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増井真也日記

2019/04/05

夕方、大工の本間さんと渡辺君と一緒に食事。本間さんはますいいの専属の大工さんとして家づくりにかかわってくれていて、先日一つ住宅を完成させてくれ、今は別の現場で新しい家づくりにかかわっている。62歳という年齢は決して若くはないけれど、でもその分確固たる技術を持っていてとても丁寧に大工工事を進めてくれる。モノづくりにかかわる人がだんだんと減ってきて、本当にモノづくりに人生をささげるような感覚の生き方というのは流行ではないのかもしれないけれど、でもだからこそそういう生き方をしている人が輝いて見えるような気もするのである。

モノづくりというのは何を作りたいという気持ちによって左右される。画家が描く絵は誰かに命令されて書くのではなく、自分の心の中から沸き立つ何かを絵にしているのだ。しかし経済というものが先行している世の中ではなかなかその理想は成立しない。ものを造ることに必要な人件費や材料代を計算し、もしそれが請負代金を超えてしまうほどの作業を行うことは経済的にはあり得ないこととなってしまうわけで、結果として経済至上主義による合理的なモノづくりが絶対的な正義のごときに扱われる世の中となっている。しかし建築などもはやそんなに多く作る必要はないのである。造る必要がないのに造るのには強い意志がある。クライアントの自己実現の意志と作り手の造りたいという思いが合致して、一つの建築として結晶化した時、初めて建築飽和状態の現代社会においてもなお魅力的で存在意義があると思うことができる建築が生まれるのだ。

モノ作りが好きな人が集まることができる場所を造れればと思う。そういう思いが集まったときに何かもっと素晴らしいことができるような気がするのだ。
(写真は、10年以上前に、とある住宅のドアノブを削り出している僕である)

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