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増井真也日記

2019/10/23

ますいいでは土間のある家を造ることが多い。玄関からつながるスペースだったり、リビングの目の前が土間になっていたり、そもそもリビング自体が土間になっている住宅だったり、その範囲や用途は様々である。土間というともともとは農家の作業スペース、つまりは日常的な台所作業や家畜の世話、収穫した作物の保管などを行う場所として利用されていたもので、読んで字のごとくまさに土を突き固めた仕上げで造られていた。古民家などの保存がされている場所を見学に行くと今でも見ることができるが、半分外のような場所であった。そもそも昔の木造住宅は板一枚で外と内が隔てられていただけのようなものが多く、風は吹きこむし、雪も吹き込む、その境界は非常にあいまいであったのだ。

都市型住宅の場合、どうしても外と内は全く別のものとして扱われることが多い。でも庭で育てた野菜を・・・とか、緑道との関係を柔らかくつなげながら・・・などのようにその境界をあいまいにすることで得ることができる暮らしの豊かさがある。善福寺の家では玄関から裏側の緑道側まで貫くように土間を設けた。今は羽目殺し窓で隔てられているけれど、いづれはここで通りすがりの人々に向けてカフェのようなお店をやれるかもしれないといったあいまいさを生み出すために設えられたスペースである。

ちなみにこの土間のコンクリートの中には温水が通るためのチューブが埋め込まれており、じっくりと温めることができる床暖房機能として利用されている。この手法は北海道などの豪雪地帯の駐車場などで利用されているもので、それを住宅に転用した。同じ日本の中でもこのように気候の際に応じた仕上げなどの差違があるから面白い。

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