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ますいいでは、古くなった物件を壊すことなく次の世代に引き継ぐお手伝いをしております。

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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

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増井真也日記

2021年6月アーカイブ

2021/06/30

午前中、埼玉県川口市にてたばこ屋さんの改修工事ご相談。長らく店舗運営をされてきたがだいぶ老朽化している店舗内装を綺麗にしたいというお話である。建物は雨漏りもひどく、既存のビニルクロスが剥がれてしまっている状況らしい。木造建築の場合には雨漏りをしていると石膏ボードがふやけてきて、仕上げが剥がれるという状況がよく起こる。場合によってはその部分の柱や梁が腐ってしまうこともある。さてさてどんな状況だろうか。まずは来週見にいくことにしよう。

午後、子育て支援施設のわいわいさん訪問。今ある既存の施設の2階をコワーキングスペースに回収したいというプロジェクトにあたりクラウドファンディングで資金集めをしてきたのだが、最終的な予算は100万円弱ということになった。・・・なかなか厳しい予算である。地元のボランティア団体の活動だけにどうにかして支援したいところだけれど、どこまでできるだろうか。なんとかある程度のところまで進められればと考えている。

夕方、近所の方で貰い火で火事になってしまった家の修理の打ち合わせ。それほどひどい被害ではないものの、それでも外壁の塗装が全て剥がれ落ちてしまったり、電気関係のボックスが溶けてしまったり・・・、やっぱりそれなりの被害はある。今回はたまたま風上側だったからよかったものの、風下側の家は六件が全焼しているのだ。風向きで運命が変わる、まさに紙一重なのである。

なんだか今日の日記を書いていると、僕の仕事はつくづく町医者のようだなあと思う。昔ドクターコトーという漫画があった。主人公のモデルは鹿児島県の下甑島にある「手打診療所」にて、30年間離島医療に携わってきた医師・瀬戸上健二郎である。瀬戸さんのような町医者外科医は、なんでもやったという。一度手術が成功すると、島の人は信用してくれて、わざわざ東京から帰ってきて瀬戸先生に手術をしてほしいと頼むそうだ。しかも何故か帝王切開まで・・・。全くの専門外でも頼まれればやる。そういうことになったのは離島という特殊性からなのだろうが、僕の仕事もなんだか同じような気がするのだ。

上記の3名のご相談はおそらくどんな会社でもできる工事だと思う。建築の工事自体は方針さえ決まってしまえば、誰でもできるのだ。でもその方針を決めるのが大変だ。十分ではないコストの中で何をやるか、そもそも施主は何をやってほしいか、一人一人に合わせてそこでの答えを考え、大抵の人は任せるよと言ってくれる中で、その人にとっての最善の答えを生み出すのはまさに町医者の如き仕事であると思うのである。町医者のような建築家になりたいと思って始めたこの状況、まさに今がそうなのだけれどやっぱり予想通り大変だ。答えのない模索・・・、工事・・・、笑顔。この繰り返しをずーっと続けていきたいと思うのである。

2021/06/28

今日は午後からスタッフ全員が集まっての研修会を開催した。今日の題材は松永現場管理室長による現場研修と、高崎分室の柳澤室長による中之条ビエンナーレの出展について。松永室長からの説明では、普段やっている現場管理の要点についての説明ということで参加者全員が興味深く聞いていた。

中之条ビエンナーレは、群馬県出身の柳沢君の思いから参加することになったわけだけれど、実際に作り上げる建築的オブジェは一つの古い古屋をスケルトンにして、屋根は野地板、壁は木舞竹下地の状態にして、光が透過するスケスケの状態にするというなかなか面白いアイデアである。建築と外部の狭間のような場所を作り上げ、空間の面白さを感じてもらおうという企画、まだ作業はだいぶ残っているけれど、みんなで協力してやろうという話にも向かっていった。

夕方はビールを買ってきて建築談義である。こういう時間を積み重ねた先に良いものを作ろうという意欲やアイデアが生まれてくるものだ。コロナ禍でなかなか外ではできないけれど、なんとかみんなでの研修も開催していきたいと思う。

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2021/06/25

午前中、埼玉県岩槻市にある円福寺さんの塀新設工事ご相談。立派な山門の両脇に造る塀についてイメージの共有をさせtれいただいた。

午後、東京都杉並区にて新築住宅を検討中のNさんご夫妻打ち合わせ。今日は田村くんと上原くんが二人でプレゼンテーションである。二人で一案ずつ、Nさんも嗜好の異なる二つの住宅の案を楽しそうに聞いてくれていた。住宅設計というのは、土地の形や施主の家族構成、予算、好み、・・・その他諸々の設計条件を伺った上で行うものである。当然二人でやっても同じ条件の中での提案となるわけだけれど、それでも全く異なる提案が出てくるわけで、つまりはどういう点を大切に扱うかによって同じ土地でも全く異なる住宅が建つところが面白い。

今回プレゼンした上原くんの案は玄関を敷地奥まで引き込むという操作をしている。通常の玄関は道路に面していることが多いが、ちょっと周りの住宅に目を向けてみれば確かに敷地奥に玄関がある住宅もあることに気がつくはずだ。庭を同然の一部とすることで得られるメリットとは、玄関という毎日の出入り導線と庭という場所が近くなること。その結果どのような魅力が生まれるかを想像したながらプレゼンを聞くのはとても楽しいものであるのだ。

2021/06/24

午前中は川口グリンセンターにて構造の耐力度調査立ち合い。今日はコンクリートのコア抜きを行うということで構造担当者の名和サンと田中さんが来てくれた。コア抜きは直径10センチほどの試供体を抜き取る作業なのだが、それを行うためには大工さんに内装を剥がしてもらわないといけないので、大工さんも登場しての作業であった。

意匠担当の佐藤研吾くんは屋根の上に登っての現状確認である。ちょっと急勾配の瓦屋根は歩くとヒヤッとするものだが、あまりに見晴らしの良い屋根の上はそのヒヤヒヤ感よりも開放感の方が優っていた。屋根に登ることができるメンテナンス用の梯子を登ると煙突のようなところから出ることができるのだけれど、こういう仕掛けは通常の家づくりでも取り入れたら良いのではないかの気がするくらいであった。やっぱり屋根の上は気持ちが良いのだ。

設備担当者のALL WINの藤木さん達も現状確認と今後の計画についての調査を進めてくれた。やっぱり心強いチームである。2週間後の提案の内容を楽しみにしたいと思う。下の写真はスタンド形式のカフェバーのように利用することを検討している増築部分の模型である。鉄で作った造形的な屋根の下にオープンなスペースを設けることでこちら側のメインの入り口として機能することを期待している。まだ具体的なことは決まっていないけれど徐々に進めていきたいと思う。

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夕方、今年3回目のますいい茶道教室。今日は小林さんと高野くんの二人が参加してくれた。新人さん二人の参加である。小林さんは2回目ということで、お辞儀の仕方や歩きかただけではなく、帛紗さばきや棗の清めかたなども稽古した。もちろん抹茶を点てみるの実践も行った。毎回自分でお茶を点てていると段々と上手になるものである。お菓子は東松山の清晨庵さん、変わらぬ美味しさに感謝感謝だった。

2021/06/23

僕の自宅を1年ほど前に造った。この建物はモデルルームとして利用しており、もちろん住んでいるから完全予約制ではあるのだけれど、ご希望があればご覧いただけるようにしている。その建物のアプローチ部分に照明器具を取り付ける場所があって、でも普通の器具をただ購入するのもつまらないので、川口で活動しているアーティストの高田さんに依頼していたのだけれど、それがようやく完成したのでご紹介したい。この丸い形は円相である。この住宅が2世帯住宅ということで、僕が書いた円相と僕の母が書いた円相を裏と表に鉄で表現している。微妙な掠れ具合は墨で書いた円相の掠れを鉄で表現したものだが、細い鉄筋棒を曲げたものに溶接のノロを散りばめての表現はなかなか幻想的で面白い。

問題はこの照明器具のスイッチが母世帯にしかついていないこと・・・。
せっかく取り付けたのに僕にはつけることができないものとなってしまったのが唯一の後悔であった。

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2021/06/22

午前中事務所にて雑務。

プランニングをしていると平面の形状について色々と考える。単純な長方形が最も合理的なことは十分わかっているのだけれど、それでもやっぱりこの方がいいんだよなあと変えてしまうことがある。埼玉県の坂戸市に作った庭とつながる家ではL字型の配置計画を採用した。ほぼ平家、一部が2階建ての各部屋は敷地の中右往に配置された庭に面していて、どこにいても庭を意識して過ごすことができるようになっている。リビングには庭に向かって座ったときの正面に薪ストーブを配置しているから、家族は自然に庭の方に向かって座るようになる。「庭とつながる家」とは、視覚的、物理的につながるだけではないつながり、意識的なつながりを大事にしているのである。

家には重心があると良い。重心とは心の集う場とも言える。冬、ストーブに向かって家族の団欒を過ごすとき、まさにここは家の重心と言える。そしてもう一つ家の重心となる場所こそが庭だと思うのだ。庭では色々な野菜を育てたり、花が咲き、木の実が着いたり、まさに生命の息吹きが感じられると共に子供たちが元気に遊ぶ場ともなる。だから家のどこの部分も庭に面するようなプランは例え少々非合理的なL字型のプランとなってしまったとしてもやっぱり素晴らしいと思うのである。

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2021/06/19

午前中、中古住宅を購入してリフォームを検討しているMさんご夫妻打ち合わせ。今日は目星の物件があるというよりは、一般的なお話を聞きたいという感じだったので中古物件を購入する際の考え方についてお話しさせていただいた。古い住宅を買ってそれをこの先何十年もの間住み続けていこうと考えるのであれば、それなりに物件選びには注意をしなければいけない。まずは構造の種別、鉄骨造のように比較的長持ちしやすい構造であれば信頼しやすいが、木造の場合は注意が必要だ。鉄骨造ならばなんでも良いかというとそうでもない。昔のセキスイハウスの軽量鉄骨造の家をリフォームしたことがあるのだが、壁の内部結露のせいで鉄骨の柱が錆びてしまいボロボロになっていたのを覚えている。軽量鉄骨の場合肉厚が薄いので、錆が発生すると穴が開くまでにそうそう時間がかからないのだろう。築年数が30年を超える建物の場合には、結露や雨漏りの形跡がないかどうかの調査を十分にした後でないと購入は控えた方が良いと思う。

鉄骨造の住宅をリフォームした事例としては荒川区の住宅がある。この住宅はもともと1階が八百屋さん、2階以上が住宅として利用されていた建築だけれど、構造が鉄骨造だから古くても安心して利用し続けることができる。写真は2階のリビングの様子だ。天井を剥がすことで高い天井高を確保し、開放的な空間を実現している。間仕切りの壁などが少ないのも鉄骨造ならではの特徴である。

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それに対して木造の場合はどうか。やっぱり一つの年代的な目安は昭和56年の新耐震基準以前かどうかではないかと思う。この年数以降であれば絶対に大丈夫という風には思わないけれど、大丈夫な可能性はだいぶ上がるのがこの年だと思う。あとはその住宅が建て売りなのか、それとも丁寧に設計された注文住宅なのかどうかが判断の目安となる。クライアントがいない状態の建売と、週に一回くらいの頻度で現場に顔を出してくれる施主がいる建物とでは当然作り手の丁寧さも変わると思うからだ。さらに判断材料となるのは、メンテナンスの頻度である。人間の体と一緒で、メンテナンスをしてあげれば建物は結構もつものだ。でも健康診断もしないで、暴飲暴食をし続けている人の体に無理がかかるように、雨漏り補修や外壁補修もしないで乱暴に使い続けている建築はやっぱり無理がかかっている。こういう建物は購入してもその後が大変な場合が多い。

中古住宅の購入には、それなりの調査をお勧めする。最終決断の前には専門家に見てもらい、メンテナンスにどれくらいの経費が必要かを把握してから購入することが大切だろう。

午後、OZONよりご紹介いただいたWさんご夫妻とのZOOM初顔合わせ。

夕方、同じくOZONさんよりご紹介されたSさんご夫妻打ち合わせ。夜9時ごろ帰宅。

2021/06/18

朝10時、川口市のグリーンセンターにてシャトー赤柴の耐力度調査にあたってのコア抜きに関する打ち合わせ。この建築は10年ほど前に耐震診断をされていてその時点では耐震強度が十分に確保されているという診断を受けているのだけれど、さすがに10年も経っていると今でもその強度があることを調査しなければいけないという決まりがあっての調査である。実際には壁のコンクリートをくり抜いて強度試験を行い、設計基準強度を超えているかどうかの試験を行ったり、コンクリート自体がどの程度中性化をしていてだから鉄筋が錆びてしまっていないかを判断したりする。今日は意匠設計担当の佐藤研吾さん、構造設計担当の名和研二さん、そしてコア抜きの調査をしてくれる業者さんがきての打ち合わせであった。12時過ぎ終了。

夕方スタッフの面接。今日は有給休暇の取得率を70%に上げようというテーマについて会長とスタッフで話し合いを持っている。まず大切なことはう有給休暇を取ってもいいんだという雰囲気作りだと思う。おやすみというのは皆がのびのびと働くことができる環境を整えるための大切な要素だからこそ、本当に達成できるように進めていきたいと思う。

2021/06/17

午前中は東京都新宿区にあるリビングデザインセンターオゾンさんにて、住宅の建て替えを検討している方のご相談。コロナウィルスの影響でこのオゾンも閉館していたのだけれど、今日は久しぶりにオープンしている様子を拝見した。普段当たり前に営業しているところが閉館んしているのはなんとも味気ない。今後はこのまま通常営業にいこうしていってくれれば良いと思う。

午後は自宅の茶室にて茶室の新築を検討中のAさん打ち合わせ。茶会というほどではないものの、でも茶室にお招きするとなると茶会のような感覚で準備をするものでなんとなく楽しいものだ。お菓子は東松山の清晨庵さんで購入した青梅、まさにこの季節にぴったりの意匠である。床の間には大宗匠の円相を掛けた。早くコロナが終わって平穏無事な世の中に戻ってくれれば良いなあの願いを込めた。世間ではワクチンの接種がどんどん加速しているそうだ。僕の年齢に順番が回ってくるのもそうそう遠くはなさそうである。まだ完全なものではないようだけれど、でもそれでみんなの安心が手に入るのでればやっぱり早く接種した方が良いと思う。健全な社会の情勢にはまず根底に健全な心の状態が必要だ。誰とあってもちょっっと咳をしただけで顔を背けなければならないような状態は早く終わって欲しいと思うのである。

2021/06/15

今日は雑誌チルチンビトの撮影立ち合いを行った。取材したのは10年ほど前に作った二つの中庭の家である。この住宅はご両親を亡くした女性が一人で暮らすための住宅である。ご両親の不幸の直後という時だったので、神田日勝の後ろ足のない馬の絵の模写を持ってこられて「これが今の私です、でも家を作れば後ろ足が生えてくるかも」のご相談のように家づくりの打ち合わせが進んでいったことを記憶している。道路側にオープンの庭を作るようなプランも作ったが、最終的には二つの中庭が室内空間と並列して配置されている今の案に行き着いた。中庭は外部とは外壁で隔てられており、日常の生活の中で完全に暮らしと一体化して利用されている。家には数匹の猫がいて、中庭と外とを自由に行き来している。この中庭は外部でもなく内部でもない、ちょうど中間領域として存在しているのだ。

床には杉板を貼っている。天井はラワン合板の柿渋染である。柿渋を塗る作業はもちろんセルフビルドで行なった。キッチンはモルタルキッチンだ。ますいいの左官屋さんが丁寧にモルタルを塗って仕上げた。素材の質感を大切にして、人工的な色などは極力使わないで仕上げている。中庭との境界は木製建具を採用した。これも大工さんによる手作りである。木製建具はアルミサッシよりも柔らかいイメージで仕切ることができるので良い。

この住宅は何となく胎内空間のイメージで設計されている。そこにいることで心が安らぐ場所、何となく安心できる場所とするにはの工夫である。家というのは華美である必要はない。家は人がそこで生きるための場所なのだ。生きるための場所の形は人それぞれであるが、僕はこの住宅がMさんにとっての生きる場所になっていると思っている。そういう家を作ることができたことは何より嬉しいことだと思うのである。

この取材の様子はチルチンビトの9月号に掲載される予定である。竣工から約10年の渋い住宅を楽しみにしていて欲しい。

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2021/06/13

今日は埼玉県川口市で開催してきた住みやすい街大賞2年連続NO1記念の川柳コンテストの授賞式を開催した。住みやすい街大賞自体はアルヒさんという住宅ローンの会社がさまざまな指標を分析して出しているもので、住みたい街ではなく住みやすい街、つまりは利便性とか求めやすい地価とかの現実的な事情で選定されているものである。今回の川柳コンテストは、市民自体がこの街のどんなところを住みやすいと思っているのかを抽出するとともに、さらにこの街に関心を持ってもらうきっかけになれば良いなあということで企画した。2000を超える応募があったりの反響の多さに感謝感謝である。開催にあたっては地元の金融機関さんたちや役所、商工会議所や一般企業さんの多くの協賛のもとに開催させていただいた。皆様のご協力に心より感謝したい。

授賞式には10名の受賞者が来てくれた。受賞者の中には高校生が3名ほどいた。小学5年生の少年もいた。彼は家族みんなで応募したら自分だけが受賞してびっくりしたらしい。授賞式を終えた後は皆口々に喜びのことばを口にしていた。市長と一緒に写真を撮る5年生の少年、僕と一緒に写真を撮る障害者の少年、皆それぞれに喜びの言葉を伝えてくれた。こういう姿を見るとなんだか本当に開催して良かったなあの想いを感じた。

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2021/06/10

今日は恩師の石山修武先生の個展に足を運んだ。場所は先生の自宅である世田谷村のある千歳烏山にある板金屋さんの工場である。工場の壁に展示されている作品の多くは今回のために作られた護符、銅版画が施された金属片の作品であった。今日はすでにオープニングから数日が経過していることもあり、多くの作品は僕も知っている知人たちによって購入されてしまっていた。その中でも最も存在感のある牛の護符、いいなあと思ってみていると「それは早稲田大学の渡辺先生が購入したよ」の一言。先を越されたなあの感であった。それにしても絵画から始まり、彫刻にいたり護符となるとまるで石山教の再現である。早稲田大学の教授時代、本当に早稲田の教祖のような存在であった石山先生だが、これはいよいよ本当にそんな感じになってきた。まあ僕にとっては昔からそんな存在であったのでたいして変わらないのであるが・・・。

人生の中で恩師と呼べるような存在に出会えたことは何よりもの幸せであると思う。普通に生きているだけではなかなか出会うことはできない人、親ではなく、でも親のように自分自身を厳しく見つめてくれて、そして愛情を持って指導していただいたと実感のできる存在、僕にとっての石山先生はそんな存在だ。今の僕は47歳、そろそろ僕自身がそんな存在にならなくいてはいけないなあと思うのである。ますいいにいるスタッフ一人一人と向き合って、そんな存在になってい行くことを目指そうと思う。それが「順送り」、石山先生から引き継いだバトンを次の世代に渡すことになるのだろう。

2021/06/09

10時過ぎ、埼玉県坂戸市にて工場兼住宅のリフォームを計画しているOさんご夫妻打ち合わせ。坂戸市というところは昨年Yさんの家を作ったばかりで、なんだかとてもご縁のある土地である。今回は鶴ヶ島インターを降りてすぐのところにあるのどかなで農村地帯の中にある建物であった。現場の近くにはなんとダチョウさんが飼われていたりもする。こんなところになぜダチョウ??の不思議を感じながら現地に向かった。

工場は古い楽器の修理や復刻をしている場所で、とてもおしゃれなお二人が楽しそうに楽器を作っている。みたこともない100年以上前のピアノを試しに弾いてもらうと、これ肩聞いたこともないビーンという音色である。ピアノの中身はまるで弦が無数にあるギターの如き様相で、その弦をハンマーのようなもので叩くと音が出る、こういう姿も初めて見るものであった。

ご相談の内容は展示室の内装解体と一部仕上げ工事である。今のところはこれだけしかやらない予定であるけれど、古い建築をリフォームしてある状態で購入し、その先をどのように使うかの悩みをかれこれ3時間ほどご相談しただろうか、この先の展望については無限の可能性がある。周辺の環境を見ても色々な意味でおおらかな雰囲気なので、今後の建築の成長と工房の成長がとても楽しみである。

2021/06/08

今日は川口市にある市民ギャラリーアトリアにて川口市が受賞した住みやすい街大賞2年連続NO1記念川柳コンテストの受賞作品の飾り付けを行なった。このコンテストはますいいリビングカンパニーが中心的に活動している川口裏路地実行委員会で企画しているもので、実は僕が実行委員長になっている。約2ヶ月間にわたり作品を募集したところ、とても多くの応募をいただき、その中から優秀作品を選定させていただいた。選ばれた川柳作品は大きな布に描かれてアトリアの空間いっぱいに展示されることになった。書を描いてくれたのは川口市在住の書道家さんである。今週いっぱいの展示なのでぜひ足を運んで欲しい。

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2021/06/05

午前中はセルフビルド講座に参加。今日はお客様と二人きりの講座だったのでなんだか世間話の様相であった。

午後、東京都杉並区にて新築住宅を検討中のNさんご夫妻打ち合わせ。ご家族4人で暮らすためのコンパクトな住宅を検討されているとのことである。Nさんご夫妻はシェアカーを利用していた。都心に住んでいると車を所有することはあまり大きな意味を持たないという。近所のステーションには乗りたい時に車があって、燃料費込みで一時間800円で利用できる。だから駐車場などを計画し、高い車をほとんど止めっぱなしで所有する必要もないのである。コンパクトな暮らし・・・これはなかなか面白い。コンパクトだからこその豊かさにつながる感覚なのだろう。早速プランを考え始めたいと思う。

先日、町田分室で作ったIさんの家を見学した。スタッフ全員での見学会、コロナの中で受け入れていただいたIさんご家族には心より感謝である。Iさんは東京都で新規就農を果たしたとても珍しい方である。(どうやら東京都で初めての人らしい)そのIさんが家を建てるということで、ご相談に来た。できればセルフビルドでそして安く、そして住みやすい家を作りたい。そんな思いを実現したのがこの家である。

セルフビルドをなるべく多くやるには、それに適した工法は何か?のスタディーの結果、角ログを積み上げる工法を採用することとなった。大工さんは全部で10人だけ、それ以外はセルフビルドで作りあげた。Iさん、奥様、そしてますいいのスタッフ、みんなの力で木を積み上げてできた住宅である。キッチンは細い角材を積み上げて作っている。これも小さなログみたいなもの、とにかく素人でもできる工法を採用した結果のデザインである。構造は名和研二さんの協力で作った。みんなで力を合わせて作られた名作、また一つ良い家が出来上がったと思う。

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2021/06/04

10時、埼玉県川口市にて洪水時の在宅避難施設の設計中のIさん打ち合わせ。本当なら昨年中に出来ているはずだったのだけれどこういう建築はやっぱり難しい。いつの間にやら2021年になってしまった。ここに至る経緯を思い出してみると、まず最初に2019年の台風13号の際に福島県で1階にいた寝たきりのお爺さんが亡くなったことが引き金となった。老老介護のご夫妻で、ご主人が奥様に俺は良いから一人で逃げろの言葉をかけお亡くなりになったという悲惨な事件を見て、なんとか家の中で力を使わずに逃げることができないかのスタディーが始まったのだ。僕たちはまず最初に、停電時でも軽い力で人を2階に持ち上げることができるための装置を開発した。場所は「押し入れ」の中、非常時にチェーンブロックで2階の押し入れに移動できるという装置である。初めはもっこという包み込む布によってIさんのお母さんを引き上げる装置を作ったが、やっぱり車椅子のまま上に上がれた方がいいだろうという意見もあって、箱を釣り上げる方式に切り替えた。これで2階までは上がることができる。問題はその先だ。2階の床は地上から3m、洪水時にはさらに1mほど上に上がりたい。そのためには、家の外に塔のようなものを作ればよい、その思いで考えられたのがこの避難観測所である。なんとか今年こそ、完成まで漕ぎ着けたいと考えている。

13時30分、川口グリンセンターにて大集会堂の改修工事打ち合わせ。今日は基本設計の進め方などについて意匠・構造・設備それぞれの項目について確認を行なった。この建物は築50年の公共建築である。元々この建築は、川口市で開催される国体を今の天皇陛下が皇太子様だった時代にご覧になる際に、川口市に宿泊するための施設として作られたものだ。もちろんそれで解体するわけにもいかず、そのあとはレストランや結婚式場として利用されてきた。今60歳以上の川口市民の中にはここで結婚式を挙げたという方が多くいる、そんな施設なのである。

数年前のある一時期、この古い建物は取り壊されるという話がまとまる寸前までいっていた。設備も古い、様式も洋館建築という具合に今の流行のスタイルには程遠い異建築だから仕方がないのかもしれない。でも僕にとってこの建築はとても思い入れのあるものだった。それはなぜかというと、天皇陛下がお泊まりになった部屋を記念館にするための改修工事を僕がやったからである。たったの5年前にそんな記念すべき工事をやったのに、もう壊すの?の疑問は当たり前である。当然ながら保存すべきの声を上げ続けた結果、保存及び利活用のコンペが開催された。そして僕がこの改修計画を任されることになった。だから一生懸命やらなければ行けない。

僕はこの施設の利用法についてワークショップを開催しようと思っている。メンバーには川口市内で木のおもちゃを作っている方、カフェの運営をしている方、地元の街づくり協議会を運営している方などなど、こうした方々が市民公園の中で何をしたいかを抽出し、そういう活動の拠点となるような場所としてのシャトー赤柴大集会堂のあり方を探り、この先も長く使われ続ける建築として生まれ変わることができたらなんと意味のあることかと思うのである。

2021/06/02

午前中、リビングデザインセンターオゾンさんよりご紹介された埼玉県さいたま市のSさん打ち合わせ。以前ミングルという単身者向けの小さなキッチンを作った別所沼公園の近くにあるマンションの別の階からのご依頼である。工事の内容はお風呂と洗面室、そしてトイレや左官壁の塗り替えといった内容だ。まずは造作で作るタイル貼りの洗面化粧台からご提案していきたいと思う。

・・・・・・こちらはミングルの発注者のブログだ。建築家がこうした理念と一緒に新しいキッチンを作るという動きは昔からあった。今は普通のシステムキッチンもそうして作られたものである。建築家は常に人々の暮らしに寄り添い、新しい暮らし方を描き実現する舞台を作り続けるのだろう。リフォームと言う行為も同じことなのだと思う。

・・・・・以下抜粋

テーブルサイズは95×95と大きくはありませんが、上下水道、IHコンロ、食器洗浄機が組み込まれ、簡単な料理と、食事と、片付けの機能がオールインワンになっています。

仕事をして帰ってきたらさっと野菜を洗い、
卓上のコンロで煮炊きし、
食べ終わったら食器も鍋もそのまま食洗機へ。
器はしまう必要はなく、食洗機から出してまた使う。

これまで「ズボラ」と言われてきたキッチンでの行動を促すデザインになっています。作業そのものは極限まで簡略化しながらも、生活の中で手作りの食事を中心に据え、健康的で幸福感の多い暮らしに変えることが目的です。

また、これからの時代は夫婦や親子間での家事シェアも一般的になっていくはず。ミングルは、そんな関係にフィットするよう設計しました。
リビングにキッチン機能を持ち込むことで、一人で料理を引き受ける負担も減ります。二人以上のくらしであれば、料理も片付けも一緒にやれば楽になるし、料理自体がコミュニケーションになっていきます。

やれる人がやる。やりたい人がやる。
みんなで、ぐるぐる料理する。
だから、ミングル。

"ミングル"は、もともと「入り混じる、混ざる、一緒になる」の意味で、シェアハウス的な住まい方を指す和製英語でもあるそうです。
家事をシェアして、場の中に固定化した関係性ではなく「人の循環」「作業の循環」を作り出せる、そういう願いもあり、愛称としてつけました。

ミングルをもっと実用的な内容と価格にして、販売するという商売もあるかもしれません。あるいは自分の料理スタジオや料理サロンとして、使うことも。

でも、私がいま望むのは、もう少し別のことなのです。

ミングルは、このキッチンそのものを指すというより、こうしたキッチンを中心に繰り広げられる、人々の新しいライフスタイルの概念です。ミングルは、簡素でありながらも、家族のコミュニケーションや、料理の時間を楽しむことを大切にする生活をめざしています。
これからの時代は、こんな食卓のあり方が好ましいのではないか、そんなことをみんなで語り合うための場でもあります。ミングルをきっかけに、これからの新しい家族のくらしを発信したい。

ですから、これを使ってどんな楽しいことができるか、どんなクリエイティブな生活が考えられるかを、今からみなさんと一緒に考えてみたいのです。

誰もが家のごはんで癒され、食卓の力を信じられるようになること。
自分たちの豊かな食を、新しいやり方で一緒に作っていきませんか?
それが、このミングルに込めた、私のメッセージです。

2021/06/01

10時、フェリカ建築学院の上野さん面接。この学校からは柳沢くんや上原くんの二人がこれまで就職してきてくれたのだけれど、家づくりに関するとても専門的な教育をしているとても面白い学校だ。場所は群馬県の前橋市、専門学校として建築設計を教えているのだが、何年かに一度本当に家を作ってしまうという活動をしている。作った家は建て売りとして売却するのだが、いわゆるそこら辺にあるようありふれた建売住宅ではなく、学生たちが議論に議論を重ねて作り上げたいわゆるアトリエ系の住宅としての建売住宅なのである。上野さんもこの活動に参加してきたというからとても期待のできる学生さんだ。そして何よりもそんな教育を続けているフェリカ建築学院の学長さんに敬意を表したいと思う。

夕方、知人のお母様のお通夜にて受付のお手伝い。親の死というのは経験したことはないけれど、きっととても大きなことなのだと思う。葬儀の喪主を務めるなどまだ想像しないけれど、でも誰にでも来る順番のお勤めであるのだ。一緒に受付をした仲間ともなんとなく親孝行の大切さを話し合った。生きているうちにしかできないことをしていきたいと思うのである。

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