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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

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増井真也日記

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2020/05/14

埼玉県川口市にて進行中の川口氷川神社「古神札納め所及び厠」の新築工事がいよいよスタートしている。神社の境内の中で建築の仕事をさせて頂けるということ自体に、すごく誇りを感じるし、神聖な場所をけがしてはいけないという気持ちにもなる。そしてこういう場所にふさわしい建築の姿とはどういうものかというスタディーを繰り返し、これであれば間違いないだろうという設計をして造り始めた。

神社というのは屋根の建築である。神社ではギリシヤの神殿のごとく、大きな屋根をドーンとかけることで神殿を構築するという、建築として非常に初元的な行為をする。この建築も神社の境内で造るということで、大きな屋根を支えるどっしりとした木造の構造を考えた。今日はその屋根下地の強姦を貼る工事をした。緩い勾配の大きな屋根がもうじき出来上がるところである。

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2020/05/11

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

連休が終わりコロナ対策のステイホームも少々緩み気味になってきたような気がする。非常事態宣言も一部では解除されるようだが、ウィルス対策にも気を付けながら経済活動も徐々に再開していかないと、国家の体制自体の維持ができなくなってしまうということなのかもしれない。そもそもこの国は資源を持たない。食糧の自給率だって非常に低い。そんな国が豊かに暮らしていくためにはやはり仕事をしなければならないということは明白のような気もするのである。

東京都北区にて設計中の木造3階建てアパートについてのスタディー。今は1/50の模型を作成中である。一部に木を使用し温かみのある集合住宅にすることを目指しているものの、メンテナンスのことを考えるとそのバランスに配慮が必要だ。金曜日のプレゼンに向けて作業を進めていこうと思う。

2020/05/09

10時より、埼玉県川口市にて設計中のKさんの家の打ち合わせ。Kさんご夫妻は、川口市にてとある場所にある坂の上の土地を購入した。その土地は隣の土地とは約1mほどの段差があって、2階の床のレベルからはちょうど隣の家の屋根の上の方が見えるような高さ関係となっている。今回はその隣の家の屋根が見えるリビングの中央部分に段差を設けて、長い階段を設置するプランを作成してみた。階段の一部分は座ることができるような設えとしたり、一部分は本棚のように使用できることも考えている。階段に腰かけて南側の屋根の上のそのまた更に向こう側の方まで見渡すことができるような眺めの良い住宅となるように造っていきたいと思う。

2020/05/06

連休最終日。5連休もあっという間に終わりを告げた。名残惜しいと思っていると過ぎ去るのは早いものである。いつもなら家族で出かけたり、もしくは建築の仕事の関係で海外に足を運んだりの予定が入るものだが、今年は本当にずーっと家にいた。世界中でステイホーム、経済的な損失は計り知れないだろう。

だがその一方で大気汚染が改善された等のニュースも耳に聞こえてくるようになった。インドでヒマラヤが見えるようになったのニュースは代表的だけれど、なんでも大気汚染が改善されてしまうと、二酸化炭素による温暖化が大気汚染による冷却効果を超えてしまうために地球温暖化を進めてしまう結果となるというような意見もあるので、これに関しては何が良いのかよくわからないような状況だ。

でも、コロナ対策を経験しているおかげで、僕たちがなかなか行うことができなかった環境対策のうちのいくつかの行動はできるということが明確になったのも事実である。特にテレワークなどは、物理的な人の移動距離を短くしてくれる可能性が高く効果が大きいのではないだろうかと感じる。

僕たちの世代はバブルの崩壊を中学生のころに経験し、社会人になるころには就職氷河期と呼ばれる冬の時代だったし、それ以降目立った経済成長を経験したことはないままに大人になった。安倍政権のアベノミクスなどは特段その効果に実感がなく、一部の人の一部の人種への経済成長なのだろうという程度の関心しかなかった。僕より若い世代は、バブル崩壊による冬の時代ではなく、生まれてきたときから冬の時代の感覚で生きてきている。でも日本という国はそれでも特段困ることなく人が生きていくことができる国、だからそういう環境下でも皆普通に生活してきたわけである。

特に浮き沈みの無い状態、良いのか悪いのかわからないけれど国民が安定して暮らすには困らない状態、こんな時代だからこそ、人々は様々な新しい意識を生み出した。所有しない意識もその一つだ。家を持たない、車を持たない、食料の備蓄なども行わない、結婚もしない、貯蓄もしないし、子どももつくらない、そんな考え方である。例えば住まいに関していうと、住まい自体がふわふわとした意識の上に建ち、人々は都市空間を浮遊するように暮らすことができる・・・、そんな意識的なものへの変化ともいえる。

そういう様々なことがこのコロナで一変している。普通であるということが普通ではなく、業種によっては本当に死活問題にまで追い込まれている状態。いつもの居場所がなくなてしまった状態。いつも普通に手に入るものが手に入らない状態。これまでなかったこの状態にひとたびなってみると、しかも長期的な現象としてこういう状態を受け入れざるを得ないとなってみると、これまでふわふわとさまようように成立していたいろいろなもの・人・コトの関係性が、突然かみ合わなくなってしまう現象が起きているのである。

また家の話に戻る。人と人とが接触することができなくなれば、都市空間を自由に浮遊するような暮らし方は難しくなる。突然その場を失った人々は、いっぺん路上生活を行うしかなくなる。安定した経済、都市の成長、なんとなく緩慢とした世界が作り出したゲームの中のような暮らしは、あっという間に崩れてしまう。結果として、見直しが必要なこともあるのではないかということに人々が気が付きだしているのだ。コロナによって進化する様々なリアルとリアルをつなぐネットワーク技術と、コロナによって再度必要とされた古典的なリアルなものたちを整理する一年間になるだろう。ますいいのような小さな会社でもそれを行っているけれど、きっと社会全体がそれを行う一年間になりそうな気がする。

2020/05/05

連休も明日で終わりだ。今年はステイホームの連休だったので、結局どこへも行かずに読書三昧である。

現在東京都新宿区にて設計中のFさんの家のことを考える。中井駅のすぐ近くの小さな川のほとりに造る小さな住宅は、どこか懐かしい和の雰囲気を持つ木造2階建てだ。今はその外観のデザインを行っているところなのだが、和風と感じる素材とはのスタディーをしてみた。時の流れや積み上げられた様子、悠久の時に身を任せるような感覚を時層と呼ぶことにする。そんな時層をデザインするというのは、つまりはそこに流れる時間の存在をいつくしみ、それを表現することである。素材に時間を織り込むといってもよい。時間を感じる素材とは、例えば「石・経年変化している木材・錆びた鉄=コルテン鋼板」などが挙げられるだろう。このような素材を使用することで、時の流れを表現したいと考えている。

敷地の目の前には川が流れている。
「ゆく川の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかとまたかくのごとし。」とは鴨長明の方上記である。川の流れのようにゆらゆらと流れる時間を、そっと織り込んだような建築ができたらいいなあと思うのだ。

2020/05/03

連休二日目。今日は畑で作業をした。夏に向けて野菜の苗を植える作業は毎年やっているけれど、今年は少々量を多めにしてみた。通常だと日曜日も月に二日ほどしか休めないのだが、今年はほとんどすべての行事が中止になってしまっている状態なので、畑の作業がはかどりそうだというのが理由である。今までいろいろなお役を担って生きてきたものの、本業の家造りに集中し、スタッフとの交流に集中し、さらに質の良い家を造る活動に集中し、余暇は自分の好きなことを楽しく行う、そんな生活をしているとなんだか若い頃に戻ったような懐かしい気分になったりもする。そしてちょっと違った時間の流れを感じたりもする。

畑にいる時間が長くなると、小さな虫にまで目が届くようになる。グロテスクなムカデがいたり、モンシロチョウが一生懸命に卵を産み付けていたり、ダンゴムシがいつの間にか膝の上を歩いていたり、なんだかわからないけれどでっかい幼虫がいたりという具合に、普段見えないものにまで目が届くようになってくる。そんな虫たちの姿を見ていると、人間界はコロナウイルスとの戦いに奔走しているものの、それとは全く変わらない時間が流れていることに気が付く。

仕事にかかわっているときの時間の流れ、子どもたちと一緒の時、一人でカフェにいるとき、畑にいるとき、本質的な時間の流れるスピードが変化するはずはないけれど、でもその人にとっての時間の流れる速度は確実に違っている。

最近はテレワークをする人が増えているけれど、家の中で仕事をするということは、同じ空間の中で様々な時間の流れが発生することになるわけだ。夫も妻もはたまた子供たちまで、WEBを介した仕事や授業を受けていると、家という同一の空間に様々な人にとっての様々な時間軸が生まれることとなる。そうした時間軸の交差がうまくいくときは良いけれど、そうでない場合は衝突も起きてしまうかもしれない。時間の流れをうまくコントロールすることができるプランができないかなあと、なんとなく考え始めてみた。漠然としているけれど面白い考えだと思う。そしてこの騒動の後の世界でもきっと必要とされることのような気がするのである。

2020/05/02

連休一日目。今日は基礎屋さんの石塚さんと一緒に東京都新宿区にて設計中のFさんの家の現場確認に出かけた。この現場は前面が川に面しており、敷地の前面道路はインターロッキングで舗装された幅2.5mほどの細い道である。車は軽トラック限定ということなので、大型車が入れない前提で設計段階から工事を想定した打ち合わせをしておかなければいけないわけだ。近所のおやじさんからは2トン車入れても大丈夫だよの勇気づけられるお言葉を頂戴したのだけれど、役所からは軽トラック以上を入れるとインターロッキングの舗装が崩れちゃうよのお言葉もいただいている。こうした予言を無視して工事をしてもしものことがあれば、当然補修工事をしなければいけないわけなので、やっぱりここは素直に軽トラックでの工事をするべきということになるのだ。お休みということもあって、なんとなくのんびりと打ち合わせをして昼過ぎに自宅に戻った。

午後はゆっくりと読書をして過ごす。今日からステーホームの連休である。家族と一緒にゆっくりと過ごすとしよう。

2020/05/01

午前中は埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家の打ち合わせ。今日は前回に引き続きZOOMを利用したWEBミーティングとなった。初めはなんとなくたどたどしかったのだけれど、これはこれで慣れてくると会話タイミングもつかめるようになってきてなかなか良いものである。こんなことでもない限りきっと一生使うことはなかったと思うのだが、僕も少しはIT技術を利用できる人間の仲間入りを果たすきっかけとなったようだ。今日は3回目の基本設計である。正方形のボリュームが組み合わさった形状のプランをご説明して終了。次回は大きな階段のあるプランを考えてみることとなった。なんだかおもしろい展開になってきたのである。

15時より津京都新宿区にて設計中のFさんの家の打ち合わせ。今回は実施設計に入って1回目の打ち合わせ、詳細部分まで書き込まれた平面図や展開図を用いて全体的なプレゼンを行った。小さな川に面するこの敷地は周りに和風の建築が建てられたり、染め物のイベントが行われたりするちょっと面白い場所に位置している。この住宅も民泊のように宿泊することができたりの開放的な利用法を考えており、デザインのイメージも周辺環境とマッチする和風の要素を持つものとする予定だ。次回はそこに向けたデザインのプレゼンを行うこととなった。

明日から6日までは連休となる。この騒ぎの中でどこにも旅行などに行く予定はないが、読書三昧の数日間を過ごしてみようと思う。

2020/04/29

午前中は埼玉県さいたま市にて土地の購入を検討中のSさんと打ち合わせ。数年前にますいいで1000万円プロジェクトなる家づくりをしたSさんの家の隣に増築をするための土地を買い足そうという計画である。以前住んでいた方がお亡くなりになって空き家となっているものを解体して利用するという計画だが、なんといっても隣の土地である。隣の土地は無理してでも替えとは昔からよく言ったもの。自宅の隣地など一つか二つしかないわけだから、当然そうそう売りに出るものでもないわけなので、これは購入しておいた方が良いであろうが、その前に一度土地を見させていただいてアドバイスをさせて頂いたというわけだ。今後の工事の進め方などを想定してのアドバイス、増築となると少々複雑なこともある。約2時間ほどして事務所に戻った。

夕方、東京都文京区にて設計中のKさんの家の打ち合わせ。今日は確認申請資料の最終確認などを行った。いよいよ連休明けには確認申請提出となる。工事に向けて準備を始めていこう。

2020/04/26

日曜日。いつものように畑に行こうとし、通りがかりのホームセンターによってみるとものすごい人がいる。こんなに人がいるのは見たことが無いのだが、これも外出を自粛している影響なのか、日曜大工の動議や材料、植木や野菜の苗などを抱えた方々が行列を作って並んでいるので、なんとなくこれ以上状況を悪化させてはいけないなあと思い買い物を断念した。引き換え畑は誰もいない。600坪の敷地に僕たち家族だけ、この趣味を初めてかれこれ8年ほどだろうか、これほどやっていてよかったと思うことはなかった。

畑には春の花が咲いている。大根はそのまま大きくなって白い菜の花となるし、春菊も花が咲くと黄色い綺麗な菊となる。こうした花にはミツバチがたくさん群がっており、よく観察すると花粉の団子が丸々と足についているのだ。これらは花の鑑賞を目的に育てたわけではないので、雑草といえば雑草である。でもそのきれいな花にたくさんのミツバチが群がっている姿を見ると、とても引き抜いてしまう気にもなれないのである。
じゃがいもの種イモからでてきた芽は15センチくらいの高さに育ってきた。土盛りをして芽を3本になるように間引くと、大きなジャガイモが育つ。この時期に肥料をあげることも忘れてはいけない。
春薪の葉物野菜の種は2週間くらいの時期をずらして巻くようにしている。あんまり一度にたくさんまくと、同時に出来上がってしまうので食べきれないのだ。今年はスタッフの昼食に使う野菜も育てなければいけないので、いつもよりも多くの種をまくことにした。こうして畑にいると、思い出すのがソローの「森の生活」だ。石山先生の課題で大学1年生の時に読んだ本だが、内容は資本主義社会の中で自給自足の生活を実験的に行った哲学者の手記である。食料を手に入れる様子から小屋づくりまで内容は多岐にわたるのだが、人の暮らしの原点が書かれている気がする書物である。今のこのコロナとの戦いの中で、人々の暮らしは再構築されるであろう。そしてそのうちのいくつかは原点への回帰を目指すような気もするのである。

2020/04/25

10時、埼玉県川口市にて新築住宅を設計中のKさんご夫妻打ち合わせ。Kさんは先日南に面する坂道の上の方という恵まれた敷地を購入し、新しい住宅の設計をスタートしたところである。坂の上の土地というのはなんとなく開放感があってよいものだ。想定の断面図を書いてみると2階の床レベルくらいまでしか隣地の家の屋根が来ないので、とても眺めが良くなりそう。隣地の向こう側にあるアパートはさらに低い土地の上になっているし、そのまた向こう側には道路があって反対側の坂に続いているので、2階にリビングを配置したら南側の窓は道路の向こう側の街並みまでは視線が抜けることとなる。土地の購入前からご相談を受けていたので、僕自身も合計3回ほどこの土地に足を運んだのだが、何とも良い家ができそうな気配なのである。

15時、埼玉県さいたま市にて新築住宅の検討中のOさんの家の打ち合わせ。中古住宅を購入し自らの手でリフォームをしながら住んでいる住宅を解体し、建て替えようという計画である。住宅は築60年、リフォームをするのはちょっと気が引ける築年数だ。購入時のローンが残っている中での建て替えということでコスト的には少々厳しそう。構造はコンクリートブロック造という少々変わった工法を採用しているので、解体工事にもそれなりの予算が必要となりそうだけれど、ご家族とお会いしているうちに良い家を造ってあげたいなあという気持ちがむくむくと顔を出してくるのである。

家づくりはお客様の顔が見えることが最もやりがいのあるところだ。同じ建築の仕事をしていても公共建築やマンションのように誰のために造っているのかがはっきりしない状況のものが多い中で、住宅だけは本当に目の前の人のために造っているということが明確である。そしてこの明確な目的があるからこそ住宅の仕事は面白いのだ。Oさんご家族の笑顔のために、何とかプロジェクトを進めて行きたいと思う。

2020/04/24

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家のプランスタディーについて打ち合わせ。今回のご提案では、二つの正方形のボリュームがぶつかり合うプランを検討している。明日の打ち合わせに向けて図面と模型を作成していきたいと思う。

数年前に造った住宅の増築計画が動き出しそうだ。この住宅は当時1000万円住宅プロジェクトとして取り組んだものである。実際には100万円ほどオーバーしてしまったのだけれど、でもかなりのローコストで挑戦した住宅だ。この敷地の隣の家が空き家になったということで、そこを購入し増築しようという計画を考えている。当時のプロジェクトに関する文章を下に示す。

1000万円の家
このプロジェクトは1000万円で家を建てたいというSさんのためのものである。Sさんはなんといっても銀行さんに受けの良い地方公務員だから、普通に5000万円くらいの住宅ローンを組むことができるのだけれど、実際に使ったお金は土地代として450万円ほどと、住宅建築に1100万円ほどである。だから、合わせて1550万円で注文住宅を取得したわけだ。場所はJR京浜東北線の大宮駅から歩いて20分ほどのところである。もちろん土地の面積は20坪ほどととても小さい。でも、東京駅までほど近い埼玉県さいたま市のベッドタウンで起きた、建売よりも安い注文住宅取得の物語である。
Sさんは常々、人生で2回くらいは家を建ててみたいと話している。そして住宅ローンに縛られるくらいをするのは嫌だとも話している。この考え方は僕の考えととてもマッチしている。銀行さんが言うとおりにお金を借りていたら、一生そのローンを返すためだけに生きていかなければならない。どんなに広い住宅が手に入っても、どんなに駅に近い土地が手に入っても、おいしい物を食べたり、楽しい演劇を見たり、旅行に行ったり、お気に入りの洋服を買ったりの、暮らしを豊かにしてくれる余裕が全くないのでは意味がない。家はあくまでそれらと同等の物であり、人が生きるための箱以上のものではないのである。

この住宅を作るに当たって、僕は以下の設計のコンセプトをしっかりと持つことにした。
・家族3人が暮らすための最も合理的な形態の美しいプランを導き出す。
(同じ面積を創りだすのであれば正方形のプランが最も合理的である。そして断面的には総2階建てが最も安価となる。その基本を押さえつつ、敷地条件やその他の建築条件に合う美しい箱をデザインすることとした。)
・装飾・付属品は一切省くこと。
(装飾や家具工事などの付属工事は一切省くこととした。あくまで施主が暮らすために必要な、最低限の箱を作ることに限ることで、コストを抑えることとした。)
・構造を表しにすることで建築意匠の特徴を作る。
(もともと建築の構成に必要な構造を表とすることで、無駄のない意匠的な特徴とする。これはセルフビルドを所望する施主が今後工事をする際に、やりやすい状況を作ることにもつながる。)
・できる限りセルフビルドを取り入れること。

これらの設計方針は、川島町のカフェ兼住宅を作る際に確立したものである。それ以来、埼玉県幸手市のスタジオ兼住宅や間もなく工事を始めるさいたま市岩槻の接骨院兼住宅の現場で同様の方針を立てた。今回のプロジェクトはその中でも最も小さな、そして価格の安いものとなった。

プランは3間×3間のいわゆる9坪ハウスの2階建てである。9坪ハウスに特徴的な吹き抜けは無い。18坪すべてを有効な床としている。1階には将来二つに分けることができる個室・水回りを設けている。2階にはワンルーム型のLDKが配置されている。空間の広がりを作るために天井は屋根の形に合わせた勾配天井とした。内部の壁を構築する際には、仕上げを自然素材のタナクリームとした。床には杉板を張っている。外部に接する壁は外断熱工法とし、柱や間柱はすべて表しとなっている。構造を支える要素である面材の裏面も表しとすることで、木の風合いの内壁を造り上げた。

この住宅の構造部材は西川材で作られている。柱には杉の無垢材を、土台には檜を使用した。建築の意匠の特徴としてあらわされる部分だからこそ、多少コストは上がるもののあえて使用したわけだが、これは建築の価値を高める手法として成功したと考えている。

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さてさて、この計画に対する増築も同じくローコストで行わなければ意味がない。どんな風に進めていくことができるかじっくりと考え始めようと思う。

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2020/04/23

10時、東京都中野区にて新築住宅を検討中のIさんSさんご家族打ち合わせ。両奥様のご実家に、二つの住宅を造って、ご両親も一緒に3世帯が集まって暮らすための住宅を設計している。今回のご提案では、それぞれ完全分離型の住宅を造りつつも、大きな中庭を介して世帯同士が交流できるように配慮したプランを作成させていただいた。

下の写真の住宅はご両親の住宅が建つ敷地の隣に娘さんご家族が暮らすための住宅である。リビングに見ある窓の向こうにはご両親が趣味でやるための小さな畑があって、その向こう側にあるウッドデッキを介してご両親の住宅に行くことができるようになっている。適度な距離感を保ちながらも、互いに支えあって暮らすことができる理想的な形といえるだろう。近年はこのようにご両親が暮らす土地の隣り合った敷地に新たな住宅を造るケースが増えているように思う。高齢者施設・保育園・医療施設のキャパシティーの問題などがある中で、家族が支えあうことが可能であるならば、そうすることで子供も大人も高齢者の方までもが豊かな暮らしを行うことができることが予見されるこうした動きは今後ますます増えていくのであろう。

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2020/04/20

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

唐松の床板を使い始めて10年ほどが経つ。この床板は群馬県の市場さんという製材所で造っていただいているものだ。市場さんは群馬県の森林組合に紹介していただいてからのお付き合いなのだが、本当に丁寧に一枚一枚床板を造ってくれている貴重な方なのである。その床板を使用した家に住み始めて4か月がたった。初めは少し白っぽかったけれど、だいぶ日に焼けて赤身が増してきた。唐松という木は経年変化で赤茶色に変化していくのだが、そうするとだんだん重厚感が増してきて余計に温かみを感じるようになってくるのだ。この床板の家に住み始めて、やっぱり唐松にしてよかったなあと改めて思う。こういう感覚は自分で住んでみてさらに強くなるものなので、今後もお勧めしていきたいと思う。

同じ唐松を使用した現場としては、道祖土の家がある。キッチンがあるスペースはベニシアさんの暮らす家のように外部とつながる土間仕上げのようなイメージとし、一段上がった居間の床を唐松フロアリングで仕上げた。こちらは竣工後の雑誌写真だが、だいぶいい色になっている様子がよくわかるのだ。

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2020/04/18

10時、埼玉県桶川市にて設計中のHさんの家の打ち合わせ。今日はZOOMを利用しての打ち合わせである。Hさんはご夫婦で家にいて、僕たちは2人の設計者が肩を並べての打ち合わせ、お互いの顔を画面にうつしながらお話しているこの状況にもだんだんと慣れてきた。今日は前回のプランをアレンジしての基本設計3回目である。全体をプライベートゾーンとパブリックゾーンの二つのボリュームに分けたプランで、正方形の平面が角度を変えてぶつかり合っている。パブリックゾーンの方は2階建てとし、2階部分にはシアタールームや吹き抜け、将来の子供室を配置した。このプランの構成はルイス・カーンのフィッシャー邸から発想を得ているのだけれど、実際に模型を作成してみるととても良い。二つのボリュームの間にはエントランスゾーンを設けているが、この幅を調整することでセルフビルドなどを楽しむことができる作業スペースをここに設けることを検討してみることにした。

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15時、東京都新宿区にて設計中のFさんの家打ち合わせ。前回からの変更案についてのご説明をさせて頂き、いよいよ実施設計に移行することとなった。この住宅では1階をパブリックスペースとして、2階に二つの個室を配置しているのだが、2階にある吹き抜けとロフトの関係がなかなか良くなってきた。1/50の模型をスタディーしながら進めてきたデザイン案だが、実施設計の中でさらに良くなるように変化させていきたいと思う。

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