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増井真也日記

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2019/04/28

日曜日。今日は社中の松田先生と4人の仲間たち、そして妻と僕の7人で裏千家東京道場で開催される茶会に参加した。

初めに薄茶席に入る。今日は裏千家淡交会の東京の青年部の部長さんが席主であった。正客にはとても経験のありそうな先生が座っている。さてさてどんなやり取りが交わされるのかと楽しみにしていたところ、なんと末席に座っているご高齢のご婦人がまるで井戸端会議でもしているかのように自由奔放に会話を始めてしまった。茶席で会話をするのは正客だけ、あとの人はその会話をじっと聞くのが習わしである。でも、末席のご婦人はまるで自分が正客のごときにちょっと困っている青年部の部長さんとの会話を進め、挙句に先に出るから自分に一番に茶を出すように指示をする始末である。茶を飲み終わったら、周りの人に抱えられながら立ち上がり嵐のように去って行ってしまった。最後に残ったのはなんとなくの苦笑い・・・だった。

「道を修めなお励みつつも、初心を忘れぬように」、これは裏千家の大切な言葉である。この言葉の意味が今日ほど強く心に響いた日は無かったなあ。

2019/04/27

朝一番で埼玉県桶川市の現場に向かう。今日はAさんの家の地鎮祭である。昨日までは雨が降るカモの予報が出ていたけれど、なんだかとても良いお天気である。雲の合間には青空まで見えるし、なんとなくさわやかな風まで吹いているような気がする。というわけで事前にテントの用意はしていたけれど、使用する必要はなさそうである。神主さんは川口市の氷川神社から来ていただいた。ますいいの家づくりではいつもお願いしている地元の神主さんである。

地鎮祭はAさんご夫妻とお義母さん、そしてますいいのメンバーが参加して、とても厳かな雰囲気の中執り行うことが出来た。最近ではこういう神事を省略してしまうことも多いけれど、やっぱり地鎮祭くらいはやったほうが良いと思う。何でもかんでも省略してたら、最後は何にもなくなっちゃうのだ。お金ではかることが出来ない価値は確実にあるし、そういうものに価値を感じることが出来なくなったら終わりだ。神事などまさにそういう物のような気がするのである。

15時、埼玉県草加市にて新築住宅を設計中のyさん打ち合わせ。今日は実施設計の打ち合わせである。展開図や電気設備図などを用いて詳細部分についてお話を進めることが出来た。

2019/04/25

今日は朝から今日庵を訪問した。裏千家の現在のお家元に、茶会で掛ける扇面を依頼したところ、ご染筆を頂戴することが出来たので受け取りに伺ったという次第である。今日庵は大改修工事の真っ最中で、いつ来ても大工さんの作業をする音が鳴り響いている状態だったのだけれど、今日も同じようにげんのうをたたく音が響いていた。2020年のオリンピックに向けて、それまでの完成を目指しているということで、もう完成は間近である。屋根よりはるかに高いところに素屋根をかけて、雨をしのぎながらの工事をする様子はさすがに重要文化財の修復だ。バラバラにされた木製部材は、屋根の上を超える通路で作業小屋まで運ばれて、そこで修復加工され現地に戻されるということだ。何でもかんでも壊してしまう現代の家づくりと比較すると、一つ一つに手のかかる気の遠くなるような作業なのである。

扇面ひとつ、わざわざ京都まで取りに伺うのも同じことのような気がする。郵送してくれれば確かに楽だけど、歴史や伝統を守る世界の行為だからこそ、先の修復工事のようにひと手間かけて、気を使って進めていくことが良いこともあるのだろう。

終了後、京唐紙の唐長さん訪問。唐長さんというのは知る人ぞ知る唐紙の名店で、江戸時代から400年近く続く老舗である。埼玉県桶川市にて設計中のAさんの家では、茶室の唐紙に唐長さんの唐紙を使用する。すでに使用する5枚の紙は購入しており、あとは実際に張るタイミングを待つのみだ。紹介をした僕よりも先にAさんの方が唐長さんに行ってしまっていたのだけれど、僕もようやく、唐長のご主人と、とても素敵な奥様と一緒にお話をすることが出来て何よりの機会となった。

16時、川口に向けて出発。帰路に着いた。

2019/04/24

午前中は事務所にて雑務。

午後より、所要にて京都へ向かう。いつものように東京から新幹線に乗っていくのだけれど、この時間は僕にとってなかなか楽しい時間だ。約3時間弱の何もすることが無い時間というのは、逆にいろいろなことができるものだ。本を読むと大体半分くらい読み進めることができるし、レポートなどを書くと大方終了する。そもそも人間が集中するのにちょうどよい長さである。京都駅に着いたのは18時ごろ、あらかじめ予約をしておいたホテルにチェックインして、祇園白川に鳥鍋屋さんに向かった。今日は陶芸家の中村さんとの会食である。11時ごろまで楽しい時間を過ごしホテルに戻った。

2019/04/19

10時、埼玉県川口市にて設計中のシェアハウス打ち合わせ。今日は展開図とパースを用いてのご説明を行った。この住宅の改修工事にあたっては、外構の塀などのデザインを使って、町づくりにつながるような仕組みを考えている。川口市の本町というところは昔ながらの古風な住宅がまだまだ残っていて、でもそれがうまく利用されていないでさびれてしまっているようなエリアだ。今回の計画はまさにこのエリアの中心部から少々外れたところで行われる。例えば板塀に昔ながらのデザインを思い起こさせるデザインを採用し、それを新しくリノベーションされたシェアハウスの周りに張り巡らせる。それが一つの建築だけではなく、同じような考えに賛同してくれる飲食店などの建物にも配置する。そうすると一つ一つは数メートルのアイコンが連結されて、町全体の魅力につながるのではないか。高額の費用を要するようでは普及は期待できないから、セルフビルドでもできそうなくらいのものが良いと思っているのである。

2019/04/18

15時、埼玉県坂戸市にて設計中のYさんの家の仮契約作業。まだまだこれから設計を進めていく段階なのだけれど、銀行さんの関係で契約を必要とするのだ。

Yさんの家では、家と庭のつながりをとても大切に考えている。何といっても庭の面積が広いからこそ、それを生かしたい。庭で野菜を育てて、収穫したらそのまま食卓へ出す。とても自然な、でも意識しないとなかなか実現しない日常である。こういう当たり前のことを当たり前に行うことがとても難しくなってしまった世の中で、可能な限りそういうことを大切に生きていきたいと思うのである。

下の写真は僕の畑で採れた菜の花のてんぷらと法蓮草のお浸しである。菜の花は目の部分をてんぷらにするととてもおいしい。この菜の花は小松菜の菜の花で、つまり小松菜を収穫しないでそのまま置いておいたら大きく育ってしまったものだ。小松菜って菜の花になるんだ・・・、変なことで驚いたりしながらの収穫である。これこそ季節の旬の食材だ。味噌汁に入れてもよい。畑でもやっていないとなかなか食べることが無い食材だからこそよけいにおいしく感じるのだ。

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2019/04/16

午前中は、埼玉県川口市にてスタジオを営んでいるSさん宅を訪問した。今日はSさんのご自宅の問題解決に向けた現場ミーティングである。参加者は飯嶋塗装の飯嶋君、板金屋さんの山内君、そして大工の本間さんである。屋根の上に登ったり、外周部を目視で確認したりの作業を行うこと1時間ほど、工事の箇所や方法などについて検討し方針を決めることができた。続いて昔小学生に向けて学帽などの物販をしていた小屋を再利用して、小さなカフェを運営するためのウッドデッキと屋根の工事についての現場設計を行う。寸法を測り、ノートに図面を書き込むこと1時間ほど、大工の本間さんと話をしながらの設計だから寸法まで細かく決めていくことができた。

16時30分より、ますいい勉強会開催。今日は池田さんから木の現し利用に関するレクチャーを1時ほど、そののちは各グループに分かれてのスタディーを行った。

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2019/04/14

今日から統一地方選挙の第2戦が始まる。僕は旧知の友人の市議会議員選挙にしっかりと絡んでしまっているので、日曜日だというのに朝8時からわさわさと動き出している有様である。あまり語らない政治の話、でも政治とはとても大切なもののひとつである。だから今日は少し考えてみる。

この国をどんなふうに運営したら国民全員が幸福に暮らすことができるか?

そんなことが簡単に解決できるような答えばないのだと思う。専制国家のような時代は除いて考えると、為政者はその国の国民を思って政治を行っているものだろうけれど、国民全員が幸せでいられるような国家はなかなか存在しない。

民主主義というのは、だれか特定の人たちだけに有利な状況を作らないように、多数決というルールを利用して物事を決めていきましょうという制度だ。いつもいつも国民全員で多数決を取るわけにはいかないので、代表者を選択し、その人たちに法律を決めたりする行為を肩代わりしてもらっている。これが議会制民主主義である。インターネットなどの手法を駆使すれば直接民主主義も可能だからそうすればよいような気もするが、イギリスのEU離脱の決議などを見ていると、ネット投票による直接民主主義など導入したら、その数か月後には世界戦争が起きてもおかしくないような気もするから難しい。政治という難しい判断を迫られる行為を、何の学び舎経験もない一般人の多数決に任せるなどは、理想にもならない空想なのだろう。

だから僕たちは政治家を選択する必要がある。

でも僕たちは10人に3人くらいしかその選択をしなくなってしまっている。

以前麻生太郎氏の講演会の中で、「投票率など低ければ低いほうが良いのだ」という発言を聞いたことがある。平和な社会だからこそ、だれも困っていないからこそ投票率が低い、でもそんな社会ならそのほうが良いではないか、の理論に少々首をひねった記憶がある。投票率が上がると自民党に不利になる・・・。社会に不満を持つ人が多くなれば自民党以外の党に投票する人が増えるのだという。今の社会にいったいどれだけの人が満足しているのだろうか。満足していないのに、政治家の選択をしないのはあきらめである。自分たちの投票行動なんかではこの状況は変わるわけがないというあきらめである。でもそれはとても悲しい考え方だと思う。

僕たちは考える事が出できる。話し合うこともできる。代表者に何かを託したりするお願いをすることもできる。考えが合う人、信用できる人、理由はなんであれ誰かを選択することができるのである。

利休七則(りきゅうしちそく)
茶は服(ふく)のよきように、炭(すみ)は湯の沸(わ)くように、夏は涼(すず)しく冬は暖(あたた)かに、花は野にあるように、刻限は早めに、降(ふ)らずとも雨の用意、相客(あいきゃく)に心せよ。

これは裏千家でとても大切にしている言葉である。これができればあなたに弟子入りしてもよいと利休さん自身が言ったというくらいに、当たり前だけれど実行するのは難しい言葉である。

政治家も同じだ。理想の政治家像を押し付けることは誰でもできる。マスコミの政治家批判など最たるものだけれど、でもそんな風にみんなつぶしてしまったらいったい誰が僕たちの代わりに政治をしてくれるのかと思うのだ。本当の理想など誰も実行することなどできないのかもしれない。でもそれを実行しようとする心があれば十分なような気がするのだ。だからこそ、多少ダメなところがあっても彼を信じて、彼を支えてあげたいと思うのである。

2019/04/13

午前中、埼玉県草加市にて新築住宅の設計中のYさん打ち合わせ。今日は実施設計の2回目の打ち合わせである。展開図などの図面と1・50の模型を用いてのプレゼンテーションを行った。住宅のダイニングルームの天井高さは2100㎜に抑えられている。リビングと比較すると30センチも低いのだけれど、この高さは椅子に座って食事をするダイニングルームにとっては、とても居心地が良い高さだ。もう一回の打ち合わせで実施設計が大体完成する予定である。そうするといよいよ見積り作業に入る。工事まであと一歩、しっかりと進めていきたいと思う。

2019/04/12

今日は朝からコンクリート打設に立ち会いである。ますいいにしては珍しい鉄筋コンクリート構造の建物の、打ちっぱなし仕上げのコンクリート打設とあって心奮い立つ思いで現場に向かう。RCの建築はこのコンクリートの打設で決まるといっても過言ではない。今日まで型枠大工さんや鉄筋屋さんが丁寧に作業を進めてきてくれているわけだけれども、もしも今日の打設がうまくいかなければこれまでの努力がすべて無駄になってしまうのである。

現場にはコンクリートを打ち込むためのポンプ車とポンプ屋さん、土工さんが8名、土間押さえを行う職人さんが2名、型枠屋さん、生コンの試験官、そしてますいいからは田部井君と高本君と僕が生コン車の到着を待ちわびている。型枠上のごみを清掃する者、水を撒いて洗浄する者、支保工のチェックをする者、周辺の養生をする者、皆それぞれの作業を行いながら打設の開始に備えているのである。僕は型枠たたきの職人さんとますいいのスタッフを集めて、コンクリート打設の手順を確認し、それぞれの配置を決めるという役割を担った。なんでこんなことをやるかというと、戸田建設時代に行ったコンクリート打設作業の立ち合いの経験からである。いざ打設が始まってしまうと、こういう細かい確認をしている暇はない。そしてあっという間にジャンカなどの打設不良の原因を作ってしまう。一番冷静でいられそうな監督の役割は、やっぱり事前の配置確認などの準備なのである。

9時過ぎ、作業開始。4台ほど経過するとだいぶ作業がスムーズになってきた。もう大丈夫そうである。一足に事務所に戻ることととした。

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13時過ぎ、赤羽の駅前と川口の駅前にて木造の共同住宅を作りたいというHさん打ち合わせ。土地の資料などを拝見しながら計画についての説明を伺った。


2019/04/10

元号が平成から令和に代わると発表されて数日が経つ。初めて聞いたときは、令という響きに何となく違和感を感じたりもしたけれど、予想通り、すでに令和という言葉の響きが体になじんできているような気がする。人間の体というのは予想以上に環境に適合する能力を秘めているものだ。日本の外務省はこの言葉の英訳として「beautiful harmony」という英語を当てたという。美しい調和、なんとも良い響きだ。今の日本社会でみんながもっと大切にしなければいけないと考えているけれど、最も不足しているもののような気がするものではないかと思う。

和という言葉は、僕が最も大切にしている言葉である。茶道の世界には和敬清寂という言葉があって、その中にも和という言葉が使われている。他との調和を大切にすること。他を敬うこと。清らかな心を持つこと。そしてどんなときにも動じない静かな心を持つこと。言葉で書くのは簡単だけれど、特に最後の寂という境地に至るには、まだまだ人間としての何かが足りないような気もする。この国はこれからどんどん外国人が増えていくし、そういう状況を平和に維持するためには、どんどんアメリカのようなルールによって成立する社会になっていくのだと思う。ルールによって縛られる社会は一見平和に見えるけれど、ひとたびそのルールを維持する強制力にほころびが見えたりすれば一瞬にして暴動などの悲惨な状況に移行する危険をはらんでいる。だからアメリカの警察は銃に頼らなければ強制力を正常に維持することができないのだろうし、頼りすぎるからこそそれに対する反感が清浄な強制力の執行を難しくもするのだと思う。

社会の維持が難しくなるからこその「和」なのだ。僕たち日本人がこの心を大切にしなければ、いったい誰が大切にするというのか。

良い元号ができたと思う。僕にとって3つ目の元号だけれど、大切にしていきたいと思うのである。

2019/04/05

夕方、大工の本間さんと渡辺君と一緒に食事。本間さんはますいいの専属の大工さんとして家づくりにかかわってくれていて、先日一つ住宅を完成させてくれ、今は別の現場で新しい家づくりにかかわっている。62歳という年齢は決して若くはないけれど、でもその分確固たる技術を持っていてとても丁寧に大工工事を進めてくれる。モノづくりにかかわる人がだんだんと減ってきて、本当にモノづくりに人生をささげるような感覚の生き方というのは流行ではないのかもしれないけれど、でもだからこそそういう生き方をしている人が輝いて見えるような気もするのである。

モノづくりというのは何を作りたいという気持ちによって左右される。画家が描く絵は誰かに命令されて書くのではなく、自分の心の中から沸き立つ何かを絵にしているのだ。しかし経済というものが先行している世の中ではなかなかその理想は成立しない。ものを造ることに必要な人件費や材料代を計算し、もしそれが請負代金を超えてしまうほどの作業を行うことは経済的にはあり得ないこととなってしまうわけで、結果として経済至上主義による合理的なモノづくりが絶対的な正義のごときに扱われる世の中となっている。しかし建築などもはやそんなに多く作る必要はないのである。造る必要がないのに造るのには強い意志がある。クライアントの自己実現の意志と作り手の造りたいという思いが合致して、一つの建築として結晶化した時、初めて建築飽和状態の現代社会においてもなお魅力的で存在意義があると思うことができる建築が生まれるのだ。

モノ作りが好きな人が集まることができる場所を造れればと思う。そういう思いが集まったときに何かもっと素晴らしいことができるような気がするのだ。
(写真は、10年以上前に、とある住宅のドアノブを削り出している僕である)

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2019/04/04

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

広島大学の大学院生から、調査に協力したお礼としてセルフビルドについての研究報告書が送られてきた。約100社ほどのセルフビルドを積極的に受け入れている会社を調査した結果が来たのだけれど、これだけの会社がこういう活動に興味をもって取り組んでいるという状況を見ると、時代は変わったなあの感である。僕が会社をスタートした当時はまだまだこういうことを積極的にやろうという人は少なかった。わずかな設計事務所が施主による分離発注形式に取り組み、その中での施主によるセルフビルドの事例があったようだが実質的な現場の管理者が不在ということでのトラブルが絶えない様子で、あまり普及はしなかったように思う。

家づくりはロマンと制度のはざまで揺れ動いている。普段日本で生活しているとそんな風に感じることは難しいけれど、もともとは人間が生活するために必要な最低限の箱、小屋、穴倉のようなものが家の始まりなのだ。だとするならば「家とは」もっと自由に、安く手に入れられるはずのものだと思うのである。

そういう思いに反して、家の値段はどんどん高くなっている。例えば耐震等級という言葉が生まれるとともに、耐震のための要素となる壁や柱や筋交いの量が増え高くなるということがある。例えば、断熱等級を良くしようとすれば、断熱材の厚さや密度が高くなるとともに値段も高くなってしまう。しかしこうした製品の値段設定を見ると本当に製造コストが上がっているのか、それとも性能が高い分に合わせた価格設定をしているだけなのかよくわからないものもあるような気がする。サッシなども同じようなことが言える。ガラスもしかりである。LOWEガラスなどはだいぶ価格が落ちたようだが、防火サッシなどはなかなか価格が落ちてこない状態が続いている。なぜ落ちないのか、それがスタンダードとなり製造ラインが整ったのであれば落ちてもよさそうなのに落ちてこない、の不思議なのである。結果として法律が変わったり、新しい制度ができたり、何かあるたびに値段が上がることが繰り返されているという現状なのだ。

何とかしてもっと安く家を造れないかと思う。

ネパールの建売などを見るとその部材の安さに本当に驚かされる。例えばTOTOが20年以上前にタイに造ったコットという陶器の会社の便器などは、日本でTOTOを購入することと比較すると半分以下の値段だ。中国製のサッシは日本製のサッシの1/10の価格であるという。日本の製造コストが異常に高くなってしまう理由は製品に求める異常な精度だ。サッシなど1㎜大きさがくるっていても大した問題ではないのだが、そうした精度を生み出すことに神経をとがらせ、コストをかけてしまうという人種なのであろうと思う。大手メーカーの売っているものの値段を僕の思いで落とすことは不可能だ。でも、こうした傾向は家づくりの職人さんによる作業においても同じことである。例えば左官職人に対して精度の高い壁仕上がりを期待すれば、同じ部位の作業に下塗り・中塗り・仕上げ塗りと多くの手間を割くこととなり、結果的にコストがアップしてしまう。セルフビルドはこの部分を削減する最もダイレクトな手法である。だって自分の家の仕上がり具合を自分の手で決められるのだ。わかりやすく言うと、職人さんにきちんと縫ってもらおうとしたら高い見積もりが出てきたのでビニルクロスでいいやってあきらめてしまうところを、セルフビルドだったらビニルクロスと同じくらいの値段で漆喰を塗ることができるようになるといった具合である。

セルフビルドをやりたい人がみんなできるような世の中に近づいていけばよいと思う。こういう研究をする学生がいるということは少しずつそういう世の中に近づいているのだろう。

2019/04/02

午前中、東京都豊島区にて新築住宅を検討中のFさんの古家現調。築50年くらいの古い木造アパートが建っている土地で、前面道路は軽トラックがぎりぎり入れる歩行者専用道路である。裏側の道路は幅が2mを切る通路のようなものなので車を入れることはできない。おまけに地面はインターロッキングなので、大型車を入れれば間違いなくクレームになる。なかなか悩ましい条件なのだ。

まずはじめに解体工事について考えをめぐらすことにした。木造の解体自体はほとんど手壊しになる。壊した部材を運び出すためにはできれば敷地の前に軽トラックをつけて運搬をしたい。警察に聞くと、許可さえとれば車を入れてもよいとのことである。普通よりはだいぶ高くつきそうだけれど、何とか作業はできそうである。続いて地盤改良工事について考える。川のすぐ横ということで、地盤はあまりよくないことが予想される。今ではシートを敷き込むだけで地盤の強化ができる工法などがあるのだけれど、そもそも地盤調査ができない状態ではそれを採用することができるかどうかの判断もままならないというわけで、近隣の地盤データを調査してみることにした。基礎工事は軽トラックが入ればなんとかなるのだけれど、コンクリートの打ち込みの時にはミキサー車とポンプ車の2台を置く場所が問題だ。近所の橋の上にはぎりぎり寄せればほかの車が通行できるスペースがあるのだけれど、2台の大型車が余裕で入るとは思えない。となると狭い路地の入口付近の会社さんの協力が必要かもしれないし、ミキサーは小型車で作業をするしかいないであろう。木造の上棟工事や足場の工事は間違いなく手作業となってしまう。これは人海戦術で何とかするしかないであろう。さてさて、どうなることかの検討をもうしばらく進めてみることにしようと思う。

2019/03/30

午前中は事務所にて雑務。

12時30分、埼玉県川口市にて進行中のTさんの家の現場立ち合い。担当の柳沢君と山本君、Tさんご夫妻がそろっての打ち合わせである。木造2階建てのこの建築は、2階にリビングを配置してその周りにぐるりと跳ねだしのバルコニーを造り、そこに面する外壁には余すところなく引き違いの大開口が取り付けられているとても開放的な建築である。模型の姿そのままに出来上がっていく様子は見ていてとても楽しいもので、出来上がるのがとても待ち遠しい住宅だ。夜電気をつけたときに明かりが四方八方に漏れる姿はとても美しいものになるだろう。30分ほどのお話の後事務所に戻った。

続いて東京都杉並区にて新築住宅を造りたいというNさん打ち合わせ。なぜか最近は杉並区のお仕事をさせて頂く機会が多い。不思議なご縁である。でもこういうご縁は昔からあって、たまたま通りがかったますいいの作品を見てきてくれたクライアントさんだったり、むかしますいいで家を造ったクライアントさんに紹介されて来てくれた人がいたり、偶然ではなく必然的なご縁を生み出してくれる建築作品の存在のおかげでもあるのだ。初めて杉並区で仕事をしたきっかけを作ってくれたのは、板橋で造ったさんかくの家だ。この本が雑誌に掲載されているのをたまたま見たTさんが、杉並で造る新築工事を僕たちに頼んでくれたのである。今日はなんとなくそんなエピソードを懐かしく思った。

15時過ぎ、埼玉県桶川市にて設計中のAさんの家の打ち合わせ。最終金額調整及び工事請負契約締結を行う。

夜、大工さんとして普段とてもお世話になっている石黒君と会食。兄弟ともにとても気持ちの良い男である。今日はだいぶ遅くまで飲んでしまったがとても楽しいひと時を過ごした。同席した田部井君もとても楽しそうで何よりである。

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