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top > 増井真也日記 > 2020/9/19

増井真也日記

2020/09/19

僕は数年前から唐松の床板をよく使用している。僕が初めてこの床板に出会ったのはかれこれ10年ほど前であろうか。いつものように新しい素材との出会いを求めて何気なく群馬県の森林組合に電話をし、確か栗の造作材を仕入れたいという希望を伝えたことを記憶している。あいにく群馬県ではもう栗の丸太は取れないという旨を伝えられ、代わりに岩手県の中尊寺金色堂で有名な平泉にある製材所を紹介されたのだけれど、その際に出会った中之条町にある一場製材さんとの出会いがきっかけで唐松の床板を使うことになったのである。

一場社長の会社は数人の職人さんが丁寧に人工乾燥をした唐松や杉の材料を加工してフロアリングなどの製作をしている工場だ。抜け節の埋木はヒノキなどの素材を利用して、一つ一つ丁寧に手作業で行っている。社長の自宅の床板も唐松を使用していて、当時体の不自由だった奥様のために床暖房を入れたんだけれど、「僕の唐松はとても丁寧に乾燥をしているので床暖房を入れても狂いがそれほど目立たないで大丈夫なんだ」というお話を聞かせていただいたことを記憶している。

唐松というのは本当は杭に使用するために植林されたそうである。戦後の植林ブームに乗って長野県や群馬県、北海道などで積極的に植林されたものの、割れや狂いが出やすい樹種のために建築造作などに使用されることは少なく、その代わりに杭などに使用される予定で育てられ、ちょうど今伐採の頃を迎えているというわけなのだけれど、昨今木の杭や電柱を使用するケースはまれになり、そこで技術の進歩を利用してフロアリングなどの材料として使用し始めたというわけだ。

唐松という名前は中国の絵に出てくる松に似ているという理由でついた。針葉樹でありながら冬には葉を落とす落葉樹というちょっと珍しい木なのである。使い始めるとパインと同じようにだんだんと赤身がかって味わい深い色合いになってくる変化のが面白い。杉の床板もよいが、それよりもちょっと硬く、色も濃いので日本人の生活には適しているように思えるとてもおすすめの素材である。

写真を掲載するのでご覧いただきたい。

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