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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

ますいいリビングカンパニー|埼玉県川口市

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増井真也日記

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2018/04/18

16時、埼玉県川口市にて計画中のS不動産・社屋新築計画のご契約。ますいいにはちょっと珍しいオフィスビルのお仕事であるけれど、建築家として建築にかかわっている以上、住宅だけしかやらないよというのも変なわけで、今回は僕の母のご縁で事務所建築の設計に携わることになったのである。計画地は車で20分ほどの川口市内、思いっきりの地元である。地元の仕事はやはりうれしいものだ。しっかり進めていこうと思う。

この場所でますいいリビングカンパニーを始めた18年前、僕はゴン太という黒いラブラドールを飼ったのだけれど、2年前にゴン太は他界してしまった。そのゴン太の小屋は、檜の構造材を使用して竹の木舞を編んでそこに土壁を塗って仕上げたものである。近所の子供たちを招いてのワークショップを開催し、はだしで土壁用の土を踏んで柔らかくし、しばらく放置して発酵させてから塗り付けるのだけれど、なんだかとても楽しい作業だったことを記憶している。ゴン太が死んでしまってから2年、ようやく犬小屋を解体した。木の壁をはがしたら思い出の土壁が現れた。また土の仕上げをどこかにやってみようかなと思うところであった。

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2018/04/16

午前中、埼玉県川口市にて設計中のTさんの家のリフォーム工事のご契約。偶然にも僕の祖父とTさんのお父さんが、川口市の伝統産業の鋳物にまつわる機会加工業者として仕事の仲間だったということが分かったのだけれど、それは打ち合わせを重ねた結果わかったことで、そのお話を伺った時にはなかなかの驚きであったことを記憶している。こういう仕事をしていると人と人の縁を感じることは多くなるものだけれど、まさか僕が大学4年生の時に他界した祖父の仕事上の後輩が、クライアントのお父様として目の前に現れるなど、まるでディズニー映画の「リメンバーミー」のごとき驚きであった。

数回目の打ち合わせの時にお父さんが祖父と一緒に写っている宴会の写真を僕に見せてくれた。あまりの懐かしさにそのプリントされた写真の写真を撮らせていただいたのだけれど、これはまさにリメンバーミー状態で、僕たちが今こうして安寧に暮らすことができるのは、こうした先人たちのおかげでなわけで、しかもその写真に写る祖父の顔は、僕が知っているおじいちゃんの顔ではなく、今まさに現役で仕事をしている自分自身の顔に似ていたりするものだから、これは何とも言えない気分になるのである。ちなみにこれがその写真だ。

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15時、東京都の神楽坂にあるYさんのマンションリフォーム打ち合わせ。玄関の石を張り替えたり、キッチンなどの水回りを新しく入れ替えたりの計画に関するプレゼンである。2時間ほどの後終了し、事務所に帰る。

2018/04/15

今日は、東京ステーションギャラリーで開催している隈研吾さんの展覧会を見学した。息子と娘も同伴である。というよりも僕が息子にせがまれて連れていかれたというほうが正しい。会場は日曜日ということもあってなかなかの盛況だ。見るからに建築関係の人ばかりという感じで、設計事務所にいそうな人や、建築学科の学生さん風の人などがそれぞれの作品をじっくり眺めているという光景である。僕はもともと隈研吾という建築家があまり好きではなかったので自分の意志で足を運ぼうとは思わなかったのだけれど、来てみたらなかなかに面白いではないか。まあ、国立競技場のコンペ以来、日本を代表する建築家の個展なのだから当たり前なのだ。

写真の小屋組みのごとき構造体は中心からの持ち出し構造で屋根全体を支えようというコンセプトで作られている。次の写真のパネルの篏合による構造体は、ますいい建築圏で早稲田大学の渡辺先生が提案したチェスボードアーキテクチャーで試した構造と同じ、もし実現すれば全く新しい構造の仕組みが出来上がるものだ。最後の写真の茶室という名の空間は、ヘリウムガスを入れて浮かばせた風船に布をかけただけのもので、僕は作ることはないと思うけれどでも目からうろこの空間であった。

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素材=マテリアルを扱う隈さんの足跡である。素材の組み合わせや組み立て方を考案し、内装や装飾としてそれを用いながら、構造の仕組みまで昇華させる足跡は痛快かつ驚きに満ちたものが多い。この建築という分野の持つ可能性を感じることができるとても良い機会となった感である。

2018/04/14

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

17時より、埼玉県川口市にて新築住宅を検討中のTさん打ち合わせ。Tさんの家は区画整理に伴う移動で建て替えを行うことになっている。区画整理の場合はもともとあった家を建てる程度の補償金が支給され、それに自己資金を加えて新しい家を作ることになる。Tさんの家の場合は敷地が狭小地であることが設計上のポイントで、小さな敷地にいかに広がりのあるプランを生み出すかの工夫を提案させていただいた。

このプランでは、2階にリビングを配置して東側の道路の方向に対して大きく開いている。南側にもテラスを回り込ませることで、2階のリビング全体を取り囲む縁側のような魅力的な空間を提案した。1階は寝室と二つの子供室がぎりぎり納まる広さであるが、将来子供が巣立った後に寝室と繋げて一つの部屋とできるように配置している。2階の上部にはロフトを設けることで、厳しい容積率の中でも遊びのスぺ―スを造ることに成功している。全体的にはガルバリウムの外壁を意識し、シンプルな箱型のデザインを採用している。打ち合わせの最後に正式に申し込みをいただけるとのお言葉をいただいた。この先もしっかりと進めていきたいと思う。

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2018/04/12

午前中、HPの更新作業について打ち合わせ。何でもスマートフォンに対応していないホームページというのはいまどき古いそうで、そういうページはあまり見ていただけないというご指摘を受けたものだから、この際そうした対応もしていこうということで決意した次第である。

色々と考えさせていただいた結果、更新作業の依頼はちょうど家づくりをさせていただいているクライアントのSさんにお願いすることにした。Sさんは東京都台東区にて進行中の三ノ輪の家のクライアントで、ますいいのことをとてもよくご理解いただいているわけだし、しかも現在進行形で家造りを行っているのでとてもスムーズに事が運ぶ。内容はそれほど大きく変化させるわけではないけれど、でもだいぶ見やすく変更される予定である。

14時、埼玉県川口市にて進行中のHさんの家のリフォーム打ち合わせ。解体屋さんによって不要な荷物を撤去した後のスペースに新たに作る予定の内装や設備についての打ち合わせを行った。見えるようになるといろいろと直したいところが増えてしまうのがリフォームである。でもあまり増えすぎるとどんどんコストがかさむので、工事範囲の設定のしどころがとても難しい。明日は見積もりの予定。早速帰って作業を進めるよう指示。

18時過ぎ、東京都新宿区にて住宅の建て替えを検討中のNさんご夫妻打ち合わせ。奥様の御実家を取り壊し、2世帯住宅を新築しようというプロジェクトである。まだ構想中という段階ではあるものの、具体的な問題点や費用感などについてのお話をさせて頂いた。2世帯住宅はとても増えているように思う。この傾向は震災以降にとても顕著になった。集まって住むという形は、互いに助け合いながら生きていくとても良い手段なので、大きな災害の後に広く採用されるようになるのは必然なのだと思う。僕は2世帯住宅の設計にあたっては、特に親世帯に気を使うようにしている。油断をすると日当たりが悪い部屋となってしまったり、面積が抑えられてしまったりのことが多い親世帯だが、両者の思いが前向きで満足している状況でなければプロジェクトの進行はないわけなので、故に親世帯の方に少しだけ神経を大目に割くようにしたほうが、やっぱりうまくいくような気がするのである。

2018/04/09

朝礼終了後、各プロジェクト打ち合わせ。

13時、新宿にあるリビングデザインセンターオゾンにて、5月4日に行う予定の家づくりセミナーについての打ち合わせを行う。今回のセミナーは、昨年完成した埼玉県蕨市のリノベーションにつて行うもので、古い木造住宅を終の棲家として利用できるようにきれいにするだけでなく、耐震補強や、カフェとしての利用などといった用途の変更まで行うことで、「大人の住処」としての住宅に蘇らせる過程の一連の出来事についてお話をする予定である。約1時間ほどの打ち合わせの後、15時ごろ帰社。


2018/04/08

今日は埼玉県桶川市にて開催される桜まつりなるお祭りで、野点の茶会を開催した。野点というのは読んで字のごとく野原で、つまり外で行う茶会である。外で茶会・・・さてどのように準備をするかと迷っていたら、とあるリフォーム工事の現場から畳が運ばれてきたのでそれを利用することにした。建築現場で使う間柱の上にコンパネを敷き、その上に畳を敷いて、赤い毛氈を敷けば、地面から20センチほどかさ上げされた点前座ができる。しかも費用は現場で発生した廃材の再利用だから限りなくタダに近い。やっぱりこういうことは安くなければいけない。だって利休の茶室だって、もともとはたまたまそこら辺にあるものを利用して作る囲いだったのだ。躙り口は落ちている建具を半分に切り利用したし、下地窓など土壁の下地をそのまま表したに過ぎない。今作ろうとすればそれはそれは高価な意匠であるが、それは現代という異なる時代に数百年前の過去を再現しようとするための費用だからである。今の時代に身の回りにあるもの、それをうまく利用する、そんなアドリブも若者の茶道なら許されると思うのである。ちょうど通りがかった桶川市長さんもお茶を飲んでいってくれた。桜はすでに散ってしまったけれど、とても気持ちの良いひと時となった。

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このブログに対して筑波大学の石塚先生よりアドバイスを頂戴したのでお知らせしたい。(4/30追記)
「かこい」は江戸時代には茶室と茶庭を含めての茶苑のことをおよそ指すようです。もともとは広間を屏風などで囲って、茶の湯の空間を演出したところからきた用語なので、「かこい」は茶の湯の施設全般におよぶ用語かと存じます。
とのことである。僕が書いた囲いは仮設小屋的なものを想像してしまうけれど、江戸時代には数寄屋建築の全般を指す言葉であったのだろうかとのことだ。さらに、
手近な古材などを集めての茶室作りは佗茶の真髄であることは確かです。ご存じでしょうが、利休の逸話に、ある茶人が猿戸をわざわざ遠くの寺などから運ばせたりして侘びた風情だと見せかけていたところ、運賃のことを思えば、そういう態度は侘びではないと戒めるというものがあります。
という逸話もご紹介いただいた。いやはや、大学で日本文学を専攻する先生が僕なんぞのブログに対してアドバイスをくれる、何とも贅沢なそしてありがたい事であった。


途中、少々抜け出して埼玉県桶川市にて新築住宅を検討中のAさんの家の敷地を見に行った。古い母屋が建つ敷地の一角に、茶室のある新居を計画している。桶川市・・・初めて降り立つ場所だけれど、なんとなくご縁が生まれたような気がしている。

2018/04/05

8時ごろ、スタッフの土田君と一緒に川口市坂下町にて進行中のHさんの家のリフォームの現場確認へ出かけた。Hさんの家は水道工事業を営んでおり、倉庫や資材置き場、そしてとても大きな住宅が一つの敷地に混在している。お父様の高齢化に伴い少しずつ整理をしつつ、倉庫の一角にお嬢様のための書斎スペースを作ろうという計画である。この書斎スペースでは、高校教師のお嬢様の専門である卓球関係の事務作業などを行う予定だ。自宅の趣味と仕事のための場所ということで、檜の床や壁材を使用した心地の良い空間となるように計画している。現在は母屋のメンテナンスのための外壁足場を組む工事と、長い間に蓄積された不要なものたちを撤去するための解体工事を行っている。最近は解体屋さんもとても忙しいようで、今日も3人だけでの作業であるがようやく書斎スペースを作る予定の場所があらわになってきた。これまではモノが多すぎて足を踏み入れることも出来なかったので、これで本格的な計画を進められるであろう。

続いて川口市南鳩ヶ谷にて進行中のYさんの家のリフォームの現場確認。今日は外壁の煉瓦を貼るために職人さんが来ている。職人さんといっても今日来てくれている金澤さんはものつくり大学出身の女性職人で、左官の分野で技能オリンピックなどの参加経験もあるいわゆる「ものつくり人」である。若い頃にやんちゃして、まじめに働くようになったら職人になるという昔ながらの職人イメージではなく、物を作ることが好きでそのための学校に行き、技を磨いて物を作っている人=ものつくり人の職人さんなのだ。普通の職人さんとはちょっと違うので、来ている助っ人もさらに若い女性たちである。しばしにぎやかな現場となったのである。

最近はこういうものつくり人が増えているように思う。そもそもますいいにいるスタッフも同じようなタイプの人間だ。家づくりが好きで、デザインをして材料を購入し職人さんと打ち合わせをしながら家を作るという作業をしている僕たちと、ものつくりが好きで大工や左官職人をやっていいる人たちとの間には少しも差はないように思える。こういう仕事をする人というのは虚像ではなく実態に接していたい、そして生身の人間と直接にやり取りをして、直接に喜ぶ顔を見たいというそんな欲求を持つタイプなのであろう。こんな素敵な仲間たちとものつくりができる状況、そんな状況こそが何よりも素晴らしいと思うのである。

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10時、東京都小金井市にて設計中のOさんの家の打ち合わせ。

19時、新人スタッフをを交えて食事会。2時間ほどの会食を経て帰宅。

2018/04/04

朝10時、東京都豊島区にて計画中のお寺の屋根の葺き替え工事打ち合わせ。築90年ほどの古い瓦屋根を下ろして耐震の補強工事を行い再び瓦を葺く工事についての打ち合わせなのだけれど、お寺となると工期も長く様々な行事との時期的な調整なども必要なため、何かと打ち合わせが必要となる。瓦の種類もお寺用の専用瓦のごときものが必要で、予想通りお値段は高くつく。耐震補強工事もどこならば壁を作ってよいのかのジャッジなどなどなかなか難しい。本堂の中央付近に壁の新設を提案しても、そんなところに壁を作るくらいなら計画自体がだめになるといわれてしまえばまた考え直すしかないわけで、住宅のように自由がないというのが実情であるのだ。かれこれ2時間ほどのお話の後終了。引き続き計画を進めていかなければならない。

夕方、大工さんの面接。来週から来てもらう予定で話を進める。

池田さんと話をしていたらAIによる設計を研究しているグループがあるという。諸条件を入力していくとプランが立ち上がる、そんなシステムはすでに確立しているような気もするけれど、人工知能によって学習していくシステムが実現すれば、出来上がる建築のモデルが建築家が考えるそれと同等に多様化して行く時代が来るのかもしれないなあという気もする。一方で建築家の職能というのはプランを考えるだけではないんだよの自負もある。様々な感情を整理して、そこにあるべき建築とはを考える過程は、単純な入力作業ではない感覚的な部分である。デザインは最終的な建築の顔ではあるけれど、形にはならない建築が実現する過程のデザインというもののほうが実は重要な部分であるような気もする。

伊豆の長八美術館という建築がある。ますいいリビングカンパニーの生みの親でもある石山修武先生の作品であるが、この美術館の建築では全国の左官屋さんが鏝仕上げの仕事をするために呼びかけられ、集まり、そして長八への畏敬の念を示すかのような仕事を残していった。建築請負契約の中で、一部分だけを取り出して直接職人さんにやらせるなどということはないのだけれど、でも左官屋さんの神殿のごとき美術館を作るにあたっての物語を、無数の職人の手の跡を残すという形で作ることが石山氏の狙いだったのだと思う。今もこの美術館は左官職人の巡礼地のごとき場所である。そして僕たち建築に携わる人間にとっても一つの特別な場所であると思う。建築の作り方は決して表層のデザインだけの話ではない。その深淵にあるものを引き出し物語を紡ぐ、それこそが建築という行為だと思うのである。果たしてこれをAIができるのか。それはAIが書いた小説に人間が感動できるのかの問いに同じような気がする。そしてもしそうなれば、もう両社の差異はなくなってしまう時なのかもしれないなどとも思うのである。

2018/04/02

今日から新年度がスタートした。毎年のことであるけれど、今年もこれまでバイトなどで参加してくれていた滝本君が正社員としてスタートするなど、なんとなく目新しい雰囲気に包まれる楽しい季節である。あいにく桜はほぼ散ってしまったけれど、新しい人生のステージを楽しみながら進んでいって欲しいと思う。

19時、東京都墨田区にて計画中のKさんの家のリフォーム打ち合わせ。マンションの4階にある住宅の全面スケルトンリフォームである。特に断熱性能に問題があるマンションということで壁と一部の天井の吹き付け断熱を施すなどの対策を考えている。今日は電気設備関係の確認にやプランや造作家具の変更点について図面やサンプルなどを用いての確認をしていただいた。21時ごろ終了。

2018/03/31

午前中は、東京都杉並区にて設計中のUさんの家の打ち合わせ。今日は2回目の基本設計プレゼンである。ますいいで実際に造った家を見てみたいとのご要望だったので、ちょうど昨年末に完成したばかりのさいたま市にあるYさんの家をご案内することにした。10時、川口駅で待ち合わせをしてYさんの家に向かう。約1時間ほどであろうか、Yさんご夫妻のご丁寧なご説明の下で家づくりのコンセプトなどに触れていただくことができた。上の写真は、リビング上部のすのこ吹き抜けの様子である。南側に面する開口部からの光を透過する「すのこ床」とすることで、1階のリビングに光を取り込むことはもちろん、1階で使用している暖房の熱気を2階まで届けることができるので家全体が温まるという効果も得られている。下の写真は造作のキッチンだ。ガスコンロはYさんこだわりのハーマン「ビルトインコンロ・プラスドゥ」で、壁のタイルはセルフビルドで貼られている。大工さんが作ってくれた箱にステンレスの天板を乗せるというシンプルなつくりの造作キッチンの事例である。

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住宅見学を終えて、事務所にて打ち合わせ。前回のご提案からの変更案をプレゼンして終了した。

Yさんの家は出来上がって数か月である。ライフスタイルに関する雑誌のライターさんをしている奥様のご実家に隣接する土地に新築した住宅で、ご実家との間には小さな畑が営まれている。畑の世話はお父さんの仕事になっているとのことである。埼玉県のさいたま市、決して田舎とは言えない都会の住宅地なのだけれど、でもとても魅力的な親族一体となった暮らしがまるで田舎の農家のごとく実現しているのが素晴らしいと感じた。人の幸せとは何なのだろう。お金はそこそこ必要だけれど、お金があっても出来ないもののほうが確実に多い。子供の笑顔だったり、親の笑顔だったり、季節の移ろいを感じる事だったり、自分で育てた野菜を食べる事だったり、光を感じたり、風を感じたり、花の香りを感じたり、そういうことのほうが実はとても大切なことであると思う。

2018/03/29

10時、埼玉県川口市にて新築住宅を検討中のTさん打ち合わせ。今回は初めてのプレゼンテーションということで、プランと1/100模型を用いてご説明させていただいた。敷地は区画整理事業でできる長方形の綺麗な成型地である。東側に道路があり南北は家に囲まれてしまうことが予想されるので、2階にリビングを配置し南からの光を取り入れ、かつ東側にも開放的なプランとしている。2階の上部にはロフトを配置し、ロフトに対して一部吹き抜けを設けている。敷地がそれほど広くないので、上方に対して開放的に設計することで広がりのあるプランとなるようにしている。

下の写真は千葉県に造ったMさんの家である。2階のリビングに格子床のロフトを設けた。ロフトとリビングがつながり、広がりのあるプランとなっている。2階リビングのロフト、なかなかの魅力なのである。

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2018/03/28

埼玉県川口市にて進行中のHさんの家の現場確認。現場では大工さんによる木工事が進行中である。ベテランの大工さんと新人の大工さんが二人で作業を進めていて、今は2階の天井下地を作っている。週末にはサッシが搬入されるので、今度は外部の工事に移る予定だ。今日は玄関回りの外壁の仕上げや、階段の作り方などについての現場確認を行った。

午後、埼玉県和光市にて設計中のKさんの家のスタディー。プランの変更についての方針確認など。

夕方、東京都国分寺市にて設計中のJさんの家の模型作成。週末の打ち合わせに向けて1/50の模型を作成している。今は基本設計の最終段階で、大まかな部分での確認をしていただいたらいよいよ実施設計に移行する予定である。実施設計というのは基本設計で考えてきたことを実現するための設計である。構造事務所との打ち合わせや設備器具の選定などもここで行うし、サッシなども一つ一つ品番まで決めていくことになる。照明器具の選定や配線の計画などもおこなっていく。とにかく作るための図面作成なので、すべてが決まっていないといけないのである。

2018/03/27

朝礼終了後、各プロジェクト打ち合わせ。東京都杉並区にて設計中のUさんの家のプラン作成では、狭小地に建てる木造2階建ての住宅のプランのバリエーションを検討している。限られた面積の1階に寝室ともう一つの個室を作るためにはどうすればよいか、階段の位置はどこに配置すればロフトまで最も効率よく上ることができるか、家事動線を効率よくするためにはどうしたらよいか、などなどについて3つのパターンを考えている。さてさてどれが一番よくなることやら、もう少し作業を進めてみよう。

11時、埼玉県川口市にて事務所建築を検討中のSさん打ち合わせ。すでに何十年も不動産屋さんを営んできた大先輩の事務所移転に伴う新築である。こういう地元の依頼をされるということはとても嬉しことで、やっぱり建築設計事務所にしても工務店にしても、地元に信頼されないのではやっている意味がないわけであるので、きちんと答えていかなければいけないと思うのである。ここでは最も安価でできそうな鉄骨構造の事務所建築を考察している。鉄骨構造にする理由はやはり内部空間の無柱化なのだけれど、コストは押さえたいというのがSさんのご要望だ。鉄骨構造にはラーメン構造とブレス構造の二種類があるけれど、コストが抑えられるのはやはりラーメン構造であろう。この構造は柱と梁の接合部の強度で地震に対して対抗する工法で、ワンフロア40坪2階建ての本計画の規模であれば6本程度の柱で構築することができる。いわゆるもっとも一般的な鉄骨構造の形式で、街で見かけるスーパーでも倉庫でもどこでも採用されている手法だ。外壁はALCが最も安価であると思われるけれど、意匠的な配慮から金属系のサイディングなどを採用できるように考えている。コストを抑えて、でも街で話題になるようなデザインの建築を作ってほしいとのご要望・・・、なかなか難しいのである。

2018/03/24

朝礼終了後、千葉県流山市にて設計中のIさん打ち合わせ。今回は実施設計の2回目の打ち合わせということで、展開図などを用いての詳細打ち合わせを行った。Iさんはインテリアや家具関係のお仕事をされている方で、とてもセンスが良い。プランの打ち合わせをしていても暮らしの様子がしっかりと描かれているようで、家具や照明の様子までイメージしながらの打ち合わせとなる。自分の家を自分で考える、そんな種族のクライアントであるのだ。

自分の家を自分で考えることができる人は意外と多い。ますいいには、大手設計事務所、ゼネコン、ハウスメーカー、アーティスト、カメラマン、ライターさん、カフェを運営している人・・・とにかく建築が好きな人が来てくれる。建築が好きな人は大体理想の家も考えられることが多くて、だからこそクライアントと建築家が二人三脚で家づくりを行うますいいに興味を持ってくれるのだと思う。以前津田寛治さんという俳優さんの家を作った。下はそのあとインタビューをさせていただいた時の手記である。楽しい家づくりの結果、こんな風に思えるのが一番だと思うのである。

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建築家をやっているといろいろな人と出会う。年齢も職種もそれぞれで、打ち合わせをしていると、いろいろなお話が聞けてとても楽しいし為にもなる。時には有名人もやってくる。7年ほど前に俳優、津田寛治さんのご自宅を建てた。映画やテレビドラマなどで活躍されている方でご存知の方も多いだろう。津田さんとの出会いは、奥様がさんかくの家が掲載されている雑誌「住まいの設計」をご覧になった時に、モルタルで作ったキッチンやお風呂の写真を見て気に入ってくれて、ご連絡してくれたところから始まった。(さんかくの家では名前の通り三角形の建築形状を採用しているのだが、その形状に合わせて、左官屋さんがモルタルで作ったキッチンやお風呂を配置している。)
津田さんは当時、すでに土地を購入して、不動産屋さんに紹介してもらった設計士さんに図面を書いてもらうところまで進んでいる状態だったのであるが、その設計士さんに塗り壁で仕上げをして欲しいと依頼したところ、「この土地では地盤が悪いから塗り壁の仕上げは無理です。クロスを貼らなければ仕上がりません」と言われて、決別してしまった時に、たまたま新宿パークタワーにあるリビングデザインセンターオゾンのライブラリーで雑誌を見つけて、ますいいに来ていただいたというわけである。

津田さんは当時のますいいとの出会い、印象をこのように話してくれた。

「僕の家づくりには、設計を押し付けるような建築家は絶対に入れたくないと思っていました。そういう建築家って他人の住む住宅を自分の作品としてとらえているじゃないですか。でもそれは傲慢なことでしかないと思うんです。住宅は決して建築家の作品ではないと思います。住宅はあくまでそこで暮らす人のものなんですね。だからこそ、住む人の希望とか使いやすさとかをないがしろにして作品性を高めることに偏りすぎてしまうことは傲慢だと思います。建築家の人がもしクライアントの希望を聞いていて、でもやっぱり後々後悔するよって思っても、お客さんがそう望むのであれば思うようにやらせてあげればよいと思います。それで、どうしても嫌になったらやり直せばいいと思います。僕たちは、デザインを押し付ける建築家ではなく、工務店なんだけれどセンスのわかるところを探していたんですね。その考えにぴったり合う会社を見つけたのが、たまたま(ますいいリビングカンパニー)さんだったんですね。はじめての打ち合わせで、妻がこれまで依頼しようと考えていた他の設計事務所が書いた図面を見せて「これでお願いします」というようなことを言ってしまったときに、さすがに失礼だろって思ったのですが、増井さんが「わかりました」と言ったんですね。あの時の増井さんを見て、クライアントの要望を寛容に受け入れるところと、それでも自分を崩さないところを持っているなあと、つまりとても自然体だなと思いました。施主の思いを実現するという設計手法は、ともすると設計という行為に対してモチベーションが感じられなくなる場合もあると思います。でもそこをうまくバランスをとって、それを楽しんでくれるのがすごくよかったんです。」

津田寛治さんは僕の印象では、芸能人と呼ばれる人が持つであろうとイメージされる派手さとか、傲慢さとかとは無縁の人である。むしろ普通の人よりも自然体かもしれない。乗っている車は、ぼろぼろのワゴン車にニコちゃんマークのペイントを施しているような車だし、服装だってセンスの良い普通の大学生のようなもの。とにかく見栄を張るような行為とは無縁の人だ。僕は当時、津田さんのことを知らなかった。もともとあまり芸能界に詳しいほうではない。だから僕も自然体でいられたのだろう。知っていたらもっと緊張していたと思う。

素朴な人だからであろうか。この工事では素材そのものを表現することを求められた。塗装等で仕上げることは最小限にして、なるべく素材のままの表情を大切にしたいというのである。例えば外壁では、吹付下地として施工するモルタルのままで仕上げてほしいという要望があった。普通では割れてしまうモルタル下地をどうしたら割れないようにできるかの苦悩の末に、ファイバーネットを敷きこんだりモルタルそのものに繊維を混ぜ込んだりの工夫を施したりもした。工事をするときにも言ったけれど、これは僕にとっても実験的な試みだった。ヒビだらけになってしまうかもしれないとの不安を持ちながらの工事であった。今回、7年がたって現場に行ってみて、壁が割れていないことには正直驚いたが、何よりもそのモルタル仕上げの風合いが経年変化と共にさらに良い雰囲気になっていたことがうれしかった。そんな津田さんにとっての住宅とは、どのようなものだったのかを聞いてみた。

「俳優って特殊な仕事のように思われるけど、実は普通の仕事と変わらないんです。一部のスターは違うかもしれないけれど、僕たちのような役者は現場に行って、衣装に着替えて、せりふをしゃべって、お疲れ様でしたと、まるで大工さんみたいに働いています。日本中のいろんな現場に行って、その現場の仕事をします。だから僕が家を建てる時も俳優だからと言って特別なことを考えていたのではなく、普通のお父さんと同じように、ただただそこで育つ子供のことを考えていました。僕の中では子供たちがたくさん集まる児童館みたいな家にしたいと思っていたんです。決してファッショナブルなものではなく、どちらかというと暖かいもの。僕にとって家というものは、その場だけの完成作品ではありません。住んで、何十年もたって完成するものです。できた時はすごくきれいだけれど、20年たっていろいろなところが汚れてきたらみすぼらしくなるものではなく、時間がたって使い込んだ時に魅力があるようなものが良いと思います。この家ももう7年がたっていますが、先日も通りすがりの人が、この家を建てた人を紹介してほしいと言ってきましたがこういうのはうれしいですね。
僕は特にこの家のモルタル仕上げの外壁面が大好きです。吹付とかしていないただのモルタル仕上げですがこのラフな感じがすごく良いと思います。ラフさって要求することがすごく難しいと思います。映画のカメラワークでもそうなのですが、映画監督がカメラマンさんにわざと揺らしてくれと言うと、すごくわざとらしくなってしまうんです。でもカメラマンが一生懸命とっていて、でもちょっとカメラが揺れてしまった時はとてもかっこよく仕上がります。壁も一緒で、すごくきれいにして欲しくはないんだけれど、わざとムラムラをつけられるとわざとらしすぎて嫌なんですよね。増井さんは僕がそんなことを行った時に「ようは吹付の仕上げの下地程度にすればいいんでしょ」と言ってきましたね。結果とても好きは風合いに仕上がりました。

左官屋さんも大工さんも、左官の魅力とか木の魅力に取りつかれているんですね。そういう人を見ると本当に幸せだと思う。大好きな仕事をして夢中になっていられるのは見ていて気持ちが良いですね。実は昔は水道工事のアルバイトをしていたこともあるんです。小いさい現場だと、親方が途中でほかの現場に行ってしまって、庭の裏の土間コンクリート工事を任されたりするんです。そういう時にコンクリートの金鏝仕上げをやったりするのは病み付きになります。コンクリートとか土壁、粘土、あと鉄がさびた様子などは取りつかれると病みつきになるんです。そういうことに取りつかれて仕事にしている方は本当に幸せだなと思います。」
津田さんは家づくりの最中もとても熱心に自分の希望を担当者の田村に伝えて、まるで自分が設計者のように参加していた。

「映画を作ることと、家づくりはとても似ていると思います。僕は映画監督もしています。本業は俳優だから、異業種監督と呼ばれるんですが、この異業種監督の場合は本当に家づくりに似ていると思います。つまり映画監督は、家づくりの場面のお客さんみたいなものなんですね。専業の映画監督ではないから、撮影などに関する技術は何も知らないけれど、いろんな映画とか本を読んだりして、すごく知識はあります。そしてこんな映像を造りたいという強い思いはあるんです。家を建てている間は、自分の家というよりも一つの作品作りに参加している感じでした。この家の特徴は先ずは大きなウッドデッキ、そして斜線制限の関係で屋根がとんがっているところですね。基本的に家づくりは妻にお任せと思っていたんですが、あるとき「往々にして旦那は意見を言わないけれど、それがだめな家をつくてしまう原因である」と何かの本に書いてあったのを読んだんです。それで口出しをするようにしました。

思い出に残っているのは、外壁に丸い窓を配置したことと、玄関のトイレのところに同じ大きさの丸い窓を開けたことですね。担当者の田村君に丸い窓を開けてって言ったら、始めは小さい窓の絵が描かれてきました。そうじゃないと思ったので、大きな窓をつけってって言ったら、どーんとつけてくれた。これも映画監督と似ていると思う。映画監督がああしてこうしてと言って、現場のスタッフが一生懸命頑張ってくれて、思った通りの画が撮れた時と同じなんです。あとアトリエの本棚もそうでしたね。素材をただ切り取ってざっくりしたもの、きれいに仕上げないで欲しいって言ったら、厚い合板の積層小口を表しにして、切り出したそのままみたいで、それがすごくかっこよかったんです。僕は最近いつもそこで過ごしていますね。素人の僕がいろいろと意見を通したのだから、実際には多少の後悔はあります。でも本当に嫌ならあとから直せばいいんだし(笑)。僕は意見を言って、よくその後に「もし嫌になったら後から治りますよね」と、いつも言っていたんですよ。この窓あとから大きくできますかみたいに。そしたら田村さんが嫌な顔をするんですね。そういえば、階段の真ん中に段板を支える鉄骨の柱があって、俺は白だと思ったけれど、田村さんは絶対黒だと言いました。僕は正直全く黒くする意味が分からなかったので、せめてグレーにしませんかって言ったんです。結局妻と相談して黒にしたんですが、あれは黒が良かったと思っています。とてもいい感じになっているんですね。」

そういえば、津田さんの家の完成間近の時に、リビングの丸柱に棕櫚縄を巻いて存在を和らげようとしたことがあった。完成した姿を見て喜んでもらおうと思い、津田さんには黙って縄を巻いておいたのだけれど、引っ越しして数日でその縄はほどかれてしまっていたことを思い出した。どうやらその縄の表現は、引っ越しを手伝ってくれた若手の俳優にしか受けなかったそうで、しかも縄が好きな幾分変わった性癖を持っている方だったというから、仕方がない。縄を巻くときは縄を持って柱の周りを何十周も歩きながら締めていくのだけれど、その数日後に奥様と二人で柱の周りを何十周も歩きながらその縄をほどいていたというから、思い出すと思わず吹き出してしまう。通常は家づくりにおける映画監督とは僕たち設計者のことである。でも津田さんにとって、自分自身が監督をやっている感覚のほうが合っていたのだろう。最後にもう一度家づくりをするとしたらどんな家を造りたいか聞いてみた。

「基本的にあの家は気に入っているので、もう一度建てたいとは思わないですね。今の家はたまにはっと思う時があるんです。仕事が終わって帰ってきたとき、外から見て丸い窓があって、そこから明かりが漏れていて、そんな姿を見ていると温かいなと思います。僕は建築雑誌に載るような家は好きじゃないんです。かっこいいかもしれないけれど、住んでみたら大変だろって思う家は嫌いです。たまに人の家にお邪魔したりしたときに、デザイン的にはそんなに肩ひじ張って頑張っていないけれど、なんかいいなと思う家があるんですね。奥さんが家事をやりやすくなっていて、家族が自然に使えている感覚が滲み出しているような住宅が僕は好きで、今の僕の家もそういう風になっていると思います。だから、建て替えようと思うことはないですね。」

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13時過ぎ、娘の中学校の吹奏楽部定期演奏会鑑賞。こういう行事に足を運ぶことは極端に少ないのだけれど、今回だけはだいぶ前から手帳に記載されていた。中学校卒業するという一つの区切りである。一歩一歩大人になる嬉しさと、同時に何となくの寂しさを感じる複雑な心境だった。ちょっと想像した娘の結婚式、これは相当やばい気がする。気が重いので想像するのをやめておこうと思う。

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