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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
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増井真也日記

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2019/07/23

朝礼終了後、各プロジェクト打ち合わせ。

午後、埼玉県川口市にて進行中のMプロジェクト(自邸)の現場の墨だし作業立ち合い。今日は茶室の部分の墨だしを行うということで、大工さんと田部井君と一緒に和室を構成するすべての要素の位置を床に描き出す作業を行った。茶室は京間の大きな畳を使用するので、まずは畳のラインを決めなければいけない。畳の位置が決まれば畳寄せの幅が決まるし、炉を切る位置も決定する。床のスラブコンクリートは大体の位置で穴をあけているだけなので、ここで正確に決められた一に合わせて下地を組むことになる。床の間の位置が決まれば、床框の出も決まるし、床柱を取り付ける場所も決定する。こうしてすべての墨が出るとようやく大工さんも作業を進められるようになるのである。

夕方、埼玉県本庄市にて会食。21時ごろまで。

2019/07/21

今日は、早稲田大学の渡邊大志先生が主催している江戸の外堀巡りツアーに参加した。会場に行ってみると、田村君と水原さん、そして上原君も来ている。僕は妻と二人で参加したので、ますいいからは総勢5名での参加となった。予定よりも人数が集まってしまったようで、盛況である。北品川の駅の近くの乗り場から船を出し、一度東京湾に出て、日本橋のあたりまで遡上していくというルートをとる。約1時間ほどの行程を、先生のガイド付きで楽しませていただいた。下の写真はコンテナの様子である。このコンテナが発明されて世界の海洋輸送の仕組みが統一され、主要都市にはコンテナを扱うことができる港湾設備が整えられることとなった。居間や主要都市の成立条件のようになっているコンテナ設備だが、近くで見ると物流のパワーのようなものを感じさせられる何とも言えない様相である。

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2019/07/20

12時、埼玉県桶川市にて進行中のAさんの家の上棟式に参加。Aさんの家は茶室のある住宅である。茶室のある部分は純和風で作ているけれど、それ以外は洋風の建築だからいる場所によって空気感が違うのが面白い。茶道でできた御縁であるということで、まずは現場の1階にて、お菓子とお茶をいただくところからスタートすることとなった。思えばこの業界で働き始めて20年以上が経つけれど、現場で抹茶をいただくのは初めての経験である。上棟して察しがついたばかりの何もない状態のまさに「囲い」の中でいただく茶は、昔の茶室ってこんな感じだったのかなあの変な感覚を思い出させたりする。終了後は近所のうどん屋さんで会食。ビールはご遠慮する予定だったがあまりの暑さに耐えきれずにいただくことにした。やっぱり暑い日のビールはうまい。2時間ほどで終了したけれど、ますいいのスタッフい一同と大工さんも集まってのとてもの楽しい会食であった。開催してくれたAさんに心より感謝である。

2019/07/19

平屋の住宅についてスタディーをしている。これまでもいくつかの平屋の住宅を造ってきたし、今も群馬県前橋市にて設計中のMさんの家では平屋を採用しているのだけれど、これは条件がそろわないとそうそうできる事ではない。平屋というのは、何よりも地面と接している暮らしを営むことができるのでよいと思う。畑をやったり、花が咲き誇る庭を眺めたりの行為はやっぱり2階よりも1階の居間のほうがやりやすい。中庭を造ったりの工夫も生かしやすいのが平屋である。中庭を囲むように配置した住宅では、中庭を介した部屋同士のつながりが生まれたりの楽しさもある。ただし土地の面積がある程度広いことが条件となるので、とても贅沢な選択なのである。

写真にある住宅は、埼玉県さいたま市に造った平屋の住宅だ。クライアント自身が設計事務所の方で、ご自身で住宅のイメージを明確に考えられていた。つまりは自分の家は自分で考えるのタイプの住宅だ。この住宅では家の中心部に中庭を配置している。一部分だけ2階、というよりロフトのようになっており子供部屋としても利用できるようになっているのだが、その部分が外部から見ると外観のアクセントになっているのがわかる。神社などにもあるこのような大きな屋根の美しさは日本人にとってあこがれなのかもしれないなあと思うのである。

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2019/07/18

朝一番で埼玉県草加市の現場へ、今日は地鎮祭である。地鎮祭というのは土地に祭壇を設え、神様をお呼びして、工事の無事やそこで暮らすご家族の繁栄を祈る神事である。まだ誰も来る前に、敷地境界線からの距離を測って、建物の外周部の角のポイントを土地の上に描き出していく作業を行う。この作業は縄張りと呼ばれるもので、一番最初に行われる地盤改良工事の位置を決定するための基準にされるのだが、終了前に神主さんやYさんが来てしまったので、なんだかバタバタの作業になってしまった。もう少し早めの作業開始をすれば良かったの反省である。

現場への道中は雨模様であった。天気予報が曇りだったのでテントの準備はしていない。なんとなくいやな予感がしていたのだけれど、予定していた10時を迎えたらなんと青空が顔を出してくれた。これは気分が良い。きっとYさんご家族の日ごろの行いが良いのであろう。式は普段からお願いしている氷川神社さんの権禰宜さんによって執り行われた。厳かな雰囲気の中、無事終了。1時間ほど作業をしたのち解散した。

終了後、埼玉県川口市にて進行中のSさんの家のリフォームの現場に向かう。この現場では数年前に作ったスタジオちひろばというアートスタジオに、ウッドデッキなどの増築や外部木部の塗装工事などを行っている。今日はウッドデッキがほぼ出来上がるという事で現場に向かったのだけれど、なんと80才のおばあさんが階段を上ることが出来ないというお話をいただいた。うーん。やはり手すりが必要か。わずか30センチほどの段差でも高齢者にとっては、大きな障壁なのである。階段を上る時は左足・左足と出して登っていく。階段を降りるときは右足・右足と出して降りていく。交互に足を運ぶのではなく同じ足を繰り返し運び出すという事で、のぼり側と降りる側に二つの経路を造ることにしたので、両方の側に手すりを設置することにした。終了するはずの工事が終わらない。まあ仕方がない。とりあえず今日の作業は中断し、予定通り東京都杉並区にて進行中のYさんの家の現場に大工さんを派遣することに。建築というのはやっぱり難しいのである。

2019/07/15

祭日。朝8時過ぎに家を出て、東京都世田谷区千歳烏山にある恩師の石山修武邸、通称「世田谷村」を訪問。今日は石山先生を囲んで、早稲田大学の渡邊大志先生とインドの大学で建築を教えている佐藤君、写真家の中里さん、そしてキリスト教の牧師さんを目指している芳賀君と共に第1回のGAYA会議を行った。GAYAというのは石山氏のスタジオの名称である。これまでも続けてきたネパールにおける建築の活動などについて約2時間ほどの会合であった。

終了後、人身事故で電車が止まっていたので、若手だけが集まって昼食をとる。焼肉屋さんで1時間半ほど時間を過ごしているとようやく電車が運行を再開した。普段電車を利用していないのであまりこういう事には慣れていないのだが、昔よりもこういうことが増えているというから不思議である。僕が大学生だった頃はバブルが崩壊して日本が自殺にあふれていた時代だったのだけれど、不思議と人身事故は今ほどは多くなかったように思えるのだがいったいどうなっているのか。

続いて品川駅より新幹線に乗り熱海まで移動し、建築の仕事でお世話になっている協力業者さんの主催した親睦旅行に参加した。建築は僕たちだけでは造ることが出来ないのは明白な事実である。こういう協力業者さんとの関係を維持することも僕の大切な役割の一つなのである。

2019/07/13

午前中は、埼玉県草加市にて設計中のYさんの家の契約を行う。11時ごろまで。これまで減額のための設計変更を行ったりの変更を繰り返してきたけれど、ようやくこれで工事の段階に移行することができる。注文住宅を建築家として設計するという作業は、ハウスメーカーのように決まりきったフレームに当てはめる作業ではなく、クライアントが大切にしていることを探し出していくような作業である。設計図を描いたり、模型を造ったり、Yさんの場合はYさん自身がCGを描いてみたり・・・、とにかく僕たちとクライアントが価値観を共有する作業を繰り返しながらたどり着く点がこの契約なんだと思う。いよいよ工事であるが、この契約通りに造るのがまた大変なわけだけれど、頑張ってやっていきたいと思うのである。

終了後、さいたま新都心にあるラフレ埼玉にて開催されている学校の茶道部の協議会に参加。今日はこの会に参加されている方々の前で、僕が活動している裏千家の青年部という会の活動に関してのお話をする機会をいただいた次第である。

2019/07/10

昨日より埼玉県川口市にて数年前に造ったアトリエにて、母屋の改修工事を行ている。トイレを改修したり、ネズミ君の入る入り口をふさぐ工事を行ったり、腐って穴の開いてしまった戸袋を杉板の外壁にしたりといったメンテナンス工事と、小さな販売小屋の前にウッドデッキとベンチと屋根を作るという楽しい工事の組み合わせだ。どれをとっても現場における感性と臨機応変の対応力を生かしながらの仕事である。ネズミ君の入り口ふさぎにはステンレスのパンチングメタルを利用した。30センチほどの幅に切ったパンチングメタルを土台を隠す板に打ち付け、穴を掘ったところに埋めたらモルタルで固定する。するとしっかりとした防御壁が出来上がるという算段である。僕はといえば、滝本君と二人でモルタルを200キロ手練りで運んで流し込んで均す・・・という少々ご無理な工事をしてしまった。明日の筋肉痛が怖いの状態である。

夜、茶道稽古。葉蓋の平茶碗。予想通りお点前終盤に足がつる。昼間のモルタル練りが疲れの原因なのだが、誰もわかってはくれない。そりゃそうだ、仕方がない、でも情けないの感であった。

2019/07/09

今日はますいいで半年にわたって続けてきた勉強会の発表会を行った。一つ目のテーマは川口市の本町を舞台とした街づくりについてである。この本町という町は、昔ながらの趣がある木造住宅がまだいくつか残っているところだ。細い路地もたくさんあって、迷い込むとどこにつながっていくのかよくわからないような楽しさがある。川口駅にほど近い人気の住宅街なのになんでこのような古き良き魅力が残っているかというと、それはこの地区の住人に関係しているかもしれない。大きな鋳物屋さんの社長さんや元市長さんなどといったこの川口市という町を作ってきたような土地の名士の邸宅が並び、その合間を縫うように商店建築などが建っているので、再開発のごとき乱暴な再生の対象とならなかったのかもしれないし、そういう再開発のごとき意見調整がものすごく難しかったのかもしれないけれど、でも今では川口市内に唯一残る古き良き路地群となった。

この計画ではこの路地にシェアハウスやカフェ・ランドリーのようなスペースを設け、町に開いてこれらを配置することで、町全体を利用して暮らすという若者に魅力的なエリアとすることを目指している。若者の都市における暮らしの中では、すべてを個人所有するのではなく、家をシェアしたりコインランドリーなどの生活基盤をシェアしたりのフレキシブルさが暮らしの魅力を高めるという考えだ。日本の持ち家政策は単身者の増加や核家族化の進行により、すべての人に当てはまる一般解ではなくなっているわけで、駅に近いエリアではこういう暮らし方の提案もどんどんされるべきであるのだ。

二つ目の「お寺における建築のできる事」は、例えばお寺でこんなことをしたら楽しいよ、という数々のご提案をまとめるものとなっている。塀を作るときに地域の皆で力を合わせて版築の壁を創り上げるとか、子どもたちが自由に集まることができるスペースを敷地の一部に造るとか、どこかのお寺の屋根の吹き替えで発生した古い瓦を敷地内の路地の舗装に使うとか、とにかくいろいろなことを考えてみた。日本のお寺はなんとなく敷居が高くって、檀家でもなんとなく入りずらくって、結局お葬式とか法事の時しか足を踏み入れたことが無いような場所になってしまっているところが多いように思える。最近ではお墓の取り壊しのほうが多くて、新しくお墓を造る人が少なくなっていることとか、そもそもタワーマンションのごとき集合墓地に移ってしまったりとか、とにかく葬式を中心に成り立っていた日本の仏教寺院の形は崩壊しかけている。宗教観の希薄化が進めば進むほどにこういう傾向はさらに高まるのであろうが、宗教とは何かよくない状態の時に人の心を平穏に保つための信じる対象であり、もしも全くなくしてしまったらやはり日本にとっては大きな損失であると思うのだ。大きさ自然災害もある。人が起こす過ちもある。人類の過去にはそういうことがたくさんあったし、これからも避けることはできないことなのだと思う。東大寺を造った俊乗房重源上人は、治承四年東大寺炎上後の復興事業にあたり、諸国を歩き布施を集めた。先日のパリのノートルダム大聖堂の火災の際には数日で多額の寄付が集まっている。確かにお寺は多すぎるかもしれないので適正な数の問題はあるのかもしれないけれど、僕たちの生活の場に寄り添うように存在していることが大切であると思うのである。

終了後参加者で打ち上げを行うというので、一杯だけ飲んで帰ろうと思い参加するも、なぜか2時間ほど居座ってしまった。11時ごろ帰宅。

2019/07/08

朝一番より群馬県前橋市にて住宅の建て替えを検討中のMさんの家打ち合わせ。今日は2回目の打ち合わせということで、前回からの修正プランなどについてのご説明を行った。川口からは車で約2時間ほどの距離である。秋に分室を開所する予定であるのだが、拠点がないとなかなか来るのが大変な距離だ。それにしても川口市と比べると空が大きいことに驚く。これは滋賀県に住んでいたときにも感じたことなのだけれど、地方都市は高層建築が少ないので空がとても大きいのだ。向こうの方まで見渡せる空を見ているとなんだか心まで大きくなるような気がするから不思議なのである。

2019/07/05

11時、埼玉県坂戸市にて設計中のYさんの家の打ち合わせ。今日は第2回目の実施設計打ち合わせということで、リビング周りの展開図などを用いての打ち合わせとなった。

18時、東京都港区にて開催中の早稲田大学の渡邊先生による展示を見る。今日はオープニングレクチャーということで箱の家の難波先生など、僕が知っている人たちが何人か来ていた。品川駅を降りて10分ほど歩いたところにある小さな倉庫が会場であるが、港湾の建築について真剣に考えたことも感じたこともない僕にとってはなんだかとても新鮮な体験であった。埼玉県は海がない。だからというわけではないけれど、僕はどちらかというといつも山を意識して生きてきた。港湾の華やかさとは程遠い人間なのである。

海辺の倉庫はその用途を変えようとしている。倉庫という用途を失った倉庫建築は、イベントホールや若者の集いの場や住宅やレストランなどの新たな用途を挿入される。もともと倉庫だった建築は、柱と屋根という初元的な要素を持つ自由なインフラとしてとても利用がしやすいから、大きな可能性を秘めている。商業的にも大変魅力的な要素であるけれど、それをそれとしてだけではなく、神聖のある何かとして利用できないかの検討が渡邊先生らしいところで面白い。ネパールでやろうとしていたお祭りに共通する何かがあるような気がするのである。渡邊先生らしい華美な建築や祭りの衣装などの表現を見ていると、今の日本に失われてしまった人間の内面から湧き出てくる何かを建築的に表現しようとする渡邊先生の心が見えるようで大変刺激的だった。興味のある方はぜひ足を運んでみてほしい。

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「ブルーインフラがつくる都市 -東京港湾倉庫論-」展

■開催概要
・開催期間:2019年7月5日(金)~7月27日(土)(期間中土日祝日開場)
・時間:11:00~18:00
・入場料:無料
・会場:Re-SOHKO GALLERY(リソーコ ギャラリー)
    東京都港区港南3-4-27 第2東運ビル(WAREHOUSE Konan)1階
・主催:Logistics Architecture(ロジスティクス・アーキテクチャ)研究会
・企画:中崎隆司(建築ジャーナリスト&生活環境プロデューサー)
・理念とデザイン:渡邊大志(建築家・早稲田大学准教授)
・特別協賛:東京倉庫運輸株式会社
・協賛:株式会社リソーコ
・協力:イーソーコグループ

2019/07/03

朝礼終了後、千葉県市川市にて新築住宅を検討中のIさんご相談。10時に現地に出向くが、少々早くついてしまったので敷地の周辺を車で散策。この場所は10年以上前に船橋の家を造った現場のすぐ近くである。まだ若かったころ毎日のように現場に足を運び造り上げた3世帯住宅の現状をどうしても見てみたくなって探してみると、なんとなく記憶に残る住宅街の中にすぐに見つけることができた。この建築は鉄骨構造に木造の造作を施して作り上げているが、このやり方はますいいの事務所と同じ手法で、軽い鉄を利用することによる跳ねだし構造などを可能にしている。下の写真はその時の鉄骨工事の様子である。丸い鉄骨は跳ねだし部分に露出している現しの柱。それ以外は木でおおわれる主要構造だ。なんだかとてもきれいな鉄骨である。この鉄骨を施工してくれた接骨やさんはますいいの本社の鉄骨も造ってくれた。思い出深い建築を眺めつつ、時間になったのでIさんの家に向かった。

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Iさんはお母様と二人で暮らすための2世帯住宅を検討している。それぞれが独り暮らしの2世帯住宅である。横長の敷地にどのように住宅を創り上げるか、なかなかプランが難しそうな土地だけれどゆっくりと考えていこうと思う。

2019/07/02

朝10時、桜設計集団の佐藤さんと打ち合わせ。今日はますいいで計画を進めている、某神社のトイレ・倉庫棟新築工事に関する構造打ち合わせを行った。この計画では平屋の二つのボリュームの上に薄い木製の大屋根をかけることを考えているのだけれど、今日の打ち合わせではどのような構造形式が適しているかについてのアイデアをご提案していただいた。屋根を大きく跳ねだすことを考えるとまず最初に思い浮かぶのが鉄骨を利用した構造である。多くの建築家が鉄骨を利用して軒先をよりシャープにすることに様々な工夫を施してきた歴史があるわけだけれど、今回の計画では木を利用して薄い軒先を実現することを考えている。先日の東照宮に関する日記でも書いたが、神社の建築は屋根の建築である。本殿などのいわゆる伝統建築ではなくとも、いかにしてそこに屋根をかけるかがテーマになるのだ。佐藤さんは木造を得意とする構造の専門家である。様々な経験に基づく助言は今後の方針を決定するために大いに役立つものであった。とにかく感謝である。

16時、東京都北区にて木造3階建ての耐火建築集合住宅を検討しているHさん打ち合わせ。今日は2回目のプレゼンということで、修正プランと概算のお見積りについてのご説明をさせて頂いた。

19時、建築士事務所協会参加。高齢で退会する方のお知らせがったが、今はどんな業界でも新設するよりも廃業するほうが多いようだ。今日退会される方はすでに病院に入っているのか、連絡もつかない状態になってしまっているらしい。日本の産業全体で労働力も会社自体も減少していくようであるが、それに合わせて社会自体も縮小していくことを良しとしなければその社会を維持をすることができなくなるわけだけれど、経済を縮小させることにつながるそういう思想は政治家の側から発せられることはないようにも思える。そのために実質的な移民を労働力として受け入れることを決めたわけだが、僕はこれについては意外と賛成なのだ。安価な労働力としての移民受け入れに賛成というわけではなくって、どちらかというとそれとともに入ってくる人のエネルギーのようなものに期待を感じるのである。

そもそもこの国はさまざまな外部からの人々によって作り上げられてきた国ではないかと思う。朝鮮からの陶工が焼き物を造ったり、大工が寺院を造ったり、医者だって、鉄砲だってみんなそうだ。近代に入ってからだって同じである。島国のこの国は定期的にそういう時期を経て、進歩を繰り返しているような気がする。今回の転換期はいったいどうなるのだろうか。少なくとも今よりも良い状況になることを祈るばかりである。

2019/06/29

今日は日光東照宮の裏千家お家元による献茶式に参列した。客殿と社務所は丹下健三氏による設計で、なかなか面白い建築である。この建築は大屋根が写真の角に見えるV字型の鉄骨柱によって浮かされており、それ以外に垂直力を受ける柱は存在しない。夜景だとよくわかるのだけれど、ガラス面が光っている上に屋根が浮遊している様子はその構造的な特徴をよく表している。神社建築というのは屋根の建築である。そもそも神殿というのもは神を祀る以外に用途はないので、いかに荘厳な雰囲気の中で空間を構成するかということに尽きるのだ。

献茶式は本殿において厳かに開催された。僕はといえば約1時間超の正座に身動きができないくらいの痺れ状態になってしまった。情けない限りである。

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2019/06/28

ますいいではセルフビルドを推奨しているのだけれど、その導入の程度については人それぞれで、ちょっとだけ壁を塗るだけの人もいれば、たまにはすごいセルフビルダーも現れたりする。今年の春に引き渡しをした荒川区の鉄骨造3階建て住宅のクライントであるSさんは、正真正銘のすごいセルフビルダーであった。リフォーム前の解体工事も自分でやろうとして、石膏ボードや下地の木を細かく切って袋に詰めていた。解体工事のようなつまらない作業を自分でやる人は珍しいのだが、Sさんは何でも自分でできることはやりたいという性格の持ち主であった。壁紙の仕上げ工事などのセルフビルドも引っ越しした後まで引き続き行っているから、つまりは石膏ボードの仕上げの状態で生活をしている。こういう状態で生活が始まるなど普通の人では我慢できないかもしれないけれど、Sさんにとっては別にどうってことはないのかもしれない。

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ネパールで出会った自分で自分の家を作っている人は、作っている途中のコンクリート5階建ての一部の躯体を利用して生活を始めていた。RCの建物を自分で作る、やっぱり日本とはちょっと違う。暮らしを営んでいる部屋にはサッシをつけて外部と仕切れるようにしているけれど、4・5階のまだ使っていない部屋にはサッシもついていない、いわゆる工事現場のような状態であった。しかもこの人が面白いのは、建築途中で工事予算を使い果たしてしまったので、この状態で購入してくれる人を探しているというのである。何と無計画なのかと思うけれど、日本人が計画的すぎるのかもしれないなアなんて思ったりもする。セルフビルドとは、なんとなく今の日本では失いかけたロマンチシズムのようなものかもしれないのである。

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