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増井真也日記

2020/07/16

今日は雑誌「チルチン人」の編集長山下さんと、チルチン人工務店の響屋さんの渡辺社長さんが、ますいいリビングカンパニーのチルチン工務店会員入会の審査のために来社してくれた。チルチン人という雑誌は僕が好きなジャンルのことが掲載されていることが多いので、これまでも毎号とまではいかないけれど、大体は目を通したことがある。

昔は山本夏彦さんの工作舎が出版していた雑誌「室内」という有名な雑誌があって、大量生産大量消費社会の流れに反して、こだわりの家具を中心としたモノづくりに焦点を当てた記事を掲載していた。僕は石山修武先生の御縁で山本夏彦さんに一度ご紹介していただいたことがあるので、それ以来愛読書として毎号取り寄せていた。そういえば駆け出しのころに手に職というコーナーで取り上げて頂いたこともあった。

今回御縁をいただいたチルチン人も同様の現代社会に対する根本的な批判の上に成り立っている雑誌のように思えるからこそ、なんとなく僕にとってはあこがれの世界の一つである。

社会というのは現実的な運営をされなければすぐに壊れてしまうことは歴史の中で証明されているわけだけれど、でも目を覆いたくなるような現実の中で理想を追い求める活動をする人というのが一定数いることで、現実が理想に近づくということも確かであると思う。建築家というのは理想と現実のはざまでいったり来たりの存在であるわけだが、やっぱり理想を忘れた建築家に魅力はない。山岡荘八の家康の中に出てくるシーンで、小田原攻めの際に同行した本阿弥光悦が千利休に秀吉や家康の非情なまでの欺瞞に満ち溢れる現実主義に対する批判を問いただしたときに、政治家は明日の理想を追い求めるが、私たちは未来の理想つまり真理を追求する人種であるから相容れるわけがないのだ・・・、というような説明をしていたことを記憶している。チルチン人のような雑誌はまさに真理を追究するために存在しているもののような気がするが、そういう雑誌の持つ理念に少しでも近づくことができることは、より本質的な建築を造ることに必ずやつながると考えている。全国に58社のチルチン工務店との交流の中でさらなる成長を目指していきたいと思う。(審査には無事合格しました。)

202007

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