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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

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増井真也日記
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増井真也日記

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2017/12/10

11時、川口駅に集合して埼玉県の嵐山にある国立女性教育会館にて茶会に参加。男女共同参画の推進機関であるというこの施設がどのような経緯で作られたのかはわからないけれど、広大な土地にあるなかなか立派な建築群である。裏千家の青年部が茶会を行っているというので駆け付けた次第である。

茶会というと、問題なのが正客である。僕は埼玉県青年部の部長を努めているから、こういう時に何かと正客にされやすい。たとえ年上の先生方がいようとも、なぜか正客を進められてしまうわけで、そして断り切れない場合には結果的にやらざるを得ない状況となる。若輩者ですが今日一日よろしくお願いいたします...。からスタートし、席主とご挨拶を行うと、ここからは正客しか話をすることはできないわけで、ほかのお客は正客の会話を楽しむしかないのであるから、それなりに責任重大だ。お菓子、床の説明と進むころには薄茶が点つ。一人目としていただくのはなんとなく緊張するもので、粗相のないようにしっかりといただく・・・。経験の浅い僕などが正客を務めるなど本当に申し訳ないのだけれど、でもこれもお役目である。いつまでも経験がないとは言ってもいられないので、楽しんでいけたらよいと思うのである。

終了後、越生まで移動して再び山猫軒を訪れた。今日は10人展が展示されている。ちょうどジャズコンサートが始まるところで、幸運にもジャズを聴きながらランチをすることができた。17時ごろ帰宅。

茶道における禅語に日日是好日というものがある。まあ読んで字のごとく、毎日が良い日だというような意味であろう。僕はこの言葉が一番好きだ。人生にはどうしても通らなければいけない辛い時もあろう。でもどんな一日であったとしても、大切な一日、意味のある一日、だから常に前向きで歩んでいこうというような理解をしている。この言葉、森下典子さんのエッセイのタイトルともなっている。このエッセイは大森立嗣監督によって、まさに「日々是好日」というタイトルで来年映画が公開される。大森監督といえば2005年に花村萬月の芥川賞受賞作を原作に『ゲルマニウムの夜』で初監督を務め、東京国立博物館の敷地内に特設映画館「一角座」にて上映をしていた。僕はこの作家が好きだったので、すぐに見に行ったことを覚えている。とても懐かしい響きのする人たちによって、とても好きな言葉が映画になる。ぜひ見てみたいと思っている。

2017/12/09

今日は午前中に予定されていた打ち合わせがキャンセルになったのでぽっかりと時間が空いてしまった。夕方に椿山荘へ行く用事があったので、その前に国立新美術館で行われている安藤忠雄展に足を運んだ。会場には光の教会の実物モデルが展示されている。土曜日ということもあってとてもたくさんの人が訪れていたけれど、僕は今の時代にこんなにも建築に興味がある人がいたのかという驚きとともに来ている人たちを見ていた。僕と同じくらいの40代の建築関係者、若いカップル、もっと年上の方々、安藤忠雄という人はそれほどまでに大生の世代に受け入れられているということなのであろう。ヒーローと呼ばれるような人がいなくなった時代における数少ないヒーローなのかもしれない。

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僕の事務所には若い建築家を目指す学生が集まってくる。入社して3年ほどは見習いの期間である。誰かの下でいろいろな作業を行い仕事を覚える。ますいいリビングカンパニーは工務店機能を兼ね備えた設計事務所だから、いろいろな仕事の中には設計事務所らしい模型作りのような作業や、工務店の現場監督らしい材料拾い・発注などの作業もある。そういう様々な仕事を経験して、早いと4年目くらいから設計に携われるようになるのである。

ますいいは住宅を得意とする組織である。皆住宅が好きで入ってくる。設計事務所の中には有名になるまでの間の食いつなぎとして住宅に取り組む人が多いが、ますいいでは今もそしてこれからも住宅がメインである。住宅には人が暮らすという機能がある。人が快適に暮らすための箱、基本的にはこれをいかに作るかの勝負である。快適とはなにか?それを実現するために求められる性能とは?この辺の問答はまるで禅問答のごときに常に揺れ動く。政府の決める性能値は、CO2対策や景気対策によってころころと変わる。火事が起きたり、アレルギーが問題になったり、二酸化炭素の国際会議が行われたり、とにかく何かがあるとハウスメーカーの家造りが推奨されるかのごとき制度ができる。でもそのたびに禅問答である。そもそもそれらの制度ができるたびに思うのであるが、とにかく嘘っぽいのである。

建築家とは、未来を見据えて真理を読み解く能力が求められると思う。そのためには様々なことに触れる必要がある。様々間価値観に触れ、自分の価値観を作る。その先に初めて建築家としての私見が生まれると思う。安藤忠雄先生の展示に触れ、いろいろなことを考える機会となった。先人の素晴らしい仕事を見て、自分たちの仕事に生かしていきたいと強く思うのである。

2017/12/07

朝一番で、東京都豊島区にある本納寺さんへ。今日は本堂の改修計画に向けた打ち合わせである。築90年ほどのお寺の本堂、壁が剥がれ落ちたりの傷んでいるところがあちらこちらに見受けられる。屋根の瓦もだいぶ傷んでいて、人が歩くとその重みで割れてしまうほどである。この改修工事では、屋根の瓦を一度下して、下地を補修し、その上に少々重さの軽くなる改良本瓦を吹くという計画を考えている。あくまでまだまだ計画中の段階であるのだが、小さなお寺の工事計画というのは住宅に通じるものがあるので面白い。来年からは準備委員会が立ち上がる予定とのこと。僕もその一人にならせていただけるようなのでぜひ頑張って取り組みたいと思う。

14時、川口市役所にて青木公園の外柵設計についての打ち合わせ。大体の図面が出来上がったところでの確認をしていただく。川口市の中心部に位置する公園の外柵である。総延長は約1キロ、市民が成長とともに記憶する、つまりは町のアイデンティティーのごとき柵になればよいと願っている。完成は来年であるが、とても楽しみなところだ。

2017/12/05

朝礼終了後、各プロジェクト打ち合わせ。

10時より、東京都台東区にて新築住宅を設計中のSさんの家の打ち合わせ。見積もり前の最終打ち合わせということで、建物の形を大方決定するべく打ち合わせを進めた。12時ごろ終了。

夕方、大工さんの中村さん来社。埼玉県のさいたま市にて進めてきた木造住宅が終了したところで、報告に来てくれた。最後まで丁寧に現場を進めてくれて感謝である。やはり家づくりの中心にいるのは大工だ。今の家づくりはプレカットが中心で、構造材の加工技術を披露することは少なくなった。機会があれば古民家のごときダイナミックな木組みを表現するような建築も作ってみたいと思う。

2017/12/03

京都3日目。今日は午前中ですべての用事が終わり、帰路に就いた。

帰りに新幹線の中で駅弁を食べた。滋賀県で作られている井筒屋さんの牛丼弁当である。確か1000円だったような気がするけれど、駅弁というのはどうしてこんなにも高いのだろうかの疑問を感じつつも、でも駅弁しか食べるものがないので仕方なく食すことにした。時刻は13時過ぎである。この車両で食事をしているのはどうやら僕だけのようだ。ふたを開けると、近江牛の牛丼である。なかなかの美味、冷めていてもおいしいようにしっかりと味がついている。ちょうどよい量の昼食を取り読書の時間に入った。

ちょうど東京駅に着くころに加藤廣「利休の闇」読了。利休がなぜ切腹をするに至ったのかを、通常とは異なる視点で描いている歴史解説のような小説である。見る角度が変われば解釈も変わる、そんなことを考えさせられる本であった。僕はたまに京都に行く。京都に行くといろいろな人に会い、いろいろなものを見る。そしていろいろなことを考えもする。京都は確実に日本の文化の中心であると思う。そして本物がある、本物がいる場所であるような気もするのである。

最近は本物がいなくなったとは、京都でとある人から聞いた言葉である。一つのことに没頭して、その道を極める人とでも言うのだろうか、本物の大工、本物の政治家、本物の俳優・・・そういう人がいなくなって上っ面をなでるような人が増えたとその人は言った。京都の人が言うのである。これは由々しき問題であろう。僕は住宅を作る本物だろうか。僕の会社は・・・。坪700万円の豪邸を作る数寄屋大工ではないが、でも僕に任せてくれる普通の人たちの、決して奇をてらうことのない普通の家を作る本物でありたいと思う。そんことを強く決意し、また明日からの仕事に取り組みたいと思う。一人旅、初めはかったるいけれど、でも確実に得ることがある、行ってよかったの旅なのである。

2017/12/02

昨日から京都に来ている。裏千家淡交会の代表者会議なる会議に参加するためである。京都はちょうど紅葉の見ごろで、観光客もたくさんいるようだ。海外からも多くの人々が訪れているようで、町のあちらこちらに大きなバッグを持った外国人観光客の姿が見える。

昨日は裏千家今日庵に行った後、知人とグリルフレンチなるレストランで食事をした。オーナーシェフとその息子さん、そして二人ほどの男性が厨房の中にいるこじんまりとしたお店である。カウンターで食事をするのがオーソドックスなスタイルのようで、コース料理もあるのであろうが、皆好き好きに自分たちの食べたいものを注文しているようだ。僕はお勧めのワインをいただきながら、サラダや揚げ物、ステーキなどを注文した。どれもとてもおいしく、それでいて気取りすぎない家庭的な穏やかさもある、とてもくつろぎやすいお店であった。

カウンターはブビンガの厚板を使用していた。このお店の内装は中村外二工務店の作だそうだ。今は2代目の中村義明さんが代表を務める知る人ぞしる工務店である。どうりで贅沢に銘木のカウンターが使われているわけだ。中村外二さんというのはすでにお亡くなりになった大工の名工である。富山県の出身で、京都において数々の数寄屋建築を造り上げている大工さんで、吉村順三先生の設計したロックフェラー邸やジョンレノンの茶室などを作ったという経歴がある。坪単価が700万円!!というとてつもない単価を聞いたことがあるけれど、その真偽は定かではない。ただ日本で最も有名な数寄屋の工務店であるということだけは確かであろう。

今日は朝から会議である。会議の中で一期一会のことを聞いた。一期一会、小学生でも知っている禅語であるが、この言葉をそれほど真剣にとらえている人はいないのではないかの話である。人と人が出会う奇跡を改めて考えてみると、その偶然性は奇跡と呼ぶにふさわしいものであろう。その偶然性に感謝しながら、目の前にいる人との時間を大切に何事にも取り組みたい、そんなことを改めて考えさせられた。

そういえば建築家の安藤忠雄さんが、ますいいリビングカンパニーを作ってくれた僕の恩師である石山修武さんの出版記念パーティーに参加された時の言葉を思い出した。安藤さんはとても体調がすぐれないご様子であった。でも石山に呼ばれたからな!と大阪から東京に駆け付けて、そしてパーティーの一番初めに一人目の挨拶をした後、そのままじゃあ大阪に帰りますと言って会場を後にしたのである。わざわざ大阪から、この一言を話すために東京までの義理堅さに驚いた。一流になる人はみなこういうことを大切にしているのであろう。ちなみに一期一会のお話は裏千家お家元の言葉である。

会合は明日まで続く。寒い京都、風邪をひかぬように注意しようと思う。

2017/11/28

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

10時、藤井産業、井田さん来社。電材屋さんとして初の営業である。いろいろな業者さんが営業に来てくれるけれど、電材屋さんが来たのは初めて。ではなぜ来たのかを聞いてみると、なんとパナソニックさんの資材販売ルートの開拓のようだ。なるほどである。現在は大手のサッシや設備のメーカーが経営統合をしてリクシルという巨大メーカーが誕生し、その結果、管材系の商社も、サッシ系の商社もこぞってリクシル製品を売り込むという体制が完成している。

同じメーカーの製品を違う商社が売り込んでくる、つまりは生き残りをかけた壮絶な争いが行われている状態である。リクシルの売り込みが強くなれば、相対的に他社の売れ行きは悪くなる。そして今日の訪問というわけだ。

正直言って僕の家造りではそれほど積極的に既製品を使用しているわけではないので、どのメーカーが好きとかいうこだわりはあんまりない。価格と性能のバランスで評価し、採用を決めているのが現状である。つまりはあんまり期待されても・・・なのである。

夜。リビングデザインセンターオゾンにて会合。早稲田大学時代の同級生や先輩方などの懐かしのメンバーに出会う。同級生は皆43歳、働き盛りだ。こういう場所で出会うのも必然、良きライバルである。周りを見渡すと、いつの間にやら僕たちが世代の中心にいるような気がする。つい先日までは大御所に相手にされない若造だったような気もするけれど、その大御所らしき人たちがあんまり見当たらないのである。団塊世代の世代交代は確実に進んでいる。そしてそれとともに社会の構造も変わりつつあるようだ。

数年前の野村総研の予測では下記のようなレポートが出されている。

消費税率が10%にアップすることが見込まれる直前の2016年度には、駆け込み需要の発生で新設住宅着工戸数が約92万戸となるものの、2020年度には約76万戸、2025年度には約64万戸、2030年度には約53万戸と徐々に減少していくことが見込まれます。

2030年というと、僕は60歳になる。着工数が今より半減するといわれているけれど、人口が減り住宅が長寿命化しているのだから当たり前の話である。実際にますいいの仕事でもリフォームは増えている。時代とともに仕事の内容も変わる。僕たちはその時代に暮らす人が無理なく快適な状況を手に入れるお手伝いをしてあげられればそれでよいのだと思う。

新築でなくともよいし、新築でもよい。そこには大した差はないと思う。これからはこれまで住宅地だった土地が余る時代である。土地が余ればそこに何かを作ることができる。それは住宅ではなく、これまでは持つことができなかった自分のための基地かもしれない。そういう建築は安いほうが良い。性能も悪くて良い。小屋・・・のような呼び名がふさわしいものかもしれない。なんだかいろいろなことを考える一日であった。今日出会った多くの人に感謝したい。

(下の写真は昨年作った蕨市のカフェ。最近では古い住宅にカフェ機能を加えるリノベーションの事例等も増えている)
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2017/11/27

午前中、埼玉県川口市にてリフォームを検討中のTさん打ち合わせ。8月ごろからリフォームを検討しているTさんが、ついに正式に申し込みをしてくれることとなった。家づくりは悩ましいものである。僕のところには、1年くらいの時間を空けて、つまりは悩みに悩みぬいた後に最後に再び来てくれるという人もたくさんいる。新築の際の土地探しなどもよい例だ。先日も川越市で土地探しをしていたMさんから、本当に久しぶりに土地を見つけた旨のご連絡をいただいた。覚えていてくれる、それだけでうれしいものだ。僕たちはたかが工務店である。でも一生懸命家づくりをしている工務店である。一生懸命やっているからこそ、信じてくれた時のうれしさも大きいのである。


夜、ますいいRDRギャラリーにて、アーティストたちの家づくり展開催。今日はアーティストさんたちとますいいのスタッフ全員による交流会を開催した。

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終了後は近所にある川口ブルワリーさんにてパーティーである。アーティストによる建築の部品の製作にはとても可能性を感じている。今はまだ建築そのものをターゲットにしていない人たちも、だんだんと建築を作る人が増えてくるような気もしている。今の時代職人さんが不足している。そしてそれを補うように、プレファブリケーション、つまり工場生産が普及している。しかしながら、そのような画一化された世界では満足できないのが人間である。というよりも満足するべきではないと思う。家は人が生きる場である。生きる場がどれもこれも同じでは、あまりにもつまらなすぎる。SFの世界の人間培養器・・・、悪く言えばそうとしか見えない住宅がすでにたくさん建っているのだ。

新築住宅が減っている。リフォームであれば職人さんでなくともアーティストさんによる施工が可能となる。そもそもこの二つの呼び名を分ける必要場あるのかという気さえしてきた。職人=アーティスト的思考が必要である。領域を分けることなく自由に家づくりができないものか。この問題は継続的に取り組んでいきたい。

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2017/11/26

今日は朝から畑作業である。久しぶりに何もない日曜日、最近はあまり畑で本格的な作業をする暇が取れなかったので3時間ほど集中して行った。まずはサツマイモと里芋の収穫である。どちらもすでに葉は枯れ、収穫しやすい状態となっている。これ以上放置したら収穫できなくなってしまうかもしれないタイミングだと思うけれど、逆にここまで待ったことで見たこともないくらいに丸々と太ったサツマイモが採れた。1時間ほどの時間をかけて大きな段ボールに2箱ほどの収穫を終え終了である。続いてゴーヤときゅうりを植えていた場所にある格子の撤去作業だ。つる植物が絡みつくための格子を作ってそのままにしておいたものだ。作るときは楽しいけれど解体するのは気乗りしない。でもやらなければいけないのである。こういう作業もなかなか手間がかかるもので、ゴムバンドやビニルひもを外しながらきれいに整理するまで30分ほどの時間を要した。一通りの収穫と片づけを終えたら、最後に畑を耕す作業である。土に石灰を振りかけて、耕運機で耕しておく。また次の年にしっかりと作物を育ててくれるように感謝しながらしばしの休憩を取ってもらうわけである。ちなみに今の時期、白菜やダイコン、カブに春菊などいわゆる鍋の材料になりそうな野菜が良く採れる。我が家の今夜の食事も鍋である。旬の野菜を美味しく頂く、これが一番幸せな瞬間なのだ。

夕方、浜田マハ「暗幕のゲルニカ」読了。ピカソのゲルニカ作成にまつわる第2次世界大戦当時の物語と、ゲルニカを中心とした企画展を成功させようとする現代のキュレーターの物語が行ったり来たりの構成である。特にピカソが創作活動に没頭する様子の描写がまるで歴史小説のごとく読みごたえがあり、アートの力というものを改めて認識させられる作品であった。

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2017/11/25

10時、東京都杉並区にて新築住宅を検討中のIさんご夫妻打ち合わせ。この住宅の計画に当たっては、オールアースやセルロースファイバーの断熱材、自然換気システムなどの対策をコストと相談しながら行うことを想定して、プランニングを進めている。もちろん暮らしやすい魅力的なプランの構築を最初の作業として進めているけれど、この先の作業としてはいかに健康に暮らせるかの追及も行ってほしいとのことである。これまであまり意識したことのなかった電磁波対策、調べてみると様々な対処法があるようだ。僕が今座っているパソコンからも電磁波は出ている。携帯電話もしかり。テレビも、屋内の電気配線も、とにかく電気が流れているところには電磁波があるようである。それをなるべく少なくするのがオールアースの考え方で、簡単に言うと部屋を電導系の素材ですっぽり包み込みアースを通ってしまうことで電磁波の影響を受けないようにしようということなのである。

14時、東京都国分寺市にて新築住宅を検討中のJさん打ち合わせ。今回は2回目のプレゼンテーションということで、前回に引き続き吹き抜けのあるプランをご提案させていただいた。今回の提案では2階からさらに階段を上ると屋上に上がることができるように変更した。都市型の住宅ではどうしても庭を広く作ることが難しい。それならば屋上で遊べるように...との配慮である。以前の日記にも書いたが、南側を同規模の建築にふさがれてしまう土地である。必然的に光は上部から取り入れる計画となる。そしてその光をいかにして1階のリビングまで取り入れるかの工夫が快適さを生み出すポイントとなる。光と風、これをうまくコントロールすることがこの住宅を作るうえで最も大切なことであるのだ。

下の写真は国分寺の家の1/100模型である。ますいいでは建築の様子をクライアントと共有するために、基本設計の時に必ずこの模型を作るようにしている。さてさて、この先がとても楽しみな現場である。

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2017/11/22

午前中、東京都墨田区にてマンションのリフォームを検討中のHさん打ち合わせ。今日が初めての顔合わせということで、購入されたマンションの様子を拝見しながらご希望を伺うための打ち合わせを行った。改修工事のご予算は800万円とのこと。ファミリー向けのマンション広さの場合、全面的にスケルトンにするには少々厳しいけれど、既存のプランをうまく利用しながら工夫をすればフルリフォームが可能なラインである。リフォームの場合は、壊せば壊すほどにかかる費用も多くなる。例えば水回りの位置を全く変更してしまえば、間仕切り壁や配管などをすべて解体することになってしまうけれど、場所をあまり変更しないことで最小限の工事に抑えることができるのである。幸い管理組合はとても協力的であった。設計図面も一式見せていただいたので提案もしやすい。古くても感じの良いマンションは、気持ちの良い管理者がいる気がする。やはり最後は人によるところも大きいのかもしれないなと思う。

夜、埼玉県川口市にて計画中のIさんの家の打ち合わせ。基本設計から実施設計にうつり数回目の打ち合わせである。木造3階建てでエレベーターのついた2世帯住宅ということで設計を進めているが、プランはまるで普通の単一家族の住宅と変わらないものとなっている。つまりお風呂も玄関もキッチンも一つ、ただ単にお父さんが同居するという形での2世帯住宅である。敷地はとても小さな狭小地であるので、このように設計を行うことが必然的なのだけれど、そもそも集合住宅のごとき2世帯にしたいというご要望は初めからなかった。お父さんも一人の家族として集まって暮らす、ただそれだけのことであるのだ。

計画では高齢のお父さんが暮らしやすいように配慮されている。玄関のポーチは道路とスロープでつながっており、車いすを利用することになっても困らないようにした。以前全く別の現場で、道路から1mほどある玄関へのスロープを考えてほしいといわれたことがあるけれど、1mの段差を解消するとなると建築基準法で制限されている1/8勾配でも8mもの距離が必要となるわけで、つまりは狭い敷地の玄関前空地だけでは到底無理な話なわけで、とても困った記憶がある。こういうことはできれば最初から計画したほうが良い。今できないことは、後からやるのも大変なのである。玄関を入ると、腰かけられるスペースがある。靴の脱ぎ履きにはとても便利な場所となるであろう。上下移動はエレベーターがある。トイレはお父さんの寝室のすぐ目の前に設けた。当然お風呂も同様である。少しでも長くこの家で快適に暮らせるようにと設計を進めている。いよいよ設計も大詰め、工事に向けて進めていきたいと思う。

2017/11/20

朝礼終了後、各プロジェクト打ち合わせ。

10時過ぎ、東京都台東区にて設計中のSさんの家の打ち合わせ。今日は基本設計の最終打ち合わせということで、1/50の模型を作成し、開口部の位置や大きさについての確認などを行った。この住宅は延べ床面積が17坪ほどの狭小住宅である。工事費は1500万円しかない。でもクライアントはもともと塗装やさんで働いていたなどのセルフビルドに適した人物で、足場の上での作業もやるよ!!と言ってくれているほどだ。少なくとも内装の仕上げやタイル工事などについては職人さんに依頼する必要がないので大幅なコストダウンが図れるだろうと考えている。いよいよ実施設計なので慎重に進めていきたい。

2017/11/19

今日は埼玉県の生越町にある山猫軒なる山小屋に訪れた。名前からわかるように宮沢賢治の「注文のお多い料理店」をイメージして作られたお店である。今ではカフェ機能とギャラリー機能が運営されていて、今日は先日お会いした赤川さんの個展が開催されているということで、訪問したしだいである。

この小屋、設計者は高橋俊和さん。三宅島に枕木5000本を使ってセルフビルドの建築「生闘學舎」を作ったことで有名な建築家である。この高橋さんがまだ若いころ、1989年に山猫軒は作られた。もちろん再びセルフビルドである。複雑な構造の屋根を持つ建築であるので、セルフビルドといっても大工さんなどの協力はあるだろう。それに昔の人のパワーは今の人のそれよりも格段に強い。行動力がある。赤川さんもそのグループに所属していたらしいが、いわゆる当時のヒッピー文化に染まった人々による経済と隔離された理想郷、そんな建築を目指したのであろう。

場所は鶴ヶ島インターを降りて、毛呂山を通り過ぎたところ。町中から山の中に一歩踏み込んだあたりである。都会の喧騒から離れて、ちょっと息抜きのできるそんな自然の中にある。興味のある方はぜひ行ってみてほしい。

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2017/11/17

朝礼終了後、各プロジェクト打ち合わせ。

11時より東京都小金井市にて新築住宅を設計中のOさん打ち合わせ。1630万円で作る家である。広さは約21坪・・・とても厳しい予算だからもちろんセルフビルドを行うことを前提としている。計画には慎重を期し、効率の良い総2階の間取りにしたり、間仕切り壁を少なくしたり、水回りの位置をまとめたりの方向へと進む打ち合わせとなっていく。Oさん自身も、お風呂や洗面は1階にしたいというようなコストダウンに協力的なご要望を言ってくれるので、全員が同じ方向を向いて困難なプロジェクトを進めていくというとても良い状況になっていると思う。

ローコスト住宅の建設には、この状況がとても大切だ。つまりクライアントと僕たちが同じ方向を向くこと。何とかして実現するためのチームを形成すること、これこそが一番の秘策であると思っている。ローコスト系のハウスメーカーの手法は、同じものを大量に作り、少しでも手間をかけずに、魅力的ではないけれど困らないものを安く提供することである。でもますいいにはそういうものでは満足できない人が来る。お金はないけれど魅力的なものが欲しい、そういう都合の良い考えを持った人が来るのである。そういう無茶を実現するには・・・、やっぱりあるロマンを胸の中に秘めた種族に位置している人の力しかないのである。

15時、茶室を作りたいというAさんご相談。66歳、茶道を習うこと12年、仕事も順調に行ってきてそろそろ自分の贅沢な空間を作ってもよいのではないかという思いでご相談に来られた。こちら胸にロマンを持つ人々である。男の隠れ家的茶室はとても良い。心を落ち着け、たとえ茶道を行わなくとも思わずそこに居たいと思う場所である。

こういう時に必ず聞かれるのは「費用は・・・いかほどの???」の質問だ。これに対し、茶室の費用はどうにでもなる、というのが僕の考えである。いわゆる銘木と呼ばれるような床柱や框に100万円を支払うことも出来る。でも、たとえすべてをこぶしや赤松、檜といった無垢材で仕上げたとしても、それらをすべて合わせて20万円ほどで購入することも出来る。つまりは茶碗と同じである。どこどこの山で取れる希少な木を使いましたの物語を身にまとうために多額の出費をするもよし、まっとうな茶室のしつらえを適正価格で作るもよし、はたまたそれらの銘木ではなく杉の荒木を削った木を使い設えとしてふさわしい形だけをそろえる格安の数万円のしつらえを選ぶもよし、・・・これつまり自分次第であると思うのだ。

利休は戦地の朽ちたお堂に壊れた建具のついたてで囲いを作り茶をたてた???という話が藤森先生の書籍に記されている。まあ半分作り話であろうが、でも本来の茶室とはそのようなもので良いとも思う。何も壊れたお堂でなくともよい。伝統技術の石端建ての柱が高いのであれば、木造住宅と同様の基礎に柱を立ててもよいのではないか。その時代に最も安易に作れる構造体に、あるべき設えを設け、そして自分の好みに合う床の間やら壁やら天井やらの仕上げを施す、そんな気楽な茶室が良いのではないかと思うのである。

2017/11/16

朝一番で、川口市にある青木町公園の外柵部の測量に立ち会う。川口市よりデザインを依頼されている運動公園の外柵の設置レベルを合計1キロ分測定し、設置方法の検討に利用しようというわけだ。

15時過ぎ、東京都立川市にある赤川政由さんの工房へ。赤川さんは、川口市で育った人なら大抵は知っている川口駅東口商店街に置かれているドン・キホーテ像の作者である。このドン・キホーテ像は商店街の人たちがそごうの出店の際に、大軍に立ち向かうドン・キホーテの気持ちで商店を運営していこうという決意を込めて作ったそうだけれど、そういう話は地元で育った僕でも知らない。ただ大切なことは、鋳物の街川口に鋳物でできた像がシンボルのようにそびえたっていること、つまりこういうものは町のアイデンティティーであり町の記憶であり、この町のシンボルであるわけだけれど、そういうものが本当に町の中心にあるということなのだと思う。

実はこの町にはこういう鋳物のオブジェがたくさんある。そしてその多くを赤川さんが作っている。何でかといえば、この川口という町で多くのマンション開発をしてきた森行世先生という建築家が、自分が建築を作る時に赤川さんの彫刻を設置してきたからだ。もちろん赤川さんだけではないけれど、でも赤川さんの作品を中心に町中に鋳物の町川口だった頃の記憶を、オブジェという形でちりばめたのである。

僕は、今回の青木町公園の外柵デザインに当たり、ここにも町の記憶をちりばめることを考えた。リボン上の外柵の中には赤川さんの書いた運動する人のレリーフが1キロにわたって躍動する。公園中央のサイン塔の上には赤川さんの寄って描かれた運動する人が今にも動き出し様にそれぞれの競技場の方向を示している。決して新しいものではないけれど、ここに来た子供たちが、ここでも川口市という町の記憶を感じることができる、そんな風景を目指している。

下の写真は赤川さんの工房である。混沌とした中にもなんとなくの秩序があって、そして素晴らしい作品が作られている、そんな場所であった。

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実はこの場所、立川市にある米軍住宅だ。昔のまんま奇跡的に残っているものを賃貸で貸し出しているらしい。僕の興味は赤川さんと同等に、こちらの米軍住宅にも注がれることとなるくらいに面白い空間であった。下の写真は実際に貸し出している米軍住宅である。たまたま今空いている。家賃は十数万円とのこと。住んでみたい・・・、そんなことを本気で考えてしまう魅力がある。なぜ・・・。

建築は粗末な小屋である。夏は暑かろうし、冬は寒かろう、小屋と呼ぶにふさわしいものだ。ただその小屋と呼ぶにふさわしい様相になんとなく魅力がある。肩ひじ張らない、程よい感覚、程よいからこそ安かろうしお金がかからない。お金がかからないからこそいろんなことから自由になれる。そんな自由を獲得している人たちが住んでいるのがこの米軍ハウス街なのだ。全部で10軒ほどであろうか。道の両側に開放的に並ぶ住宅群では、本当に開放的な近所付き合いが存在し、開放的な生活が存在している。隣に誰が住んでいるのかもわからない様な子とは全くない、心の生々しいつながりが生き生きと存在する様子が何とも魅力的なのである。

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夜、赤川さんを囲んで会食。とても楽しいひと時であった。生越の山猫軒というカフェで個展をしているとのこと。日曜日に行ってみようと思う。

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