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増井真也日記

2019/07/09

今日はますいいで半年にわたって続けてきた勉強会の発表会を行った。一つ目のテーマは川口市の本町を舞台とした街づくりについてである。この本町という町は、昔ながらの趣がある木造住宅がまだいくつか残っているところだ。細い路地もたくさんあって、迷い込むとどこにつながっていくのかよくわからないような楽しさがある。川口駅にほど近い人気の住宅街なのになんでこのような古き良き魅力が残っているかというと、それはこの地区の住人に関係しているかもしれない。大きな鋳物屋さんの社長さんや元市長さんなどといったこの川口市という町を作ってきたような土地の名士の邸宅が並び、その合間を縫うように商店建築などが建っているので、再開発のごとき乱暴な再生の対象とならなかったのかもしれないし、そういう再開発のごとき意見調整がものすごく難しかったのかもしれないけれど、でも今では川口市内に唯一残る古き良き路地群となった。

この計画ではこの路地にシェアハウスやカフェ・ランドリーのようなスペースを設け、町に開いてこれらを配置することで、町全体を利用して暮らすという若者に魅力的なエリアとすることを目指している。若者の都市における暮らしの中では、すべてを個人所有するのではなく、家をシェアしたりコインランドリーなどの生活基盤をシェアしたりのフレキシブルさが暮らしの魅力を高めるという考えだ。日本の持ち家政策は単身者の増加や核家族化の進行により、すべての人に当てはまる一般解ではなくなっているわけで、駅に近いエリアではこういう暮らし方の提案もどんどんされるべきであるのだ。

二つ目の「お寺における建築のできる事」は、例えばお寺でこんなことをしたら楽しいよ、という数々のご提案をまとめるものとなっている。塀を作るときに地域の皆で力を合わせて版築の壁を創り上げるとか、子どもたちが自由に集まることができるスペースを敷地の一部に造るとか、どこかのお寺の屋根の吹き替えで発生した古い瓦を敷地内の路地の舗装に使うとか、とにかくいろいろなことを考えてみた。日本のお寺はなんとなく敷居が高くって、檀家でもなんとなく入りずらくって、結局お葬式とか法事の時しか足を踏み入れたことが無いような場所になってしまっているところが多いように思える。最近ではお墓の取り壊しのほうが多くて、新しくお墓を造る人が少なくなっていることとか、そもそもタワーマンションのごとき集合墓地に移ってしまったりとか、とにかく葬式を中心に成り立っていた日本の仏教寺院の形は崩壊しかけている。宗教観の希薄化が進めば進むほどにこういう傾向はさらに高まるのであろうが、宗教とは何かよくない状態の時に人の心を平穏に保つための信じる対象であり、もしも全くなくしてしまったらやはり日本にとっては大きな損失であると思うのだ。大きさ自然災害もある。人が起こす過ちもある。人類の過去にはそういうことがたくさんあったし、これからも避けることはできないことなのだと思う。東大寺を造った俊乗房重源上人は、治承四年東大寺炎上後の復興事業にあたり、諸国を歩き布施を集めた。先日のパリのノートルダム大聖堂の火災の際には数日で多額の寄付が集まっている。確かにお寺は多すぎるかもしれないので適正な数の問題はあるのかもしれないけれど、僕たちの生活の場に寄り添うように存在していることが大切であると思うのである。

終了後参加者で打ち上げを行うというので、一杯だけ飲んで帰ろうと思い参加するも、なぜか2時間ほど居座ってしまった。11時ごろ帰宅。

201907

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