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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

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増井真也日記

2021年3月アーカイブ

2021/03/31

午前中、埼玉県川口市にてリフォーム工事を検討中のYさん打ち合わせ。Yさんは僕の子供たちが小学生の頃にお世話になったアート教室の先生で、この度老朽化した賃貸の教室の近くに中古の建物を購入し、そこをリフォームして教室に使用という計画である。建物は築50年以上たつなかなかに年季の入った建築だ。構造計算に基づいて緻密に建てられたというよりも、経験と勘に基づく手作りトラス柱・梁という代物であるのだけれど、その状況が妙に安定感があって面白い。きっと熟練の鉄骨職人の手によるものだと思う。外壁はリブラスにモルタル塗りという簡素なものだ。1階部分は倉庫のように使用されているので、もちろん断熱も入っていない。トイレに至っては扉もない簡易間仕切りの裏側に置いてあるだけ・・・、これはなかなか見ることが出来ないシュールな姿である。マルセルデュシャンの泉をほうふつとさせる感じにちょっと笑みがこぼれる、そんな感じかな。

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と冗談はさておき、これほど年季の入った建築を再利用する価値はある。大概の人は古いものをすぐ壊す。でも建築の魅力は古くなってからが本番だ。そしてその魅力は使い手によってさらに高みへと昇っていく。皆さんも新しいピカピカの施設を見て感動したことなんてほとんどないと思う。それよりも創意工夫してその人と建築がマッチして、ちょうどよい状態に磨きこまれている今のその瞬間に心を動かされる方が圧倒的に多いと思うのだ。

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この建物は入笠山にあった入笠小屋である。この小屋は詩人の尾崎喜八さんが戦火を逃れるために疎開したときに作ったとのことだが、しばらくは小間井さんという初老の主が宿泊客を迎えてくれた。

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写真のガラス張りのリビングは小間井さんの手によるセルフビルドだ。聞くところによると毎日、毎日セルフビルドでどこかしらを手直しし続けているということ。。周りを見回してみると、例えば杉の貫板という雑材料で窓枠を作っているところもあれば、本当にこれでよいの?と疑ってしまうような暖炉、連続してガラスがはめ込まれている普通に作れば多くのコストがかかりそうな羽目殺し窓が90角くらいの雑材でいとも簡単に作られている様子、どうやって防水しているのかまったくわからないような3階に作られた露天風呂、そしてそこに上っていくためのくねくねとした長い長い渡り廊下、ここには一般常識では考えられないような自由な建築があった。

日本の建築は高すぎる、これは歴然とした事実だ。この建築は小間井さんの手によって、法律も一般的な収まりもすべて無視した自由な作品である。そして、ものすごく安く作られている。虫が入ってきたり、隙間風が吹いたりの苦労は当然ある。しかし、肌寒い季節に暖炉に火を入れてゆったりとくつろいでいるとき、そんなことすら愛おしく思えてくるのだ。

この建築は小間井さんが亡くなる前に焼失してしまった。というより建物が燃えて、小間井さんが亡くなったんのだけれど、死期を悟った老人が燃やしてしまったのかなあと思うくらいに、小間井さんの人格と本当にマッチしている小屋だった。僕はこれ以上に素晴らしい建築と出会ったことがない。そしてこの建築はもう二度と見ることが出来ないのである。そして今回の工房もこんな風になれば良いなあと思うのである。

2021/03/30

午前中モキ製作所の坂本さん来社。2月にストーブを設置したことがご縁でますいいでもモキ製作所の薪ストーブを販売することが出来るようになった。

僕は住宅には重心があると良いと思う。重心というのは何かというと、どこにいても家族みんなの意識が向かう場所とでも表現するのが良いだろうか。多くの家ではこの重心にテレビがあるのだけれど、それだとやっぱりなんか物足りないわけだ。僕はそこにストーブがあると良いと考えている。人間は本能的に火に集まる生き物なのだ。炎を見ていると、何となく心や安らぐ。語らいの口調も和らいでくる。時がたつのも忘れて生まれるひと時、それこそ本当の家族の団欒と呼ぶべきものだと思うのだ。

ストーブを入れるかどうかは初めに決めた方が良い。ストーブにふさわしい場所を設計するにはやはり初めから決まっていた方がやりやすい。ストーブには薪ストーブとペレットストーブの2種類がある。薪が手に入るのであればもちろん薪ストーブの方が良いのだが、その入手が難しいなどの理由があればペレットでも同じような雰囲気は味わえる。薪ストーブに決定したら、次は機種の選定だ。輸入品の場合は鋳物製であることが多く、国産の場合は板金で造られていることが多い。これはストーブの文化の違いだと思う。

モキ製作所の様にスギやヒノキ竹といった日本で手に入りやすい樹種を燃やすことを前提として制作しているものもある。これはどのような樹種の薪が手に入りやすいかという問題と関連してくるが、もしも近所の山で薪を手に入れるなどというのであれば針葉樹の方が手に入りやすいかもしれない。ますいいでは建材の廃材を薪に使用しているので圧倒的に針葉樹の方が多くなるわけだ。
機種を決めたら煙突の出し方を決める。煙突の位置は機種によって異なるので決まったらストーブの図面を入手する。煙突は2年に一度くらいは掃除をしなければいけないので、屋根に上りやすいような設計をしておく方が後々の為である。あまりに急こう配で屋根の上に立つことが出来ないというような設計は避けるべきであると思う。

ペレットストーブの場合煙突というよりは、排気ガスを出すための管を壁から出すことになる。これは煙突ではないので、屋根の上まで上げるような工事は必要ない。こちらも定期的な清掃の為にテラスなどから手が届くところに設置することをお勧めする。これで僕が好きな家づくりの為のストーブを自分で販売することが出来るようになった。もちろんますいいの事務所でも実際に体験できるので是非ご覧いただきたいと思う。ちなみに上に載っているのはスノーピークのパーコレーターだ。これで入れたコーヒーが僕はとても好きだ。

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2021/03/26

朝10時、埼玉県さいたま市にて数年前に造った住宅のリフォーム打合せ。今年に入って2件目の子供部屋の間仕切り工事についてのご相談である。現場の状況は将来二部屋に分けることが出来るようにそれぞれのスペースに窓を配置し、コンセントやスイッチなども取り付けられているように造られているので、そこにどのような間仕切り壁を造るかの点さえ考えれば良い。今回は天井までの高い壁を造るのではなく、2m程度の壁で間仕切り、その上は開放とすることで圧迫感がないようにすることを考えた。壁はT字型に配置され、Tの上の部分が廊下との間仕切り、下の垂直線の部分が子供室同士の間仕切りである。2mの高さには梁を取り付けて安定させ、子供がぶら下がったりの行為にも耐えることが出来るようにしている。間仕切り部分は、柱の片側からだけシナ合板を貼ることで、貼っていない方からは本棚として利用できるようにした。狭い空間をどのように有効利用できるかの工夫である。下の写真は以前造った子供室の間仕切り壁の様子である。10.5センチの隙間がいかに大容量かがわかる写真だ。

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2021/03/25

今日は埼玉県川口市にて完成したKさんの家の雑誌チルチン人の取材に立ち会った。撮影には編集長の山下さん、カメラマンの秦さん、ライターの松岡さんの3名が訪れてくれた。僕は朝一番に地元川口市に依頼されている公職の保育園施設認可部会があったのでそれに参加し、終了後駆け付ける形となったのだが、現場ではすでにクライアントのKさんへのインタビューなどが始められているところであった。僕への質問にはあらかじめ答えを印刷しておいたので、到着後に一つ一つご説明させていただいたのだがこの住宅ではやっぱりこだわって使用した杉などの自然素材の話が中心となった。(内容は3月20日の日記に記載)

この住宅で使用した杉は栃木県の八溝山系で育った。八溝山系というのは栃木、茨城県に渡る低い山岳地帯で良質な杉が採れることで知られている。僕は昨年からこの八溝山系に添って流れる那珂川という川でカヤックやキャンプをしているのだが、この川は季節になるとたくさんのアユが採れたり、サケが遡上したりしてくるという場所で東京近郊のとても豊かな自然だ。翡翠やしろさぎなども毎回のように見ることが出来るし、すぐ近くで漁師がイノシシを解体しているとその上に鳶が数十羽も集まってきてその場をきれいにしてくれる様子なんかも見ることが出来る。山の木を積極的に使う事でその山が豊かになり、その結果そこから海に流れ込む川も豊かにすることが出来る。そしてそれは僕たちのふだんのくらしを支えてくれる海の漁業にも良い影響が生まれる、そういう循環を体で感じることが出来るのである。

そしてもう一つ、この現場で多用している栗の木は岩手県や北海道で採れた丸太の買い付けをして製材したものだ。もしも埼玉県の材木屋さんに栗の板を注文したらとてつもない金額を言われてしまうところだけれど、丸太の状態で購入し製材して1年間乾燥させてから使用すると、立米単価は20万円位で使うことが出来る。歩留まりが50%くらいなので実際には50万円見て置けば足りる事を考えると、中国産の運杉などと同じ価格で国産広葉樹の枠やカウンターを造ることが出来ることになるのでとても良い。栗の木は何となく黄色っぽい色をしていて、木目もとても柔らかい印象だ。ほかにも桜の木を玄関カウンターに使ったが、これは逆に赤身に魅力がある。下の写真はそのカウンターの様子である。

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最近は撮影の様子も様変わりしていて、この現場の上棟の様子はドローンを飛ばして空からの撮影を行っている。今日はさすがに空撮はしていないけれど雑誌の出来上がりはとても楽しみなところだ。

2021/03/24

10時過ぎ、埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家の打ち合わせ。いよいよ確認申請作業も終わり工事に入る段階である。契約を来週に控え、最終的な見積り書の確認などの打ち合わせを行った。

Hさんの家ではアグニというメーカーの薪ストーブを取り付けることになった。国産でデザイン性もよく大型でなかなか良いストーブだと思う。僕は基本的にストーブを取り入れることが好きなのだけれど、ストーブのデザインもいろいろあるので知っておくと面白い。

薪ストーブには鋳物でできたものと鉄板を曲げて作ったものの2種類がある。鋳物というのは型を造ってそこに溶けた鉄を流し込むことで形作られる。板金の場合は厚い鉄板を曲げたりボルトで固定することで形作られるのでそもそも製造工程が全く違う。鋳物というのは型を使用するから様々な造形を大量生産することで低価格で施すことができるという特性があるから、鋳物のストーブの場合は装飾的である場合が多い。例えばマンホールなども鋳物でできているが、その表面にご当地の風景などが描かれているのも鋳物ならではなのである。それから鋳物という素材は熱しにくく冷めにくいという特徴がある。それに反して板金はすぐに温まりすぐに冷めるので、事務所などのように出たり入ったりの箇所には板金のほうが適しているといえるだろう。しかしながら高温域を保つために使用する薪は板金のほうが多く必要であるわけだから、一長一短を理解して選択することをお勧めしたい。

2021/03/20

今日は埼玉県川口市にて完成したKさんの家のオープンハウスを開催した。Kさんは2011年に造った北の常緑ハウスのお施主さんのご紹介である。北の常緑ハウスは渡邊篤史の建物探訪に登場したのだが、Kさんの家も建物探訪に出るような家にしたいというお話を受けた。土地の購入前に一緒に敷地を見に行って、気に入ったという旨を伝えられ、この景色や陽当たり生かして心地よい家を造ってほしいと言う事を依頼されたことを記憶している。以下にポイントを記載する。

設計するうえで重視したこと、その理由や背景
クライアント主体の自由な家づくりを実現するために、設計時点から積極的に家づくりに参加していただき、工事中も多くのセルフビルドを行う事で「自分の家は自分で造る」の実現を目指した。設計は基本設計から実施設計まで、多くの模型を作成して丁寧に行った。古い街並みに自然に溶け込む印象的な外観を造り上げた。

設計施工のコンセプト、ポイント
傾斜地からの眺望を暮らしの中に取り込むことを意識して、舞台のような外観とした。南側に面する窓からは近隣住宅の屋根が見渡せる。そしてその向こう側には反対側に上っていく坂がある。この伸びやかな景色に向けて長い階段状のベンチが配置されている。南の開口部を強調するために南側の天井はあえて低く抑えている。リビングにはペレットストーブを配置し、火が家の重心にあるようにした。

住まいへのこだわり
今回の家づくりでは、ビニルクロスなどの工業製品を仕上げに使用しないことを目指した。八溝杉の天井羽目板や家具の造作材、唐松のフロアリング、丸太で購入して製材した栗や桜の素材をふんだんに使用し、壁などの仕上げには左官屋さんの指導を受けながらセルフビルドで漆喰を塗り上げた。キッチンや洗面の前にはタイルをセルフビルドで施工している。照明カバーなどの部材も杉を使用して優しいデザインを考案している。

家づくりの過程で印象に残っている事
・タイルのセルフビルド(ますいいスタッフによる指導)
・漆喰塗のセルフビルド(左官職人による指導)
・植樹のセルフビルド
・床のワックス塗のセルフビルド
・外壁の撥水材のセルフビルド
・ウッドデッキ塗装のセルフビルド

以下はオープンハウスにいらしていただいた北の常緑ハウスのクライアントの木村さんに撮影していただいた写真だ。こんなことまでして頂いて・・・、本当にありがとうございました。

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天井には八溝杉、床には唐松を使用した。

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キッチンタイルはセルフビルドで施工した。

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南側には連なる屋根が見渡せる。

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テレワーク用のワークスペース。

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照明カバーは僕がデザインして大工さんに造ってもらった。

2021/03/18

今日は埼玉県川口市にて完成したKさんの家の植木を購入するために川口市の安行にある樹里庵という場所を訪れた。ここは生産者が直接僕たちのようなエンドユーザーに植木を売ってくれる場所なのでとても多くの種類の木がとてもお手頃なお値段で販売されているのでお勧めだ。もともと安行というところは植木の町として有名で、その昔は染井吉野の生産を多く手掛けていたらしい。僕たち川口市民にとっても安行は何となく誇らしい場所なのである。

今回選んだ木は、「ナンテン・馬酔木・雪柳・レンギョウ・山茶花・ヒイラギ・紅葉」の7種。季節を感じることが出来るようなお庭にしたいという奥様のご希望を伺ったうえで僕が選定させていただいた。植え込みはKさんとスタッフの堀部との二人で約1時間ほどの作業であった。木々の成長と共に楽しい暮らしが営まれていくことを期待したいと思う。

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2021/03/17

先日工房集という障がい者支援施設を訪れた。この施設は重度の知的障がい者の支援をしているのだが、そこにいる障がい者の人たちが作った作品をアート作品として発表し、それを収益に繋げているとても面白い施設である。

もともとは企業の下請け仕事をやることで、障がい者の仕事にしていたそうなのだが、地元の企業から「ここは遅くて、量が出来なくて、正確ではない・・・。」と言われてしまうような、無理や疑問を感じる状況だったそうだ。そんな中で絵を描く事、ものを造る事を楽しんでいる、それもとても独創的で味があり、見たこともないような世界観がある、そんな表現をする障がい者たちを見ているうちに、これこそまさにここにいる障がい者の仕事にするべきことなのではないかと考えて今に至ったという。

ますいいではオリジナルのセルフビルドエプロンをデザインしているのだが、このエプロンの記事に工房集の作品を使用する予定だ。使用する予定の金子君の名言集にこんな言葉が書いてある。

「夢はいつまでも思い続けることが大切です。もしかしたらとってもいいことがまいおりてくるかもしれないし、それはきっときれいなものだとおもいます。その日までまっていよう。きっときっとかなう。」

なんだかうなずける、こんな言葉を詩集にして発行している金子君も障害を持っていると聞くと驚いてしまうが、そもそも知的障害というものも一つの個性であるので、彼が持っている素晴らしい所を生かして表現をしているということなのだと思う。

14時、わいわい広場さん訪問。ここは川口市幸町の藤の市商店街にある、子育て中のお母さんとお子さんが遊びに来る子育て支援施設である。今回はこの2階を改装し、いろいろな人が集う場として利用していく計画をご相談された。もちろん費用はとてもお安くと・・・。地元のボランティア団体からのご依頼を頑張らないわけにはいかない。うーん、ここは一肌脱ぐとしよう。

2021/03/15

埼玉県川口市にて進行中のOさんの家の現場管理。「自然素材の家造り・森の生活」仕様で設計をした現場では現在断熱材の工事が進んでいる。この現場ではウールブレスという羊毛を原料とする断熱材を採用しているがこれがなかなか良い。この材料は家の中の湿気を吸収してくれるのが特徴で、ペットボトル100本以上の水分を吸収するというから驚きだ。施工してみるとなんだかセーターに包まれているようで心地よい。大工さんもなんだか心地よさそうである。

平面計画はC字型の形状をしていて、真ん中に中庭を設けている。中庭に対してどこにいても開放的に窓を設けることで、子供たちが庭で遊んでいたりの時も安心して過ごすことが出来る。リビングには薪ストーブを設置している。いつも過ごす場所にはやっぱりストーブが良い。揺らめく炎を眺めているだけで暮らしが豊かになるような気がするのだ。

工事途中、間仕切り壁を設置するのをやめてしまった箇所がある。現場でリビングを眺めていたら開放的にした方が良いかなあと思ったので設計を変更することにしたのだ。リビングの天井は5面の勾配天井とした。こうすることで住宅の中心を空間から感じることが出来るような効果を狙っている。とにかく完成が楽しみな住宅なのである。

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2021/03/13

今日は10時よりセルフビルド講座を開催。合計8名の参加者のお越しいただき、いつものようにセルフビルドについてのレクチャーを1時間程行わせていただいた。レクチャーが終わると続いてタイル貼り講座の実演である。ワークショップでは30センチほどの板にモザイクタイルを貼る作業を行っていただく。2センチ角ほどの小さなタイルをさらに小さく割って好きな配置に並べていくと結構かわいい鍋敷きが出来る。予定では1時までのところだが、ついつい時間が長引いてしまう楽しい作業である。

15時より、埼玉県川島町にて新築住宅を検討中のNさんご夫妻打合せ。場所は10年程前にますいいで造ったアスタリスクカフェのすぐ近く、歩いて10分ほどの距離である。Nさんはこの場所で革製品の工房を営む予定だ。今回はその工房兼住宅、延べ床面積を25坪ほどにした小さな建築を計画している。すでに一緒に購入前の敷地を拝見しているのでイメージは共有できているが、今日は第1回目のプラン打合せを行った。川島町というところはとてものどかな田園風景がある。最近は圏央道が開通したけれど、電車もないし結構不便なところなのだ。この不便というのは大切なところで、だからこそいまだに田畑が広がる景観が残されているし、そういうところだからこそわざわざ車で川越などの近隣地域からカフェにコーヒーを飲みに来てくれる。農村の開発は一度されてしまうと再び農地に戻ることはほぼ不可能といってよい。農地にならずとも建設会社の資材置き場などになり果ててしまえば景観などと呼べる状態には絶対に戻らないだろう。美しいと感じる状況を維持できているこの周辺の町並みは埼玉県にとって本当に大切な資源かもしれない。こういう場所でモノづくりを行うことが出来るNさんは本当に幸せだなあと思うのである。

2021/03/12

今日は埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家の地鎮祭を行った。神主さんはいつもお願いしている川口市の氷川神社さんである。10時過ぎ現場につくと既に神主さんもHさんご夫妻も現場に到着していたので、早速準備に取り掛かった。Hさんのご実家には竹が植えられているので今日は本物の竹を使って祭壇を組むことにした。10年以上前までは川口市にも多くの竹藪が残っていて、そこで地鎮祭に使用する竹を分けて頂けたのだけれど、最近はどこもかしこも造成工事などで姿を消してしまったから、プラスチック製の竹を使用することが多くなっているのだ。

地鎮祭は晴天の中滞りなく執り行われた。広大な敷地に家を造る計画がいよいよスタートする。気を引き締めて取り組んでい行きたいと思う。

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2021/03/11

今日で震災から10年がたった。津波、福島の原発の爆発、これまで見たこともないような現実と向き合う中でいろいろなことを考えたことを思い出したが、あのの時考えたことの多くは既にどこかに無くなってしまったような気もする。突然陥れられた非現実的な現実のなかでしか思うことが出来ないこと、そういう事を普通の日常の中で意識することは意外と難しいのだと思う。

10時、埼玉県さいたま市にて設計中の茶室打ち合わせ。28坪ほどの土地に建蔽率ぎりぎりの16坪ほどの床面積を確保し、茶事ができる4畳半とお稽古ができる8畳の茶室を考えている。4畳半は裏千家の又隠茶室をイメージしているのだが、やっぱり躙り口から入るのがいいかなあと言う事で玄関周辺の土間を路地に見立てた設計とした。

玄関を入るとすぐに3畳ほどの待合がある。待合には小さな床の間があり、軸や花を飾ることが出来るようにした。3畳の待合からまた玄関に戻るとそこには蹲があって、そのまま躙り口へと向かうことが出来る。躙り口を入ると上座床の茶室となっている。躙り口の上には路地に見立てた玄関に面して連子窓を設けた。路地をまっすぐ進むと8畳の入り口がある。ふすまを開けるとこちらも上座床の8畳間である。南側に面する壁には一面に障子を設け明るい空間とした。風炉先窓はあまり開けることはないけれど、その向こうには思い出のツバキが植えられている。

水屋はなるべく広くなるように設計した。いわゆる水屋とその横にミニキッチン、茶事の配膳が出来るカウンターも設ける事にした。トイレの前にはかぎのかかる袴脱ぎ、これは男性にはとてもありがたいスペースである。2階には様々な道具を保管する倉庫スペースを設ける事とした。茶道具はついつい増えてしまうのでこういうスペースはとても大切だ。茶室は空間と共にその人の動きを設計するのが楽しい。広大な庭があったりの条件でなくとも工夫次第で何でもできる。限られたスペースの中でどの様にスムーズに茶事が出来る空間を生み出すことが出来るかの想像こそ設計の醍醐味のような気がするのである。

夕方、スタッフを招いて自宅で茶道教室を開始した。震災から10年を経たこの日を境に月に1回だけだけれど僕がこれまで経験させていただいた茶道を誰かに伝える事にした。僕が茶道を始めたのは2010年の10月、ここまで辞めずに続けたのだからそろそろ誰かに伝える役割も果たすべきのような気がする。まだ早いかもしれないけれど、でもこういうことを始めてみないと自分自身もこれ以上成長しないような気もするのである。

初めての稽古、一体何を教えたら良いのやらということで、まずは一服のお茶をふるまうことにした。炉に炭をおこし湯を沸かし、その湯で点てた薄茶を一服飲む、まずはそこからスタートした。お稽古中の話はどうしても茶室の話になってしまう。でもこれは仕方がない。だってその専門家なのだ。そうだ毎回一つの茶室について紹介してあげるのもいいだろう。割り稽古は確か盆略点前の部分的な指導だったから僕もそこから始める事にした。今日は袱紗捌きを教えたが、次は・・・。やっぱり人に指導するのはなかなか難しい。これまで以上に勉強しないといけないなと思う。

いつまた大きな災害が起きるかもしれない。その時に誰がどんな風になるか、そんなことはだれにもわからない。僕が好きな言葉にトゥインビーという人の言葉がある。
「理想を失った民族は滅びる」
「歴史を失った民族は滅びる」
「物の価値をすべてと捉え心の価値を失った民族は滅びる」
僕にとって茶道はこんな言葉に心を動かされて始めた行為だ。そして建築を通してそれを行う場を造る事もまた大切な行為だと思う。自分が大切だと思う事を行う事、それ以外にいつ起こるかわからない災害に備える行為など存在しない。だってずっとどこかに隠れていても仕方がないのだ。まずは月に1回のお稽古、これを一年間続けてみようと思う。

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2021/03/08

セルフビルド講座の時に行うワークショップについて考えていたのだけれど、家づくりで使用している八溝杉の板材を細く割って箸を造ってみたらこれがなかなか良い具合であった。これを伊藤さんに言ったらスプーンを造ってみたらどうかというので試してみたら、下の写真のようなスプーンが出来上がった。なんともいびつであるけれど、これがなかなか味が合ってよさそうだ。杉という木は柔らかいから小刀があれば簡単に加工することが出来る。かかった時間は約2時間というからワークショップにはちょうど良い。と言う事で4月のワークショップは「八溝杉でスプーンを造ろう」に決定した。もちろん好評のタイルの鍋敷きは継続するつもりである。どちらかの選択制という形が良いかなと思っている。

材料となる杉材は家づくりで使用した端材だ。そのまま産業廃棄物にしてしまえばゴミになる。でも細く割ってスプーンにしたり箸にしたりしたらまた別の命を持つことが出来る。同じものでもゴミにするか資源にするかは僕たち次第なんだと思う。木が育った山は栃木県の八溝山系である。この小さな端材を加工しながら、何となく山を意識してくれたらなんと素晴らしい経験かなあと思うのだ。

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2021/03/07

今日は僕の家のお墓の移動の儀式を行った。もともと僕の家は世田谷区の千歳烏山にある浄土真宗のお寺にお墓があった。川口市に住んでいるのに何で世田谷区の千歳烏山なのかというと、日暮里のあたりにあった寺町が戦争によって移動したことによるらしい。まあそんな状況になった後に僕は生まれたわけなので、それに対する違和感のようなものは特になかったのだが、かれこれ11年ほど前に裏千家の茶道をはじめて禅に触れる機会が増えるにつれて、そもそも浄土真宗という宗派よりも禅宗に興味が移ってきたことが今回のお墓の移動のきっかけとなったのだ。

茶道をやっていると座禅を組む機会が増える。座禅は禅宗の修養の一つで足を組んで座る行為の中から自分自身を見つめる時間を過ごすものである。茶道と座禅が直接的に関係あるわけではなく、茶道をやっていると座禅の体験をすることが増えるという事なのだけれど、やっぱりこういう事を体験しているうちにいろんなことを考えるきっかけとなったことは確かなのである。その他にも茶道では床の間に軸を飾るのだが、そこには禅語が書いてあることが多い。例えば「一期一会」とか、「松に古今の色なし」とか・・・、こういう言葉を何度も何度も見ているとやっぱり禅というものに関心がわく。だって茶禅一味なんていう言葉があるくらいなのだ。

そこで今回、埼玉県川口市にある臨済宗の長得寺というお寺にお墓を移すことにしたわけである。小松石という石を磨き仕上げにしないで使用することで、ちょっと侘びた雰囲気のデザインとした。ちなみにこのお団子のような形は禅宗のお墓の基本形である。ご先祖様のお骨をおさめお経をあげてもらうと何となくお墓として機能を開始したような気がするものだ。これからはこまめにお墓参りをするようにしようと思う。

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2021/03/06

午前中、地元埼玉県の裏千家淡交会役員会議に参加。これまで埼玉県の支部長を務めてこられた相川元埼玉市長がお亡くなりになって新たな支部長が決まったとのことで参加させていただいたのだが、コロナで久しぶりにお会いする顔ぶれに何となく懐かしさがこみあげてみた。これまでは当たり前に会うことが出来た人たちと会うことが出来ないというなんとも不自由な状況だけれど、やっぱりZOOMよりもリアルでお会いする事こその交流であるなあと思うのである。

午後、東京都文京区にて新築住宅を検討中のSさんご家族打合せ。今回は第1回目のプレゼンテーションということで、3階建てのプランを80㎡と90㎡の2パターンでご提案した。都会の狭小住宅はこれまでも多く作ってきたけれど、この広さの中での10㎡というのは、空間の伸びやかさや広がりを体感できるプランにするうえでものすごい効果がある。たかが10㎡されど10㎡なのだ。

相撲の桝席だって昔は座布団を4枚敷くことが出来る4尺(120センチ)四方だったという。でも昭和の時代になって130センチ四方になった。令和の人間のサイズに合わせたらそろそろ140センチ四方に変更されても良いかもしれないが、このたったの10センチで4人の人がゆとりをもって過ごすことが出来る空間になるのだから狭い中での小さな寸法は侮れないのである。

2021/03/03

午前中、東京都世田谷区にて飲食店と住宅の新築工事を検討中のSさんご夫妻打合せ。コロナウィルスによる影響もあった50歳となる年にこれまで長年勤めてきた飲食店を退職し、新たに自分自身のお店をスタートしようという計画である。まだ具体的な場所などは未定だけれど、こういうことは考え始めた時がその計画のスタートである。土地を探してみたり、はたまた中古の物件を見てみたりの行動をしているうちに運命的な出会いとなった場所で計画を進めていけばよい。思いがなければ何も先には進まないし、思い始めた時点ですでに計画は少しずつ進んでいるともいえるのだろう。

飲食店というとアスタリスクカフェを思い出す。早期退職をしたご主人と奥様のお二人で訪れたときに言われたことが1200万円でお店と住宅を造れないかという事であった。退職金の2000万円の内700万円は土地の購入に使ってしまったと言われたときは思わずお断りをしようとしたわけだけれど、どうしてもという熱意にこちらも熱い気持ちになってお仕事をお受けしたことを覚えている。そのアスタリスクさんもかれこれ10年間、順調なお店の運営を続けてくれている。途中増築のご相談もあったのだけれど、無理せず二人で運営できる範囲で続けていたことも良かったのかもしれない。先日久しぶりにコーヒーを飲んできたのだけれど、お二人の変わらないお元気そうなお姿を拝見してとても嬉しい気持ちになった。これからも末永く営業してほしいと思う。

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2021/03/01

3月に入り、陽気もなんだか暖かくなってきた。梅の花が咲き始め、花粉が飛び始めるといつの間にやら季節が変わったんだなあと感じるが、これで少しはコロナも収まってくれると良いと思う。庭には花が咲き始めている。椿の花も次々と開花しているし、白いクリスマスローズもだいぶ咲き出した。少しずつ切って来ては事務所の小さな花瓶に生けているが、こうして季節の移ろいを感じられるのは何よりもの楽しみである。こういう事に気が向くようになったのは最近の事だ。茶道をやっていても花だけはどうしても苦手で覚える気にもならなかった。それがどういうわけかこういうことに小さな感動を覚えるようになったのだけれど、これも年齢のせいなのかなあと思う。

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夕方、埼玉県川口市にて設計中の工場の2階に造るギャラリーについての打合せ。前回ご提案した内容からの変更についてご意見を伺った。シンプルな内装をと思っていたのだけれど、どちらかというと大正モダンような雰囲気がお好きらしい。ぜひご満足いただけるように変更したいと思う。

202104

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