ますいいの運営するノンプロフィットレンタルアートギャラリーとギャラリー。各アート作品の展示・販売をするショップとなっております。

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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

ますいいリビングカンパニー|埼玉県川口市

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増井真也日記

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2020/03/22

午前中は埼玉県川口市にて十年ほど前に造った住宅の転売のご相談。今日は写真撮影ということで、引っ越し作業の合間を縫って、リビング部分だけの撮影を行うことにした。木造3階建てのこの住宅は、真ん中に鉄骨のらせん階段を配置した。1階には水廻りと寝室、2階にはLDKインナーバルコニーを配置し、3階はらせん階段の周りを建具で仕切ることができる個室群を配置している。川口駅から徒歩10分ほどの好立地だけに、ご興味のある方はぜひご連絡をいただきたいと思う。

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午後、東京都練馬区にて新築住宅を検討中のTさんご夫妻打ち合わせ。今日は第1回目の基本設計打ち合わせということで、1/100のプランと模型を使用してのご説明を行った。15時ごろまで。

2020/03/21

東京都新宿区にて新築住宅を検討中のHさん打ち合わせ。この住宅は都心の狭小地に、民泊などを兼ね備えた一人暮らしのための住宅を造ろうというものである。敷地は防火地域なので、2階建て以下で100㎡を超えないものを造らなければ木造の準耐火建築とすることができなくなってしまう。というわけで、おのずと建築の規模は決まってくるわけだが、その中にいかに豊かな空間を生み出すかについてのプレゼンテーションをさせていただいた。

1階はLDKとし、外部とつながるフリースペースとした。打ち合わせの最中には昨年ますいいで造った単身者用キッチンのミングルのようなテーブルとキッチンを兼ね備えたものも良いというご意見もあったので楽しみだ。一人暮らしの新しい形をイメージして作ったキッチンのミングル3号が造られるかもしれない。このキッチンの考案にアイデアをいただいたスープ作家の有賀さんが考えたキッチン、なんだか意外な広がりを見せそうな予感である。

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2020/03/18

10時、東京都新宿区にあるお寺さんにてリフォームのご相談。ご住職が変わるのに伴って、住まいの部分のリフォームを行いたいということで、現地にて詳しいお話を伺った。今回は期間限定の最低限のリフォームということなので、古いフロアリングの上に新しい無垢材の床を貼ったり、汚れてしまったクロスの張替などを行う予定となった。

お寺さんというのは、住まいと職場が一体となった場所なので、いかに住まいの快適さを造り上げるかという問題がとても大切になってくるようだ。関りがない時にはあまり感じたことが無かったけれど、お仕事でかかわるお寺が増えるにつれて、職と住が一体となった空間をどのように区切るかなどについての工夫の大切さを感じるようになってきた。最低限の・・・とはいうもののできる限りの工夫は考えていきたいと思う。

夕方、川口裏路地計画会議。

ますいいの新しいギャラリーの前に造った看板がこれである。栗の無垢材と突然混ざったエンジュの木を織り交ぜて作った看板は、なんだか忍者屋敷のようでもある。栗という素材は福島県あたりではまだまだ手に入る素材で、岩手県あたりになると平気で土台などに利用されているのだけれど、東京の材木屋さんでいったところでないと断られるかもしくは法外な値段を言われてしまう。つまり今の日本の中で車で4時間ほどの移動距離のあちら側とこちら側において、まったく異なる価値を持つ一面がある何とも面白い材料なのだ。

この看板をみんなで見た後に、新しくますいいで運営をすることになったシェアハウス「ヒュッゲハウス」にて会議。約2時間ほどの会議だったが有意義なご意見をいただくことができた。

2020/03/16

朝8時、自邸の1階に造ったギャラリーのための看板作成作業に大工さんの本間さんと、佐藤研吾君が来た。今日は3日間を予定している看板製作作業の初日である。材料はあらかじめ木風堂さんにて購入してきた栗材だ。デザインの打ち合わせを一通り終えると、いよいよ大工さんが木取りの作業に取り掛かる。厚さが60ミリくらいの板から柱材を4本切り出したり、24ミリほどの薄い板を幅と厚さをそろえて看板の板材に仕上げたりの作業を行った。途中風がと良くなってきたので、今日の作業自体は3時くらいには終了することにした。

栗というのは腐りにくいことで有名な材料である。昔の民家などでは土台などに利用したり、外部の現しの柱などにも利用されたが、今ではまず目にすることのない珍しい素材となってしまった。埼玉の材木屋さんに栗の板を注文しても恐ろしい値段を言われるのでまず普通の家造りにおいては使うことはできない素材である。僕は昨年から、福島県の南会津の山奥で丸太買いしているので割と安く栗材を仕入れることができるようになった。川口市にある木の名店、木風堂さんで売ってもらうことも出来るので自分の丸太が使えないうちはほかの仕入れることも出来るようになった。でもこれは20年間工務店を営業してきてようやくできた仕入れ先である。つまり普通にやっているだけではプロの工務店でも手に入れることができない特別な材料なのだ。

昔は普通だったものが今では特別なことってたくさんあると思う。でもあるところにはあるんだよね、それと出会うことができたときに自分の中でそれが普通のことになる。ポイントはモノ作りが好きな人同士の出会いなのかなあと感じている。なんとなく運命的な出会い、そういう出会いを増やしていきたいと思うのである。

午後は埼玉県熊谷市にてレストラン兼住宅を造りたいというNさんご夫妻打ち合わせ。高崎分室の柳沢君と一緒に現在熊谷で営業しているお店に向かう。お店のオーナーのNさんは、イタリアで修業したという本格派。グランブルーの舞台、シチリア島タオルミナでも働いていたという。島では夕方からの仕事まで海で過ごすという、まるでグランブルーのような生活をしていたというからうらやましい限りだ。ランチとディナーの合間の休憩時間を利用しての打ち合わせ。帰りがけには敷地を拝見して川口に戻った。

2020/03/15

今日はますいいで運営するシェアハウス「ヒュッゲハウス」で使用する食器などを仕入れに益子の町までやってきた。益子の焼き物は作家さんたちがデザインして作っている楽しいものが多いので、普段の自宅の食器などにも利用している。毎年数回は足を運んでいるので、すでに見知った作家さんもいる。僕が必ず行くようにしているのは、ジョニーさんなる作家さんが運営している、むじなっぱらというカフェである。ここは「ジョニーズアートスタジオ「という敷地の中にあるカフェで、ジョニーさんの陶芸作品や彫刻なども販売しているなかなか楽しい場所である。ランチのメニューもなかなかのもので、僕のお気に入りはグラタンだ。今日は壁に飾るプレートと、小さなアイアンの椅子、ベンチ、など数点を購入した。写真はお店のカウンターである。古材を利用したこのような木工はなかなか大工さんにはできない仕事だ。自由な表現、自分自身がデザインであるという信念がないと、いつの間にやらまっすぐな部材の集合体になってしまうところを、あくまで自由に組み上げている造形が好きでここに足を運んでいる。建築にも通じるモノづくりの自由を思いっきり楽しむことができる場所なのである。

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2020/03/14

午前中は、埼玉県川口市にて数年前に造ったSさんの家を訪問した。Sさんの家は借地の上に建っていて、水道の引き込みが同じ地主さんの持つ隣地の下を通ってきている。同じ地主さんの土地ならば問題がなかったのだけれど、この土地を地主さんが売却することになったらしく、そうすると他人の土地の下を通る水道管になってしまうので布設替えをして欲しいと依頼されたそうだ。果たしてこの費用は自分たちが払わなければいけないのか、僕に尋ねられたわけである。こういうケースの場合布設替えをするのは、売却行為を決めた地主さんの側になるのもだ。その費用をSさんに要求されているということである。法律の場で争えばまずこちらに支払い義務は生じないであろう。さてさてどうしたものかと思うけれど、普段お世話になっている地主さんだからまあそれでよいということとなった。なんだか腑に落ちないけれど、それが人情というものである。事の善悪は簡単に法律では決められないのだ。

家はとてもきれいに住まわれている。リビングに吹き抜けがあり、その吹き抜けに面して2階の寝室が配置されているのだが暮らしの中で音が気になることがあるという。お母さまとの二人暮らしではあるが、それでもテレビの音などがうるさく感じることがあるようだ。対策としては吹き抜けに面する窓を2重にするなどの方法が考えられる。まずは建具屋さんに相談してみようと思う。

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2020/03/13

午前中は東京都北区にて計画中の赤羽の集合住宅の設計契約を行った。この計画は赤羽駅からほど近い敷地に6世帯が住むための小さな木造の集合住宅を造ろうというものである。木を基調としたデザインを、耐火建築の中にどのように取り込むかが悩ましいところ。まずはこの辺を考えてみたいと思う。

夕方、東京都文京区にて新築住宅を計画中のKさん打ち合わせ。今日は1/30の模型に周辺建物を付けて、開口部からの採光や風についてのプレゼンテーション、というよりもスタディーをKさんご夫妻と一緒に行った。このくらい大きな模型になると、内部の様子もよくわかる。開口部からどれくらいの光が入りそうか、はたまた入らなそうかの想定をし、それに合わせて窓を高くしたり大きくしたり乃変更を加えていく作業はとても有意義なものであった。21時ごろ終了。

2020/03/12

埼玉県川口市にて進行中のMさんの家の現場確認。今日はMさんも現場に来てくれたので、各所変更点などについてのご相談を行った。テラスの木製ルーバーを腐りにくいものに変更したいという意見があった。さてさて何にするかの検討の後、ステンレスルーバーを採用してはどうかの意見に至った。東京都の南青山にある根津美術館というところに、細いステンれるルーバーを用いた外構用のフェンスがある。とても繊細な表現で、その内側にある木製のルーバーを予見させるような表現となっているのだが、本来木製のルーバーを予定していたところに用いるものだけに、このような表現ができたらとてもきれいに映るのではないかと思うのである。

午後、スタッフとの打ち合わせなど。

2020/03/10

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。朝一番で川口市本町のシェアハウスの現場管理へ。

夕方大工さんの面接。

夜、家に帰って手作り消毒スプレーの製作を行ってみた。無水エタノールに精製水を8:2の割合で混ぜ攪拌して容器に移すだけの作業だが、なかなか手に入らなくなってしまった消毒スプレーを簡単に造ることができる。20mの容器に12本を1時間ほどで製作できたのでお勧めの方法だと思う。これは明日会社で配る予定であるが、手洗いやうがいなどの防衛行為をするしかないわけだから、こんなアイテムもとりあえず作ってみたところである。なんでもやれることはやってみる、まあ建築の現場と同じような精神なのだ。

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2020/03/07

今日は朝から川口市本町で進行中の外構工事の生コン打設のお手伝いである。前面道路に車を乗り入れることができないという立地条件の中で、30mほど離れたところにミキサー車を駐車し、そこから一輪車で押しながらコンクリートを打設することう約30往復ほどであろうか、僕と山本君と息子の3人で息を切らしながらの楽しい作業であった。約1時間ほどで作業は終了し、後は左官屋さんにお任せすることに。仕上がりはナチ黒石をちりばめて金鏝仕上げとなる予定である。

終了後、みんなで木風堂さんへ。川口裏路地計画で考えている共通デザインの看板を造る栗材を購入するということで足を運んだ。この計画は再開発などで画一化した街並みばかりになってしまっている川口市に魅力的な裏路地を造ろうというもので、地元の有志や同級生の建築家の小野君、後輩の建築家の佐藤研吾氏などが10名ほど集まって活動している。シェアハウスやギャラリー、カフェなどのデザインされた施設に同じ要素を持つ看板を配置することで、点が線となり人々の意識の中に路地として認識されるものとなるであろうという考えで進めている。

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下の写真はエンジュという木を購入している様子。普通は茶室の落とし掛けなどに使用する高級木材だが、格安で分けでいただいた。さらには薪ストーブの薪割体験までさせて頂くという特典付きである。何とも楽しい一日であった。

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2020/03/05

今日は朝から川口市の上青木という地域にある危険ブロック塀のパトロールという活動に参加した。この仕事は建築士事務所協会という団体で川口市から請け負っているもので、もともとは国土交通省からの落とし込みで各地域で行っているものらしい。町会の方々7名を3つのグループに分け、僕たち側から参加している4名と、市役所から参加している2名がそれぞれのグループに入る形でスタートした。約1時間ほどの街歩きをしただけで、20件ほどの危険ブロック塀を抽出することができてしまったが、それぞれなぜ危険かというと、以下のような理由による。

・高く積みすぎているのに、控え壁がない。
・基礎が無い。
・透かしブロックが使用されていて、鉄筋が施工されていない。
・古くてひび割れや傾きが見受けられる。

普段はあまり意識しないで通り過ぎてしまう塀だけれど、それだけに着目して歩き回ればいろいろな危険が見えてくる。こういうことを地元の町会の方々が改めて行うことで、少しずつ安全に対する意識が高まり、改善されていくのであろう。終了後、皆で昼食の予定であったがコロナウィルスの影響を考えて食事はそれぞれ持ち帰っていただくことにした。こういう活動にもっと若い人たちが参加してくれればなあという考えもあるけれど、でも高齢者の方々がこういう活動を通して地域貢献を行うことができるのも素晴らしことだとも思う。今日集まった方々は決して若くはなかったけれど、でもすごく意識が高くって意欲的な方々であったように思えた。久しぶりに町づくりの活動をみんなで行ったが、やっぱりこういう活動は良いものである。今後ともどんどん参加していきたいなあの感である。

2020/03/04

10時より、埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家の第2回目のプレゼンテーションを行った。お父様が所有する畑の一角に、L字型の一部2階建ての木造住宅を造る計画である。1階に配置されたリビングには薪ストーブを設えている。家の中心には火があるのが良い。やっぱりテレビが中心よりも薪ストーブの炎を見ながら団欒の時を過ごすほうが心地よいに決まっているのだ。農家さんということもあるけれど、周りの人たちが薪になる伐採した丸太を持ってきてくれるという関係ができているという条件なので、薪の調達に困ることもない。何とも恵まれた環境なのである。2階には寝室などの個室群を配置し、1階と2階をつなぐ階段は途中で本を読んだりできそうな魅力あるスペースとしたいという思いを実現するために、幅の広いオープンな階段をデザインしている。12時ごろ終了。ぜひ造ってみたい魅力ある住宅なのである。

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2020/03/02

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

東京都杉並区にて進行中のYさんの家の現場確認。大工さんの作業がなかなか進まずに、だいぶ予算をオーバーしてしまうという状態を確認しに行ったところなのだけれど、ようやく終わりが見えてきたという状態で一安心である。今日はキッチンの組み立て作業を行っている。ガスコンロが入るかどうかなどなどの検討を重ね、ひとつづく組み立てる作業はやっぱり時間がかかるものなのである。

ますいいで設計を行った消防団の分室が完成した。川口市の鳩ヶ谷というところに建つ小さな分署である。消防車が一台入り、緊急時に待機して出動に備える場所、昨今の気象変動が激しい時代にはとても重要な施設だ。そんな施設の設計に携わることができて何よりであった。

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2020/02/29

10時、東京都練馬区にて新築住宅を検討中のTさんご家族来社。土地を購入されて、いよいよ家づくりに移行しようという段階である。以前に土地探しのご相談を受けて以来、久しぶりにお会いさせていただいたのだが、今日は購入した土地の形状に合いそうなますいいの住宅の図面などを参考にしながら、家造りの方針について話を進めた。敷地は30坪弱の角地である。木造の2階建てを想定して1階にリビングを配置したものと、2階にリビングを配置したものを比較検討してみると、どうやら今回は2階リビングのほうがよさそうである。敷地前面の道路を挟んだ土地には古い桜の木があって、ちょうど南西の借景になりそうだ。

2階リビングから桜の花楽しんで暮らすことができる家である。この家の名前は桜見ハウスが良い。2階のリビングには畳スペースを設え、そこで宿題をしたり在宅ワークのお仕事をしたりも出来ると良い。お母さんが泊まりに来た時には宿泊のための場所にもなる。なんだかよいプランができそうである。早速一つ目のプランを考えてみようと思う。

2020/02/28

新型コロナウイルスの影響でとうとう学校まで休みになってしまった。こういう事態はこれまでの人生で経験したことが無いけれど、そういえばこれまでの様々な疫病はたまたま日本に大きな影響を及ぼさなかっただけで、ここまで外国人が多い昨今の状況を考えれば当然の結果なのかもしれないとも思える。今日で学校がお休みに入ってしまう学校もあれば、明日までは登校させる学校もあるようだし、地方によっては休校自体を行わない地域もあるというからさまざまである。一様な暮らしが当たり前の現代社会においては、こうした不測の事態が起きるとそれに対する状況適応力が著しく低くなってしまっていることを感じざるを得ないけれど、でも人間の本性の中にはいざとなればどんな状況にも立ち向かっていくエネルギーのようなものが秘められていると思うのできっと打開できるはずだと思う。

そういえばテレワークとか休校とか言っている中で、これを機会に社会を良い方向に変革することを目指すという議論がある。何かの問題が障壁となったときにそれを避けることが新しい社会の仕組みとなる、これはとても理想的な話だ。そういう自由が一番必要そうな最も膠着した世界が行政機関のような気もするので、これを機に時節に応じて変化する組織に移行するのもよいかもしれないけれど、やけに大きな組織だけにそれもなかなか難しいのかもしれない。今の社会は経済がすべてだ。経済が破たんしてしまえば、国家という機能も破たんしてしまうであろう。そうなる前にかえなけえばいけないことを変化させる良い機会となればこの混乱も意味があるものになるのかもしれない。

モノづくりの世界ではグローバル化とともに日本の製造業の空洞化が進み、国家間の水平移動ができなくなったとたんにモノ不足に陥るという困った事態が起きてしまった。これはマスクだけではなくほかの様々な製品に波及しているようだ。この問題一つとっても、人件費が安いところに製造拠点を持っていくだけの経済原理による仕組みづくりの問題だといえるわけだが、川口市の鋳物産業などは様にこの状況に陥っている。製造業の工場街はマンション群へと姿を変えてしまったから、そうそう簡単には元に戻ることなどできるはずもない。さてさて、困ったものである。

これはモノづくりの世界における職人の労働単価を下げるという思考からの社会構築の限界ともいえる。労働者の賃金を下げ、資本家が利益を生み出すという仕組みが正義ならば、製造拠点は日本から中国へ、そしてベトナムやアフリカへと移行することが結果であるのもうなずける。これが今問題になってしまっているとするなら、そもそも僕たちの頼っている資本主義という社会制度の限界のような気もしてくるが、これに代わる社会制度がないのだから仕方がないと放置されてきた。昨今の格差社会の問題も同じような感じだ。皆がおかしいと感じているのに放置されている。そしてその状況がどんどん進み、後戻りできなくなる現階の今、なんだかコロナウィルスに振り回されることで足元を見つめる機会が生まれているような気がするのである。

建築の世界は現場でのモノづくりが大きな意味を持っている。職人の存在も価値も、機械化が簡単に行える工場労働者と比較すると格段に高いといえるだろう。(もちろん建売のように誰でもできるものを造っているだけではだめだけれど・・・)設計者と職人さんの格差もないし、現場の監督だって職人さんに頭が上がらないことがしばしばある世界だ。フラットなモノづくりの世界が珍しく残っているのが建築の魅力である。だから職人になりたいという若者だって少ないけれどいまだにいるし、一人前になればそれなりの暮らしも出来る魅力もある。建築がこのような状況なのは海外生産ができないからだ。そして日本人が建築というものを暮らしの中で自然に学んでいて、結構高いレベルの建築を求めたくなる教養を身に着けているからだと思う。

この建築の仕組みをほかの製造業に転換することは難しいだろう。海外で安く作れ、それを輸送したほうが国内で生産するよりも結果的に利潤を生むというものを国内生産に移行するには、人の労働力に頼らないレベルの機械化が必要になる。でもそれは大規模な投資が必要だから、中小企業にはそれを行う資本がない。僕の知っている中小企業の経営者さんの中には、こういう初期投資が必要な事業からの撤退を決断する人がとても多いという現状を見てもやっぱり一筋縄ではいかない問題なのだと思う。では国内の労働力の賃金を抑えるために移民を受け入れるのはどうか、これは技能実習生という形で実施されている。この形態は一見うまくいきそうな気配もあるが、今中心となっているベトナムの経済成長を見ると数年後には、日本などには誰も来ないという逆転現象が起きるであろう。もうすでに日本の零細企業の製造業者は、海外移民レベルの賃金での労働を強いられているという現状もあるようだ。経済成長率を上げる。その成長した分のお金が製造業者に回ることで、製造業が再び生き返るという循環を造るには、モノの値段が製造者たちのコストの積み上げによって決まる仕組みが必要である。

トランプによる関税戦争を傍目に見て、異様に感じていた僕たちが、次はそれをやる順番なのかもしれない。それは国内の製造業にとっては価格保持の要因となりうるからである。僕たちは医療関係者ではない。でもこういう時だからこそ僕たちに考えることができることもあるはずだ。こうした議論が活発になり、何らかの社会変革が起きることで、この国がもっと良い国になること、それこそが危機に立たされる僕たちのやるべきことのような気がするのである。

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