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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

ますいいリビングカンパニー|埼玉県川口市

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増井真也日記

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2017/10/27

午前中、川口市産品フェア2017に参加。今日から3日間は川口市にあるスキップシティーなるところで、川口市内の企業が集まり、それぞれの企業のPRをするお祭りが開催される。今年で3回目となるこのお祭り、昨年に引き続きますいいも出展することとなった。工務店というのは地元に密着している組織である。そもそも工事現場に管理に行くには車で移動となるわけであり、そうすると会社を中心に車で1時間30分程度の圏内でしか仕事をすることはできないのであるから、当然地元意識が強くなる。それに、この川口市という町は僕が生まれ育った故郷であるし、僕の両親も、そのまた両親もこの町で育っているわけだから、少しでも良くなってもらいたいという気持ちを持つこと自体が当たり前といえば当たり前なわけだ。

僕が好きな建築家にガウディーがいる。最近独立運動で話題になっているスペインのカタルーニャ地方のレウスという町で1852年に生まれた彼は、金物細工師の5番目の子息であり末っ子であった。ちなみにレウスは、バルセロナに次ぐ主要都市で人口が2万3千人ほどいた。ガウディーは「私の唯一の長所は私の下で働いている人々の一人一人が仕事を十分にできるよう、彼らの能力を引き出すことにある。」と繰り返し語っていたそうだ。

僕が生まれ育った川口市という町も工業都市として発展してきた。そして僕もガウディーと同じように町の機械加工職人の長男として生まれ育った。ものつくりをする父の姿を見て育ち、自然と建築の世界に足を踏み入れた。そして今、なんとなくではあるけれど川口の鋳物産業にかかわる方々の技術を街の魅力に取り入れるという計画に参画させていただいている。

バルセロナの街の魅力は間違いなくガウディの力によるところが大きい。建築がこれほどまでに力を持ち、町を興すという世界に誇る成功例であろう。川口市が少しでも魅力的な街となるよう微力ながら尽力していきたいと思う。

2017/10/23

先日、首都大学東京からますいいに参加いている滝本君と一緒に、セルフビルドを行ったクライアントのインタビューに行ってきた。なぜにインタビューかというと、彼の卒業論文のテーマがクライアントの家づくりへの参加に関することをテーマにしているということで、まずはその経験者に体験談を伺いたいという要請を受けたからである。二つの中庭のある家は2011年に造った女性の一人暮らしのための住宅である。1500万円というローコストでどのように魅力的な空間を作るかを考え、セルフビルドをふんだんに取り入れながら作り上げた作品で、埼玉建築文化賞の最優秀賞を受賞した作品だ。

現地に着くと、クライアントのMさんが快く迎えてくれた。当時を振り返り、楽しく思い出話をしていると本当にこの家を作ってよかったと思えてくる。僕が当時書いた手紙を壁に貼っておいてくれたり、大切にファイルに保管している当時の図面を見せてくれたりの様子は、これ以上ないくらいのご褒美だ。下に滝本君がまとめたレポートを掲載する。是非ご一読いただきたい。

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2つの中庭のある家(増田邸)ヒアリング

セルフビルドの内容 
柿渋塗装(天井、柱、フローリング、造作家具) EPクリア(フレキシブルボード) 漆喰も当初セルフの予定だったが、工期の都合(年末年始で忙しい時期)で職人さんにやってもらった。

セルフビルドを取り入れるきっかけは?
最初からセルフビルドでやろうと思っていたのではなく、設計の後にセルフビルドが付いてきた感じ。 打ち合わせに行って、事務所のHPを紹介してもらってセルフビルドを取り入れた事例を知る。 なるべくローコストで抑えたいし、楽しそうだからやってみようという気になった。 気を使うより失敗を覚悟で自分でやりたい性格で、木型屋の父を見て育ったということもあり、あまり抵抗 はなかった。

セルフビルドを実際にやってみて、作業はどのように感じられたか?
友人に手伝ってもらう予定だったが都合が合わず結局一人でやった。 平日はスタッフに多少手伝ってもらったが、休日はなるべくきて一人で黙々と作業した。 初めての作業で初めのうちは新鮮に感じられて楽しくやれたが、徐々に一人でやらなければならない大変さ (一人だから投げ出せない、孤独感)も感じた。 やってみて初めて間に合うか不安になった。(シナ合板60枚の柿渋塗装を9~17時で仕上げた) 冬場に作業をしたので、時期も考えて工事に移れたら良かったかもしれない。

セルフビルドを取り入れ家作りをしたことで、日々の暮らしの中でどのように感じているか?
素人の手で塗装をしたので少しシミやムラができたりもしているが、自分がやったものだからそれがむしろ愛着につながっている。真新しいものにはない、昔からそこに住んでいるかのような温かみがあり、距離感が近い感じがする。もう一度新築で建てることがあったとしても、セルフを取り入れたいと思う。(大変さも知ったが、それ以 上に得られるものがある。)やっぱり職人さんにやってもらったら良かったという後悔はなく、むしろ漆喰も自分でやりたかったくらい。 自然素材は不均一で手入れも必要だがその分愛着にもつながり、セルフビルドと自然素材はほとんど隣り合わせ。自然素材を選ぶとセルフビルドは付いてくる。セルフビルドを取り入れることの最大の利点は手作りによる愛着感、馴染みの良さだと思う。

その他
施主からの要望はそれほどなく、自分が細かく口を出すよりもプロの設計者に作家にお願いするつもりで任せた。 エアコンがあまり好きではなくて、ガス暖房で自分のいるところだけ暖めたり、冬場は着込むなどの工夫をして、不便を楽しんで暮らしている。 夜勤明けで疲れているのもあって、俗世間と少し距離をとって生活をしたい。(インターホンはつけていない) 室内にいながら季節を感じられ、1、2年住むと段々と暮らし方がわかるようになってくる。

2017/10/21

10時、埼玉県川口市にて設計中のKさんの家打ち合わせ。これまで基本設計を重ねてきている中で変更を繰り返してきたけれど、だいぶ計画がまとまりつつある。今回は展開図を用いて、部屋の内部の様子をご説明させていただいたのだけれど、Kさんご自身がデザイナーということで、細部にわたて意匠的な話をすることができた。実施設計に向けて、全体的な調整を進めていきたいと思う。

14時、東京都国分寺市にて家づくりを検討しているJさんご家族打ちあわせ。オゾンさんのご紹介で初めてご来社いただいたので、ますいいの家づくりの流れなどについてお話させていただいた。ゼネコンにお勤めのご主人に、ハウスメーカー出身の奥様である。ますいいは建築系のクライアントにとても人気があるのだけれど、今回はまさに建築系のご夫妻ということでこの先の展開が楽しみなところだ。美大系の方や建築系の方は自分の家は自分で作るという志向が強いと思う。だからこそますいいのような参加型の組織に来てくれるのだと思う。是非とも家づくりまで進めていきたいと思っている。

2017/10/20

朝礼終了後、各プロジェクト打ち合わせ。

10時、東京都台東区三ノ輪にて設計中のSさんの家の打ち合わせ。今日は基本設計の3回目の打ち合わせなのだけれど、小さな土地に造るまるで小屋のような小さな家なのでプランはほぼ決定するに至りそうである。

小屋のような家、というのはとても良い。大きすぎないので維持管理も行いやすく、建設費用も過剰になることはない。土地の購入代金も安く抑えられるし良いことだらけだ。

そもそも人なるもの、どれほど大きな家を持っても、どれほどたくさんのものを持っても、その行為に限りはない。一つのものを手に入れれば、何か別のものが欲しくもなるのが人間であるが、その欲にも終わりはない。でも家が小さければモノを持つ量に制限ができるのであるから、もしかしたらとても簡単な欲望の制約法かもしれないなんて思ったりもする。

さらに言えば小屋のような家というのは建築としても面白い。小さいならこその通常の住宅にはない工夫を設計に取り込む面白さ、家を作るというよりもまるで箱をデザインするような感覚、人の生活の最小限を探る行為自体の崇高さ、なんとなくではあるけれど、地面に造られている小さな小屋がヘンリー・デビッド・ソローの森の生活につながる思考のごとき感覚、つまりは大量生産大量消費の世界のチャンネルとは切り離された暮らし方へのまなざしのごとくとても貴重なものに思えるのである。

2017/10/17

選挙期間中ということで街がとても騒がしいけれど、どことなく結果が見えているようなところもあってそれほどの盛り上がりがあるわけでもない。一時期は小池都知事率いる希望の党がどうなるものかという空気もあったが、今ではそれも過ぎ去ってしまった。幸いにして川口市という街ではそれほど大きな混乱はないけれど、地域によっては多くの候補者が激しい争いをしていたりもするのであろう。

それにしても今回の選挙はいったい何のためのものなのであろうか。憲法改正、高齢化社会への対応、北朝鮮の問題、様々な争点が語られているけれどよくわからないというのが正直なところである。

結局は政治家もどうして良いのかよくわからないというのが本音なのかもしれないなどと思ってしまったりもする。この国を少しでも良くしたいという純粋な思いは、どの党でもどんな政治家でも同じだと思う。こんな時代に見せかけの知名度や権力欲のために政治家になっている人なんていないだろう。皆、心の中ではやっぱり純粋に国のことを思っていると信じたいし、きっと本当にそうなんだと思う。でもそれでもどうしてよいかわからない、きっとそういう状態なんだと思う。だからといって、どうしてよいかわからないからどうでもよい・・、という風にはならない。そんな風にあきらめてしまったら僕たち責任世代は、後世に顔向けできない。僕たちの先祖だってどうしてよいかわからない中で、今の状態を僕たちに引き継いでくれたわけだし、その今の状態で育ってきた僕たち世代は今の状態にそれなりに満足しているのである。世界には僕たちなんかよりももっともっと苦しんでいる人がたくさんいる。そして僕たちの世代からほんの数十年さかのぼれば、今テレビの中でしか見ることができない難民とか内戦とかの状況の中で、とてつもなく苦しんでいるような状況にいる人たちと同じように苦しんでいた人々がこの国にもいたわけである。

そういうことを考えながら行う選挙でなければいけないと思う。そして僕たちにできることはただ投票することのみであるのだから、やっぱり選挙にはいかなければいけないとも思うのである。

2017/10/16

午前中、東京都小平市にて設計中のOさんの家の打ち合わせ。今日は初めてのプラン提案である。延べ床面積が20坪ほどの小さな家、小屋のような家を1700万円ほどで作るプロジェクトだ。ちなみにこの金額には地盤改良などの費用も含まれている。だから予算には全く余裕がない。余裕がないので、セルフビルドなどの自分でできることは自分でやろうの精神でコストダウンを図るしかないのであるがこの辺はまだ先の話である。今回のご提案では、まず合理的な建築を提案しなければいけないということで、総2階のプランにしたり、片流れや切妻といった屋根の形状にしたりのご提案をした次第である。

ますいいではこれまでもローコストの住宅をたくさん作ってきている。日本の物価が上がらないのと同じように、ますいいに来るローコスト物件のクライアントの予算も上がらないのだけれど、僕はこのローコストをできる限り大切にしていきたいと思っている。そもそも日本の住宅は高すぎる。いくらでもお金がある人たちは良いけれど、普通の人が高級ハウスメーカーの家なんて作れるはずがない。もしも作ったとしても、一生束縛される多額の住宅ローンがセットになってついてくる。それでは良い家があってもよい暮らしはできない。家はほどほどでよいと思う。ほどほどの家を魅力的に作ることができればそれが一番良いと思うのだ。

2017/10/12

朝礼終了後、各プロジェクト打ち合わせ。10時、埼玉県川口市にてリフォームを検討しているTさんご夫妻来社。偶然にも僕のおじいさんとTさんのお父さんは一緒に仕事をしていたことがあるらしい。奇妙なご縁でつながっていることが分かったのだけれど、こういうことは長く生きていればだんだんと増えてくるものである。世間は狭いとよく言うが、本当にそう思う。いまだどこの会社に依頼するかっ迷っているとのことである。一生に一度の家づくり、大いに悩むであろう。ご縁がつながることを期待しつつお待ちしたいと思う。

一期一会という言葉がある。僕はこの言葉を幼少の頃より母からよく聞かされたのだけれど、大人になって茶道を始めたらさらによく耳にする言葉となった。この出会いは一生に一度の出会いかもしれぬから大切にせよ、のごとき解釈である。人と人との出会い、ご縁は本当に奇跡的なものだと思う。だからこそ大切にしていければと思うのである。19時、川口にある阿仁さんという居酒屋にて川口本社の池田さん、町田分室の上原君の歓迎会を開催。池田さんは積水ハウスやBESSという大手のハウスメーカーにいた方で木・薪ストーヴの専門会でもある。上原君は柳沢君と同じ群馬県のフェリカ建築学院の出身者だから木造の習得についてはとても期待ができる人材だ。スタッフとの出会い、これも一期一会である。皆この業界に夢や期待を持ち、とても高い意識をもってますいいに集うメンバーである。こういう仲間と一緒に仕事ができるからこそ良いものが作れるのであるし、逆に仲間がいなければモノ作りなどできないのである。二人の今後の活躍を期待したいと思う。

2017/10/11

今日は一日中、大宮氷川神社にて献茶式の設営を行った。一年に一度の献茶式では宗家という千利休の子孫から代表者が来て、神社にお茶を奉納するという儀式を行う。それに合わせて茶会が開催され、約600人ほどのお客様がいらっしゃるというわけである。

どういう経緯でこういう会を開催するようになったのかはわからないけれど、神社の境内で一般の参拝者もいる中で、厳粛に茶を点て、それを着物姿の一同で拝見している様子はなかなか普段目にすることのない様子だと思う。文化というものを一言で表すことはできないけれど、こういう行為の積み重ねを日本の文化というのだろうなと思ったりもする。一つ一つの行為自体は大したことではないかもしれないけれど、多くの人がそれに関わり、そして長い時間継続して行われ続け、それが人の心にその字医大や地域を現す日常的な後継として刻み込まれた時にそれを文化と呼ぶのかもしれない。そしてそういう行為の中にかかわらせていただけることを幸せにも思う。

2017/10/10

朝礼終了後、埼玉県川越市にて完成したSさんの家の現場チェックへ。Sさんの家は、とても古い木造住宅のリフォームの現場である。お母さんが一人で暮らす家を作るのだから、無理をしてリフォームにしなくとも新築住宅を造ってしまえばよいと思い、真剣に説得しようと試みたときもあったけれど、亡くなられたお父様への思いから最終的にはリフォームをすることになったという経緯がある。だからこそというわけではないが、デザインは基本的にすべてを新しくするのではなく、耐震補強などを適正に行いながらも古い部分を程よく残す方針となった。

打ち合わせにはお嬢さまが積極的に参加され、そして最終段階には息子さんも参加して決断がなされた。きっととても素晴らしいお父様だったのだろうということが、僕たちにも伝わってくるような過程を経て、いろいろなことが決められていったような気がする。

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床には檜のフロアリングを施工した。このフロアリングは吉野ヒノキを群馬県で製材してもらったものである。壁の漆喰はみんなでセルフビルドをした。解体をしてみたら出てきた古い梁を現場で設計変更して現しにしてみたりの工夫も行っている。下の写真のようになんとなく昔を感じる部材があるだけで、時間を感じる温かい空間になっている。こうした自然素材が、これからの使用を経て味わい深く変化し、古い部分となじんでいく様子が楽しみである。家はこうして長く使われる方が良い、当たり前のことだけれど改めて感じさせていただいたような気がする。

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2017/10/09

午前中、千葉県流山市にて新築住宅を検討中のIさんご家族打ち合わせ。今回は1回目のプラン提案である。敷地の南側にあるすぐ隣の隣地には2棟のアパートが建つということが分かっている。そこで今回は2階にリビングを配置し、リビングの南側に大きなテラスを設け、リビングと一体的に使用できるような日当たりの良い居場所を作ることをご提案した。

1階には水回りと子供室を配置したのだけれど、こうするとどうしても子供室とリビングの一体感というものは創造しにくい。いろいろとお話を伺っていると、リビングを1階に配置し、吹き抜けを介して子供室とつながりをもつように設えてあげたほうが良いのではないかとの方向に話が向かう。そこで第2案では1階リビング案を作ることとした。

吹き抜けのある家というと、下の写真の北の常緑ハウスを思い出す。この住宅では大屋根の下の一部に2階を設けて子供室としており、1階のリビングと子供室がダイレクトにつながっている。もちろんいずれは壁を増設するなどの配慮が必要かもしれないけれど、この繋がり感を損なわないようにすれば、親子の一体感を育むような間取りとなり続ける事であろう。次回提案を楽しみにしていただきたいと思う。

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午後、新宿デザインセンターオゾンにて新規顔合わせ。1時間ほどのお話の後終了。

2017/10/08

日曜日。今日は朝から大橋茶寮の葵会というお茶会に参加させていただいた。埼玉県の先生が釜をかけるということでお招きいただいたのだけれど、都内でも有数の茶室の中でこうして茶会に参加でき良かったなあの感である。濃茶席は3畳半敷きの小規模な建物で,国宝の如庵を模倣してつくられた茶室で行われた。

虎ノ門という東京のど真ん中とは思えない静かな雰囲気の庭に立ち並ぶ茶室群である。京都などではいまだにある風景だけれど、東京では、というより京都以外の地域ではなかなか見ることができない様子だと思う。国の伝統や歴史を守る意思がなければこうはならない。だって経済的に考えれば、どう考えても高層のビルにしてしまったほうが得なのである。それでもなおこの形式を守ろうという意思、守貧庵という茶室の名前からもわかるその清らかな意思がこの建築を守り続けている様子に何よりも心を洗われたような気がする。「物の価値をすべてととらえ、心の価値を失った民族は滅びる。」というトゥインビーの言葉をなんとなく思い出した。僕たちの世代がこういうことを大切にしていかなければ、この国の文化や伝統はみんな無くなってしまうのである。

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薄茶席では、なんと牧瀬里穂さんが僕の前にお菓子を運んでくれた。裏千家茶道の世界にいるとは聞いていたけれど思いがけない幸運であった。

2017/10/06

11時、東京都台東区三ノ輪にて設計中のSさんの家の打ち合わせ。幅が5mほどの狭小地に造る小さな木造2階建て住宅である。このエリアは地域の防火化を進めるために家を耐火建築などの指定の防火性能で建て替えると、200万円以上も助成金がもらえちゃうという何ともラッキーなエリアである。まあそれだけ木造の小さな家が、しかも防火性が無さそうな家が建っているということでもあるから、地震の発生が予想されている東京都としても苦肉の策なのであろう。

今回は2回目のプレゼンテーションである。ご希望の屋上を作りつつも、予算1500万円というとても厳しい条件との戦いである。コストからすると本当は避けたいところである屋上に出るための階段を作りつつ(これがご主人のとても大きなご希望に思えているから・・・)、それでもコストを最小限に抑えるために総2階のプラン、水回りをひとまとめにする、仕上げは昔塗装やさんをやっていた奥様のセルフビルド・・・などの、いかにもますいいリビングカンパニーらしいコストダウンの策を張り巡らし、何とか予算内で納める工夫をしていきたいと思っている。

2017/10/05

朝礼終了後、各プロジェクト打ち合わせ。積水のユニットバス業者さんが介護施設用のリフトが付いたユニットバスの商品説明に来社してくれた。この商品は足の不自由な方リフトで持ち上げられたままお風呂の中に入ることができるという商品である。一般的なお風呂だけでなく、こういう商品のユニット化というのも行われていたのかという驚きである。

設計手法についての思考「敷地を読む」について再考

設計の初期の段階を基本設計と呼ぶ。この段階では敷地に対してどのようなボリュームの建築を配置するか、つまり敷地を読むこと、そしてそれにしたがってその他の条件を加味しながらプランニングを決定することが重要な作業となる。

敷地には法律による規制、形状、方位、周辺環境、高低差、などの様々な条件がある。これらの条件をしっかりと認識し、それに合った建築の姿を生み出さなければ魅力的な住宅をつくることはできない。そういうことを認識せずに、ただ単に 10 畳のリビングに 8 畳のダイニングキッチン、 3 部屋の個室と水回りに玄関というように必要な部屋を繋げていっただけでは、生活に影響を及ぼす敷地の周りの様々な要因と全く結びつくことの無い、隔離した住宅となってしまうであろう。

でも僕たちが住宅において魅力と感じる要素というのは、光や風、静けさや窓からの眺めなど、ほぼすべて敷地の要素と結びついているのである。だからこそ敷地をしっかりと読み込むことが重要なのだ。どこに対して開放するか?僕はその敷地に初めて訪れた時にまず周りをきょろきょろと眺めることを大切にしている。僕が住んでいる埼玉県南部の住宅街では、たまたま隣が公園だったりの好立地でもない限り、なかなか開けた眺望がそこにあるというような恵まれた条件はない。

でもそうはいっても、それぞれの敷地にはそれ相応の魅力があるものだ。家の裏側の区画との少しのずれのおかげで隙間から入り込む光があるなどの、細やかな条件も見逃すことなく大切にする。その結果得た情報をもとに、まずはその住宅がどこに対して開く住宅なのかの検討をすることを第一歩としている。

2017/10/02

今日から町田分室と川口本社に一人ずつ、合計2名のスタッフが参加した。川口本社には池田さんという61歳の大先輩が参加してくれたのだけれど、大学の先輩でもあり大手のハウスメーカーでの勤務経験もあるということで、主に品質や安全の管理、メンテナンス管理などのお仕事をしていただく事となるであろう。家づくりの仕事というのはさまざまな能力、配慮が求められるけれど、なかなかそのすべてを一人で満足することも難しい。社内での適切な協力体制が造れるように進めていきたいと思う。町田分室には柳沢君の後輩の上原君が入社した。フェリカ建築学院というとても丁寧に木造建築を教えてくれる専門学校での1年後輩ということで、とてもストレートな性格の持ち主とのこと。お二人の活躍が楽しみである。

午後、埼玉県川口市にて新築住宅を設計中のIさん打ち合わせ。今日は3回目のプラン提案である。プランの方向性が大体まとまったところで次回までに1/30の模型を作成することとした。

夕方、埼玉県川口市にて設計中のHさん打ち合わせ。今回の打ち合わせでは1/30の模型をお見せした。下がその写真である。やっぱり大きな模型はよくわかる。30倍したら実物になるのだからいかに大きいかがお分かりになるであろう。設計者として完成をイメージできるようになるためのツールであるとともに、クライアントにも実に分かりやすいのである。

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2017/10/01

今日は久しぶりに息子の柔道部の応援に、東京武道館を訪れた。この武道館は六角鬼丈氏が設計したとても奇抜な、でもとても武道館らしい施設である。この施設の設計にあたって、設計者は文化的な側面として武道というものをどう捉えるのかということに留意している。武道はスポーツではなくてむしろ芸術の仲間だという判断をして、単なるスポーツという言葉で武道をくくることから逃れるところを設計のよりどころとしているのである。そこにあるのは、武道館という施設をつくるときに、スポーツセンターをつくるという意味合いではなくてむしろ武道らしさとか、武道の背景としてつくり得る施設というのは何だろうという思考である。その思考の結果出来上がったのが、このごつごつとした無骨さを持ち、同時に洗練された文化性を感じさせる建物なのだ。

試合はといえば、息子の通う安田学園が東京都の地区予選で優勝をした。強豪の国士館を破っての優勝ということで大変盛り上がった。それにしても設計者の意図とは違い、オリンピックに影響されたスポーツとしての盛り上がり激しい柔道界、この世界で頑張る子供たちの心にどこまで芸術性があるのかはわからないけれど、でもこういう建築の中で武道というものにかかわり続ける子供たちが大人になったときに、何か特別なものを感じ、そこから武道かとしての行動につながる何かが生まれるのではという期待感があるのも事実であり、そんな建築を作った設計者に敬意を感じざるを得ないのである。

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