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増井真也日記

2021/08/22

2020年1年間の生活保護の申請は22万8081件となったそうだ。これは前年度から5039件増えており、リーマンショック依頼11年ぶりに上昇した。日本では今後生活保護が増え続けると予想されている。これまでは増減を繰り返してきたが、ここにきてコロナの影響で一気に増加傾向に転じたのだろう。特に飲食業や観光業などへの打撃は大きく、多くの人が職を失ってしまったし、非正規社員などの低所得者層には非常に大きな影響となっているようだ。今の日本という社会は、今回のコロナのようなブレを吸収してくれるようなスポンジ機能な無くなっているように思う。例えば家業の手伝いをしながら収入の足しにしたりの姿は次第に見られなくなってきている。貧困の子供への継承、貧困層の高齢者の増加といった問題を解決しなければ、根本的な解決はできないように思う。

家づくりという仕事はなんとなく人づくりにつながっているような気がする。家を建てようなどということを考える場合、多くは子供が存在している。ご両親が作ってくれた素敵な家に育つ中で、さまざまな行為が体験されそれを見た子どももそういうことができるような育ち方をしていくものだ。例えば薪ストーブがある家なら、自然と火おこしを覚えるし薪割りだって斧でパンパンとできるようになる。庭があれば季節の花や樹々の手入れ時々困らせる虫たちの悪戯も覚えるはずだ。無垢材の床を米糠で磨いたり、外部の木部に防腐剤を塗装したりの行為も自然と身につく。こういういろんなことができることって、なんとなくだけれど今のような混乱の時代を生き抜くには必要なことのように思えるのだ。

自動で掃除機がくるくる掃除してくれる家で育ち、もしかしたら火も起こすことができないような子供がそのまま大人になっても柔軟な対応力や色々なことを乗り切る力は身につかないように思うのである。僕は豪邸だけを作る建築家にはなりたくない。どちらかというと少ない予算でなんとかしたい・・・、の思いを実現する仕事の方が好きだ。貧困の連鎖、これはなんと貧しい言葉かと思おう。お金がなくとも素晴らしい場を作ることはできるはずだし、そういう場の豊かさの方が変に豪華な家なんかよりもよっぽど子供たちの精神を豊かにしてくれると思う。お金が一番なのではなく、心の豊かさを一番と思うような社会を作りたい。建築を作る意味はそこにしかないと思うのである。

202109

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