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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

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増井真也日記

2021年8月アーカイブ

2021/08/30

午後、堀部くんと埼玉県さいたま市にて設計中の茶室についての打ち合わせ。これまでずっと考えてきた建物の中の路地の外壁に設る開口部のあり方についてのスタディー。玄関を入ると土間仕上げの内路地になっている。この路地から一度外へ出ると腰掛け待合があり、蹲で清めて、再び路地に入る。路地からは8畳と4畳半の二つの茶室に入ることができる。4畳半には躙口があって、その上には連子窓がある。この内路地の開口部は連子窓から4畳半への採光のための窓でもあるのだが、さてさてこの4畳半、採光計算はどうしたものか。うーん、嫌なところに気がついてしまった。伝統建築の使い方と現代建築の法律の狭間で物を作るのはなかなか難しい物である。そもそも茶室など暗い方が良いのだが・・・、これはまた継続して考えることにしよう。

2021/08/29

ワクチン摂取翌日、妻は38度以上の熱を出しているが僕はなんの異変もない。こういう反応はだいぶ個人差があるようだ。2回目のワクチンせしっしゅ翌日は何も予定を入れない方が良いと聞いていたので、本当に何もやることがない。というわけで娘たちと一緒に畑作業を行うことにした。今日のメイン作業は、本当は先週やりたかったじゃがいもの植え付けである。じゃがいもは大体一つの株から5個から8個くらいの大玉の収穫が出来る。今日は大体30個ほどの種芋を植えたので十二月には200個以上のじゃがいもが実るはずだ。いつもよりは少々少なめだけれど、実はこれくらいで家蔵の分は十分足りる。会社のスタッフに向けたサラメシの材料には少々足りないかもしれないけれど、最近は食べ切れるくらいの適量を作ることにしているのでこれでよし。

畑の下にある芍薬の生産者がこの秋で畑を返すことになっているらしく、株の根を分けてくれた。ご夫婦で農家をやっていると言うことである。高齢だが、まるで丸太のような腕をしている。肌は赤黒く日焼けし、腰は少しだけ曲がっていても僕なんかよりよっぽど継続して作業をできる体力もある。もうこの場所で30年間農家を続けてきたと言うことだ。畑の地主さんがこの土地を土木業者に貸し出すと言うことで追い出されてしまうらしいが、これでまた良好な農園の風景が劣悪な仮囲いの風景に変化してしまう。地主の農家さんは、ご主人を亡くし女性一人で農家を続け子供達を育ててきた尊敬すべき人である。高齢化し、次の世代に変わろうとするにあたり、その子供さんの判断で自分が暮らす母家の周りの畑を病院の駐車場にし、貸し農地を土木業者に貸してしまうと言う・・・。なんともなんとも、都市農業は一体どうなってしまうのだろう。

2021/08/28

今日は2回目のワクチン接種。朝の8時30分に注射をするも特段異変はないようだ。熱が出るとしたら明日だろう。それにしてもなんだかよくわからないワクチンを打つことに多少の抵抗は感じつつも、それを拒否して生きることの肩身の狭さを考えると摂取を受け入れる選択をするしかないようなこの社会の状況に違和感を感じざるを得ない。今のコロナという病気で多くの方が苦しんでいるわけだから、それを防ぐための対策は受け入れるべき、これが大方の判断だろう。そもそも自分自身が重症化するリスクも低減できるわけだし、ということは医療機関の崩壊を防ぐなどの効果もあるわけだ。変異株が色々と出てきて、どのワクチンの方がそれに対して効き目があるとかの情報も色々あるが、だんだんとよくわからなくなってきてしまった。僕が打ったのはファイザーである。果たしてどんな効果を生み出してくれるか。そのうち3回目のワクチン摂取等選択がやってくるだろう。その時は一体どんな副反応が出るのだろうか。

9時30分、今日は千葉商科大学大学院のプログラムに参加。なんとか一日発熱もなく乗り切ることができた。

2021/08/26

埼玉県川口市で造った中庭のある家ではベニヤを一枚も使わない家づくりを行った。もちろんベニヤだけではなく、健康に有害な化学物質を発生するような建材は使わない家づくり「健康住宅 森の生活」による家づくりを行ったのである。

「健康住宅 森の生活」コンセプト

①地産地消の考えで地域の自然素材を活用する
木:北関東(栃木県中心)で採れる桧、杉材を採用
土:内装仕上げに漆喰材を採用
石:大谷石などの関東で採れる石を採用
紙:地元で漉いた和紙を壁紙などに採用
②住まい手と作る職人の健康を害する部材を使わない
合板・ベニヤ・ビニルクロス・新建材・サイディング等を使わない。
塗料・接着剤も安全に配慮する
③廃棄時の環境負荷を考慮した部材を採用する
④室内空気環境を測定する

このような家づくりではキッチンもいわゆる大手メーカーのものは使えない。今回は檜の無垢材を使用するキッチンを家具屋さんで造ってもらうことにした。キッチン周辺の造作に関しても大工さんの手による無垢材の杉などを使用した造作を行っている。もちろんそこに建て込む建具関係も杉の框引き戸を建具屋さんに造ってもらっている。下のその写真を掲載する。とても心地よいキッチンが出来上がったと思う。

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2021/08/24

今日は埼玉県さいたま市の岩槻にあるとあるお寺さんにて塀のプレゼンテーションを行った。お寺さんの入り口には大きな山門があって、その両側には2mほどの兵があるのだけれど、それ以外の部分は完全にオープンになっておりなんとなく防犯性などが心配な状況だ。今回はその残りの数十メートルの部分に塀を造り、入り口側の外部とお寺の内部を隔てるという計画である。

CGの白い部分はコンクリートに白い漆喰風の塗装を施す予定だ。木組みの大半は檜、一部に栗かケヤキを使用しようと考えている。

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2021/08/22

2020年1年間の生活保護の申請は22万8081件となったそうだ。これは前年度から5039件増えており、リーマンショック依頼11年ぶりに上昇した。日本では今後生活保護が増え続けると予想されている。これまでは増減を繰り返してきたが、ここにきてコロナの影響で一気に増加傾向に転じたのだろう。特に飲食業や観光業などへの打撃は大きく、多くの人が職を失ってしまったし、非正規社員などの低所得者層には非常に大きな影響となっているようだ。今の日本という社会は、今回のコロナのようなブレを吸収してくれるようなスポンジ機能な無くなっているように思う。例えば家業の手伝いをしながら収入の足しにしたりの姿は次第に見られなくなってきている。貧困の子供への継承、貧困層の高齢者の増加といった問題を解決しなければ、根本的な解決はできないように思う。

家づくりという仕事はなんとなく人づくりにつながっているような気がする。家を建てようなどということを考える場合、多くは子供が存在している。ご両親が作ってくれた素敵な家に育つ中で、さまざまな行為が体験されそれを見た子どももそういうことができるような育ち方をしていくものだ。例えば薪ストーブがある家なら、自然と火おこしを覚えるし薪割りだって斧でパンパンとできるようになる。庭があれば季節の花や樹々の手入れ時々困らせる虫たちの悪戯も覚えるはずだ。無垢材の床を米糠で磨いたり、外部の木部に防腐剤を塗装したりの行為も自然と身につく。こういういろんなことができることって、なんとなくだけれど今のような混乱の時代を生き抜くには必要なことのように思えるのだ。

自動で掃除機がくるくる掃除してくれる家で育ち、もしかしたら火も起こすことができないような子供がそのまま大人になっても柔軟な対応力や色々なことを乗り切る力は身につかないように思うのである。僕は豪邸だけを作る建築家にはなりたくない。どちらかというと少ない予算でなんとかしたい・・・、の思いを実現する仕事の方が好きだ。貧困の連鎖、これはなんと貧しい言葉かと思おう。お金がなくとも素晴らしい場を作ることはできるはずだし、そういう場の豊かさの方が変に豪華な家なんかよりもよっぽど子供たちの精神を豊かにしてくれると思う。お金が一番なのではなく、心の豊かさを一番と思うような社会を作りたい。建築を作る意味はそこにしかないと思うのである。

2021/08/18

午前中、7年ほど前に作った住宅の玄関ドア枠メンテナンス。木製枠をガルバリウムの外壁材と同じ材料で包んで、そこに蝶番を取り付けているのだが、そのビスが効かなくなってしまっている。玄関ひさしの幅が木製枠とピッタリ揃ってしまっていることが原因と考えられるので、ひさしを少々大きくすることにした。試しにひさしの上に水を流してみるとひさしの上を流れる水がくるっと内側にきて枠に向かって垂れてくる。こういう収まりはとても微妙なところでうまくもいくし、問題にもなる。早急に手直しをして
対応したいと思う。

午後、埼玉県さいたま市にて設計中の茶室打ち合わせ。今日は各茶室の展開図などを用いての打ち合わせを行った。

夜、茶道稽古。8月は茶箱を行っている。今日は月と和敬の点前を行った。月は茶箱で最も美しいお点前とのこと、ウグイスに茶筅を立てるとなんとウグイスがすっぽりハマってしまった。出そうとしてもなかなか取れない。最後は諦めて、爪で引っ張り出すことに。美しい点前もこれでは台無しである。もっと修練しないとなあの反省である。

2021/08/17

今日から川口駅の藤のいち商店街の中で活動しているNPO法人わいわい広場さんの改修工事をスタートした。わいわい広場さんは子供を育てるお母さんを応援するための施設で、今は予約制でお母さんたちが交流や支援を求めて来所する形式で運営している。今では完全ボランティア、公の補助金などをほとんど利用しない形で運営しているということで、まさに善意の結晶と言える場所である。今回はこの施設の2階を改修し、子供向けの無料学習塾やコワーキングスペースなどとして利用するための場所とするための工事である。

建物は築年数がよく分からないくらいのとても古い鉄骨造2回建ての建築である。多少雨漏りもしているがまさか屋根の吹き替えをするわけにもいかないのでその辺は目をつぶることにした。改修のための資金はクラウドファンディングと少々の補助金、というわけで工事の範囲は必要最低限に絞りながら、仕上げのペンキ塗装などはセルフビルドを活用しながら行うこととする。ふかふかしたり穴の開いたりしている床は全面的に張り替え、使えないキッチンを解体してその部分の壁を石膏ボードで仕上げる。和室は長押よりも下の部分を下地でふかしてラワン合板で仕上げる予定。洋室は窓のある一面を赤のペンキとブルーのライン、落ち込み天井を黄色で仕上げることで、わいわい広場さんのイメージカラーの3原色を使用するといいかなあと思っている。

街の中のこういう仕事はまさに町医者的建築家の本領発揮の場である。お金は少ないけれど、善意はたくさんあって、そういう人たちに囲まれながら建築の仕事をするということは何よりもの機会なのではないかなあと思う。古くても良い建築が求められる形はたくさんある、その中の一つのとても良い事例なので紹介したい。

2021/08/16

埼玉県川口市に完成したOさんの家では、C字型の中庭プランを採用している。この家はお母さんとお子様が暮らすための住宅である。こういう住宅を作る時にはいつも以上に防犯性を気にしながらの設計を行うのだけれど、解放性と閉鎖性を両立して光や風を十分に取り入れて暮らすための住宅とはのスタディーの結果生まれたのが、この中庭プランであった。中庭は木製ルーバーによって外界と柔らかく切り離されていて、不審者の容易な侵入を防ぐようになっている。中庭に対しては大きな掃き出し窓が二つ設けられており、そのほかにも風抜きのための腰窓などがあってとても開放的だ。季節の良い時期には窓を開け放って子供達を遊ばせていてもなんの心配もいらない、そんな住宅とした。床材には厚さ30ミリの国産材の無垢杉板を貼り、壁や天井には漆喰を塗り回している。リビングの中央部分は勾配天井とし、そこにシンボリックな柱を落とすことでこの住宅の重心を構成した。重心の前には薪ストーブが置かれる予定だ。きっとここで子供たちはすくすくと育ってくれることだと思う。

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2021/08/15

今日は2年ほど前に作った埼玉県桶川市にあるAさんの家の撮影に立ち会った。朝から風炉、釜、水指など基本的なお道具を運び込み、茶室の設をさせていただく。なるべく少人数で、短時間、コロナ禍ということで工夫をしながらの準備である。

この住宅は夫婦二人で暮らすための茶室のある住宅である。二人とも大学の先生ということで、寝室などの個室に加えてそれぞれのための書斎が設られている。書斎横の倉庫には自前の本棚、多くの書籍を保管できるようにした。今でこそ在宅でのテレワークが普及し、家の中にワークスペースを設ることが一般化してきたが、コロナ前でここまで作ることはなかなかないことだったと思う。

今日は裏千家の機関誌である「淡交」に掲載していただくための撮影会であった。淡交といえば社中の先生が購読している雑誌・・・、このような敷居の高いところに掲載されるなどなかなかの緊張感なのだけれど、いただいた機会なので大切にしていきたいと思う。茶室は基本の8畳の広間だ。琵琶棚と床の間、そしてお仏壇を収納するためのスペースが付随しており、庭側には縁側がある。その向こうには立派な空池のある石庭が造営されていて、蹲も設えられている。下の写真は完成時に撮影したものである。今日の写真は淡交にてご覧いただきたい。

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2021/08/13

今日はひどい雨だ。昨日の夜から降り続いているが、全国的に、特に西日本で被害が出ている。数年前から聞くようになった線状降水帯という言葉がまた今年も現れたかの、少々憂鬱な気分である。この帯は積乱雲の固まりを示すそうだが、ここまで頻繁にこういう雲が日本上空に形成されるようになったのも地球温暖化の影響なのだろうか。全国で160万人に向けて避難指示が出ているというが、そんなに多くの人々が一体どこに避難できるというのであろう。それもこのコロナの時代にである。密を避けての行動を促されているときに、人でごった返す体育館などに行きたいわけもなく、でも自分の家がもしかしたら水害に合うかもしれないと思えば、やはりどこかに逃げなければとも思うだろう。

毎年のように水害に遭っている地域もあるようだが、こういう場所に暮らす人はほとほと疲れていることだろうと思う。思い出のある故郷を簡単に離れる決心もつかないだろうが、でもこうも毎年被害にあえば暮らす場所を変える選択肢も現実のものとなるのかもしれない。人が暮らす場所の選び方を変える必要があるかもしれないというようなことを言ってみても、実際には東日本大震災級の災害でもなければそういうことは実現することは難しいだろう。先日、2070年までに熱波によって35億人もの人々が今住んでいる地域に住むことができなくなる可能性があるという研究が発表されたけれど、熱波でなく洪水を理由として移住を余儀なくされるような場所も多く出てくることだろう。世界で人口が増え続け、それを支えるエネルギーを消費して、経済という名のよく分からない仕組みを大回転させながら、地球環境を消耗する先にある未来は本当に心配である。これから作る住宅の姿は・・・、と考えるとやっぱり環境問題は避けて通れない。僕たちは今LCCM住宅を考えているけれど、ソーラーなどを利用しながらエネルギーを作る住宅を作ることに積極的に取り組んでいくつもりである。この雨ももう時期峠を越えるようだ。来週はきっと良い天気が帰ってくるだろう。

2021/08/10

今日は京都にて、埼玉県さいたま市にて設計中のお寺の塀に使用する築地塀についての調査・作図を行なった。やはり伝統建築の意匠は京都が良い。この地にはいわゆる和風の意匠が多く残っているし、新しいアイデアも散りばめられているのだ。築地塀というと本当は土を突き固めて作る、いわゆる版築のような作り方が基本となる。(土を突き固めて作った版築で最も有名な建築が万里の長城だ。)ますいいでも実際に世田谷の常光寺さんでこの版築の塀を作ったが、今回は築地塀といっても本当に土で作るのではなく、土台の部分はコンクリートブロックを利用し、そこにモルタルで斜めの断面を塗りつける予定だ。

コンクリートブロックで作った躯体の上には木製の土台、腕木があり、母屋と棟木にかかる垂木を組んだら、広小舞と胴縁を入れて化粧野地板を貼る。その上にもう一度野地板を張って、最後に瓦を葺いたら出来上がりである。このように書けば簡単なことなのだけれど、ここまで細かい作業をしての塀作りはなかなかあることではない。お寺の場合、大きな山門がある周りに作る塀なので、やはりそれなりに風格が必要となるし、耐久性だって数百年以上のものが期待されるからこそ、塀に屋根がつくのである。お寺や神社の仕事をさせていただくことは建築家にとってとても誇らしいことだ。自分の人生よりずーっと長いスパンで利用される建築を造るときの緊張感を楽しみながら設計をしていきたいと思う。

2021/08/07

午前中、東京都荒川区にて建て替えを検討中のSさん姉妹打ち合わせ。築50年以上の古い4回建ての建築を壊して、お母さんと二人で暮らすための小さな木造2回建ての住宅を計画しようというものである。土地の広さは約60坪ほど、道路側に貸し駐車場を作っても十分に庭のある30坪ほどの住宅を作ることができる。しかも南側への接道だから日当たりなども十分に確保出来るだろう。とても良いプランができそうな土地である。1回目のプレゼンを楽しみにしたい。

明日から1週間の夏季休暇に入る。暑い日が続いていて、先週から来ている大工さんが熱中症で病院に行ってしまうくらいである。オリンピックのマラソンも朝の6時スタート、これだけ暑いとこうでもしないと競技も成立しないのだろう。並んできている台風が気になるけれど、災害などにつながらないことを祈るばかりである。皆様もお気をつけてお過ごしください。

2021/08/06

午後、10年ほど前に作った埼玉県さいたま市の家の玄関ドアに関するメンテナンス訪問。木製のドア枠の上部が少々傷んでいる。原因は雨水が染み込んでいること、玄関上部の庇の幅が玄関と全く同じようにデザインしていることが大きな要因となってしまったようだ。約30分ほどの検討ののち事務所に戻った。僕も21年間この会社を運営しているので、こういうことをするとこういうメンテナンスが発生するというような関係性がだいぶ蓄積されてきている。このメンテナンスに関するデータベースをみんなで分かち合うことで住宅の性能の向上に大きくつながるはずだ。最近はiPadのGOOD NOTEで現場のメモを取ることが多いが、PDFデータの蓄積が手軽に出来るのでアーカイブ化もしやすいはず。早速取り組んでみようと思う。

2021/08/05

気をつけないと無くなってしまいそうな大切なもの

昨年から設計していた戸建て住宅の現場では、ベニヤを一枚も使用しない家づくりというものに挑戦してみた。ベニヤを使わない家づくりをしている理由は化学物質を最小限に抑えるための家づくりのため、だからもちろんビニルクロスもメラミンなどの化粧材も使わずに、内装漆喰はシーラーなしのプラスターの下塗りに漆喰仕上げの徹底ぶりである。キッチンだって、わざわざ家具屋さんにヒノキを使って接着剤最小限の注文で依頼した。断熱材も羊毛断熱材、ちょっと高いけど新築現場が臭くない、なんだかとても居心地が良い結果となった。
ベニヤを使わない、昔の大工さんならそれがどうしたの?という感じだろうが、ベニヤ板があることが当たり前の僕たち世代にとっては、なかなか大変な挑戦である。野地板、外壁モルタル下地合板、床下地合板といった部位に杉板を使用するのだが、非乾燥材ならまだしも床下時に使用する乾燥材の荒板など持っている材木屋さんはなかなかないのが実情だ。最近は売れないからね!の一言で断られる中、親しい福島県の製材屋さんから取り寄せることができた。しばらく前に、米松などの輸入材をやめて構造材を国産材に切り替えたことでできた山とのつながり、もしもこれがなければ買うことすらできなかったかもしれない。ちなみに床板は杉の30mmを貼っている。軒天なども然り、当たり前のものを当たり前に使っているだけだけれど、なんだかとても懐かしい良さを感じた。
ある時、ふと栗を使いたくなった。栗の丸太はどこにあるのか?群馬県の森林組合にはていよく断られてしまった。東北の岩手県にはまだたくさんの栗材があるらしい。ではそれをどこで買えるの?そしてどこで製材するの?寝かせるのは何年?製材ってどうやって目利きするの?誰に聞いたら良いかの暗中模索、でも困っている時は指導者が現れる、僕に丸太の目利きを仕込んでくれたのはなんと地元の木風堂の親父であった。そんなわけで最近は栗や桜、鬼胡桃の丸太を購入して製材所で製材し、1年間以上寝かせて造作材として使用するようにしている。うちの倉庫にはいつも100枚くらいの板がある、国産広葉樹の板を常にストック、これはとても大切にしていることだ。うちの大工さんはこの栗を使って建具の枠を作ったり、家具を作ったりの造作を楽しんでくれる。もっと難しい図面を描いてこい・・・、腕の良い大工はセリフまでかっこいい。

気をつけないと無くなってしまいそうな大切なものを、決して忘れないように大切にしたいと思う。僕たちはこの世代の責任世代である。もしも僕たちが亡くしてしまえば、子供たちの時代にそれは博物館の中のものになってしまうのだ。
(ベニヤのない家の建築後、52種類の空気環境測定の調査をしてみた。その結果検出されたのは、アセトンとαピネン。アセトンは配管工事の接着剤、ピネンは杉から放出する天然物質であった。)

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