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増井真也日記

2019/01/03

今回の旅の目的の一つは僕の地元の川口市にあるロータリークラブでネパールに病院を寄贈しようというプロジェクトの下見である。初日の今日は、サキヤさんという方がホテルまで向けに来てくれた。まずは近所のカフェで自己紹介である。何が何だかわからない見知らぬ地においてこのようにもてなしてくれることは大変ありがたい。道路はまるで土砂崩れの後のように凸凹で、当然アスファルト舗装なんてされていないし、そこをたくさんの自動車やバイクが走るものだから前が見えないくらいに埃が舞っている。そこら中に野良犬がいて、しかもガイドブックを見ると狂犬病に注意!!鶏肉を売っている店の前には鶏が走っている。そこらじゅうの車がクラクションを鳴らすので、まともに立ってもいられない。もう何が何だかわからないような街なのだ。

1時間ほどして再び車で移動した先は、とあるチャイルドケアセンターである。ここで紹介されたのがドクターピアさん。ネパールを代表する医師で、このような福祉施設の設立に尽力している方とのことであった。日本でいうところの保育園に当たるこの施設には、昼間働くお母さんの子供たちが常時20名ほど預けられている。料金も月に数百円という安い金額なので利用者は貧しい人が多いようだ。この子たちの預けられている状況を見ていると、特段特別なものとは思えない。確かに少々施設は古いが、笑顔の先生たちに囲まれている子供たちはなかなか楽しそうである。かわいそうな貧しい子供たち・・・そうは思えない。というよりは日本と同じ、僕の街にたくさんある小さな保育園の状況と何が違うのだろうかの感がふつふつとわいてきた。日本はもはや先進国とは言えないのか、の感である。世界人口は増加する一方なのになぜか超高齢化社会を創り上げ、若者の数を少なくし、女性にも働くことを求め、つまりはネパールとは事情は全く異なるけれど、結果的には子供たちを小さな保育園に閉じ込める日本、両社の子供たちの状況はいったい何が違うというのだろう。

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次に見たのは隣に建つクリニックである。クリニックなのに医者が常駐していないし、患者も一人もいない。またまた変な感じに襲われる。ここは歯医者だよといわれるも、診察台が1台あるだけで誰もいないし、ファーマシーと書いている部屋には薬が数個あるだけでやっぱり人がいない。寄付をした人の写真は仰々しく飾られているけれど、とにかく利用されている様子が全くないクリニック兼公民館のごとき施設であった。一番上の部屋には字が読めない人が集まって勉強をしているところであった。初めてまともな様子を見てちょっとほっとしたのだけれど、僕たちに説明をしてくれている人たちの腕時計のすばらしさを見ていると、なんだか誰に何のために寄付をしているのかが良くわからないような感覚に襲われてしまうのである。

このネパールという国は現在わけのわからないバブルに襲われている。マオイストという毛沢東主義の中国系共産主義者が王政を倒すクーデターのごとき内戦を行い、まともに生活することができないような危険な状態が終結したのが2006年ごろ、それまでに危険を逃れるために多くの若者が外国に逃れた。日本にもたくさんのネパール人が来ていてインド料理店などを開いている。インドと中国、そして欧米の投資マネー、ネパール人の外国居住者が送金してくる外貨がすべて不動産に投資される結果、建設労働者の月給が1万数千円なのにも関わらず、建売やマンションは3000万円から5000万円もする状態である。これを買うことが出来るのはいったい誰か・・・、本当によくわからない状況なのだ。しかしである、これも日本に似ていないか、世界は格差が拡大していく方向にある。日本も金融緩和を継続した結果、投資によるいびつな開発や異常なマンションの価格設定が起こり、東京都心にはいったい誰が買えるのかと思うような1億円以上するマンションがたくさん売られている。バブルとはいうものの、実体の全くないバブルである。投資という行動と人の生活が結びついていない、まるで経済という生き物に人が支配されるかのような状況なのだ。

これは隣のビルの建設現場である。現場に砂とセメントが持ち込まれ、人力で水を混ぜながらコンクリートを作っている。約10㎡ほどの鉄筋が見えるが、少しずつスラブの打設をしているのだ。日本では見たことが無い光景である。人件費が機械より安い国だから起きる出来事、きっと昔の日本もこうだったのだろうと思うが、技能実習生の受け入れが本格的に始まるといったいどうなるのであろうか。

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水とセメントと砂、そして骨材としての砕石を混ぜるとコンクリートができる。混ぜているのは男性、水をかけているのは女性である。転がっている煉瓦は外壁に使用するものだ。この国の建築の基本的なつくりはコンクリートでできた柱と梁、スラブがあって、そこに煉瓦の外壁や間仕切り壁を積むのだ。

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続いてパタンのマハブッダ地区にあるマハブッダミュージアム正門前に向かう。ちなみにパタンというのはカトマンズの隣にある町の名前で、東京でいえば少々古い町並みが残る浅草周辺というような感じであろうか。そこの街の国家的なミュージアムの正門前で待ち合わせ、何ともロマンチックなシチュエーションなのだ。石山先生は例のごとくぶぜんとした表情で前を見つめている。僕たちを視認すると、何とも言えない表情で微笑んでくれた・・・ような気がした。同行者のA氏も合流しみんなで街を歩く。この周辺エリアの古いビルのリノベーション計画とつかわれなくなってしまった井戸(もし復活したらトレビの泉のごとく素晴らしいものとなるだろう)の再生が今回のメイン事業である。石山さんの解説を聞きながら町を歩くこと1時間、再びサキヤさんと合流した。下の写真は使われなくなった井戸である。

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夕方はサキヤさんの義理の息子さんの家に招かれる。建材の代理店とディベロッパーを手掛ける実業家の住宅ということで楽しみにしていくと、まるでロサンゼルスのケーススタディーハウスのごとき大きなガラス面を持つ大豪邸である。ネパールにおける建築費1億円、日本だったらその3倍はかかるだろう。アジア最貧国に来てこれを見ると、なんだかどっちが最貧国の国民なのかがわからなくなる。社会主義国家特有の格差社会をまじまじと見た瞬間であった。近所に建つ建売住宅を見せてもらうと、売値は5000万円とのことだ。建材はほとんど中国製の安物で、先ほどの自宅とはだいぶ違う安普請だ。土地が2000万円、建物が2000万円というのでこれはもはや高級建売である。まあ本当の値段かどうかはわからないが・・・。

201901

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