場での大切な仕事である。

1階のリビングには化粧の梁が見えている。米松の梁が並んでいる姿はとてもきれいだ。この後の進行が楽しみである。

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14時ごろ事務所に戻り、東京都荒川区にて計画中のSさんの家の敷地確認へ。柳沢君と二人で20分ほどの敷地見学である。敷地を見ているとなんとなく建物のボリュームが浮かび上がってくるもので、どこにどんな窓があったらよいだとかの基本構図が頭の中で立体化する感覚を持ち帰るように心がけている。いくら平面的な敷地図面を見ていても、やっぱり現地での感覚にはかなわないのだ。

夜、ダニエルキイス「アルジャーノンに花束を」読了。利己的だったり、自己中心的だったり、そういうことが人間を孤立させていく様子などを否定的に描き、障害を持つことで逆に周りとの調和を図りながら仲間を増やす主人公の様子は、いろいろと考えさせられるものであった。自分と重ね合わせることができる存在であるネズミのアルジャーノンに花束を捧げてほしいという気持ちこそが、なんとなく僕たちが普段生きていて忘れがちな感情のようにも思える。この本は読んでみないとどうにも伝えようがない、そんな感覚を含んでいるような気がした。

2017/04/28

今日は10月からますいいの仲間になる予定のIさん来社。Iさんは現在木の家に関する団体の理事をされているかたで、その方面でとても深い見識がある。しかも偶然ながら僕が大学時代に所属していた早稲田大学理工ラグビー部の先輩だ。(というよりは、この関係があるからこそますいいに参加すると決意してくれたような気もする。)現在のところは入社前の体験段階。そこで今日は現在ますいいで興味を持って取り組もうとしている「CLT」に関するアドバイスをいただいた。

CLTというのは木材を直行方向にクロスさせた集成材で、3m×12mというとてつもない大きさまで製作できる。この材料はすでに海外では中層建築物の構造体として利用されており、なんと9階建てのマンションなどでも利用されている。木でできるプレキャストコンクリート構造のようなものであるから、普及が進めばこうした建築物のコストが下がる。そしてさらには日本の林業の再生にも貢献できるかもしれない。今まさに国が力を入れて取り組もうとしている構造体なのである。

この材料、実は耐力壁が取れない木造住宅の構造体として利用ができる。いわゆる木質ラーメン構造の薄肉版である。しかしながら現段階ではコストが高すぎるということでなかなか普通の住宅に利用できる段階ではないし、このコストの問題がどこまで解決できるかの道筋も見えてはいないようだ。どれくらい高いかというと、普通の30坪程度の在来木造住宅と比較した場合、800万円ほどは高くなってしまうようである。これでは普及は無理である。

ではどうやってコストを下げるか、これは林業家と製造工場の問題となる。林業家の販売価格を下げることは林業への圧迫につながる。ここにジレンマが生じる。林業再生の起爆剤となるはずのものが、林業家を圧迫する。つまりは林業そのものの産業構造を変革するなどの工夫と合わせていかなければ、実現させることができない理想であるというのが現実なのである。

いろいろ問題はある。でも普及する気配もある。現段階では助成金を利用した計画だけが先行しているけれど、いずれは自己資金による計画も走り出すであろう。10年ほど前にプレカットが爆発的に普及したように、新しい木造の形となるかもしれない夢を感じるのである。

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(CLT協会HPより)

夕方、渡邊君と一緒に埼玉県東松山市にて設計中のKさんの家の減額案スタディーを2時間ほど行う。こちらはまだまだ長い道のりである。引き続き作業を進めていきたいと考えている。

2017/04/27

朝礼終了後、埼玉県川越市にて設計中のSさんの家、打ち合わせ。今日は見積もり調整最終打ち合わせである。予算オーバーをどこまで縮小するかの検討を続けてきたけれど、ようやく工事に進むことができるラインまで持ってくることができた感である。こういうものはどこまで減額をしたら終わりということが決まっているわけでもなく、建築の計画と価格を吟味し、これだけのお金をここに支払うことに対する納得をできるかどうかの検討を繰り返し、最終的に納得ができたときが終わりの時となる。細かい部分では、既存の下駄箱を再利用するから家具工事代が数万円安くなるとか、既存のふすまを利用するから建具工事代が数万円安くなるとか・・・一つ一つは細かいことだけれど積もり積もって数百万円の減額を検討した結果の工事スタートとなるのだ。

価格調整をスタートした時はたいていのクライアントはわけがわからない状態となる。しかしながら僕が作った減額案を説明すると、「あっ、こういう風に金額が決まっていて、こういう風に安くなる可能性があるんだ・・・」ということに気が付く。そして次にはクライアントの側からの減額案までもが出てきたりもする。今回もそれで収納が二つ減ったりもしたけれど、もしもどうしても必要だと思ったらまた戻せばよい。大切なことは、クライアントの立場に立ってお金の使い方をクライアントと一緒に真剣に考えること、そして少しでも無駄をなくすことなのである。

帰り際、たまたま僕が今読んでいる本と同じ本が棚の上に置いてあることに気が付いた。ダニエル・キイス「アルジャーノンに花束を」。表紙に描かれている花束の絵が印象的な本である。Sさんも好きな本だとのこと。それにしても珍しい偶然である。なんだかちょっとうれしい出来事であった。

夕方、埼玉県加須市にて新築住宅を検討中のNさんご夫婦来社。土地の購入し、これから新たな家を作ろうという新婚さんである。今日が初回の面談ということで、まずは家づくりの流れをご説明させていただいた。

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