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ますいいでは、古くなった物件を壊すことなく次の世代に引き継ぐお手伝いをしております。

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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

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増井真也日記

2020年9月アーカイブ

2020/09/29

午前中は、埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家の実施設計打ち合わせ。今日は平面図と断面図などを用いての打ち合わせを行った。この家の計画では幅が2730㎜で上り口が1820㎜の大きな階段を計画している。階段の踊り場には大きな掃き出し窓が計画されており、階段室には北側の窓から安定した光が降り注ぐこととなるだろう。階段の1段目を利用してソファーのごときスペースが設けられ、そこに座ると正面に薪ストーブが設置されるようになっている。薪ストーブの両側にはスリット窓があり、そこから南側の庭を垣間見ることが出来る。ここが家の重心だ。

家には重心があると良い。そこは家族の意識が集う場であるから、どこにいても何となく視線を向ける場所とするように計画する方が良い。重心がある家は家族がバラバラにならないというような効果があるように思える。逆に個人のプライバシーを守るための個室ばかりを重視してつくられた家では、家族自体も個別化していってしまうように思うのである。

13時過ぎ、茶道稽古。今日は大円之草の点前をした。大円盆には、右上に唐物茶入、左に和物茶入、手前に天目茶碗を置く。仕込んだ大円盆は、水指の前に飾り、建水を持ち入るところからのスタートとなる。10年間のおけいこの中でも、なかなか毎週参加することが出来ない僕は、奥伝までたどり着かない月が多い。恥ずかしながら今日で2回目、すらすらと自分で出来るはずもなく、先生に指導をして頂きながら約1時間ほどであろうか、何とか最後まで行うことが出来一安心だった。

手前の中でもみ手という所作がある。寒いときに無意識に行う左右の手のひらを揉み合わせる動きなのだが、茶道の中でもこんなことを行うところがなんだか面白い。何かを依頼するときにも揉み手という所作をすることがあるが、手をすり合わせる事にどんな意味があるのだろうか。

18時、ますいいで長年頑張ってくれた渡辺さんが出産のための休暇に入った。育児休暇という制度は子供を産み育てつつも会社に所属し続け、1年後に復帰をするためには本当に必要なものであると思う。その間の手当が給料の6割程度支給されるというのもまた安心して子供を産むことが出来るためにありがたい措置だ。夕方簡単な送別会を行うもいつの間にやら日本酒まで登場しての宴会となってしまった。元気な子供を産んでくれることを心より祈りたいと思う。

2020/09/28

ますいいリビングカンパニーに材木の加工機が登場した。丸太で購入した栗や桜、オニグルミといった板材を造作するための機械である。これらの国産広葉樹は近所の材木屋さんで注文しても買えるものではない。ますいいでは岩手や北海道産の丸太を購入し、約1年間寝かせた後に川口市にある木材倉庫に保管している。写真は1年ほど前に購入した栗の木である。興味のある方は是非ご相談いただきたい。

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2020/09/26

15時、旧知のライターさんの渡邊さん、谷内さん、介川さんのお三方より、工務店機能を有する設計事務所としてのコロナに対する対策などについての取材を受ける。なんでもリフォーム業界へ向けたコロナの中での営業活動についての啓もう活動を行うことが目的とのこと。ますいいとしては、電車通勤を避けたり、昼食時の外食を避けるために調理師さんによる昼食を取り入れたり、マスクを着用したり、消毒をしたり、ZOOMによる打ち合わせを採用したり、・・・まあおそらくほかの会社でもやっているような対策を順次取り入れて試しているというような状況である。こうした対策をしているうちに、分室からでも本社サーバーにアクセスできるようにVNPサーバーでを取り入れたり、ネットワーク型のCADを導入したりの業務環境改善にも着手したのだけれど、このような動きは職場の効率化にも寄与したような気もするのでもしかしたら他社さんにも参考になるかもしれない。

終了後、渡邊さんと谷内さんを招いて自宅で食事会。自宅にはすでにさんかくの家のクライアントである田中さんが来ていて、妻と二人で歓談していた。10年ぶりくらいだろうか、そもそもこんな風に集まって食事をするなど初めての機会である。渡邊さんは雑誌「住まいの設計」のライターさんとして扶桑社に勤めていたころ、僕が初めて取材を受けた鳩ヶ谷の家の取材に来てくれたのがお付き合いの初めであった。それ以来何件かの取材をしていただいたのだが、今から10年ほど前に渡邊さん自身の家を造らせていただいた。それが船橋の家である。

この家の大黒柱は埼玉県の杉を使用している。大きな屋根を支える柱はこの家の象徴的な存在として立ち続けている。障子のはめ込まれた大窓の向こう側には庭があり、窓辺と庭は地続きの関係となっている。一段下がったキッチンは、そこに立つととちょうど目線が居間に座る人と同じ高さになるように作られている。さんかくの家、船橋の家、ともに強い思いを込めて作らせていただいた住宅のクライアントとこうして10年以上ぶりに集まって食事会を行うことができる・・・、こんなことも住宅という仕事の素晴らしいところだと思うのである。

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2020/09/25

ますいいリビングカンパニーでは現在、栃木県や茨城県・一部紀州産の木で家の構造体を造るように心がけている。いつのころからか外国産の木をただ単に安いからという理由だけで使うようになってしまっていたのだが、近年の気候変動等の環境問題はこうした経済至上主義のもとに生まれた問題といえるだろう。わざわざ遠くの国から燃料を使って船で輸送して来なくとも、日本には多くの山がありそこにはたくさんの木が生えている。木を伐り、植え、育てるという山の循環システムをしっかりと造り上げることで、豊かな自然を育むことができる。山を手入れすることができれば、それだけ自然災害も防ぐことができるし、その山に登ったりのレクリエーションの場としてもより魅力的な空間となるであろう。ただ安いというだけの理由で外材ばかりを使うという行為は、一瞬クライアントのためになるかもしれないけれど、こうした日本の豊かな自然をも放棄することにつながってしまうのである。それに木というのは育った気候風土の中で使用すると長持ちする。こうした家造りを行うことは、結果的にクライアントの利益となるわけだし、大きな目で考えればこの国で育つ子供たち全体の利益になると考えている。

2020/09/23

今日は東京都北区にて設計中の木造3階建ての集合住宅の地鎮祭に参加。この集合住宅は全部で6世帯の小規模ではあるけれど、木造の耐火建築物ということで少々大変な挑戦をしている。木造耐火建築の場合、例えば外壁に21mmの石膏ボードを2枚張ってからALCなどで仕上げをするなどの仕様が義務づけられているために、建物荷重も重くなるし、大工さんの工事内容も普通の建物より倍くらいのボリュームになってしまう。壁が厚くなることにより、床面積がどうしても狭くなってしまうという不利もあるのだが、それについては鉄筋コンクリート造よりは薄くなるので設計上の工夫で何とかなるレベルではある。なかなか大変なことはあるけれど、でもやっぱり木造が良いんだよの思いで進めてきたのだ。

なぜ木造がよいのか。まずは環境負荷の問題が挙げられるであろう。例えば建物の主要材料となる材木、鋼材およびコンクリートについて炭素放出量の比較をしてみると、鉄骨造は木造の2.9倍、鉄筋コンクリート造は4.2倍で、木造住宅は鉄筋コンクリート造、鉄骨プレハブ造に比べてきわめて小さい値となる。製造時の大気汚染や水質汚染などについても同じことがいえるのだが、こういうデータを見なくとも森林を手入れして入手した材木を製材して組み立てるだけの木造建築が環境にやさしいのは誰が考えても当たり前の事実であろう。次に考えられるのは住まいとして最も快適な構造であるということだ。やっぱり人はコンクリートの中に暮らすよりも気に囲まれて暮らすほうが良いに決まっている。今回の集合住宅にはエントランスや室内の一部に無垢の木を使用するなどして、なるべく注文住宅のように木に触れることができるように配慮した。小さなお子さんがいる世帯くらいまでは暮らすことができるプランなので入居者にもきっと喜んでいただけることと思う。

2020/09/22

10時、埼玉県川口市にて設計をしてきたKさんの家の地鎮祭に参加。Kさんは北の常緑ハウスのクライアントと同じ会社のご夫婦である。1年程前にご紹介いただいてから一緒に土地探しをして、設計をして、ようやくここまでたどり着いた。北の常緑ハウスのクライアントも一緒に土地探しをさせて頂いた思い出があるけれど、Kさんたちも同じような経緯をたどっているのがなんとなく面白い。

土地を決めて家の設計を終え、いよいよ既存建築の解体を始めようとしたときに広大な敷地を持つ地主さんである隣地にご挨拶に伺ったら、なんと20年来のお付き合いをさせて頂いている僕の大学の先輩だった。お隣さんが僕を介してはいるものの知人であるというのはKさんご家族にとってもなんとなく心強いものになるし、僕たちも工事中にスムーズに事を運ぶことができるので何ともうれしい気付きである。こんなこともまた一つの御縁。だって隣人ということは今度はKさんと僕の大学の先輩御家族がお付き合いを始めていくのだ。家というのは単体で成立しているものではなく、近隣とのコミュニティーだったり、行政との関係の中で成立しているものだからこそ、こういう縁は大切にしていきたいと思うのである。

神主さんは川口市にある氷川神社さんに依頼した。厳かな雰囲気の中地鎮祭が執り行われて11時ごろ終了した。

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2020/09/21

日本の住宅は高すぎる。これは紛れもない事実である。住宅を造る際の住宅ローンに縛られて人生身動きできなくなってしまうくらいに高い住宅を造る意味とは?の疑問を感じつつも、でも高いのだから仕方がないという風にあきらめてしまっている人も少なくないだろう。それでも限られた予算に収めようとすれば、建売のように出来合いの住宅を購入してしまう方もいるかもしれない。

でも、家づくりの中には自分でできることが結構ある。ますいいではセルフビルドを行うクライアントがとても多いが、仕上げ系の作業だったらほとんどすべてのことをやる気になればやることができる。最近はタイル仕上げの人気が高いのだけれど、タイルだって慣れてしまえばそんなに大変な作業ではない。あんなに硬いものをどうやって切るのの疑問も、タイルカッターという道具さえあれば誰でも切ることができるし、コンセントなどの細かい部分はベビーサンダーという道具で加工することも出来る。それにセルフビルドを採用する場合はもともとタイルを張る予定の場所にコンセントなどの器具が無いように設計すればよい。そうすれば幅と高さを合わせるだけで貼ることができる。

セルフビルドを採用すれは人件費分は確実に安くなる。工事価格の中で人件費が占める割合は結構大きい。材料の値段は下げることはできなくとも、自分で施工してしまえば人件費は落とすことができる。日本の職人さんは高齢化が進んでいるし、人数だって減っている。仕事も減るはずなのだけれどなぜだかあんまり減らないのは、投資物件などの必要とされているから造る住宅のような建築ではない経済による仕事があるからだと思う。だからどうしても人件費は上がる傾向にあるのだ。もしもタイルを職人さんに貼ってもらうと、一日作業してもらうだけで経費やタイル以外の材料費を入れて35000円ほどが必要になる。でも自分でやると3000円くらいでボンドなどの材料が買える。あとは自分で頑張るだけだ。だからますいいではセルフビルドを推奨している。コロナでなかなか発信できないホームレシピも活躍してくれることを祈っている。

2020/09/19

僕は数年前から唐松の床板をよく使用している。僕が初めてこの床板に出会ったのはかれこれ10年ほど前であろうか。いつものように新しい素材との出会いを求めて何気なく群馬県の森林組合に電話をし、確か栗の造作材を仕入れたいという希望を伝えたことを記憶している。あいにく群馬県ではもう栗の丸太は取れないという旨を伝えられ、代わりに岩手県の中尊寺金色堂で有名な平泉にある製材所を紹介されたのだけれど、その際に出会った中之条町にある一場製材さんとの出会いがきっかけで唐松の床板を使うことになったのである。

一場社長の会社は数人の職人さんが丁寧に人工乾燥をした唐松や杉の材料を加工してフロアリングなどの製作をしている工場だ。抜け節の埋木はヒノキなどの素材を利用して、一つ一つ丁寧に手作業で行っている。社長の自宅の床板も唐松を使用していて、当時体の不自由だった奥様のために床暖房を入れたんだけれど、「僕の唐松はとても丁寧に乾燥をしているので床暖房を入れても狂いがそれほど目立たないで大丈夫なんだ」というお話を聞かせていただいたことを記憶している。

唐松というのは本当は杭に使用するために植林されたそうである。戦後の植林ブームに乗って長野県や群馬県、北海道などで積極的に植林されたものの、割れや狂いが出やすい樹種のために建築造作などに使用されることは少なく、その代わりに杭などに使用される予定で育てられ、ちょうど今伐採の頃を迎えているというわけなのだけれど、昨今木の杭や電柱を使用するケースはまれになり、そこで技術の進歩を利用してフロアリングなどの材料として使用し始めたというわけだ。

唐松という名前は中国の絵に出てくる松に似ているという理由でついた。針葉樹でありながら冬には葉を落とす落葉樹というちょっと珍しい木なのである。使い始めるとパインと同じようにだんだんと赤身がかって味わい深い色合いになってくる変化のが面白い。杉の床板もよいが、それよりもちょっと硬く、色も濃いので日本人の生活には適しているように思えるとてもおすすめの素材である。

写真を掲載するのでご覧いただきたい。

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2020/09/18

12時、15年ほど前に造ったさんかくの家のお母さんからご自宅のメンテナンスを依頼されてのご訪問。外壁の穴を埋めるなどの小さな工事だったけれど、お嬢様が家を建てたというご縁で僕にご連絡をいただいたことが何よりもうれしい出来事であった。ますいいリビングカンパニーは住宅を中心に取り組んでいる建築家集団である。工務店機能を兼ね備える意味は、小規模住宅で設計事務所が少額の設計料の中で苦労する現実や、小規模集宅の施主にとっては、例えば2500万円の住宅を建てる際に250万円の設計料を支払ってしまったら工事費が2250万円になってしまうという現実、設計事務所にとっては設計費用を少しでも上げるために予算をオーバーさせるような設計をしがちになってしまうという現実などを解決するためには、工務店機能を兼ね備えた設計事務所の存在が重要ろうという考えからである。さんかくの家は総工事費が約1500万円、まさに頑張って作った小規模住宅であった。僕が設計をして造った家の中で初めて渡辺篤史の建物探訪にとり上げられたり、住まいの設計やその他の様々な雑誌に掲載された本当に思い出に残る住宅である。そのお母さんからのご連絡、だから余計にうれしいのである。

続いて11年ほど前に造ったAさんの家のメンテナンスご相談。洗面所の壁付け水栓金具の水が止まらなくなってしまっているということで応急処置で壁に穴をあけての止水工事を行った。水栓金具のパッキンも10年を超えると壊れてしまうことがある。家づくりをしているとメンテナンスもまた大切な仕事なのである。

2020/09/15

午前中、埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家の打ち合わせ。開発の申請作業を終え、久しぶりの設計打ち合わせである。今日は1/50の模型を作成してのプレゼンテーションを行った。この段階では特に開口部の検討や全体のプロポーションの確認を行うようにしている。開口部に関しても大体決定することができたので立面図や展開図の作成に移行していこうと思う。

昨年末に家を建てた。今の本社から数えて3軒目の家である。自分の家を造るというのはなかなか難しいのだけれど、今回の家はモデルルームとして家づくりの参考にお見せするつもりで造った住宅であるので少々理屈っぽく造られているかもしれない。

この住宅は1階が鉄筋コンクリート造、2階3階がRC造という造りだ。なぜ鉄筋コンクリート造を採用したかというと、僕が住んでいる川口市という町は荒川氾濫時の想定水深が4mとも5mとも言われている地域であるからである。1階が鉄筋コンクリート造という事は、GLから約3mがコンクリートという事になるので、ある程度の水害までは耐えることが出来る。つまりは自宅避難を可能にする目的でこのような構造を採用したわけだ。

東日本大震災の時の津波の映像を見ていると、鉄筋コンクリート造の建物だけが残っている様子を見ることがある。あのような激流の中で建てることが出来るのはやはりコンクリート造であろう。家というのはそこで暮らす人の命を守るための物であるというのが第1義的な定義であるのは自明の理であるからこそ、水害想定域での住宅建築に当たってはコンクリートと木造の混構造の可能性を追求するべきだと思うのである。

2020/09/14

ますいいではモルタルの土間仕上げをよく採用しているが、埼玉県川口市に造ったアトリエKさんでは絵画教室のエントランス部分を土間仕上げの床としている。モルタル仕上げの場合、そのままで仕上げとする場合とクリア塗装を行ってコーティングする場合の二つの種類があるが土足で使用する場合には、どうしてもモルタルの表面が削れてしまうことと汚れが入り込んでしまうことを防ぐためにAUコートなどのコーティングを施すことが多い。施工自体はセルフビルドでも行うことができるような簡単な作業だし、数年に一度のメンテナンスも自分で行うことができるので良い。コスト的にも床を貼る仕上げよりも安価になるとても良い仕上げなので紹介しよう。

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2020/09/13

今日は中禅寺湖でカヤックである。朝5時過ぎに起床し、一路栃木県に向けて家を出る。道が空いていたので早くついてしまい、たぶん人生で2回目の華厳の滝を見学に行くことにした。おそらく小学生の修学旅行以来だろうか。100m近い落差のある滝などそうそう見ることはないのでなんだかちょっと不気味な気分にもなるものだ。10時の集合を目指し場所を移動。いよいよ中禅寺湖である。

男体山のふもとにある標高1100mほどの湖でのカヤックということで、ちょっと考えれば気温などのコンディションも想像がつきそうなものであるが、あいにく久しぶりのアウトドアなのでそんな感覚も鈍っている。Tシャツに短パンの軽装で参加したものの、下着までずぶ濡れの状態で一日過ごすという何とも過酷なツアーとなってしまった。10時過ぎに金谷ホテルの駐車場に集合し準備をして、いよいよ出発である。ほとんど初心者なので、妻と息子の艇はなかなか前に進めないようだ。僕は娘と二人乗りの船だったのだけれど、これはゆっくりではあるものの何とか前に進めることができた。行先は千手が浜、片道3キロほどの距離である。慣れた人なら何でもない距離なのだろうが、寒いし進まないしの初心者にはこれでもなかなかの重労働。途中雷と豪雨に襲われるも全く引き返す気配もないので、無心に漕ぐしかないと頑張っていると、浜につくころには雨もやみちょうど良いコンディションになった。

自然の中に身を置くことを心がけようと思ったのはもしかしたらコロナの影響かもしれないと思う。なんとなくいろいろなお付き合いなどを優先し、時間がないという理由で疎遠になってしまっていたアウトドアではあるものの、もともとは中高時代には山岳部に所属し、大学時代にはアラスカの旅などをした経験がある。キャンプもしたし釣りもした。たいていのことは経験があるからなんとなく勘を取り戻せれば何とかなるような気もするけれど、やっぱり体がついていかないこともある。

久しぶりに自然の中に身を置いていると、時間の流れとか、雲の動きとか、なんだか普段はあんまり考えないようなことに目が行く。そして心の中もなんとなく普段と違う状態になるような気がするから不思議だ。今は普通の暮らしと普通の仕事の中に、なんとなく自然にアウトドアが入り込んでいるような暮らしをつくろうと思う。日曜日には旅に出ようを心掛けてしばらくは過ごしてみたい。

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2020/09/12

10時、埼玉県川口市にて設計中のKさんの家の打ち合わせ。本当はすでに確認申請が降りていて、契約まで行うことができるはずだったのだけれど、斜線制限ギリギリのところで屋根勾配を急にしたりの変更をしていたせいで確認申請前の最終確認という打ち合わせになってしまった。今更図面を書き直すことはめんどくさいという気持ちが、こういう気持ちはスタッフの中にはあるかもしれないけれど、でも法規制などの理由で変更するならどちらが良いかの決断をするには、一生に一度の家造りを行うクライアントの気持ちになって本当に心の底からこうしたほうが良いという方を同じ気持ちで考えて、選択することこそが大切なことだと思う。今週の変更はそんな気持ちで考えた結果である。ちょっと大変な作業でもでもやっぱりやってよかったと思うのである。

17時、4年ほど前に造ったTさんの家の訪問。ゲリラ豪雨のさいに基礎の打ち継ぎよりも水位が上がってしまうというような事例が増えている。水に対する対策はやっぱり流れ込んでくる水を排水する経路を確保することだ。敷地の周辺に暗渠などがあればそことの境のブロック塀に穴をあけるなどの方法が有効だろう。10か所も穴をあければ相当な排水効果が期待できる。溜まりさえしなければそれほど怖いことはないのである。早速対応を考えてみよう。

この住宅では米松の構造材を造作材として利用したのだが、何年かのうちにちょうど良い色に変化をしてくれた。この階段の段板も米松、そのほかにも窓枠や棚板などに使用している。決して高価な材料ではないけれど無垢の木が持つ美しさ、とても綺麗だったのでご紹介しよう。

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2020/09/09

都市に建つ日本の家は小さい。そして高い。これはどうすることもできない事実である。でもそんな都市であっても、豊かに暮らそうという強い意志を持つ人々はたくさんいる。 
しかし、そういうことを考える人にとって、現在の社会の状況は決して甘くはない。経済尺度が何よりも優先される時代だからこそ、大きなビジネスになるマンションディベロッパーや、分譲業者の広告はいやでも目に入る。
一方、「自由に家造りしたい」、「豊かな家を造りたい」という人に有益な情報はなかなか手に入らない。土地を探すにしても、決められた住宅会社で建てなければいけない「建築条件付き」の物件がほとんどで、そうした縛りのない敷地は、長い時間をかけて探さなければいけないのが現状だ。また、家造りについて建築家に相談しようにも、適した人がどこにいるのかよくわからない。メディアに取り上げられることの少ない「工務店」という存在に至っては、もっとよくわからない状況である。

それならば少しでも自分でできることをしたい、セルフビルドやDIYをやってみたいと思っても、材料はいったいどこで買えばよいのだろうか。正しいやり方はいったい誰が教えてくれるのだろう。ホームセンターで材料を購入することもできるけれども、個人で使う程度の量では割高だ。建材によっては驚くほど高い値段になってしまうこともある。

そんな現実はいったん置いておいて、もしも、自分の家を自分で作るとしたら...。まず必要なのは、地盤の調査と改良、その次に家の基礎をつくる工事、そして骨組みとなるプレカット木材の購入、その他の材木の購入。それらの木材を施工する大工工事、もちろんサッシや木製建具、ガラスも必要だし、内外の壁や屋根を施工するための左官、内装、屋根、板金、タイルの工事、電気・ガス・水道工事などの設備工事、そして建物の周りの外構工事なども発生する。

これらの工事を自由に組み立てながら、自分らしい家を作ることができたら、どんなに楽しいことだろう。それは、自分のイメージを現実に置き換える行為であり、子どものころに興じたプラモデルを実物大でつくるようなわくわくする気持ちを味わえるはずだ。ただ、一昔前なら、自分の町にいるそれらの職の担い手たちに直接話をしながら、家を作ることは可能だったけれど、いまではそういう人たちがどこにいるのかもわからなくなってしまった。

実際、僕だって2000年に独立した時には、知り合いの建設会社に紹介してもらった職人さん以外に頼める人はいなかった。腕のよい大工がいるとうわさに聞いて、秩父まで行ってみてもあっさり断られ、タウンページに掲載されている大工さんに会いに行ったら笑われた。結局、材木屋さんに紹介してもらった大工さんだけが、僕からの仕事を請け負ってくれた。工事代金の不払いなどが多い世知辛い世の中であるが故、見ず知らずの人からの依頼を快く受けてくれる人などそうそういるはずもなく、だからこそ見ず知らずの人からの受注をするための宣伝・広報などもするはずがないのである。

要するに、自由な家づくりをしようにも情報が全くない。表面的なところまでインターネットで調べられても、奥深く調べようとするとすぐに壁にぶつかってしまうのだ。僕はこれまで約20年間、このような困難な状況にもめげずに建売住宅でもハウスメーカーの住宅でも満足できない自分自身の家づくりを行いたいと強く願う人々と向き合ってきた。小さな土地の中で許されるあれやこれやの工夫を施し、ただでさえ高い建築コストを少しでも安くするにはどうしたらよいか。考え得るあらゆる方策を重ねて、時には一緒に作業をしながら、200軒以上の家づくりにかかわってきた。そしてこれからもそれは続いていくはずだ。
 
住宅産業はこれから確実に衰退していく。人口も減少する。建築の寿命が延びて、住まい手のいないまま、取り壊されることもなく、空き家は増えていく一方だ。そんな状況が進行するうち、大資本がこの住宅産業を担う時代も終わってしまうかもしれない。余った土地に道路を敷設し、分譲して販売すれば利益が出る、という時代も確実に終わる。ハウスメーカーが軒を連ねる展示場が減少し、建て売りもこれまでの様には売り出されることがなくなっていく。つまり、家づくりを取り巻く環境は、ますます変化し、これまでの「常識」が通じず、わかりにくくなることが予想される。

でも自由な家を造ろうという人々は決していなくはならないと思う。だからこそ、住宅業界は再構築される必要がある。昔の棟梁のように、建築の知識を深く所有し、建て主の要望に合わせてそれを引き出し、建て主と一緒に建築を創り上げる、そういうことのできる「建築家」「工務店」が、新しい家づくりの体制を作っていくことが必要なのだ。結果、日本の家づくりがもっと自由になるような気がするのである。

2020/09/06

今日は裏千家の淡交会青年部の関東第2ブロックという団体で、楽直入先生を講師にお招きしてのon-line研修会というものを主宰させていただいた。楽先生は千利休が茶碗を造らせたという焼き物師の長次郎の子孫で、15代目のお家元を務めていた方である。今は息子さんに家元を譲って、直入という名を名乗りながら茶碗づくりを行っているということだが、様々なお話を伺うことができた。ある軸に書かれた言葉で「楽中の苦、苦中の楽」という言葉を紹介してくれたが、楽家という重荷を背負って茶碗を造る事への苦労は大変なものなのだろう。でもこの言葉は僕たち普通の人の普通の生活にも当てはまるような気がするのである。

コロナの影響でこのような団体の活動はことごとく中止となっている。ある団体に所属していることによって定期的に顔を合わせていた人と実際にお会いする機会が極端に減っているなかで、ZOOM等のツールを利用して開かれる会合は結構貴重なものとなっているような気がする。アフターコロナの時代にも同じようなZOOM等のツールを利用した会合が開かれてもよいのではないかと思うほどに利便性は向上しているし、逆に全国どこにいても参加できることを考えるとリアルな会合よりも便利なこともあるのかもしれない。リアルな会合とZOOMによる会合のハイブリッド開催なども一つの方法だろう。何かがあると時代は変わる。コロナ影響もきっと僕たちの暮らしを大きく変える原因となるのであろうが、人と人とのリアルな関係だけは大切にしていきたいものである。

2020/09/05

午前中は埼玉県川口市にて進行中の川口裏路地計画実行委員会で発行するウラロジ新聞の編集会議。今回の記事はこれまで作った3個の掲示板についての話と、本町周辺のお店に関する情報などを織り交ぜたもの。このような町づくり運動はかかわる人たちにとって負担になりすぎないようにしながらも、途絶えることが無いように続けることが大切である。今回はますいいだけでなく、全体計画に関わっているアライ商店さんやコマームさんのイベント情報なども掲載し、この先につながることを大切につくり上げた。先日はFM川口でのインタビューにもお答えさせていただき、少しずつではあるが興味を持ってくれた方々からの問い合わせも増えている。まだ正式な計画にはなっていないけれど、町のランドマーク的な築100年ほどの建築群を登録文化財にして、シェアカフェにするような計画も始動した。こういう運動の結果、少しでも魅力的な街が出来上がればよいと思っている。町は決して行政だけがデザインするものではないと思う。やっぱり町はそこで暮らす人のものだと思うのである。

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2020/09/02

午前中、10年ほど前に造ったHさんの家の現場訪問。結構前の住宅なので、僕たちのデザインもなんとなく若々しい感じがする。モノづくりというのはなんとなくその時代その時代で自分たちの年齢や経験、その時代の流行とともに変化するもので、久しぶりに訪れてみるとそんな変化を見るのもまた楽しいものである。この住宅にはお子様が3人いるものの子供室は今のところ2つしかないということで、3階の部屋を二つに分けられないかのご相談である。現場での熟考の末に、杉の間柱と羽目板を使用して本棚間仕切りのご提案をさせていただいた。やっぱり小規模リフォームのご相談は現場での設計に限る。一番早くかつ良いアイデアを思いつくのだ。

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