ますいいの運営するノンプロフィットレンタルアートギャラリーとギャラリー。各アート作品の展示・販売をするショップとなっております。

公式サイト>

ますいいでは、古くなった物件を壊すことなく次の世代に引き継ぐお手伝いをしております。

詳細情報>

ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

ますいいリビングカンパニー|埼玉県川口市

ますいいについて/about us
作品集/gallery会社概要/corporate現場進行中/project仕事の進め方/workflow
増井真也日記
田村和也雑想柳澤和孝雑想
お問い合わせ/contact

top > 増井真也日記 > 増井真也日記top

増井真也日記

< 6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16

2019/10/07

午前中各プロジェクト打ち合わせ。

土間のある家を考えている。もともと土間というのは農家の住宅のようなイメージで、家の中と外の中間領域のようなところで作業を行うスペースだった。昔の民家などではこの土間の部分に台所がしつらえられており、薪で火をおこし料理をする場所でもあった。その横には馬がいるスペースがあるような住宅もあるくらい、人々の生活は暮らしの中の作業に満ち溢れていたのだろう。今の暮らしは何でも買うことができるし、何なら料理だってしなくても生きていくことができる。でも自分らしくいろいろ好きなことをしながら生きていきたいと思った時に、家の中の土間は意外と良いものだ。小金井の家では南側の外壁沿いに大きな土間を設けている。土間には階段が設置され、上下移動の空間ともなっている。その先には小上がりのリビング、まさに昔の農家のごとき配置とした。ますいいのクライアントには日曜大工作業のセミプロのような人が多い。果たしてこの家のクライアントのOさんはどうしているだろうか。

20191007.jpg

18時、通夜参列。長く裏千家茶道の埼玉県での活動を支えてくれた方がお亡くなりになった。92歳である。旧知の先生から聞いた話だが、亡くなった当人から1週間前に電話があり、おぼつかない言葉で「お迎えを待っているんだよ」、と告げられたらしい。大切な方がお亡くなりになる、こればかりは仕方がないこととわかりつつも、何ともつらいことだなあと思うのである。

2019/10/05

昨日から建築士事務所協会の全国大会に参加している。福島の復興の様子を肌で感じる機会であるとともに、普段仕事の話しかしない建築士仲間と交流を深める機会でもある。一通りの会合は昨日のうちに終わってしまったので今日は観光中心の日程だ。

朝食を済ませると朝8時過ぎに宿を出て、一路会津方面へ向かう。福島市から車で約1時間ほどで浄土平という場所につく。火山地帯のど真ん中にあるこの浄土平は、硫黄の匂いが強く今にも噴火しそうな雰囲気がある。御岳山の噴火における災害の記憶も新しいだけに何となく畏怖の念を感じる場所だ。吾妻小富士と呼ばれるこの山は、標高1,707mで吾妻連峰のひとつ。すり鉢状の大きな火口があり、麓の福島市側から見るとあたかも小型の富士山のように見えることからこの名が付いたそうだ。観光道路磐梯吾妻スカイラインの途中にある浄土平駐車場に車を停めて整備された階段を約10分登れば火口壁の稜線に到達。写真はその火口の様子である。拡大した写真の稜線上に映っているのはトレッキングを楽しむ人々である。僕はなんとなくトレッキングをする気分にはなることができなかったのでここまで来て戻ることにした。浄土平の反対側にある山の斜面からは硫黄の噴煙が噴出している場所も見えるのに、浄土平にはたくさんの人がいてお土産を買ったりの観光にいそしんでいる様子に何となく違和感を覚えてしまうのは僕だけなのだろうか。目の前に見えているような気がする危険なのだけれどなあ・・・の不思議な感覚を覚えた。

20191005.jpg

20191005-2.jpg

続いて会津さざえ堂へ向かう。この建築は2重らせん構造を持つ木造建築で、傾斜に沿ってぐるぐると上がっていくと三十三の観音様を拝むことができたそうだ。六角形の建築の中心部には六本の柱が立っており、そこから梁が外壁側に出てスロープを支えている。なんでも今では個人の所有物というけれど、だいぶ傷んでいる木材を見ると修復工事をしなければ先は長くなさそうな様子であった。歴史的建造物を個人が維持管理していくことなど土台無理な話である。ぜひ保存してほしいものだと思う。

20191005-3.jpg

最後に山道にあるキノコやさんでマツタケを購入した。こういうものを買うのは初めてだけれど、なんとなく家族をおいて旅行に行った罪滅ぼしの感である。

20191005-4.jpg

2019/10/03

朝礼終了後、蕨市にて浸水被害の現場調査。なんでも土木工事の最中に水道管が破裂してしまったということで、水浸しになってしまった事務所の内装工事についての打ち合わせである。なんだか最近は台風とかの水にかかわる工事の依頼が多い。なんとなく地震のことを忘れかけると次の災害、そして事故。日本は何とも難しい国家なのだなあという感じが改めてのしかかる思いである。

16時30よりますいい勉強会。10月25日から行う川口市産品フェアにて展示する予定のパネルについての作業報告である。今回展示するテーマは以下の4点だ。2週間ほどでまとめて印刷の行程に入る。展示までもう一息、頑張っていきたい。

・建築でお寺を変える
東京都豊島区にある本納寺さんでこの秋より開始する予定の屋根の吹き替え工事の事例紹介。限界耐力診断の後の補強計画に基づく構造補強工事と、屋根の吹き替えを行うのだが、実行に至るまでの計画などを説明する。
東京都世田谷区にある常光寺さんにて計画中の塀の工事についての事例紹介。版築という土を突き固めて塀を作る手法を町の人々を巻き込んで行ったり、東屋のような憩いのスペースを計画することで、お寺に人が集うきっかけを作ることを意図している。

川口市に裏路地を造る
川口市本町の古い街並みの中にリノベーションを施し、シェアハウスやコインランドリーなどの若者の暮らしにまつわる装置をちりばめることで、カフェやレストランなどが自然に集い始めたくなるような裏路地をデザインする。

ミングル
単身者のための新しいキチンの形を考えるというコンセプトで造られた実際のキッチンの事例紹介。

クラウドファンディングで資金調達を図っているブドウ農園計画
ぶどうを育ててワイナリーに販売したり、楽しいカフェに集うことができる施設の計画。小さな木造建築とビニルハウスの2棟で構成されていて、ビニルハウスの棟はクラウドファンディングで資金調達を図っている。

2019/10/01

朝礼終了後、埼玉県川口市にあるスタジオ建築の屋根補修工事現地調査に立ち会う。昨今の台風被害とは直接的には関係ないのだが、すでにだいぶ古くなってしまってところどころに割れも目立つ状態のコロニアルの葺き替え工事の依頼である。葺き替えに際しては下地の合板の張替、トップライト廻りのシール処理なども行わなければならない。なかなかに大変なのである。

夜、建築士事務所協会理事会に参加。毎回2時間の会議を行うがこうした協会というのは意思決定が難しくて困るなあというのが毎回思うことである。建築士として良い建築の設計を行うことができる地盤を造ることが会自体に求められる存在意義であり、日々それに向けた活動をしているはずなのだけれど、どうしても目の前にあるあんまりそれとは関係が無いような事象についての話で大方の時間を消費してしまうようなことがあることもまた、こうした会合のありがちなことだ。僕たちはそういうことも含めて上手に会の運営をしていくことが求められてはいるのであろうが、なかなかそうできない自分もいるわけで、とにもかくにも難しいなあの感なのである。

2019/09/30

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

15時より埼玉県川口市にて検討中のHさんの集合住宅に関する打ち合わせ。今日は構造設計家の佐藤さんと一緒にHさんのもとをご訪問である。築50年ほどの古い鉄筋コンクリート造の賃貸マンションを耐震診断して補強工事を施し、リノベーションして利用しようという計画である。佐藤先生には果たして耐震補強工事が可能なのかどうかについての見解をご説明していただいた。鉄筋コンクリート造の古い建築は耐震強度IS値というものが0.6に満たない場合が多くある。公共の建築物であれば、取り壊すか補強をするかの検討の後に工事が行われるが、民間建築となるとなかなかそうはならないのが実情である。知らないから使い続けている・・・、そういうものが多いということだ。本計画では0.6という一つの強度基準を目指すことを第一の目標とするが、そのまま何もしないよりはたとえ0.5であっても補強祖したほうが良いであろうという考えに基づいて計画を進めるつもりだ。絶対的に0.6を守らなければ耐震補強をやらないという0か100かのごとき方針では、なかなか民間の補強工事をうまく導けないような気がするからである。16時過ぎ終了の後、帰事務所。

2019/09/28

10時、東京都墨田区にて新築工事を検討しているSさん打ち合わせ。荒川にほど近い小さな土地に計画している3階建ての住宅のご提案ということで、今回は二つのプランをお見せした。どちらのプランも吹き抜けのあるプランで、1階にLDKが配置されている。一つは南側の外壁沿いに細長い吹き抜けを設けその部分に階段も配置したもの。もう一つは中央部分に建物を貫通するような吹き抜けを設けその両側に居室を配置したものである。どちらも吹き抜けのあるプランとしたのは、周辺を新しい建物で囲まれることが分かり切っている中で1階に配置したLDKに対する採光をどのように実現したらよいかを考えた結果である。吹き抜けというのは温熱環境のことを考えるとどうしても弱点のような気もしてしまうのだけれど、光を取り込む装置としての効果や煙突効果を利用した風の流れの実現に対しては非常に有効な装置ともいえるのである。

約2時間ほどのプラン打ち合わせの後終了。次回に向けて修正案を考えていきたいと思う。

下の写真は伊奈の家の吹き抜けの様子である。2階の上の棟屋まで突き抜けている吹き抜けが1階の居間まで光が降り注ぐ装置として効果的に作用している。

20190928.jpg

2019/09/26

午前中、川口市本町で進行中のシェアハウスの現場にて大工さんと打ち合わせ。すでに解体工事を終えているところに大工さんが今日から乗り込んで工事をスタートさせるという流れである。築50年の古い住宅ということで、土台の一部は写真のごとく腐ってしまっていたり、柱は目を疑うほどに細かったり・・・各所の欠き込みで断面欠損があったり、なんとも先が思いやられる工事であるけれどまあ50年前の木造住宅というとこんな感じなのだ。基本的には現在使用されている構造用金物をアレンジしながら各所の固定に利用したり、外壁周りの怪しい耐力を構造用合板で固めることで補強したり、瓦の屋根を下ろしてガルバリウムの軽い屋根にしたりという過程を経て、安心できる構造補強を行いながら、シェアハウスとして魅力的なデザインにしていこうという計画である。計画があって無いような典型的なリフォームの現場だが、最後まで楽しみながら進めて是非魅力的な建築を造りたいと思うところだ。

20190926.jpg

2019/09/25

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

16時、チャネルオリジナルさんという材料屋さんがプレゼンに来てくれた。このメーカーさんはもともとはウエスタンレッドシダーという材木をカナダから仕入れたのがスタートだったと思うのだけれど、ちょうどますいいがスタートした2000年くらいに会社の営業を始めたのでよく覚えている。最近では屋久島で採れる杉材をデッキ材に転用したり、楢やオークという床板を販売したりの戦略をとっているらしいが、なんといっても魅力的な商品はやっぱりレッドシダーを使用した外壁材だと思う。米杉を外壁に使用した建築はとても魅力的なのだ。

この仕上げを採用した建築で僕たちの世代が誰でも思い出すことができる作品といえば、シーランチコンドミニアムだろう。この建築群は週末用のコンドミニアムとして造られたものだが、設計者のチャールズ・ムーアは、自然と共生する建築群を作るために地元の米杉を利用し、極力自然に溶け込む建築を設計したという。レッドシダーが銀色に色あせた様子は海景色にもとてもよく似合う。下の写真は僕が所有する本の一ページ。日本の都市建築の意匠としてもとても魅力的なような気がするし、メンテナンスをしっかりとすれば十分に対候性もあるとのことなので是非使用してみたいと思う。

20190925.jpg

2019/09/23

今日は東京都豊島区にある本納寺さんのお彼岸法要に参加した。というのも10月から本格的にスタートする屋根の吹き替え工事の安全祈願祭を同時開催するからである。日蓮宗の寺院では日蓮上人の生誕800年を記念してこのような事業を多く手掛けることとなる年回りなのだが、この本納寺さんにおいてはご住職さんを中心にとても良い雰囲気の中で事業の準備を進めてくることができた。宗教施設というのはそこに集う檀家さんたちのお心によって支えられるものであるし、そうしたお心が集まるように心のこもった運営をすることがご住職の役割なのだと思う。僕が近くで拝見していて肌で感じることは、この役割をこれほど熱心に体現されているご住職のお姿は本当に素晴らしいと思うし、まねのできるものではない熱心さであると思うのである。今日もとても多くの檀家さんたちが足を運んでくれていた。大勢の方々の思いを受けて安全祈願ができたことは本当に良かったと思う。

20190923.jpg

2019/09/21

朝10時、東京都文京区にて新築住宅の計画を始めたKさん打ち合わせ。今日は初めての顔合わせということで、ますいいの家造りについてのご説明をさせていただいた。この敷地は2mの幅しかない道路に面していて、4m幅の道路までは20mほどの距離がある。隣地は貸し駐車場で、工事中にそのコインパーキングを利用すれば敷地まで容易にたどり着くことができるけれど、もしも既に満車になっていしまっていたりすると、例えばせっかくミキサー車とポンプ車とコンクリート打設を行う基礎やさんが二人来ているのに、車を停められないからという理由でコンクリートの打設などの作業を行うことができなかったりする可能性がある。まずは隣地の駐車場の使用可能性を探ろうということで、打ち合わせを終了した。それにしても東京都内にはこのような土地がまだまだいっぱいあるのだなあの感がある。もしも火災などの際には当然消火活動が遅れてしまうだろうし、救急車だって入ることができないわけだ。駐車場になっている土地などある程度強制的にセットバックして道路にしてしまってもよいと思うのだが、頑固にブロック塀が立ちはだかっているのを見ると少々疑問を感じたりもするのである。

さんかくの家の話になった。この住宅は三角形の敷地に三角形の住宅を造ったものだが、この住宅を造るときにもクライアントのTさんは何度か車の入れない敷地を購入しようかと相談に来た。確か一つはがけ地だった。たどり着くだけでも大変そうな土地だった記憶がある。何度目かの相談がこの三角形の土地であった。三角形の土地に四角い建売のような住宅が建っていたのだが、もしそれを壊してしまえば、私道の一番奥が裏側にある緑豊かな緑道とつながり、抜け感が生まれるであろうということで計画をスタートした。三角形の頂点には写真のようなお風呂を造ったりもした。コンクリートで造って防水を施し、仕上げにモルタルとガラス塗装を塗って仕上げている。試しに使用させていただいた時には、自分で作っておきながらなんとなく変な感じがしたものだ。土地の条件は建築計画に大きな影響を与える場合もある。今回がどのようになるか、隣地との相談などによっても変わってくるであろう。

20190921.jpg

2019/09/20

朝から少々体がだるく、しかもなんだか風邪気味である。何でこんな時期に風邪をひくのかと思ったが、なんと川口市ではインフルエンザが流行っていて学級閉鎖まで出ているというではないか。季節の変わり目とはいうものの、大した自覚もなく何らかの細菌に感染してしまったのかもしれない。かかりつけの病院で診てもらうと、抗生物質と咳止めを処方してくれた。これで少しは楽になると良いのだが、・・・。

昨日に引き続き、今日は解体屋さんMさんの家の屋根工事の現調に来てもらった。最近は屋根屋さんが忙しすぎて、解体工事や下地の補強などはすべて分業制にしなければならない状況である。当然足場も必要となるので、大したことのない工事のはずなのに何故か4業種もコントロールしなければならない。それにしてもこんな台風がまだまだ来そうな気配なので、ほんとに恐ろしい限りだ。これ以上屋根の仕事が増えてしまっても対応することは不可能だろう。そうすればどうすることも出来ずに順番待ちという状態になるしかない。千葉県の被災地では素人が自分で対応しようとして事故が多発しているという。屋根の上の作業はかなり危険だということは明白だが、自宅がびしょびしょになるのを放っておけないという中で無理をしてしまうのであろう。

夕方、業者さんとの打ち合わせを1時間ほど。

夜は予定をキャンセルしてゆっくりと寝ることにした。

2019/09/18

朝一番で日頃お世話になっているMさんより、ご自宅の屋根が飛んでしまったとの連絡を受ける。なぜ今頃?と思ったものの、忙しくて先週の台風からこれまでほったらかしにしてしまったとのことであった。ほったらかしにしてしまったものの、今日の夕方から雨が降るかもしれないということで急遽何とかしてほしいの連絡である。うーん、これはどうにもならないかもの感があったが、まずは下見をして状況を確認してみてから考えることにした。敷地の周辺から屋根の状態が確認できるところはない。たまたま在宅していらっしゃったお隣の奥様にお願いしてみると、旧知の仲らしく快く応じてくれた。3階のベランダまで登って屋根を見てみると、なんと目を疑うような光景が・・・。まずはじからはじまですべての棟がなくなってしまっている。(棟というのは切妻の屋根の頂点の雨よけの板金のこと)しかも7m×7mほどの切妻型の屋根の片面が、全体的に50センチメートル程ずれてしまっているではないか。これではもし雨が降れば、というよりすでに降ってしまっているのだけれど、住宅の2階がびしょびしょになってしまう。これは何とかしなければいけないなということで、早速ますいいの屋根屋さん山内さんに連絡をしてみることとした。連絡がつくとなんと、1時間ほどで緊急の対応をしてくれた。これは本当に感謝である。少々の雨漏りはあったものの、そこまでひどいことにならずに済んだので何よりであった。

2019/09/16

今日は朝10時よりセルフビルド体験会を開催した。今日の作業はタナクリーム塗りである。タナクリームというのは高知県にある土佐漆喰を扱う田中石灰工業さんで造っている左官材料で、基本的には一発仕上げのセルフビルド推奨材だ。下地は石膏ボード、あらかじめジョイントテープとパテ処理を施し、シーラーの塗装を済ませておいた。まずは簡単に内容説明を行い作業スタート。指導者はいつもますいいの左官仕事を請け負ってくれている左官職人の塙さん親子。参加者はほとんどみな初めて体験するということで、まずは塙さんのお手本を見るところからのスタートである。続いて鏝板の上に材料をのせ、それを鏝の裏側のにのせるコツを教えてもらう。そしていよいよ実際の左官塗作業の体験である。壁に材料をつけることができれば、後は伸ばして均一の厚さに均すだけなのだけれど、それが慣れるまでは難しいところ。約2時間の作業が終了するころには皆なんとなく慣れてきたようなご様子であった。

20190916.jpg

20190916-2.jpg

14時、東京都台東区にて設計中のYさんの家の打ち合わせ。16時ごろまで。

2019/09/14

午前中は埼玉県桶川市にて進行中のAさんの家の打ち合わせ。ちょうど現場では茶室の内装工事に入ったところで、先日は大工さんが水屋の棚を造作していた段階である。ほとんどの部屋の内装工事は終わっているけれど、やっぱり難しい茶室がらみは後回しとなるわけだ。この和室のふすまには京都の唐長さんで購入した唐紙を貼る。唐長さんというのは江戸時代から続く唐紙屋さんの老舗で、代々受け継いできた版木に水性の絵の具を用いて色をのせ、それを和紙に写すという昔ながらの手法で唐紙を作っている。一枚一枚手作りなので微妙に違いがあって、だから世界に一つだけしかない唐紙となるわけである。今回使用する文様は花兎という。ウサギは前にしか進まないというので縁起が良いモチーフだそうだ。若干ピンクが勝った地の色に合うよう、壁の色も聚楽とした。聚楽色は少し赤みがかかっているからきっと髪の色とも合うであろう。外構などを含めて12時頃まで打ち合わせ。

夕方、埼玉県坂戸市にて設計中のYさんの家の打ち合わせ。今日は実施設計がほぼ終了という段階なので、主に展開図などを用いた説明をさせて頂いた。18時ごろ終了。


2019/09/12

朝一番で家を出て、裏千家東京道場にて開催される好日会という茶会に参加。今日は裏千家の今の家元のお父様である大宗匠が席主をされるということで、着物を着ての参加となった。8時過ぎに会場につくと、まだ誰も来ていない一番乗りの状態である。指定された席に入れていただくと、早速伊住宗陽氏によるお点前が始まった。なんと本物の中興名物の茶碗とか、利休さんの在判のある長次郎の黒などが使用されている。実際に手に取って拝見させていただくと、何とも言えない気分になった。

さてさて、高価な茶碗はもともとはそうではなかった。長次郎は瓦職人であり、利休がそのわびた世界観の茶碗を焼かせたときには、全く価値など定まっていないかったと思われる。高麗茶碗とて同じことで、もともとは庶民が使用する飯碗だったというお話もある。つまりは僕が普段使用しているご飯茶碗と同じようなものが、たまたま茶道に使用され、様々な人の手を経て伝わった結果、今では美術館の中に飾られているという何とも不思議な顛末なのだ。茶室という建築も同じようなことが言える。床柱に使用する赤松の丸太など、本来であればどこにでも生えていて簡単に手に入るものであるわけで、高価な銘木屋さんで購入するような代物ではないはずだけれど、でも時代の中でそういう風に扱われるようになってしまうと、いつの間にやら高価な銘木として扱われるほうが当たり前になってしまったりもするのである。竹の下地がそのまま見えている下地窓、これだってやりかけの状態を見せているはずなのに、今ではアルミサッシよりも高価な仕上げとなってしまった。

物の価値は人為的に造られるものだ。茶道具の価値は利休によって高められ、その時代では一国の領地に値する茶入れなども存在した。そういうものが名家の手を経て現代に伝えられているからこそ、名物と呼ばれる道具には価値があるのだ。しかし現代における茶道具の価値は確実に落ちている。給料の代わりに茶道具・・・はあり得ないし、戦争などの命を賭した行為の褒美に茶道具・・・これもあり得ないだろう。資本主義社会の中の商品としては需要と供給のバランス、そもそもほしいと思う人、つまりは茶人の人口が減少しているのだから値が下がるのは当たり前である。純粋な美術というよりも茶道の中で使用される道具というあり方なので、茶道自体に関心がない人にとっては美術品としても価値がないのかもしれない。そもそも技巧を凝らしたエミール・ガレやドームの美術品のような作品とも性質が異なる。つまり侘び寂びの世界観はその精神的価値の共有のもとにしか理解できないものだとも思うのである。

現代社会における茶道とは何かを考えると、日本らしさ・アイデンティティーの確立要素のような役割と、マインドフルネスのごとき現代人の心の安らぎを生み出す行為の二つがあげられるであろう。そしてその行為に必要な道具が茶道具なのであって、これはやはり美術品ではないのだと思う。利休の在判のある黒に触ったときの心の動き、それは決して高価なものに触れた歓びではなく、茶道の発祥に近い何かに触れることができた心のざわつきのようなものであると思うし、そうであったと願いたい。大宗匠のお姿を見ていて心落ち着く時間を得ようと心がけたが、なんとなく感慨深いものを感じて涙があふれる時間となってしまった。未熟な僕には、ゆったりとした時間ではなく心ざわざわの時間となってしまったわけだけれど、そんなことを考えながら過ごすざわざわは僕にとってとても良い経験をさせて頂いたと感じられるし、とにもかくにもこのような機会をいただき感謝であった。

< 6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16

202007

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

ブログアーカイブ

201120102009
200820072006
200520042003
2002

page top