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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

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増井真也日記

2020年11月アーカイブ

2020/11/22

朝起きるとなんとなくお茶を点てたくなったので炉に炭をおこし、釜で湯を沸かしてみた。炉というのは畳の床に穴をあけ、そこに灰を入れて炭をおこすことができるように作られた茶道用の湯沸かし設備である。茶道では11月からこの炉を使用することが決められていて、この月のことを「炉開きを行い新茶が出る」ことから茶道の正月などと呼ぶことがある。11月1日は僕の誕生日でもあるのだけれど、茶道の世界でもこの日はなんとなく新しい年が始まるような日なのだ。

炉の中に炭を入れるとほのかに部屋が暖かくなってくる。当たり前のことだが暖房効果もある。梅のお香を焚いているのでその香りも充満する。炭の上に釜をかけてしばらくすると次第に湯が沸き、シューという音が聞こえ始める。この音を茶道では松風と呼ぶが、この音が良く鳴る釜は大変重宝がられるほどに茶人にとって大切な楽しみの一つである。花は山野草を用いるのだが、そんな用意があるはずもなく近所の公園に咲く名も無き花を一輪さす。黒漆喰の床の間を背景に花を飾ってみると意外と良いことに驚いたが、利休の茶も本来そういうものだったのかもしれない。

床に飾る軸は日日是好日。樹木希林さん主演の映画のタイトルになった禅語であるが、僕が最も好きな言葉の一つである。先行き不透明なコロナ中ではあるものの、それでも一日一日を大切にしっかりと生きていこう、そんな思いにさせてくれる言葉なのだ。

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2020/11/21

10時、東京都中野区にて設計中のSさんの家の打ち合わせ。今日は見積もり調整の打ち合わせということで、前回提示金額よりも数百万円の減額案をご説明させていただいた。減額案とはいうものの、それほど材質などを下げたというわけでもなくって、工事の手法の変更や業者さんとの値引き交渉などを行ったことによる減額が多かった。だからこそ、クライアントのSさんにはご満足いただけたのではないかと思っている。

家造りという一つの仕事のなかで、一番難しいことは何かと聞かれればこの減額調整である。ただ単に業者さんに値段を下げてほしいと言い続けたところで挙句の果てにはほかの業者に行ってくれと言われてしまうのが落ち、であるならばどうすればよいかといえば、こういう風に造ればコストを抑えることができるかもしれないの仮説を立てて、その仮説をわかりやすく説明して減額に繋げるの工夫をしたり、材料の産地と直接交渉して購入のルートを造ったり・・・とにかく価格のブラックボックスを包むベールを少しづつ剥がしていくかのような地道な作業が必要なのだ。

13時、東京都太田区の土地の購入を検討しているというご夫妻の打ち合わせ。一つは長い旗竿地、一つはがけの上の中古住宅というどちらも癖のある物件だったのだけれど、僕は旗竿地の方に興味を惹かれた。旗竿地というのは土地が道路と接道している入り口部分が竿のように細長く、奥に四角い旗のような土地があるものを言うのだけれど、こういう土地は通常の料金よりも安い場合が多い。特に都内の土地は非常に高くなってしまっているので、こうした一見悪い条件の土地を選定することで安くなったお金を建築費用に回すことで魅力的な住宅を造ることができることも多いのである。

下の写真は東京都杉並区にて造ったYさんの家である。敷地全体を見れば旗竿地というわけではないが、入り口付近にご両親の家が建っているので事実上の旗竿地であるが非常に豊かな住宅を造ることができた事例である。

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2020/11/17

午前中埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家打ち合わせ。いよいよ構造計算の打ち合わせなどを始める段階である。今日は構造的な変更点や電気設備などについての打ち合わせを行った。

午後、茶道稽古。昼間のこの時間に稽古に来るのはなかなか難しいのだけれど、今日はゆったりと稽古に参加することができた。11月となり風炉が炉に変わる、茶道にとってはここからが新年の始まりである。宗家では10月29日に炉開きを済ませ、19日の宗旦忌には宇治の上林茶舗より今年の新茶が届けられるそうだ。こういうことを毎年変わらず行っていることがいずれ伝統と呼ばれるようになる。伝統とは突然作られるものではなく、こうして守られた結果にじみ出てくるものなんだと思う。日本の家づくりの中にも守るべき伝統がある。木を使うこと、つまりはその土地の素材を大切にすること。職人の技を大切に生かすこと。こういうことは経済至上主義の効率社会の中でどうしても切り捨てられがちなんだけれど、でも誰かが大切に思わなければ本当に消失してしまうからこそ、ますいいではしっかりと守っていきたいと思うのである。

2020/11/16

午後、東京都豊島区にて本堂の改修工事を行った本納寺にて庫裏のキッチン工事についての打ち合わせを行った。すでに何十年も使用したキッチンである。表面の面材もはがれ、愛用の食洗器も壊れてしまった。お寺さんという場所は人が集まることが多いので、台所が使用される頻度も普通より多いのだろう。今回はキッチンメーカーのヤジマさんに制作を依頼することになった。ヤジマさんはオリジナルのキッチンを洗練されたデザインで製作してくれるとても良いメーカーさんである。大手の商品とは違い、ミーレの食洗器を導入したりグロエの水栓金具を選んだりのカスタマイズができるのがよい。日本製のメッキ製品とは異なり、本物の質感が空間を引き締めてくれるのだ。

本納寺さんの出入りとしてお仕事を始めて10年くらいは立つのだろうか。確か初めの仕事は庭の藤棚が傷んでしまったからステンレスで作り直してほしいという依頼であった。お墓とお墓の隙間を縫って、藤棚を作り直したのは今でも鮮明に記憶している。そんなご縁で昨年から今年にかけての本堂瓦吹替工事をというとても大きな事業にも関わらせていただいた。社寺の工事にかかわるということは建築に携わる者にとって本当に誇らしいことだ。これからも長いおつきあいを大切にしていきたいと思う。

2020/11/14

午前中は埼玉県上尾市にて家を建てたいというWさんご夫妻打ち合わせ。現在はまだ土地探し中とのこと、まずは家づくりの流れなどについてのお話をさせて頂いた。土地探しの段階からのご相談というのは家を上手に造るためにはとても良い手法だ。建築はその土地に根付くものである。土地の形、法律の規制などなどの影響を受けて設計をするわけだが、同じような地型で同じような広さの土地でも、法規制によっては造ることができる建築の形は大きく異なるのが現実だ。だからこそ、土地購入の前にご相談していただけることが良い住宅を造るうえでとても大切なのである。

北の常緑ハウスでは東京都の足立区内で江戸川などの川沿いの土地を探すクライアントが目星をつけた土地を、その都度一緒に見に行くなどのお付き合いを約1年間ほどした後にようやく見つかった北側に川が流れる土地に造った住宅である。この住宅は北側の河川敷にある緑を存分に取り込むことを設計の命題として取り組んだ。吹き抜けのある壁面に設けられた大きな窓からは、まるで別荘地のような緑を眺めることができる。少し濃いめに塗装された木材が外部の緑と調和してとても心地よい空間を生みだした。Wさんもまずは良い土地をお探しするお手伝いをしたいと思う。

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15時、埼玉県和光市にて小屋の新築を検討しているIさん打ち合わせ。ログハウスの母屋の隣の敷地を購入し、お子様の部屋とガレージを兼ね備える小屋を造ろうという何とも楽しいプロジェクトである。今回はいくつかの屋根の形をスタディーして、さまざまなバリエーションを試してみた。広さは約8坪ほどにする予定である。屋根は少し高めのほうが内部空間が大きくなって良いかもしれないと考えている。構造はもちろん木造で、できれば一部の構造は現しにする予定だ。もしかしたら建築学科に進むお子様が暮らしながらカスタマイズすることができるような遊びも楽しいだろう。今後の展開を期待したい。

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2020/11/12

午後、川口市のとある住宅にて登録文化財の申請に関する打ち合わせを行う。登録有形文化財というのは、平成8年10月1日に施行された法律によって,保存及び活用についての措置が特に必要とされる文化財建造物を,文部科学大臣が文化財登録原簿に登録する「文化財登録制度」である。この登録制度は,近年の国土開発や都市計画の進展,生活様式の変化等により,社会的評価を受けるまもなく消滅の危機に晒されている多種多様かつ大量の近代等の文化財建造物を後世に幅広く継承していくために作られたもので、届出制と指導・助言等を基本とする緩やかな保護措置を講じるという特徴がある。今回の計画では、申請した建物をカフェなどの形で利用することで、歴史観のある街並みの魅力の醸成を目指したいと考えている。

建築はもうあまり造らないほうが良い、というのは誰でもわかっていることである。でもなぜか日本という国はいまだにスクラップアンドビルドを繰り返す志向が強く、歴史や文化がいかにその国の発展のために大切なのかをわかっていながらも、ついつい経済効果優先で壊してしまうという選択をしがちなのが実情だ。この傾向は国という大きな単位でも、民間所有の小さな住宅でも同じことである。とにかくついつい壊してしまうのだ。壊した後にできる建物はたいてい薄っぺらいものになる。誰の目にも同じように映り、決して不便でもないのだけれど、特に印象にも残らない、そんな建築がそんな街並みを作り出す。だからあんまり造らないで何とかできないかを考えるようにした。壊さない、そして造らない建築家、それもとても大切な姿だと思うのだ。

文化財の登録にあたって芸大の小林先生と協働している。小林先生と話しているととても楽しい気分になる。屋根の上のたんぽぽを見て、「あれってなんかいいよね。雨漏りしていないならあのままでもいいんじゃない」。壁の板が腐ってはがれて中の土壁が少し見えちゃっている姿を見ても、「この土壁が少し見えているところがいいんだよね。こういうところはなるべくそのままにしよう。」とにかく普通のメンテナンスとは違うのだ。僕たちが普段何気なく街を歩いているときに魅力と感じるものは、決してきれいに塗りなおされたペンキではない。道端に生えるたんぽぽが屋根の上に生えている様子、そこにいる猫、そんなものについつい目を奪われるのだ。魅力的な街を造りたいと思う。そしてそういう街を子供たちに残してあげたいと思う。僕たちはそういうことができる数少ない人種なのだ。

2020/11/11

午前中は埼玉県川口市にて設計中のIさんの避難設備に関する見積もり、契約作業など。

午後より、新築住宅を検討中のYさんご夫妻打ち合わせ。Yさんたちは1年ほど前から土地探しを続けており、ますいいでもいくつかの土地をご紹介させていただいている。なかなか契約まではいかないものの、良い土地との出会いがあれば家づくりを行う予定だ。Yさんご夫妻は二人暮らしの小さなローコストの家を希望している。20坪くらいの延べ床面積なので、建築の総工費が1700万円ほどになることが予想されるのだけれど、セルフビルドなどを取り入れればもう少しローコストで造ることができるかもしれないと考えている。

小さな家を造るとき、僕はいつも小屋をイメージするようにしている。なぜなら小屋と聞くと住宅を取り巻く様々な既成概念から逃れることができるような気がするからだ。今の住宅は、本当にそんなところまで必要なの?と思うような設備や機能が満載である。あたかも便利な暮らしが約束されているかのようなうたい文句にだいぶ影響されてしまっているのだけれど、そういうもののほとんどは実はそれほど重要なものではないことが多い。というよりむしろ無い方が良いと思うものさえある。複雑な機能はいずれ壊れる。壊れた後は結局自分たちで治すことができないから、多額の出費をして修理をするか、もしくはそのまま放置するかのどちらかだ。小屋のような家は壊れるものがほとんどない。一度造れば長く暮らすことができる。維持費もそんなにかからない。とても良い家なのだ。

2020/11/09

朝一番、埼玉県川口市にて進行中のKさんの家の現場管理。今日は大工さんが耐力壁の施工などを行っている段階である。木造住宅の場合上棟から1か月くらいは、構造や外壁周りなどの工事を中心に進めていくのだ。この現場の玄関ドアは木製建具を使用する予定である。明日は大工さんが会社の加工場に来て玄関の枠を加工する。材料は栗材、栗は腐りにくい素材なので玄関などにはとても向いた素材なのだ。

禅というのは「深く考える」というような意味らしい。この禅が伝わる前には止観という概念があった。観とは見るという事。そして止は「心を静かにすること」を意味する。この概念が鑑真和尚が伝えたという。この偉人は日本人の僧たちに焦がれて日本に仏教を布教するために来た方なのだが、渡航に成功するまでに5回も失敗し、足掛け12年もの歳月を要した。そして難破の際に失明までした。そうまでして日本にわたり、とある概念を広めたのである。このエピソードは小学校の教科書にも出ているものだけれど、改めて書いてみるとそれはいかに実行することが難しいことかという事に気が付かされる。人はいつから貨幣という価値の為だけに働くようになってしまったのだろうか。様々な職業がそうなってしまったとしても、少なくとも人間が暮らす場を造るという建築という仕事は、貨幣を得るためだけに行うようなことではないと思うのである。

2020/11/07

午前中、埼玉県川口市にて設計中のOさんの家の打ち合わせ。Oさんの家は、お母さんとお子様たちの3人が暮らすための木造住宅である。土地の広さに余裕があるので、平屋での計画としている。プランは中庭型のC字型をしており、木製のルーバーで守られた中庭は丸で室内のように使用することが出来るように作られる。リビングには土間が設えられ、そこには薪ストーヴが設置される。毎日炎を見て暮らすことが出来るとはなんと豊かな事だろうか。この住宅は、すべての木材を国産材で構成する予定だ。すべての木材はスギやヒノキなどの無垢材で調達され、内装仕上げなども漆喰などを中心に選択されている。アトピー性のお子様に配慮した健康的な住宅となることを期待している。

天職という言葉を聞くことが少なくなった。この言葉の意味は自分の職業にいよいよ深まっていく意識的な愛着と言える。今日では様々な事情から人が自分の喜びや悲しみを託して悔いぬ職業を見つけることが大変困難になったので、多くの人が職業の中に人間の目的を発見することをあきらめてしまったのだと、小林秀雄が書いたのは昭和40年代のことである。そんな昔からこんなことを考える人があったのかと思うが、今はさらに悪い状況のように思える。そんな時代の中で建築という職に出会った僕はとても幸せな部類だ。たまたまの出会いのようにも思えるが、これも何かの縁というものなのだろう。

2020/11/06

10時より、埼玉県川口市にて垂直避難のための装置を作っているIさんの家にて打ち合わせ。Iさんの家には90歳を超えるお母さんが同居している。家の場所は埼玉県川口市、つまりは僕の会社のすぐ近くなのだけれど、このあたりはもしも荒川が氾濫したら予想水深が4mと予想されている。昨年の台風の際にも高齢者が上階まで避難できずにお亡くなりになったという痛ましい事故があったが、この装置はお母さんがいざという時に2階に避難できるようにするための手動エレベーターのような装置である。実はこの装置は一度完成しているのだが、先日お母さんが転倒し骨折するという事態になってしまったので、車いすのままでも使用できるように改造しようというのが今回の計画だ。もちろんローコストでの施工とするために、大工さんか作る木の箱をワイヤーで釣り上げるという仕組みを考えている。大体の寸法測定が終わったので早速作図に取り掛かるとしよう。

13時過ぎ、東京都北区にて進行中の耐火造3階建の共同住宅にて上棟式を執り行った。クライアントのHさんとIさん、そして担当者の江崎と僕の4人で、大工さんと一緒に建物の4隅にお酒・米・塩を撒いた。神主さんは呼んでいないが、みんなで一緒に心のこもった死期を執り行うことが出来た。

2020/11/03

今日は文化の日ということで、コロナが始まって以来初の茶会を開催した。もしものことを配慮すると裏千家という名前を用いての会は開催することができないので、仲間同士が集まっての茶楽会という同好会を一座建立の思いで立ち上げ、今日限りで解散するという形での開催である。席は濃茶と薄茶の2席、11月の炉開きに合わせ口切の茶を用意し、総勢35名のお客様をおもてなしさせていただいた。大寄せの茶会に慣れてしまった身としてはなんだか少なく感じる人数だけれど、1席8名まで、少人数での茶席というのはなかなか良いものである。10時に初めてのお客様をお迎えすると、14時の席までスムーズに進行して楽しい時を過ごすことができた。

例年当たり前に茶席があったときには全く感じなかったこと、それは一期一会という思いであった。今年は一度もこの手の茶会というものはなく、さらに言えば来年もほとんどの茶会が開催される予定がない。茶会が無ければ合うことも出来ない人がいたり、茶会が無ければ買うこともない道具もある。お茶やお菓子だってそうだ。誰も道具を買わなければ道具屋や作家はいずれ辞めてしまう。数年後、いざ茶道をやろうと思った時にそれを支える人がいなくなってしまったら、・・・それはすでに一般の人と縁遠くなってしまった能や狂言などの文化のごとく、茶道も京都など一部の地域で残る遺跡のような文化となることを意味している。こんな時に茶会などやらなくともよいではないかの声はたくさんいただいたのだが、でもやっぱりやってよかったと思うのである。文化というのはこんな時だからこそ必要なものなのではないだろうか。

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2020/11/02

最近はタイル貼りのセルフビルドを取り入れることが増えてきた。昔はタイルなど自分で貼れるもののように思えなかったのだけれど、実際にやってみるとそれほど難しいものでもなく、しかもプロ仕様のタイルカッターを購入してみたらとてもキレ味が良く、好きな幅にカットすることも出来るのでお勧めのセルフビルド工事となった。埼玉県坂戸市で昨年造ったYさんの家では、奥様によるセルフビルドでタイル工事を行った。タイルを貼る面にはコンセントやスイッチなどの障害物を設けないように設計することで、セルフビルドの際にタイルをカットする作業を最小限にすることに配慮している。細かいタイルのカットはベビーサンダーという機械を使用する必要があるため、少々危険なのである。タイルを貼る際にはボンドを壁にこすりつけて、そこにタイルを貼りつけ、たたいて固定するという作業の繰り返しである。水平や垂直を出すのが難しいそうだけれど、キッチンの前くらいの広さならそれほど狂うこともないのでぜひ挑戦してみてほしい。

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2020/11/01

朝5時過ぎに目が覚める。川の流れる音と鳥のさえずりで目覚めるというのはとても気分が良いものだ。借り物のシュラフもとても暖かいタイプのもののようでなかなか調子が良い。テントを出ると早速焚火に火をつける。空気が乾燥しているせいかすぐに燃え出す。昨日の夜、川で漁をしていた老人にいただいた鮎が袋にいっぱいあったので、早速焼き始める。川魚はこんな風にして食べるのが一番美味しいのかもしれない。

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齋藤さんが雲海を見に行こうというので車に乗って小高い山の頂上まで移動した。山の頂上には何やらビニルシートのようなものが張られており、その向こう側は視界が一気に開けている。下には雲海がぎっしりと広がり、一部雲の切れ間から街の様子が見て取れる。とても珍しい場所に驚いていると、なんとここはパラグライダーの飛び立つ場所ということであった。いろいろな場所があるものだ。気が付くと周りには杉の木がたくさん育っている。ここはまさに八溝山系のど真ん中、ますいいの家造りに使用している柱材はここの木を使用している。ここの山が豊かになることで川にはたくさんのプランクトンが繁殖し、その結果の鮎である。そして豊かな水が海に流れ込み、豊かな漁場となるのだ。そんなことを考えながらしばしの時を過ごした。

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朝食を終えるといよいよカヤックである。今日はこれまでで一番難しい上流に行くことにした。水量は少ないけれど、なんだかいつもよりも流れが速いように感じる。川というのはちょっと上流に行くだけで随分と変わるものである。いくつかの難所を乗り越えるも、強い流れに流されて岩に激突し人生初めての「沈=転覆」を経験した。沈すると天地が逆転する、つまり頭が川底側に来るわけでるから、早く脱出しなければ呼吸ができない。目の前にあるカバーの取っ手を強く引き、カヤックから脱出してカヤックを起こす、そのあとは齋藤さんのレスキューを待つだけである。流れに流されていると、水は意外と暖かいし、気分もそんなに悪くない。それに水に入ってみて感じたのだが、これで本当に自然と一体になれたような気もした。写真はちょっと波のある所を次女と長男と僕で下っている様子である。優雅と必死を繰り返しながらの一日であった。

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