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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

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増井真也日記

2019年12月アーカイブ

2019/12/28

今日は朝から恒例の本納寺お餅つき大会に参加した。ご住職がやっているサッカーの指導を受けた生徒たちが大人になり、沢山参加してくれている。昨年も何人か来てくれていたけれど、今日はだいぶ人数が増えたようだ。子供たちの育つ姿を見るのは良いものである。昨年はまだ幼い雰囲気が残っていた子供たちが、たった一年でものすごく大人の顔になっていたりする。毎年同じことを繰り返す大切さというのはこういうことなんだなあと思うのである。

12時ごろ、田部井君とバトンタッチをして事務所に戻る。数件のあいさつ回りをして事務所へもどる。

今日で仕事納め。新年は6日からのスタートである。皆様もよいお年をお迎えください。

2019/12/27

今日は朝からスタッフ全員で大掃除である。コンテナの中身をきれいにしようと奮闘すると、なんだか1/4くらいのものはごみに見えてくる。いつ使うかわからないようなものに埋もれていては、ビスなどの普段使うものまで見えなくなってしまうということで大々的に処分していくと、だんだんと心地よいガレージのごとき空間になってきた。僕が先頭に立ってコンテナの中身を掃除したのは数年ぶりだけれど、いつの間にやら廻りのスタッフも本気になっている。

事務所の方も今年は久しぶりの席替えを行った。席替えをすると、たまっている不要なものを整理するきっかけとなる。場所が変わるし隣の人も変わるから、なんとなく気分も変わり新鮮な気持ちでスタートを切ることができる。これまたなかなか良い手法なのである。

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2019/12/26

午前中は各プロジェクト打ち合わせ。年末は一日一日が過ぎていく時を刻む音が聞こえるような感覚に襲われることがあるけれど、一年のうちでこんな風に時間が差し迫る感覚を覚えるのは年末だけのような気がする。また来年も良い年になればよいなあとすべてを忘れられれば幸せだが、仕事のこととなるとそうもいかないわけで、来年になっても忘れぬように忘備録に残すような気も使わなければならないのである。今年は日廻りが良く、28日からお休みという人も多いようだ。ますいいは28日に恒例のお餅つきがあるので、毎年29日からがお休みだ。仕事始めは6日からだから日曜日から日曜日までの8連休、なかなかの期間だけにそれなりにゆったりとできるであろう。

11時より、川口氷川神社さんにて打ち合わせ。年末の神社さんはお焚き上げの準備などで大忙しだ。お焚き上げのスペースには鉄筋を組んだ3畳ほどのスペースに鉄網を張り巡らし、その外側を鉄パイプで覆うという頑強な策を施している。お札やお守り、神棚などのごみとして捨てられないものを神社という聖域の中で焚き上げてもらおうという思いの集まる行事だけれど、火を使うからこその慎重な対応を取らなければならないわけで、準備作業はとても大変なのである。

午後、銀行さんとの打ち合わせなど。

2019/12/23

午前中は東京都北区にてアパートの漏水調査に立ち会い。アパートの施工を担当している関口君と一緒に立ち会うも、ユニットバスの点検口の中にある給湯管と水栓金具をつなぐ部材からの漏水であることをすぐに発見することができた。築年数が古くなってくると、こういう具合に不具合が起きることが多くなってくるようで、メンテナンスの機会も増えざるを得ない。そんなときに気軽に相談できる存在というのもまた、町医者的ますいいの役割である。とはいえそれを受けることができるのも関口君がいるおかげというもの。仕事は一人ではできない、やっぱり良きパートナーの存在が重要なのである。

夕方、東京都文京区にて設計中のKさんの家の基本設計打ち合わせ。今日はご主人さまもご参加されての打ち合わせであった。これまで吹き抜けの位置を移動したり、リビングとダイニングを入れ替えたりの可能性をスタディーしてきたのだが、だいぶ固まってきたように思う。次回の打ち合わせを終えたら実施設計となるだろう。狭小地に建つ3階建てということで、これからが設計の難しいところだ。しっかりと進めていきたいと思う。

ますいいの高崎分室がオープンした。まだ工事はなんとなく続いているけれど、事務所としての形態はようやく整えることができた。高崎の分室の建物は空き倉庫を利用している。広い倉庫の一角に事務所スペースを造る、建築の中の建築のような形式である。たまたま安い倉庫を借りることができたからこんな計画が可能となったが、これはなかなか贅沢な空間だ。ギャラリーのように利用したりの可能性も楽しみである。分室の主は柳沢君だ。人柄とセンスが良い柳沢君のことだから、きっと楽しく運営してくれるだろう。

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2019/12/21

午前中、埼玉県さいたま市にて家を建てたいというSさんご夫妻打ち合わせ。なんでもテレビ番組の製作をお仕事としてされているそうで、ご夫婦ともにクリエイターの雰囲気のある方々である。準防火地域の小さな土地に、木造の3階建てか、はたまた2階建てかの住まいを造る計画である。準防火地域の住宅の場合は、2階建てならば防火構造、3階建てならば準耐火構造という風にまったく異なる形式となる。この差は結構大きくって、例えば階段を木製委のオープン階段にすることができなくなったり(燃えしろ設計を利用すれば別だけれど)、内部の柱や梁のあらわしができなかったり、アルミサッシが防火仕様になったり、ガラスが網入りガラスになったり、木製玄関ドアが使えなかったり・・・、まあいろいろとあるのだ。できれば2階建てがいいなあと思いながらも、まずはプランを検討してみることとした。

14時、東京都台東区にて住宅を設計中のMさん打ち合わせ。浅草の雷門のすぐ近くの敷地である。こういう場所はすごく人の縁が深そうで、昔から住み続けている人がたくさんいる。土地もだいぶごちゃごちゃで、小さな敷地に小さな住宅がひしめくように建っている。当然隣の建物が越境していたりのハプニングもある。というわけで、敷地に越境している隣の建物の様子を見に行ったりの作業を行うこととした。

2019/12/20

午前中は各プロジェクト打ち合わせ。

17時、川口裏路地計画会議を開催した。以下が会議報告である。次回は佐藤君の友人の建築史家、高田さんのアーティスト集団にメンバーも参加酢てくれる予定である。街づくりに参加したい仲間が少しずつ増えていく。良い志に集まる仲間とともに、良い町を造れたらよいと思う。

1.川口裏路地計画について
裏路地計画の概要説明。 
「川口市の本町1丁目から栄町、幸町周辺の街の中に魅力的な裏路地をつくる」ための団体の立ち上げ団体について。
■設立目的
・大規模再開発などによって魅力的な商店街や路地などが画一的なものに変化してしまう中で、魅力ある裏路地を生み出すための活動を行うこと。
・互いにアイデアを出し合い、作業を分担して、魅力的な街の創造に寄与すること。
■団体の形態について NPO法人、一般社団法人等
■参加メンバーについては後日協議して検討する。

2.塀のデザイン
・本町のシェアハウス、幸町のシェアハウス、幸町のギャラリー、川口ブリュワリーさん店舗などにおいて同じデザイン要素を持つ塀を造り、川口裏路地計画のアイコンとなる存在を生み出す。
・点から線に繋げていき、裏路地計画の一体感ある展開を目指す。
・コストを抑えて参加しやすいプロジェクトとするために、木を利用した構造とする。
・腐りにくいように栗材を理想してもよいかもしれない。
・デザイン案を佐藤研吾氏が次回までに提案。

3.空き家・空きスペースの有効利用について
・小商いビジネススペース(増井)
・アーティスト向けのアトリエ付き貸家(高田氏)
等のアイデアが出た。次回会議までにアイデアを持ち寄る。

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2019/12/18

午後、埼玉県桶川市にて造ったAさんの家の完成確認。夫婦二人で暮らすための茶室のある住宅である。茶室は8畳の広間で床の間と琵琶棚、縁側を持つ。床柱と落とし掛けには天然の北山杉の絞り丸太を使用している。落とし掛けなどのそのほかの部材は杉を使用した。この茶室の唐紙には、京都の唐長さんで造った唐紙を貼っている。ガラは「花兎」。淡いピンク色の唐紙が、茶室に何となく淡い彩を与えてくれるようだ。今日はAさんにお願いされた電気の炉壇と新塗りの炉縁を納めた。新しい畳に炉を入れる、何とも言えない瞬間である。

僕は暮らしの中の茶室を安く作ることを大切にしている。こんなことを言うと怒られてしまうが、京都の茶室用の竹材や杉材などは、1枚10万円以上するような棚板などなどが当たり前で、見積もりをすると材料代だけでもすぐに100万円を超えてしまう。つまり高すぎるのである。確かに今の時代には希少かもしれないし、確かにとっても綺麗なのだけれど、でもこんなに高すぎたら誰も造ることができないでしょ、と思うのだ。だから僕は(もちろんあんまり目立たないように気を使いながら)集成材の安い板を使用するときもある。高い無垢板と安い集成板をうまく組み合わせることで比較的安価で茶室を手に入れることができるようになるのなら、そのほうが良いに決まっているのだ。

炉壇だって同じである。炉を切るとものすごく高いんでしょ、と言わることがあるけれど、金属製の炉壇は20万円もしないで売っている。確かに左官屋さんに手作りをしてもらったら高いけれど、銅製の金属炉壇でも十分に茶は点てられる。守るべきものとそうでなくてもよいものをよく考えないと、茶道も衰退して存在を認識することが難しくなってしまったほかの伝統のようになってしまう。また一つ文化の伝承の場所を造ることができたことに心より感謝したいと思う。

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2019/12/13

朝一番で、埼玉県桶川市にて進行しているAさんの家の引き渡し。

10時、ますいいで進行しているホームレシピのサイト運営に関する打ち合わせ。

夕方、大学時代の早稲田大学理工ラグビー部同期の相談を受ける。なんでも今は浦和に単身赴任をしているそうで、この際さいたま市内に住居を移そうかなあと思っているらしい。富山から上京してきたので、さいたま市内であれば一体どこが良いかなあと言いう相談であったが、僕としては川口市もいいよのアピールもさせて頂いた。川口市は住宅ローンのアルヒさんが住みやすい町NO1に選んでくれたように、土地の値段なども都内に比べたら格段に安いし、都内へのアクセスは抜群に良いし、なかなかに住みやすい町なのである。外国人が日本で3番目に多い町などといって、あんまりよいイメージにならないことが多いのだけれど、川口市民からするとその外国人が例えば小学校のクラスに3人くらいいることもそれほど特別なことでもなくって、子どもたちは意外とみんなで仲良くしていたりするのが現実であるのだ。まあ友人がどこに暮らすかは良いとして、こんな風に20年もして助け合えたりする仲間がいてくれるのが良いものだなあと思う次第である。

2019/12/12

15時ごろ、埼玉県吉川市にてカフェをやりたいというSさん来社。現在はお勤めをしているそうだけれど、45坪くらいの建物を建てて、そのうちの20坪の1階部分を利用してカフェを営む暮らしに転向したいというご相談であった。うーん、これは誰かに似ている。そう、アスタリスクカフェのHさんである。

Hさんは当時2000万円ほどの早期退職金を使って、720万円の土地を購入し、残りのお金で建築を造ってほしいと、ますいいリビングカンパニーを訪れた。1200万円しかないという話を聞いて、到底無理であろうなあと思ったのだけれど、そこはローコスト住宅が得意なますいいリビングカンパニーの意地の見せ所である。断るのは誰でもできる。何とかならないかなあと思っていると、なんとHさんが自分で書いた理想像のスケッチを見せてくれたのだ。

そのスケッチは、僕たちが書くのと同じくらいか、ちょっと下手なくらいなかなかのものであった。ここまで理想を表現できる人ならば、ある程度の箱さえ造ってあげればその先は自分自身の手によって理想の空間を創り上げることが出来るのではないか、と思ったのである。予想は的中した。Hさんご夫妻は退職後に有り余る時間を建築の現場に注ぎ込み、いまではテレビなどに引っ張りだこの素晴らしいカフェを創り上げたのである。さてさて、Sさんのカフェもこんな風に出来れば最高だと思う。今の時代は社会の歯車になる時代ではない。個人のこだわりとか思いとかを大切に生き、そして誰かを喜ばせることをする、そんな生き方のお手伝いが出来ればと思うのである。

続いて、7年ほど前に家を建てたSさん来社。500万円ほどの土地を購入し、1000万円ほどの家を造って暮らしているSさん。今回はお隣の土地を購入し、増築をしたいなあのご相談であった。当時はこのプロジェクトを1000万円住宅プロジェクトと名付けた。Sさんは決してお金がないわけではない。普通に住宅ローンを組めばたぶん5000万円くらいの予算をすぐに作れる。だけど、家造りってそんなものではないよね、今の暮らしに必要十分な空間を1000万円くらいで手に入れて、豊かな暮らしを阻害しない範囲で家を造りたいのだ、そんな思いでスタートした計画であった。

今の日本の住宅は、住む人を住宅ローンでしばりつけてしまう傾向がある。豊かな暮らしのための住宅なのに、それによって全く余裕のない暮らしになってしまうのでは何のための家造りか。家賃を払うよりは住宅ローンのほうがいいよね、それくらいの範囲の中で収められる家づくりが良いと思う。Sさんはまさにそんな考えの持ち主なのである。

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1000万円の家(7年前の手記)
このプロジェクトは1000万円で家を建てたいというSさんのためのものである。Sさんはなんといっても銀行さんに受けの良い地方公務員だから、普通に5000万円くらいの住宅ローンを組むことができるのだけれど、実際に使ったお金は土地代として450万円ほどと、住宅建築に1100万円ほどである。だから、合わせて1550万円で注文住宅を取得したわけだ。場所はJR京浜東北線の大宮駅から歩いて20分ほどのところである。もちろん土地の面積は20坪ほどととても小さい。でも、東京駅までほど近い埼玉県さいたま市のベッドタウンで起きた、建売よりも安い注文住宅取得の物語である。

Sさんは常々、人生で2回くらいは家を建ててみたいと話している。そして住宅ローンに縛られるくらいをするのは嫌だとも話している。この考え方は僕の考えととてもマッチしている。銀行さんが言うとおりにお金を借りていたら、一生そのローンを返すためだけに生きていかなければならない。どんなに広い住宅が手に入っても、どんなに駅に近い土地が手に入っても、おいしい物を食べたり、楽しい演劇を見たり、旅行に行ったり、お気に入りの洋服を買ったりの、暮らしを豊かにしてくれる余裕が全くないのでは意味がない。家はあくまでそれらと同等の物であり、人が生きるための箱以上のものではないのである。

この住宅を作るに当たって、僕は以下の設計のコンセプトをしっかりと持つことにした。
・家族3人が暮らすための最も合理的な形態の美しいプランを導き出す。
(同じ面積を創りだすのであれば正方形のプランが最も合理的である。そして断面的には総2階建てが最も安価となる。その基本を押さえつつ、敷地条件やその他の建築条件に合う美しい箱をデザインすることとした。)
・装飾・付属品は一切省くこと。
(装飾や家具工事などの付属工事は一切省くこととした。あくまで施主が暮らすために必要な、最低限の箱を作ることに限ることで、コストを抑えることとした。)
・構造を表しにすることで建築意匠の特徴を作る。
(もともと建築の構成に必要な構造を表とすることで、無駄のない意匠的な特徴とする。これはセルフビルドを所望する施主が今後工事をする際に、やりやすい状況を作ることにもつながる。)
・できる限りセルフビルドを取り入れること。

これらの設計方針は、川島町のカフェ兼住宅を作る際に確立したものである。(参照ページアドレス)それ以来、埼玉県幸手市のスタジオ兼住宅や間もなく工事を始めるさいたま市岩槻の接骨院兼住宅の現場で同様の方針を立てた。今回のプロジェクトはその中でも最も小さな、そして価格の安いものとなった。

プランは3間×3間のいわゆる9坪ハウスの2階建てである。9坪ハウスに特徴的な吹き抜けは無い。18坪すべてを有効な床としている。1階には将来二つに分けることができる個室・水回りを設けている。2階にはワンルーム型のLDKが配置されている。空間の広がりを作るために天井は屋根の形に合わせた勾配天井とした。内部の壁を構築する際には、仕上げを自然素材のタナクリームとした。床には杉板を張っている。外部に接する壁は外断熱工法とし、柱や間柱はすべて表しとなっている。構造を支える要素のタイベストウッドの裏面のMDFも表しとすることで、木の風合いの内壁を造り上げた。

この住宅の構造部材は西川材で作られている。柱には杉の無垢材を、土台には檜を使用した。建築の意匠の特徴としてあらわされる部分だからこそ、多少コストは上がるもののあえて使用したわけだが、これは建築の価値を高める手法として成功したと考えている。


2019/12/10

今日は年内最後の勉強会を開催した。題材は現場管理の手法についてである。やり方やレベル設定といった工事準備の段階から基礎工事までの範囲について、4時間かけてみんなの経験談などを話し合った。仕事をしていればそれぞれさまざまな失敗談を持っている。そういう経験を共有することで、若いスタッフが失敗をするタイミングでそれを避けることが出来たりすれば、それだけでもすごい効果であろう。特にレベルの設計などは経験を要するタイミングなので、念を入れて話し合うことにした。

終了後は、川口市にある居酒屋・一徳さんにて忘年会を開催した。普段は一緒に食事をすることがないパートの事務員さん達や、大工さんの本間さんまで全員参加で開催することが出来た。会社はやっぱり一体感が大切であるなあの感であった。

2019/12/09

13時、川口市役所にて保育園の認可に関する審議会に参加。今日は4つの保育園の認可についての話し合いをしたが、そのうちの一つにすごく狭いマンションの1階部分を改修して保育園とする計画があったのでお話したい。

これはものすごく印象深い計画であった。

なぜなら昔の日本家屋のごとき続き間となった保育室で、つまりは0歳児の部屋の隣に1歳児の部屋があったり、その隣に3・4・5歳児の部屋があるという具合に、いわゆる廊下というものが存在しないのである。ということは5歳児がトイレに行こうとすると、0歳児がお昼寝をしている部屋を通っていかなければならないなどの無理な状況が容易に想定される。もしこんな保育園が出来上がれば、総勢50名くらいの子どもたちが、ものすごく混とんとした状況の中に放り込まれることが予想される。場所は川口駅のすぐ近くである。確かに需要はある。川口駅に子供を預けてすぐ通勤、これは便利だ。でも子どもの立場は?

以前アジア最貧国のネパールの保育園を見た。こんなに貧しい環境だから寄付をしてほしいといわれたその保育園は、日本の保育園よりもよっぽど恵まれた環境であった。今の保育園の設置環境は、行政の助成金によって工事をして民間がその運営をするという方式である。この方式はどうしても営利活動だから質の差が生じるわけだけれど、その差の出方を調整するのがまさに僕たちの役割のような気もするのである。


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2019/12/08

今日は裏千家の淡交会という団体のメンバーで卒業茶会なる茶会を開催した。淡交会というのは読んで字のごとく、茶道を通して淡く交わる会である。要するに裏千家茶道をたしなむものの交流の場であるのだが、今日は総勢50名ほどのお客様をお迎えするゆったりとした茶会であった。何百人ものお客様が来場する大寄せの茶会だと、なかなかこういうゆったりとした時間を持つことはできないし、役割分担に従っててきぱき物をこなすという感じになりがちなのだけれど、今日は僕もお点前をしたりの余裕もあってなんだか久しぶりに茶道を楽しむことができた一日であった。

茶道を通してつながる仲間というのは良いものだなあなどと改めて感じつつ、こういう文化が無理なくみんなに広まってくれればいいなあと思ったりもした。茶道はお金がかかるから・・・、正座が堅苦しくって・・・、などの否定的な意見はしばしば耳にするわけだけれど、誰だってこの国から和の文化が消えてなくなってしまえばよいと思うわけではない。むしろ京都の町を見て美しいと思う心は、誰の中にでも存在するはずである。無理なく・・・つまり自分らしく茶道をたしなむ、茶道でなくとも文化とともに生きるのでもよいと思うが、こういうことはやっぱり良いことと思うのである。

2019/12/07

今日は朝から東京都豊島区にて進行中の本納寺の屋根の吹き替え現場にて、瓦洗い作業を行った。約100年間本堂を風雨から守ってくれた瓦をきれいに洗って、檀家さんたちにお配りするために僕自ら作業をしてみたという次第である。屋根はすでに瓦が下ろされ、ブルーシートで養生されている状態だ。今日はしとしとと雨が降っていたのでめくってみることはできなかったけれど、写真のようなもともとあった瓦を支えるための土も降ろされ、宮大工さんたちの手によってすでに下地の補修作業が進められている。

屋根の頂点に乗っていた宝珠もこんな風に人海戦術によって下ろされた。新たに別の宝珠が設置された後は、もともとあった宝珠はモニュメントとして長く境内の中で展示される予定である。宗教施設というのは人間の短い寿命と違ってこの先長い長い間、存在し続けなければいけないものだ。普段はあんまり注目されることはないかもしれないけれど、人々の生活と深く結びついた仏教や神道の施設というのは、災害などの心のよりどころを求めるときにこそ人々の支えとなるものであると思う。だからこそ、これまでの百年を支えてくれた宝珠も大切に保存されるべきなのであろう。

それにしても今日から急に冷え込んできた。14時過ぎ作業終了して帰宅した。

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2019/12/05

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

11時、お茶の先生と待ち合わせをして裏千家東京道場で開催される好日会という茶会に参加するために牛込柳町まで足を運ぶ。この場所は防衛省の裏手にある静かな住宅街で、細い路地を入ったところに道場がある。ここで月に一回開催される会に、埼玉県のお世話になっている先生が席を持つということで僕もお呼ばれしたというわけだ。というわけなので今日の好日会は埼玉県の先生方がたくさんいらっしゃる。みんなお知り合いの状態であったがこういう風に出先で知人に会うのもなかなか良いものである。

今日のお席のお菓子は、行松旭生堂の行松さんが石川県から東京まで来て作ってくれていた。その場でまんじゅうを蒸かして温かいままお出しするという、何とも言えない、ありがたいおもてなしであった。お菓子を出すために一人の人間がはるばる移動してその場で造る・・・、たぶんこんなことはお茶の世界でなければ無いことだと思う。というよりお茶の世界でもめったにないことだ。心を込めたおもてなし、口で言うのは簡単だけれど奥が深い言葉だという気がする。こういうことの一つ一つに、「文化」というものが宿る。文化とは・・、考えてみても明確な形などない。人の心、行動、作り出す物、そういうものが長い歴史の中で受け継がれた時に初めて文化ということができる何かになるのであろうし、それは決して一人で造るものでもなく、でも一人一人がいなければ造ることはできないものなのだと思う。

2019/12/04

9時30分、埼玉県川口市のIさんの家にて打ち合わせ。Iさんの家では二つの計画がある。一つは同居している98歳のお母さんがいざという時に垂直避難ができるように2階の押し入れの床に穴をあけて、そこからチェーンブロックとワイヤーモッコで釣り上げができるようにすること、そして避難した時に木造の古い家屋が万が一流されてしまった場合でも、地上3.5mほどの高さのところにとどまることができる人工地盤を造ることである。埼玉県の川口市は川がたくさんある町だ。先日の台風19号の時も芝川という川が氾濫寸前のところまでいっていたし、先日の台風では大丈夫だった荒川が氾濫すれば水深が3mほどまでなるといわれている。

避難をしろと言われても避難ができない高齢者もたくさんいるし、さらに言えば60万人の市民が避難する場所など到底足りるはずもない。墨田区や江戸川区で言われている問題と同じような問題がここにはあるのだ。水が出たときにどこにも行くことができなくとも、水を逃れることができるような場所があれば助かる命がある。福島県の老夫婦のような悲しい事故を起こさないためのプロジェクトなのである。このプロジェクトには、石山先生の弟子である後輩の建築家・佐藤研吾君が参加してくれている。次の台風シーズンまでには完成させる予定であるが、どのような形に進んでいくかが楽しみなところである。

12時、高崎分室で柳沢君が設計作業を進めているIさんの家とMさんの家に関する設計打ち合わせを行った。

14時、数年前に最短県さいたま市にて造ったWさんの家メンテナンス訪問。1時間ほどの作業をして事務所に戻る。

2019/12/03

朝一番で事務所を出発して埼玉県坂戸市にて進行中のYさんの家の地鎮祭に参加した。現地についてみると膝の高さほどの草が一面に生えている。すでにYさんも現場に到着していて、MAKITAの充電式草刈り機で草刈りを始めようとしているところだ。僕たちもガソリンエンジンの草刈り機で草刈りを始めたけれど、約1時間ほどのなかなか大変な作業であった。10時ごろ川口氷川神社さんの神主さんが現地に到着した。竹や砂山の準備は整っていたので、祭壇を組み立てお供え物を並べて地鎮祭を開始した。昨日とうって変わって最高の天気の中行われた地鎮祭はなかなかに神々しい。さらさらと風の音が聞こえるとまるで本当に土地の神様が舞い降りてきたような気もしてくる。今後の工事の無事、そしてYさんご家族の安寧を祈りたいと思う。

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2019/12/01

昨日から二日間、京都に来ている。毎年恒例の裏千家の会議に参加しているのだけれど、今年は少々大きな目的があって、来年の5月に京都で開催する全国大会において北の大茶会のような茶会を開催することとなったわけだけれど、その会場の設営という役を頂戴したというなかなかにハードなお仕事があるのだ。

秀吉の開催した北の大茶会はいわゆる野点の茶会であったり、即席の茶室の中での茶会であったわけだが、今回の会場はみやこメッセというイベント会場である。殺風景な展示会場に大小のブースを設えても、なかなか趣を感じるような空間を構成することはできないだろうし、しかも予算はあんまりかけることはできないというから何とも難しい。商業イベントのように大きな予算を使えるはずもなく、ということは参加者が気持ちを込めたボランティアの枠を少々広げていってみんなで造る茶席群とするしかないわけだ。まさかこんなところでもセルフビルドの指揮官をやるとは思っていなかった。でも僕はきっとセルフビルドと切っても切れない運命なのだ。

そもそも、茶室は本来そんなものであるという気もする。藤森照信先生だって、利休の待庵について、大山崎の合戦のさなかに秀吉の要望で急遽茶室が必要となり、たまたま見つけたお堂の一部を襖や雨戸を切って間仕切り、躙り口などの出入り口を設え茶室としたという説を書いているし、そもそも侘び寂びというもの自体が、そういう仮設的なものに心を込めて一期一会の空間を造り上げる行為のイメージであるように思うのである。

現代における茶室は、侘びた風情を造るために高価な材料をそろえ、詫び寂びを気取ったぼったくりの合成空間となってしまっているものも多いように思う。でもそういうことを続けていけるほどに茶道人口も多いわけではないし、そもそもそういうことをやってきてしまったから茶道人口が減ってしまっているようにも思う。心のこもった空間を自分たちの力を注いで作り上げる、そんな原点の茶室群ができるように進めていきたいなあと思う。

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