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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

ますいいリビングカンパニー|埼玉県川口市

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増井真也日記

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2020/01/10

午前中は事務所にて各プロジェクト打ち合わせ。埼玉県の川口市にて進行中のMさんの住宅について、Mさん、セコムさん、電気屋さんが集まっての打ち合わせを行った。ますいいからは担当スタッフの田部井君と吉村さんが参加である。

住宅の打ち合わせというのはこういう細かな点がとても多い。打ち合わせの方向性はそのクライアントの興味がどこに向いているかで変わる。例えばキッチンにとても興味があるクライアントの場合は、造作で大工さんと一緒に造るキッチンの棚の割り付けなどの打ち合わせをしたり、コショーや塩を置いておくラックのようなものを大工さんの出仕事で造ってほしいなどの注文があったりもする。担当者はクライアントの細かな要望を図面化し、関連業者さんたちに周知して実施あの工事現場で実現しなければならないわけだけれど、これがなかなか大変な仕事なのだ。職人さんたちはいわゆる一般的なやり方というものには慣れているのだが、ミリ単位で寸法を指定して製作を依頼するとなかなか手が進まなくなってしまう。これが家具工場だったらそんなことはないのだが、あくまで現場で造作をする大工さんの場合はそうもいかないのである。

下の写真はスープ作家さんのクライアントとますいいが造ったミングルという新しいライフスタイル向けのキッチンである。これも中村さんという大工さんが手仕事で作ってくれたものである。まあるいシンクは高橋さんが作ってくれた。設計は昨年から群馬県の高崎分室を開始した柳沢君の担当である。大量生産するものではないこのキッチンをこんなにも多くの人が情熱をもって造る・・・これこそがまさに一品生産の素晴らしいところであり、モノづくりの醍醐味だと思うのである。

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夜、大学時代に所属していた早稲田大学理工ラグビー部の同期3人で食事をした。新宿のホルモンやさんといえば知っている人は知っているだろう。18歳からの付き合いだからもうかれこれ27年になる。改めて数えるとかなり長いなあと思う。同期の一人のMは僕と出席番号一つ違い、今は大手のゼネコンにいるのだが実は群馬県にあるますいいの高崎分室でご実家の設計・施工を担当させていただいている。まだ設計中ではあるけれど、良い家を造ることに是非是非力を尽くしていきたい。12時過ぎ、帰宅。

2020/01/09

10時、大工さんの瀬野さん面接。瀬野さんは大工歴4年、それまではほかの仕事についていたという40歳である。工務店で仕事をしていたということだが、たまたまその仕事がなくなってしまったので、ますいいで一人前になるまで働きたいという思いを話してくれた。ますいいには現在のところ本間さんと群馬県の高崎市から来てくれている川浦さんの二人の大工さんが専属で参加してくれているが、瀬野さんは年長者の本間さんに弟子入りして一緒に働くことになった。家造りには大工さんの存在がとても大切である。だって木造住宅の仕事はほとんど大工さんの手によって行われるのだ。ますいい3人目の大工さんとして、明日から坂戸の現場に入る予定である。本間さんの一流の腕を習得すべく頑張ってほしいと思うし、仕事ぶりを見るのがとても楽しみなところである。

2020/01/06

朝一番。今日は5時くらいから仕事の夢で目覚めてしまう。僕は目覚めのしるしに仕事の夢を見るタイプなので、いよいよ始まるんだなあの感だ。この夢が始まるともう眠りにつくことはできないから、早々に床を出る。年末年始は新しいますいいギャラリー併設した母との2世帯住宅への引っ越しを行った。まだ一部が工事中だったり・・・、電気が仮設だったり・・・、アマゾンさんが配達に来たけれど表札も何もないのでわからないと苦情の電話が来たり・・・、の状態ではあるのだがなかなか住みやすい家である。2月ごろには外構工事も終わり、写真をお披露目できるだろう。これからのショールームとして使用する予定なので楽しみにして欲しい。

今日から仕事始めである。全員がそろって新年のスタートとはいかなかったけれど、一年のスタートというのはなんとなく気持ちが良いものだ。朝の顔合わせでは一人一人が一年の抱負を話していくという、きっとどこの会社でも行っているであろうことをますいいでも行った。こういうことはとても基本的なことだと思うのだけれども、でも基本的なことの繰り返しでしか人生は進んでいかなうような気もするのである。若手のスタッフは、メリハリをつけて仕事ができるようにとか、引き渡しがあるから信念から気合を入れていきたいとか、やるべきことを一つ一つ積み重ねてとか、普段の仕事の進め方についての思いを話してくれた。今年で30歳になる渡邊君は、チームで仕事をする楽しさに気づいたので、その仕事がどんどん進むようにしたいと言ってくれた。何とも頼もしい限りである。

ますいいの場合は特段改めてのあいさつ回りなどは行っていないので、今日から自然に仕事が始まっている。電話をかけてもなかなか通じなかったりの状態ではあるけれど、それでも昨年からの継続での仕事が動き出している。令和2年、新しい元号も2年目をスタートさせた。僕の人生もきっと折り返し地点、一日一日を大切に、建築を通して世の中を少しでも良くすることを目指してしっかりと生きていきたいと思う。

2019/12/28

今日は朝から恒例の本納寺お餅つき大会に参加した。ご住職がやっているサッカーの指導を受けた生徒たちが大人になり、沢山参加してくれている。昨年も何人か来てくれていたけれど、今日はだいぶ人数が増えたようだ。子供たちの育つ姿を見るのは良いものである。昨年はまだ幼い雰囲気が残っていた子供たちが、たった一年でものすごく大人の顔になっていたりする。毎年同じことを繰り返す大切さというのはこういうことなんだなあと思うのである。

12時ごろ、田部井君とバトンタッチをして事務所に戻る。数件のあいさつ回りをして事務所へもどる。

今日で仕事納め。新年は6日からのスタートである。皆様もよいお年をお迎えください。

2019/12/27

今日は朝からスタッフ全員で大掃除である。コンテナの中身をきれいにしようと奮闘すると、なんだか1/4くらいのものはごみに見えてくる。いつ使うかわからないようなものに埋もれていては、ビスなどの普段使うものまで見えなくなってしまうということで大々的に処分していくと、だんだんと心地よいガレージのごとき空間になってきた。僕が先頭に立ってコンテナの中身を掃除したのは数年ぶりだけれど、いつの間にやら廻りのスタッフも本気になっている。

事務所の方も今年は久しぶりの席替えを行った。席替えをすると、たまっている不要なものを整理するきっかけとなる。場所が変わるし隣の人も変わるから、なんとなく気分も変わり新鮮な気持ちでスタートを切ることができる。これまたなかなか良い手法なのである。

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2019/12/26

午前中は各プロジェクト打ち合わせ。年末は一日一日が過ぎていく時を刻む音が聞こえるような感覚に襲われることがあるけれど、一年のうちでこんな風に時間が差し迫る感覚を覚えるのは年末だけのような気がする。また来年も良い年になればよいなあとすべてを忘れられれば幸せだが、仕事のこととなるとそうもいかないわけで、来年になっても忘れぬように忘備録に残すような気も使わなければならないのである。今年は日廻りが良く、28日からお休みという人も多いようだ。ますいいは28日に恒例のお餅つきがあるので、毎年29日からがお休みだ。仕事始めは6日からだから日曜日から日曜日までの8連休、なかなかの期間だけにそれなりにゆったりとできるであろう。

11時より、川口氷川神社さんにて打ち合わせ。年末の神社さんはお焚き上げの準備などで大忙しだ。お焚き上げのスペースには鉄筋を組んだ3畳ほどのスペースに鉄網を張り巡らし、その外側を鉄パイプで覆うという頑強な策を施している。お札やお守り、神棚などのごみとして捨てられないものを神社という聖域の中で焚き上げてもらおうという思いの集まる行事だけれど、火を使うからこその慎重な対応を取らなければならないわけで、準備作業はとても大変なのである。

午後、銀行さんとの打ち合わせなど。

2019/12/23

午前中は東京都北区にてアパートの漏水調査に立ち会い。アパートの施工を担当している関口君と一緒に立ち会うも、ユニットバスの点検口の中にある給湯管と水栓金具をつなぐ部材からの漏水であることをすぐに発見することができた。築年数が古くなってくると、こういう具合に不具合が起きることが多くなってくるようで、メンテナンスの機会も増えざるを得ない。そんなときに気軽に相談できる存在というのもまた、町医者的ますいいの役割である。とはいえそれを受けることができるのも関口君がいるおかげというもの。仕事は一人ではできない、やっぱり良きパートナーの存在が重要なのである。

夕方、東京都文京区にて設計中のKさんの家の基本設計打ち合わせ。今日はご主人さまもご参加されての打ち合わせであった。これまで吹き抜けの位置を移動したり、リビングとダイニングを入れ替えたりの可能性をスタディーしてきたのだが、だいぶ固まってきたように思う。次回の打ち合わせを終えたら実施設計となるだろう。狭小地に建つ3階建てということで、これからが設計の難しいところだ。しっかりと進めていきたいと思う。

ますいいの高崎分室がオープンした。まだ工事はなんとなく続いているけれど、事務所としての形態はようやく整えることができた。高崎の分室の建物は空き倉庫を利用している。広い倉庫の一角に事務所スペースを造る、建築の中の建築のような形式である。たまたま安い倉庫を借りることができたからこんな計画が可能となったが、これはなかなか贅沢な空間だ。ギャラリーのように利用したりの可能性も楽しみである。分室の主は柳沢君だ。人柄とセンスが良い柳沢君のことだから、きっと楽しく運営してくれるだろう。

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2019/12/21

午前中、埼玉県さいたま市にて家を建てたいというSさんご夫妻打ち合わせ。なんでもテレビ番組の製作をお仕事としてされているそうで、ご夫婦ともにクリエイターの雰囲気のある方々である。準防火地域の小さな土地に、木造の3階建てか、はたまた2階建てかの住まいを造る計画である。準防火地域の住宅の場合は、2階建てならば防火構造、3階建てならば準耐火構造という風にまったく異なる形式となる。この差は結構大きくって、例えば階段を木製委のオープン階段にすることができなくなったり(燃えしろ設計を利用すれば別だけれど)、内部の柱や梁のあらわしができなかったり、アルミサッシが防火仕様になったり、ガラスが網入りガラスになったり、木製玄関ドアが使えなかったり・・・、まあいろいろとあるのだ。できれば2階建てがいいなあと思いながらも、まずはプランを検討してみることとした。

14時、東京都台東区にて住宅を設計中のMさん打ち合わせ。浅草の雷門のすぐ近くの敷地である。こういう場所はすごく人の縁が深そうで、昔から住み続けている人がたくさんいる。土地もだいぶごちゃごちゃで、小さな敷地に小さな住宅がひしめくように建っている。当然隣の建物が越境していたりのハプニングもある。というわけで、敷地に越境している隣の建物の様子を見に行ったりの作業を行うこととした。

2019/12/20

午前中は各プロジェクト打ち合わせ。

17時、川口裏路地計画会議を開催した。以下が会議報告である。次回は佐藤君の友人の建築史家、高田さんのアーティスト集団にメンバーも参加酢てくれる予定である。街づくりに参加したい仲間が少しずつ増えていく。良い志に集まる仲間とともに、良い町を造れたらよいと思う。

1.川口裏路地計画について
裏路地計画の概要説明。 
「川口市の本町1丁目から栄町、幸町周辺の街の中に魅力的な裏路地をつくる」ための団体の立ち上げ団体について。
■設立目的
・大規模再開発などによって魅力的な商店街や路地などが画一的なものに変化してしまう中で、魅力ある裏路地を生み出すための活動を行うこと。
・互いにアイデアを出し合い、作業を分担して、魅力的な街の創造に寄与すること。
■団体の形態について NPO法人、一般社団法人等
■参加メンバーについては後日協議して検討する。

2.塀のデザイン
・本町のシェアハウス、幸町のシェアハウス、幸町のギャラリー、川口ブリュワリーさん店舗などにおいて同じデザイン要素を持つ塀を造り、川口裏路地計画のアイコンとなる存在を生み出す。
・点から線に繋げていき、裏路地計画の一体感ある展開を目指す。
・コストを抑えて参加しやすいプロジェクトとするために、木を利用した構造とする。
・腐りにくいように栗材を理想してもよいかもしれない。
・デザイン案を佐藤研吾氏が次回までに提案。

3.空き家・空きスペースの有効利用について
・小商いビジネススペース(増井)
・アーティスト向けのアトリエ付き貸家(高田氏)
等のアイデアが出た。次回会議までにアイデアを持ち寄る。

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2019/12/18

午後、埼玉県桶川市にて造ったAさんの家の完成確認。夫婦二人で暮らすための茶室のある住宅である。茶室は8畳の広間で床の間と琵琶棚、縁側を持つ。床柱と落とし掛けには天然の北山杉の絞り丸太を使用している。落とし掛けなどのそのほかの部材は杉を使用した。この茶室の唐紙には、京都の唐長さんで造った唐紙を貼っている。ガラは「花兎」。淡いピンク色の唐紙が、茶室に何となく淡い彩を与えてくれるようだ。今日はAさんにお願いされた電気の炉壇と新塗りの炉縁を納めた。新しい畳に炉を入れる、何とも言えない瞬間である。

僕は暮らしの中の茶室を安く作ることを大切にしている。こんなことを言うと怒られてしまうが、京都の茶室用の竹材や杉材などは、1枚10万円以上するような棚板などなどが当たり前で、見積もりをすると材料代だけでもすぐに100万円を超えてしまう。つまり高すぎるのである。確かに今の時代には希少かもしれないし、確かにとっても綺麗なのだけれど、でもこんなに高すぎたら誰も造ることができないでしょ、と思うのだ。だから僕は(もちろんあんまり目立たないように気を使いながら)集成材の安い板を使用するときもある。高い無垢板と安い集成板をうまく組み合わせることで比較的安価で茶室を手に入れることができるようになるのなら、そのほうが良いに決まっているのだ。

炉壇だって同じである。炉を切るとものすごく高いんでしょ、と言わることがあるけれど、金属製の炉壇は20万円もしないで売っている。確かに左官屋さんに手作りをしてもらったら高いけれど、銅製の金属炉壇でも十分に茶は点てられる。守るべきものとそうでなくてもよいものをよく考えないと、茶道も衰退して存在を認識することが難しくなってしまったほかの伝統のようになってしまう。また一つ文化の伝承の場所を造ることができたことに心より感謝したいと思う。

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2019/12/13

朝一番で、埼玉県桶川市にて進行しているAさんの家の引き渡し。

10時、ますいいで進行しているホームレシピのサイト運営に関する打ち合わせ。

夕方、大学時代の早稲田大学理工ラグビー部同期の相談を受ける。なんでも今は浦和に単身赴任をしているそうで、この際さいたま市内に住居を移そうかなあと思っているらしい。富山から上京してきたので、さいたま市内であれば一体どこが良いかなあと言いう相談であったが、僕としては川口市もいいよのアピールもさせて頂いた。川口市は住宅ローンのアルヒさんが住みやすい町NO1に選んでくれたように、土地の値段なども都内に比べたら格段に安いし、都内へのアクセスは抜群に良いし、なかなかに住みやすい町なのである。外国人が日本で3番目に多い町などといって、あんまりよいイメージにならないことが多いのだけれど、川口市民からするとその外国人が例えば小学校のクラスに3人くらいいることもそれほど特別なことでもなくって、子どもたちは意外とみんなで仲良くしていたりするのが現実であるのだ。まあ友人がどこに暮らすかは良いとして、こんな風に20年もして助け合えたりする仲間がいてくれるのが良いものだなあと思う次第である。

2019/12/12

15時ごろ、埼玉県吉川市にてカフェをやりたいというSさん来社。現在はお勤めをしているそうだけれど、45坪くらいの建物を建てて、そのうちの20坪の1階部分を利用してカフェを営む暮らしに転向したいというご相談であった。うーん、これは誰かに似ている。そう、アスタリスクカフェのHさんである。

Hさんは当時2000万円ほどの早期退職金を使って、720万円の土地を購入し、残りのお金で建築を造ってほしいと、ますいいリビングカンパニーを訪れた。1200万円しかないという話を聞いて、到底無理であろうなあと思ったのだけれど、そこはローコスト住宅が得意なますいいリビングカンパニーの意地の見せ所である。断るのは誰でもできる。何とかならないかなあと思っていると、なんとHさんが自分で書いた理想像のスケッチを見せてくれたのだ。

そのスケッチは、僕たちが書くのと同じくらいか、ちょっと下手なくらいなかなかのものであった。ここまで理想を表現できる人ならば、ある程度の箱さえ造ってあげればその先は自分自身の手によって理想の空間を創り上げることが出来るのではないか、と思ったのである。予想は的中した。Hさんご夫妻は退職後に有り余る時間を建築の現場に注ぎ込み、いまではテレビなどに引っ張りだこの素晴らしいカフェを創り上げたのである。さてさて、Sさんのカフェもこんな風に出来れば最高だと思う。今の時代は社会の歯車になる時代ではない。個人のこだわりとか思いとかを大切に生き、そして誰かを喜ばせることをする、そんな生き方のお手伝いが出来ればと思うのである。

続いて、7年ほど前に家を建てたSさん来社。500万円ほどの土地を購入し、1000万円ほどの家を造って暮らしているSさん。今回はお隣の土地を購入し、増築をしたいなあのご相談であった。当時はこのプロジェクトを1000万円住宅プロジェクトと名付けた。Sさんは決してお金がないわけではない。普通に住宅ローンを組めばたぶん5000万円くらいの予算をすぐに作れる。だけど、家造りってそんなものではないよね、今の暮らしに必要十分な空間を1000万円くらいで手に入れて、豊かな暮らしを阻害しない範囲で家を造りたいのだ、そんな思いでスタートした計画であった。

今の日本の住宅は、住む人を住宅ローンでしばりつけてしまう傾向がある。豊かな暮らしのための住宅なのに、それによって全く余裕のない暮らしになってしまうのでは何のための家造りか。家賃を払うよりは住宅ローンのほうがいいよね、それくらいの範囲の中で収められる家づくりが良いと思う。Sさんはまさにそんな考えの持ち主なのである。

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1000万円の家(7年前の手記)
このプロジェクトは1000万円で家を建てたいというSさんのためのものである。Sさんはなんといっても銀行さんに受けの良い地方公務員だから、普通に5000万円くらいの住宅ローンを組むことができるのだけれど、実際に使ったお金は土地代として450万円ほどと、住宅建築に1100万円ほどである。だから、合わせて1550万円で注文住宅を取得したわけだ。場所はJR京浜東北線の大宮駅から歩いて20分ほどのところである。もちろん土地の面積は20坪ほどととても小さい。でも、東京駅までほど近い埼玉県さいたま市のベッドタウンで起きた、建売よりも安い注文住宅取得の物語である。

Sさんは常々、人生で2回くらいは家を建ててみたいと話している。そして住宅ローンに縛られるくらいをするのは嫌だとも話している。この考え方は僕の考えととてもマッチしている。銀行さんが言うとおりにお金を借りていたら、一生そのローンを返すためだけに生きていかなければならない。どんなに広い住宅が手に入っても、どんなに駅に近い土地が手に入っても、おいしい物を食べたり、楽しい演劇を見たり、旅行に行ったり、お気に入りの洋服を買ったりの、暮らしを豊かにしてくれる余裕が全くないのでは意味がない。家はあくまでそれらと同等の物であり、人が生きるための箱以上のものではないのである。

この住宅を作るに当たって、僕は以下の設計のコンセプトをしっかりと持つことにした。
・家族3人が暮らすための最も合理的な形態の美しいプランを導き出す。
(同じ面積を創りだすのであれば正方形のプランが最も合理的である。そして断面的には総2階建てが最も安価となる。その基本を押さえつつ、敷地条件やその他の建築条件に合う美しい箱をデザインすることとした。)
・装飾・付属品は一切省くこと。
(装飾や家具工事などの付属工事は一切省くこととした。あくまで施主が暮らすために必要な、最低限の箱を作ることに限ることで、コストを抑えることとした。)
・構造を表しにすることで建築意匠の特徴を作る。
(もともと建築の構成に必要な構造を表とすることで、無駄のない意匠的な特徴とする。これはセルフビルドを所望する施主が今後工事をする際に、やりやすい状況を作ることにもつながる。)
・できる限りセルフビルドを取り入れること。

これらの設計方針は、川島町のカフェ兼住宅を作る際に確立したものである。(参照ページアドレス)それ以来、埼玉県幸手市のスタジオ兼住宅や間もなく工事を始めるさいたま市岩槻の接骨院兼住宅の現場で同様の方針を立てた。今回のプロジェクトはその中でも最も小さな、そして価格の安いものとなった。

プランは3間×3間のいわゆる9坪ハウスの2階建てである。9坪ハウスに特徴的な吹き抜けは無い。18坪すべてを有効な床としている。1階には将来二つに分けることができる個室・水回りを設けている。2階にはワンルーム型のLDKが配置されている。空間の広がりを作るために天井は屋根の形に合わせた勾配天井とした。内部の壁を構築する際には、仕上げを自然素材のタナクリームとした。床には杉板を張っている。外部に接する壁は外断熱工法とし、柱や間柱はすべて表しとなっている。構造を支える要素のタイベストウッドの裏面のMDFも表しとすることで、木の風合いの内壁を造り上げた。

この住宅の構造部材は西川材で作られている。柱には杉の無垢材を、土台には檜を使用した。建築の意匠の特徴としてあらわされる部分だからこそ、多少コストは上がるもののあえて使用したわけだが、これは建築の価値を高める手法として成功したと考えている。


2019/12/10

今日は年内最後の勉強会を開催した。題材は現場管理の手法についてである。やり方やレベル設定といった工事準備の段階から基礎工事までの範囲について、4時間かけてみんなの経験談などを話し合った。仕事をしていればそれぞれさまざまな失敗談を持っている。そういう経験を共有することで、若いスタッフが失敗をするタイミングでそれを避けることが出来たりすれば、それだけでもすごい効果であろう。特にレベルの設計などは経験を要するタイミングなので、念を入れて話し合うことにした。

終了後は、川口市にある居酒屋・一徳さんにて忘年会を開催した。普段は一緒に食事をすることがないパートの事務員さん達や、大工さんの本間さんまで全員参加で開催することが出来た。会社はやっぱり一体感が大切であるなあの感であった。

2019/12/09

13時、川口市役所にて保育園の認可に関する審議会に参加。今日は4つの保育園の認可についての話し合いをしたが、そのうちの一つにすごく狭いマンションの1階部分を改修して保育園とする計画があったのでお話したい。

これはものすごく印象深い計画であった。

なぜなら昔の日本家屋のごとき続き間となった保育室で、つまりは0歳児の部屋の隣に1歳児の部屋があったり、その隣に3・4・5歳児の部屋があるという具合に、いわゆる廊下というものが存在しないのである。ということは5歳児がトイレに行こうとすると、0歳児がお昼寝をしている部屋を通っていかなければならないなどの無理な状況が容易に想定される。もしこんな保育園が出来上がれば、総勢50名くらいの子どもたちが、ものすごく混とんとした状況の中に放り込まれることが予想される。場所は川口駅のすぐ近くである。確かに需要はある。川口駅に子供を預けてすぐ通勤、これは便利だ。でも子どもの立場は?

以前アジア最貧国のネパールの保育園を見た。こんなに貧しい環境だから寄付をしてほしいといわれたその保育園は、日本の保育園よりもよっぽど恵まれた環境であった。今の保育園の設置環境は、行政の助成金によって工事をして民間がその運営をするという方式である。この方式はどうしても営利活動だから質の差が生じるわけだけれど、その差の出方を調整するのがまさに僕たちの役割のような気もするのである。


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2019/12/08

今日は裏千家の淡交会という団体のメンバーで卒業茶会なる茶会を開催した。淡交会というのは読んで字のごとく、茶道を通して淡く交わる会である。要するに裏千家茶道をたしなむものの交流の場であるのだが、今日は総勢50名ほどのお客様をお迎えするゆったりとした茶会であった。何百人ものお客様が来場する大寄せの茶会だと、なかなかこういうゆったりとした時間を持つことはできないし、役割分担に従っててきぱき物をこなすという感じになりがちなのだけれど、今日は僕もお点前をしたりの余裕もあってなんだか久しぶりに茶道を楽しむことができた一日であった。

茶道を通してつながる仲間というのは良いものだなあなどと改めて感じつつ、こういう文化が無理なくみんなに広まってくれればいいなあと思ったりもした。茶道はお金がかかるから・・・、正座が堅苦しくって・・・、などの否定的な意見はしばしば耳にするわけだけれど、誰だってこの国から和の文化が消えてなくなってしまえばよいと思うわけではない。むしろ京都の町を見て美しいと思う心は、誰の中にでも存在するはずである。無理なく・・・つまり自分らしく茶道をたしなむ、茶道でなくとも文化とともに生きるのでもよいと思うが、こういうことはやっぱり良いことと思うのである。

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