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増井真也日記

2020年2月アーカイブ

2020/02/13

午前中はさんかくの家の契約業務を行った。買主さんのご夫婦と、オーナーさんのTさん、そしてますいいの不動産担当の私の妻での作業である。買主さんはとてもこの家を気に入ってくれて、初めて見に来た後にすぐに購入の申し込みをしてくれた。無事に住宅ローンも組めて、晴れて契約ということになったわけだが、こんなに不動産取引っぽくない取引というのは初めての経験であった。買主さんがこの家を購入した後もなんとなく遊びに来ても許されるような気がするくらいに気さくな買主さんであり、そういう買主さんに買ってもらえることをTさんもとても喜んでいた。契約後にはみんなで当時造った模型を手に記念撮影をした。なんだかすでに家をきっかけに一つのコミュニティーが出来上がったような状態なのである。この家の出来事は、最近の僕にとって最も嬉しいことの一つである。建築の力・・・、そういうものがあるとするならきっとこういうことなんだなあと思うのだ。

下の写真は15年前のプレゼンの時に描いたスケッチと、玄関のハンドルを彫刻刀で造っている15年前の僕である。
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今日はスタッフ勉強会ということで、リクシルのショウルームの中にある住まいスタジオなる場所を見学した。このスタジオは気温0度の環境を再現した中に、断熱性能を3段階に分けた家を造り、実際にその家の寒さを体感してもらおうというものである。昭和55年レベルの家、今の性能の家、G2レベルの家のそれぞれの断熱性能を比較してみると、例えば開口部廻りのひんやり感だとか、例えば壁の入隅のひんやり感などに大きな差があることがわかる。G2レベルというのは、断熱等級4よりも高いZEH相当よりもさらに高い断熱レベルなので、まるで魔法瓶のような温かさなのだけれど、これを採用しようとすると現時点では大幅なコストアップになってしまうということなので、断熱材メーカーの価格ダウンに向けた努力が望まれるところだろう。こういうものは多くの場合普及する割合に応じて価格が下がる。初期に採用しようとすれば大きな投資になるが、数年するとそれが当たり前になっていることの類に入る事象だ。現に今の基準ということになっている断熱等級4程度というのも、昔は相当にコストアップにつながってしまう断熱性能だったのである。だからこそ今の時代にコストパフォーマンスが最も良いものの性能を上げていくという業界全体の努力が必要なのだと思う。

終了後は大久保駅の近くのネパール料理屋さんにて懇親会。この界隈のネパール料理屋さんは本格的なダルバートを提供してくれるということで楽しみに来た。20時ごろまで楽しく過ごし帰宅。

2020/02/11

祭日ということで何となく久しぶりのお休みである。とはいえやっぱりやることはある。朝いちばんで家の周りをゆっくりとジョギングした後に、5月に使う予定の茶室のデザインについて少々考えた。こういう内容は祭日の朝が一番良い。なんとなく電話もかかってこないし、心も落ち着いている。要するに頭が最もその内容に集中できるのである。

10時、さんかくの家に向けて出発。家の販売の契約を控えているということで、最終的な建物の点検を行った。さんかくの家の販売のご相談を受けたのは年末のパーティーの時である。それから準備を行い、最初の一人目に来ていいただいた方が、そのまま契約者となったので大変スムーズに事が運んだわけだが、このことは僕にとってもとても新鮮で、そして嬉しい出来事であった。魅力的な建物がいとも簡単に壊されていく様子を目にするたびに、何とかならないものかと考えてきた。でもそういう状況をどうにかできるものでもなく今に至るわけだけれど、なんとなくではあるが取り壊されずに再利用される条件というものが見えたような気もする。

・建築の設計が魅力的かつ特徴的であること
・適正な土地・建物の価格設定
・建物のメンテナンスを行っていること
・できれば建物の設計者による解説(できなければほかの設計者でも)
これが今の時点で感じていることである。特にほかにない特徴があることは大きな要因のような気もする。

僕はトヨタが復刻版を販売したランドクルーザーの70に乗っている。この車もファンが多いせいか、なかなか値が下がらない。すでに5万キロも乗っているけれど、驚くべきことにいまだに購入価格とそう変わらない値段で販売することができてしまう。車と建物は違うけれど、でもなんとなく共通点もあるような気がするのである。

BMWとかベンツとか、レクサスといった高級な車の値下がり率はものすごい。新車の価格はすごく高いけれど中古だとそうでもなくなる。この現象は建築でも同じだと思う。高級ハウスメーカーで造られた一般的なデザインの家はやっぱり価格の下落幅が大きくなってしまう。それに対して、初めからローコストで工夫され、デザインされている建築は、そこからの値下がりはそんなにしようもないわけだし、オンリーワンの希少価値を認めてもらうことができる可能性がより高くなるのであろう。この現象はとても面白い現象だ。

価格、価値とは何だろう。

BMWは値下がりする価値がある。
と書くと、それは価値なのだろうか?と疑問に思う。
BMWは初めの購入者にとっての価値がある。という言葉が正しいのかもしれない。

ここでいう価値、それはステータスである。もちろん安全性や走行性能という利点はあるが、それだけならそこまで高級である必要はない。他者からの羨望を受けるということに対する価値であれば、それは初めて利用されるものだからこその価値があることにもうなづける。

西洋の住宅は何世代にも受け継がれて利用される。内装はやり替えられるけれど、建物自体に価値があり、メンテナンスをされながらきちんと取引の対象となるのである。この場合の価値とは、ステータス性のようなものではなく、そこに暮らすことができるという実際の価値である。

ステータス性の価値ではない実際の価値を設計すること、これはとても大切なことかもしれないと思う。でもそれっていったい何なのだろう、ということをちょっと考えてみたい。

2020/02/08

11時、知人の還暦の祝いの茶事に参加。還暦など今ではようやく成人かというくらいに若いので、昔のような感覚はないわけだけれど、でも人生の一区切り、ここからのリスタートという意味で会を開催したという。この度は京都大徳寺の高僧も参加する会となり、なんだか僕なんぞがいてよいのだろうかの疑問を感じながらの一日ではあったが、それでもとても良い経験をさせて頂き感謝感謝である。

夕方、上棟式を兼ねた焼肉パーティーに参加。大勢の大工さんとの会食である。なんだか賑やかを通り越した状態となってしまったが、職人さんとの会合はとかく激しいものなのだ。午前中の茶会とのギャップがあまりにも大きく、なんだかおもしろいものだなあの感である。

2020/02/06

10時、埼玉県川口市にて設計中のマンションの耐震診断についての打ち合わせ。鉄筋コンクリート造5階建てのマンションの耐震診断をしたら、耐震補強工事ができない程の弱い建物であるとの判定をされてしまったから、この際取り壊して新築のマンションにしたいというご相談を受けたのが始まりである。現地に足を運んでみると築50年とはいうものの、取り壊すのはもったいないと感じる綺麗さである。しかも川口駅にほど近いという好条件である。あまりコストをかけずにリノベーションを施し、若者でも借りやすい価格帯のアーティスト向け賃貸住宅などの構想をたてるにはもってこいの建築なのだ。もしも建て替えてしまえば、よくある新築デザイナーズマンションが登場するわけだけれど、今の川口市にこれ以上新築アパートを作っていかなるものかの疑問を感じていない人はいないであろう。〇〇建託の営業マンには悪いが、もうそんな時代ではないのだ。もちろん利用できないくらいに老朽化している場合は別であるから、調査は必要だ。でも今回の診断の結果、補強をすればこれからも利用できるほどの強度にはなることが分かったのである。これは良い結果である。この方針でクライアントのHさんとの話し合いを進めていこうと思う次第である。

2020/02/03

川口市の依頼で、埼玉県建築士事務所協会で請け負っている危険ブロックの相談が舞い込んできた。こういう活動に深くかかわるのは初めてだけれど、町中にある危険なブロック塀をなくそうという運動は全国的に展開されているもので、川口市の場合は年明けから3月末日までの間で行われることになっている。通学路に面する危険なブロック塀を解体する際には助成金が支給されるので、普通に壊すよりも半分くらいの費用で解体できるこの制度を利用しようという人は多く、結果僕たちにご相談が舞い込んでくるという仕組みなのである。さてさて、ただ単に壊すだけのご相談から、新しく作り直したいというごご相談までいろいろである。ちょっと忙しくなりそうだけれど、ひとつずつ対応していきたいと思う。

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