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増井真也日記

2020/02/28

新型コロナウイルスの影響でとうとう学校まで休みになってしまった。こういう事態はこれまでの人生で経験したことが無いけれど、そういえばこれまでの様々な疫病はたまたま日本に大きな影響を及ぼさなかっただけで、ここまで外国人が多い昨今の状況を考えれば当然の結果なのかもしれないとも思える。今日で学校がお休みに入ってしまう学校もあれば、明日までは登校させる学校もあるようだし、地方によっては休校自体を行わない地域もあるというからさまざまである。一様な暮らしが当たり前の現代社会においては、こうした不測の事態が起きるとそれに対する状況適応力が著しく低くなってしまっていることを感じざるを得ないけれど、でも人間の本性の中にはいざとなればどんな状況にも立ち向かっていくエネルギーのようなものが秘められていると思うのできっと打開できるはずだと思う。

そういえばテレワークとか休校とか言っている中で、これを機会に社会を良い方向に変革することを目指すという議論がある。何かの問題が障壁となったときにそれを避けることが新しい社会の仕組みとなる、これはとても理想的な話だ。そういう自由が一番必要そうな最も膠着した世界が行政機関のような気もするので、これを機に時節に応じて変化する組織に移行するのもよいかもしれないけれど、やけに大きな組織だけにそれもなかなか難しいのかもしれない。今の社会は経済がすべてだ。経済が破たんしてしまえば、国家という機能も破たんしてしまうであろう。そうなる前にかえなけえばいけないことを変化させる良い機会となればこの混乱も意味があるものになるのかもしれない。

モノづくりの世界ではグローバル化とともに日本の製造業の空洞化が進み、国家間の水平移動ができなくなったとたんにモノ不足に陥るという困った事態が起きてしまった。これはマスクだけではなくほかの様々な製品に波及しているようだ。この問題一つとっても、人件費が安いところに製造拠点を持っていくだけの経済原理による仕組みづくりの問題だといえるわけだが、川口市の鋳物産業などは様にこの状況に陥っている。製造業の工場街はマンション群へと姿を変えてしまったから、そうそう簡単には元に戻ることなどできるはずもない。さてさて、困ったものである。

これはモノづくりの世界における職人の労働単価を下げるという思考からの社会構築の限界ともいえる。労働者の賃金を下げ、資本家が利益を生み出すという仕組みが正義ならば、製造拠点は日本から中国へ、そしてベトナムやアフリカへと移行することが結果であるのもうなずける。これが今問題になってしまっているとするなら、そもそも僕たちの頼っている資本主義という社会制度の限界のような気もしてくるが、これに代わる社会制度がないのだから仕方がないと放置されてきた。昨今の格差社会の問題も同じような感じだ。皆がおかしいと感じているのに放置されている。そしてその状況がどんどん進み、後戻りできなくなる現階の今、なんだかコロナウィルスに振り回されることで足元を見つめる機会が生まれているような気がするのである。

建築の世界は現場でのモノづくりが大きな意味を持っている。職人の存在も価値も、機械化が簡単に行える工場労働者と比較すると格段に高いといえるだろう。(もちろん建売のように誰でもできるものを造っているだけではだめだけれど・・・)設計者と職人さんの格差もないし、現場の監督だって職人さんに頭が上がらないことがしばしばある世界だ。フラットなモノづくりの世界が珍しく残っているのが建築の魅力である。だから職人になりたいという若者だって少ないけれどいまだにいるし、一人前になればそれなりの暮らしも出来る魅力もある。建築がこのような状況なのは海外生産ができないからだ。そして日本人が建築というものを暮らしの中で自然に学んでいて、結構高いレベルの建築を求めたくなる教養を身に着けているからだと思う。

この建築の仕組みをほかの製造業に転換することは難しいだろう。海外で安く作れ、それを輸送したほうが国内で生産するよりも結果的に利潤を生むというものを国内生産に移行するには、人の労働力に頼らないレベルの機械化が必要になる。でもそれは大規模な投資が必要だから、中小企業にはそれを行う資本がない。僕の知っている中小企業の経営者さんの中には、こういう初期投資が必要な事業からの撤退を決断する人がとても多いという現状を見てもやっぱり一筋縄ではいかない問題なのだと思う。では国内の労働力の賃金を抑えるために移民を受け入れるのはどうか、これは技能実習生という形で実施されている。この形態は一見うまくいきそうな気配もあるが、今中心となっているベトナムの経済成長を見ると数年後には、日本などには誰も来ないという逆転現象が起きるであろう。もうすでに日本の零細企業の製造業者は、海外移民レベルの賃金での労働を強いられているという現状もあるようだ。経済成長率を上げる。その成長した分のお金が製造業者に回ることで、製造業が再び生き返るという循環を造るには、モノの値段が製造者たちのコストの積み上げによって決まる仕組みが必要である。

トランプによる関税戦争を傍目に見て、異様に感じていた僕たちが、次はそれをやる順番なのかもしれない。それは国内の製造業にとっては価格保持の要因となりうるからである。僕たちは医療関係者ではない。でもこういう時だからこそ僕たちに考えることができることもあるはずだ。こうした議論が活発になり、何らかの社会変革が起きることで、この国がもっと良い国になること、それこそが危機に立たされる僕たちのやるべきことのような気がするのである。

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