ますいいの運営するノンプロフィットレンタルアートギャラリーとギャラリー。各アート作品の展示・販売をするショップとなっております。

公式サイト>

ますいいでは、古くなった物件を壊すことなく次の世代に引き継ぐお手伝いをしております。

詳細情報>

ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

ますいいリビングカンパニー|埼玉県川口市

ますいいについて/about us
作品集/gallery会社概要/corporate現場進行中/project仕事の進め方/workflow
増井真也日記
田村和也雑想設計室雑感
お問い合わせ/contact

top > 増井真也日記 > 2018年6月アーカイブ

増井真也日記

2018年6月アーカイブ

2018/06/28

午前中、江間忠木材さん来社。江間忠木材さんの商品といえば、エステックウッドという熱処理木材である。この木材は約220度で熱処理をした杉材で、木の中に含まれる水分が3%程度まで減少していて、さらに腐りの原因となる糖分がほとんどなくなっている状態となっている材料である。結果としてメンテナンスをしなくとも、腐らない木として利用されていて、主に外壁やルーバーなどの材料として適しているわけである。簡単に言うと炭になる直前の木という表現が一番適しているように思える。ちょっと焦げたような色合い、炭のようなにおい、見た感じも炭っぽい風貌なのである。

この材料、枕木も販売されている。杉の枕木・・・ふつうに聞くとふざけているのではないかと思うような響きだけれど、これが腐らない。ちなみに普通の枕木といえば栗とかヒバなどが利用される。もちろん腐りにくいからである。でもエステックウッドの場合は、杉でも腐らないので枕木になる。そしてこれは外構工事などに利用される。土に埋めても腐らない・・・、本当に木なの?と思うような材料だが、先のとおり木である。少々乾いた木、なのである。

14時、川口市役所の方々来社。なんでも保育園の認可を行う委員会のメンバーになって欲しいとの申し出である。行政というのは民間の意見を取得しながら運営を行うものらしい。僕などの意見が役に立つのかわからぬが、保育園はできたほうが良い。皆待っているのだ。たくさんできるほうに協力するしかないのである。

夜、スタッフの送別会。今月いっぱいで土田と堤が退社する。同期の二人はともに6年程の経験をしたのだろうか。あらたな道を歩み始めるわけだけれど、ますいいでの経験はきっとどこかで役に立つであろう。

ますいいは設計もして、現場管理もするし、コストのマネジメントも行う事務所である。建築家集団であるますいいが現場管理をしたり、コストマネジメントを行う理由は価格のコントロールを行うためである。日本の住宅は高すぎる。これは大手のハウスメーカーが生産システムを独占している状況では変化しようがなく、それ故に下方修正される可能性はほとんどないのが現状である。建築家が住宅を扱うのであれば、この価格へのかかわりを持たねば意味がない、そして設計図を作成するだけではなく流通をコントロールして良いものを安く購入したり、良い職人さんに加工してもらったりの努力をしなければいけないのである。これはモノづくりの原点である。分業化、合理化とはちょっと違う、なんでもできるスペシャルな、そして昔ながらの建築家の仕事なのである。

2018/06/27

10時、東京都国分寺市にて計画中のJさんの家の材木打ち合わせ。普段からお世話になっている八王子の材木屋さんと一緒に約2時間ほどの時間をかけて構造材に関する打ち合わせを行った。この住宅では上り梁の水平構造体力を確保するために24ミリ合板を梁の上に貼ることでモノコックの箱型構造を形成するという工夫をしている。厳しい北側斜線制限によって北側2階の天井高さは低いけれど、そこから登り梁で天井を上げることで、広がりのある空間を生み出すように工夫したというわけである。都会の住宅地では北側斜線制限というのがとてもネックになることが多いけれど、勾配天井や登り梁はそれを解決する有効な手段となるのである。ちなみに天井は杉の羽目板を貼る予定である。無垢材の天井の表情もまた魅力的な空間の広がりに寄与してくれることであろうと考えている。

先日川口市に完成した火葬場に行ってきた。この建築は見ての通り伊東豊雄先生によるデザインである。うねうねと波打つ屋根の姿は建築をちょっと勉強している人ならみんな知っているであろう。地面が隆起したような屋根からにょきっと飛び出す塊は火葬炉の集塵機ということである。なんだかオーストラリアのエアーズロックのごとき岩の塊風の建築が波打つ台地からニョキット飛び出すような様子は各務原市の前作とはまた少し異なる雰囲気を持つ建築となったようである。

20180627.jpg

2018/06/26

とても悲しい出来事があった。僕の大学時代の一学年先輩のAさんという方がいて、その方のお嬢さんが交通事故で亡くなった。わずか9年の短い人生であった。今日はそのお通夜が開かれた。数日前にテレビのニュースなどで八王子市の交通事故が報道されていたが、その時は何もわからなかった。まさか自分が知っている人の関係者などとは思わないものである。同級生から訃報のメールを受け取り始めて知ったが、それでも実感がわかなかった。当日になり、お通夜に行き、多くの友人たちに見送られている様子を見て改めて9歳の子供の死の悲しみを感じた。僕にも子供がいるけれど、本当に想像できないくらいに辛い事故だと思った。多くの涙が流される様子、終始笑顔で参列者にこたえるAさんご夫妻、見ていて本当に辛い瞬間だった。

当たり前の現状に感謝しよう、聞きなれた言葉である。でも今日ほどこんな言葉を重く感じたことはない。家族が元気でここにいる、ここにいるだけでそれは十分に感謝に値することなのだと改めて思った。

富山のほうで元自衛官が警察官を殺害し、拳銃を奪って小学校に侵入し・・・そんな事件が起きたという。なんだか毎日のように同じような事件が起きているような気がする。新幹線の中で人を殺すとか、小学生を切りつけるとか・・・いったいどうなっているのかわからないけれど、毎日のように誰かが人生を終わらせたいかのように誰かを傷つける事件が起きる。

人と人とのふれあいの不足、早すぎる時間の過ぎ方、愛情の不足・・・精神が狂わされる瞬間の原因が何なのかはよくわからないけれど、何かがあるのだと思う。でもどの事件の被害者にも家族がいて、そこには深い悲しみがあるのだ。久しぶりに会った同期と二人で、軽く食事をして帰った。僕の息子の名前をもらった同期である。こんな気分の時は大勢とは話したくない、気持ちの通じる一人の話し相手がいればそれでよいと思った。

2018/06/24

日曜日。

今日は久しぶりに高校時代の同級生たちに会う機会があった。卒業以来おそらく一度だけしかあったことのない3年間同じクラスのK君が、アメリカから帰ってくるというのである。K君は中高一貫校の早稲田高校に高校受験をして入学した。300名中50名、本当に狭き門を潜り抜けてきた学生だった。同じ国立理系コースに進み、同じSEGという予備校に通い、同じくらいの時間を勉強に費やしていたように思えるけれど、結果はだいぶ違った。数学オリンピックの予選に挑戦しても、僕がたったの2問しか解けないのに、彼は4問解いた。進学先も僕が早稲田大学の推薦を受けたのに対して、東大の理科一類に進んだ。一緒に数学の問題を解いているときに「これどうやるのかな?」と聞くと、「そんなの教科書に書いてあるよ」といわれたことを覚えている。まあ頭の出来が違うのである。

そんな彼は今、ニューヨーク州立大学で宇宙物理学の准教授をしている。星の誕生と消滅の問題について考えているということである。ビッグバンの前には何があったんだろうと尋ねてみると、真空状態の中に微妙なエネルギーの揺らぎがあったのではないかと返ってきた。真空の空間もない時間もない場所に何の揺らぎが生じるのかと尋ねると・・・、「良い質問だね~」25年前と同じまるで先生のごときコメントが返ってきたのである。当時はなんとなくライバル心を燃やしていたが、さすがにその分野の大学の先生からそう言われると素直にうれしく思う自分がいた。さて、先の質問の答えであるが、「僕達の知らない次元があって、その次元で見るとわかるかもしれないよとのこと。」・・・つまりはよくわからないのである。

宇宙大好きの娘はえらく感動していた。先生ってもっと丸メガネの真面目そうな人かと思ったの感想である。変なところに感動するんだなあ・・・子供って。

20180624.jpg

2018/06/23

午前中は、埼玉県桶川市にて設計中のAさんの家の打ち合わせ。今日は2回目の基本設計打ち合わせである。前回までのプランから茶室の待合をなくしてみたり、生活ゾーンの和室を6畳から8畳に増やしてみたりの変更を加えてみたプランをご説明させて頂いた。暮らしの中の茶室、これはどれくらいの頻度で茶道の間として利用し、どれくらいの頻度で普通の部屋として利用するのかによって設えが異なってくる。ある時は誰かが泊まってみたり、ある時は家族のだんらんの場だったりのアレンジを許容する設えを求められているのに、茶道会館のようにそれしか利用できないものとしてしまえば、住宅の中の茶室としては少々まずいことになるわけだ。

もう1点。今回の住宅にはそよ風なるシステムの導入を検討している。先日説明を受けたものだが、屋根面で暖められた空気をファンを回すだけで床下に送り込み温熱環境のコントロールを行うというなかなかの優れものだ。いわゆるエアコンとは異なり、太陽のエネルギーを利用するところが良い。パッシブハウスの考えである。今回の現場は埼玉の北部ということもあり、こういう家づくりが行いやすい条件がそろっている。南側に遮るものがなく広大な敷地が広がっていることで、急こう配の長い屋根を作ることができる。このシステムを効率よく稼働させるには、急こう配の長い屋根が不可欠なのである。今後は家の中の風の通り道、熱気の上昇経路等を検討し設計を進めていく予定である。どんな家が出来上がるか、進行がとても楽しみだ。

夕方、知人の挙式に参列。結婚式なるもの、何回参加しても良いものである。

2018/06/22

10時30分、東京都の国立にて「そよ風」なる温熱環境システムの導入説明を聞く。この仕組みは、屋根で空気を温めてその温めた空気を床下に送り込み、住宅全体を床下から温めようという仕組みで、OMソーラーという名前で世に知られているシステムの同等品である。現在のそよ風の開発者はOMソーラーシステムのダクトなどを開発していた方のお子様ということとで、OMソーラーの特許が切れた時から一般に販売を開始したということであった。ちなみにOMのほうはフランチャイズ制をとっているので、多額の過入金や年会費を支払わなければ使用することができないようになっているけれど、こちらのほうは誰でも仕様することができるオープンシステムということで、ますいいにとってはこちらのほうが親しみやすい感覚がある。仕組みを独占するというのはいかにもの商売であろうが、多様性を好むますいいではフランチャイズの参加に入りクライアントの選択の自由を阻害する道は取りたくないのである。

15時、埼玉県川口市にて進行中のHさんの家のリフォーム工事の現場チェック。外壁の塗装工事や屋上防水などのメンテンナンス系の工事を中心に行っているのだけれど、お父さんが水道屋さんを営んでいた時に使用していた倉庫の一角に娘さんのための書斎を造作している。写真はその様子である。娘さんといっても、高校の先生をもうじき退官し、そのあとにここで部活動関係の事務処理をしたり、知人と集会を開いたりの予定で工事をしている。工事が進んでいくうちにお父さんがここでカラオケをやりたいと言い出した。もう何でもありである。最近の高齢者は皆元気なのだ。カラオケの集会でも部活動の集会でもやればよい。人が集う良い場所があれば、何をやっても結構楽しく幸せになれるものだ。無垢材のヒノキに囲まれた温かい雰囲気の中で、笑顔とともに利用されることを祈っている。

20180622.jpg

2018/06/21

大阪の地震で、小学生が塀の下敷きになって亡くなった。小6の娘を持つ身としては、耐えられないくらいに悲しい出来事である。このニュースを見た瞬間、またマスコミが動き出す感を感じた。案の定、繰り返し報道され、責任の探り合いのごとき状態まで生まれだしている。あの映像を見た瞬間、危ないブロックであることは誰の目にも明らかだと思う。建築の専門家でなくとも、誰の目にもいかにも危なそうな塀なのに、、、それでも校長先生や市長やある特定の人の責任を取らせなければ気が済まないのかのマスコミに対する疑問を感じる。

ではなぜ誰の目にも危ないと映る塀が放置されてしまっていたのか。ここに昨今の日本の問題があると思う。日本は今景気が良い。直そうと思えば直せたはずである。多分百万円もあれば取り壊すことはできたはずだし、代わりのアルミフェンスを作るのだってあと百万円くらいで可能だと思う。でも現実はそこに誰の目も向かうことが無く、予算もつかなければ、工事も行われなかった。オリンピックの競技場は数千億円の予算で造っているし、それ以外にも大手ゼネコンが受注できないくらいに様々な仕事が動いているのに、地域にある危険は取り除かれることが無かった。そういうことに目を向ける人がいても、それは実行に移される仕組みがなかったのである。僕はこのことに根本的な問題があるのではないかと思うのだ。

実はこういう箇所は日本中にあると思う。地域の声があってもそれを行政まで届けるには、それなりの苦労を伴う。例えば僕の会社の前も、一年に一回くらいの頻度で交通事故が起こる危ない場所なのだけれど、警察に対して信号機をつけてほしいといくら言っても、すぐ近くにあるからという理由で設置はしてくれない。近所の初学生や中学生の通学路であり、もしも人の命に係わる事故が起きれば大阪の事例と同じようなことになるのが目に見えているのに、やっぱり地域の声が行政に届くというのはとてつもないハードルがあるのだと思う。

地域を守る、言葉でいうのは簡単だけれどなかなか難しいことなのかもしれない。でもいつ来るかわからない災害による被害を少しでも小さくするための思想は持っていたほうが良い。きっと誰にでも、その人なりにできることがあるはずだと思うのである。

2018/06/20

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

11時ごろ、地元の知人より依頼されていたキッチンの交換の現地調査に赴くも、いったいなぜ交換しなければいけないのかがわからないくらいにきれいに使用されている状態だったので、やっぱり交換をしないことにした。会社の2階に息子さんが一人で暮らすための改修工事ということでの親心だとは思うけれど、男の一人暮らしに新品のキッチンを入れる必要もないであろう。また本当に必要な時に頼んでくれればよい。缶コーヒーをごちそうになり帰社。

14時、全スタッフを集めて防火に関する研修会開催。今回の研修会の講師は東京都市大学で非常勤講師を務める安井昇先生である。木造建築の建築防災に関する専門家で、住宅を扱うますいいにとってはとても大切であるけれど、でもちょっと苦手な分野をみんなで学ぼうという目的で開催された。安井氏の言葉で、建築家が設計するのは日常だけれど、火災などの非日常の起きたときに最悪の状態にならないようにしてあげるのが大切なのだ・・・、との言葉があった。数年前の糸魚川の火災などがその最悪の事例なのかもしれないが、あれだって中華料理屋さんの火の不始末が原因である。そう、大した理由ではないことが原因で、あれだけの大惨事が起きうるという事なのであろう。

木材を燃やすと1mm燃えるのに1分かかるそうである。12ミリの板が燃え抜けるには12分かかる、意外に長い時間がかかるのだ。なんでかというと、木材には水分があるからだとのこと。しかも炭になった表面はさらに奥の方まで燃えるのを防いでくれるという。木というのは適正に使用すればなかなかの優れモノなのである。

終了後は先生と数人で会食。いろいろと学ぶことができた一日であった。

2018/06/19

夜19時、東京都荒川区にて鉄骨3階建ての中古住宅を購入し、リフォームの計画をしているSさん打ち合わせ。今日は物件の購入を決めてから初めての会合ということで、過去の図面などの資料を一通り見せていただいたところである。

20時30分、ちょっと早いけれど打ち合わせ終了。今日はワ―ルドカップの日本戦である。普段サッカー観戦を趣味としているわけではないが、今日くらいはなんとなく見なければいけないだろうと・・・。

結果、なんと日本が勝利の意外な展開であった。コロンビアに勝つとは正直言って考えていなかったのだけれど、日本はそんなにも強かったのか。次の試合も楽しみだなあとみんなが思っているだろう。そういう気持ちにしてくれるのがスポーツの良いところだと思う。

2018/06/17

11時、東京都新宿区にあるリビングデザインセンターオゾンにてTさんご家族顔合わせ。ご両親とお嬢さんが3人で暮らすための住宅の設計である。集まって暮らす、今はこの形を模索する人が多いけれど、今回もまた家族が一緒に暮らすための住宅である。程よい距離感を保ちながら、家族が仲良く暮らすことができるというのはある意味で理想的な状態であると思う。頼りたいところは頼りあい、独立したいところは独立する、そんな状態が最も贅沢な状態であるような気がするのである。

核家族化というのは現代社会に様残な問題をもたらした。核家族化の実現はいわゆる労働者の急激な都市部への移住といった日本の経済成長とともに起きた現象だけれど、それが進行してきた結果東京都などは実に49%が単身者というような事態に陥っている。若者の単身者の急増、高齢者だけの世帯の増加、高齢者の一人暮らし、もはや社会福祉が追い付かない程に現実が進行してしまった時、もう一度一緒に暮らそうと自発的に家族が思い、集う、そんな前向きな核家族化の次にある現象のように思うのである。

2018/06/16

10時、東京都国分寺市にて設計中のJさんの家の打ち合わせ。今日は第2回目の見積もり提示である。前回はまだ行っていなかった木拾いの説明などについてお話をさせて頂いた。

この住宅の設計をしていて一つ困っていることがある。それは大きさや形状にもよるのだけれど、網入りガラスに防犯ガラスを採用できないことだ。これは防犯ガラスに使用するフィルムが熱を吸収する性質があり、網入りガラスにはガラス面の温度差によって割れやすいという性質があって、それが合わさると日当たりの良い窓のガラスがとても割れやすい状態になってしまうという理由からきている。防火のための網入り、遮熱のためのLOWE、防犯のためのフィルム・・・確かにいろいろな機能を詰め込みすぎることによる無理なのかなという気もするが、逆に考えるとアルミサッシも随分と進化したものだなあの感もある。一昔前には単板ガラスのアルミサッシが一般的だったけれど、もうそんなサッシは見ることもなくなってしまったのである。

準防火地域に設計をしていると窓が自然と小さくなる。大きな窓は高い、だからとても良く考えて窓の大きさを決めるようになる。何でもかんでも大きければよいというような設計は行わない。窓が小さくなると、家の外皮性能は上がる。窓からの熱損失は外壁からのそれに比べると非常に大きいので、窓が小さくなると自然に性能が良くなるのだ。

昔コルビジェが近代建築の5原則なるものを考えた。

・ピロティー(地面を都市に開放する)
・ルーフガーデン(屋上の緑)
・自由なプラン
・水平連続窓
・自由なファサード

それまでの石造建築とは違い、コンクリート構造の採用による自由な建築の作り方を表現する概念である。こういう考え方は全世界に広まり、そして世界中に同じような建築が作られるに至ったわけだけれど、面白いことにコルビジェ自身は晩年にロンシャンの教会のごとき真逆の建築を作ったりもしている。最後の最後にはカップマルタンの小屋で上半身裸で図面を描いたり・・・自然や造形、インドの世界観、こういうものによっていくことでやわらかい建築へと向かっていった。

なんとなく今設計している住宅はそういう柔らかい感じを持っているような気がする。大きいだけの窓でもなくって、シンプルだけの意匠でもなくって、アルミサッシはアルミサッシでも、あるべき大きさとか場所とかを吟味して、そこからの光や風を受け入れて、そして大きな壁によって外部と分けられることで、胎内空間のような安心感がある感覚、そんな優しさがあるような気がするのだ。

15時、埼玉県和光市にて設計中のKさんの家の打ち合わせ。見積もり調整3回目、今日はキッチンなどの細かい部位についての確認作業などを行った。

ツールボックスなる金物屋さんがあるのだけれど、これがなかなか良い。キッチンなどの部材や洗濯物干し金物など、僕たち設計者が欲しいなと思うようなものが比較的お安い値段で売っている。日本の大手メーカーもこういう軽いフットワークをもってデザインすればよいのになあと思うけれど、リクシルやTOTOではなかなかこうはいかないようだ。

2018/06/14

10時、リクシルさんと東京電力による建て特バリューなるサービスの説明を受ける。このサービスは簡単に言うと、ZEHを実現する建物のソーラーパネルにかかる約200万円ほどの費用をリクシル テプコ スマートパートナーズという会社が負担してくれる代わりに、昼間の余った売電の権利を譲渡するというもので、ZEH実現にかかる費用がだいぶ割安になることとなる。さらに昼間の電気料金も若干下がるということで、ZEH普及に向けた牽引材料になる商品といえるであろう。

この話、僕が感動したのは住宅の屋根をソーラー発電施設として利用し、まるで社会資本として扱うかの如く、その設置から余剰電力の扱いまで東電が責任を持つという点である。これならば多くの建築の屋根にソーラーが乗る。しかも施主ではなく、東電とリクシルが乗せるのである。

原発問題を強く感じつつも、それに頼らざるを得ないこの国のエネルギー問題を解決するために何ができるかの答えとしてのZEHであるけれど、普及率がいまいち低かった現状を打破するためにどうすることも出来ない膠着状態にあるのかと思いきや、このやり方があったかの驚きを感じた。ZEH実現となると、それなりの大きさの屋根が必要となるが、今後の家造りに生かしていきたいと思う。

2018/06/13

今日からものつくり大学2年生のの丹野君がインターンシップとして参加している。例えばベニヤ板に切り込みを入れたものや、柱のような材木の切れ端といった小さなパーツの組み合わせで、収納家具のごとき集合体を作り出すことを一つのテーマにする予定である。まずは慣れないながらもスケッチブックにいろいろなアイデアを描かせる。次はそれを模型にしてみる。その繰り返しを1週間ほど続けてみてのどうなることやらである。大学生のインターンシップは毎年のように来るけれど、やっぱり若い人がいるというのはなんとなく良い。現実的ではない話をしていると、僕の頭も多少は柔軟になる。子供のようなアイデアをいつまでも・・・誰もが思うことだけれどなかなか難しいのでだ。

19時、東京都墨田区にて設計中のKさんの家の打ち合わせ。これまで実施設計を進めてきたところでの契約である。月末からの工事に向けていよいよ準備に入る段階となった。マンションということで一戸建てとは異なる気遣いもあると思うが、上手に進めていきたいと思う。

2018/06/11

今日から長谷川君24歳大工さんがますいいに参加する。すでにますいいの大工工事を担っている宍戸さんと二人で組んで現場の大工作業を進行していく予定だ。若い大工さんは頼もしい。これからに期待したいと思う。

続いて埼玉県川口市にて進行中のHさんの現場へ。外壁のリシン搔き落とし仕上げや内部漆喰仕上げなどが完了しとても良い風合いに仕上がっている。特に外壁は、スペイン瓦のオレンジ色とよく合うクリーム色のモルタルが良い。リシンなど一昔前の仕上げであるが、だからこそ何とも言えない味わいがあるのだと思う。

20180611.jpg

20180611-2.jpg

2018/06/09

今日は朝から川口市に錫杖寺にて茶会に参加。濃茶・薄茶・作家さんの席・立礼と全部で4席あって、そのうちの薄茶席を受け持つ茶会である。多くの知人にお声掛けをさせて頂いたので、みんなが来てくれると思うと嬉しいやら緊張するやらで何となく落ち着かない。

今日のお菓子は石川県の小松市というところから、行松旭松堂の行松さんがわざわざ届けてくれたお菓子である。車で何時間もかけて届けてくれたというだけで、なんとなくいつもよりさらにおいしくなったような気がするもので、やっぱり気持ちというのは何にもかえられない大切なものなのだなあの感を味わう。僕も物つくりの仕事をしているけれど、やっぱりこういう気持ちを大切にしてやっていきたいものだと思う限りである。
お菓子の銘は「沢辺の蛍」、緑色のまんまるの中に大豆が一粒、そして金粉がひとかけ、まるで蛍が舞っているような意匠である。口にいれたらあっという間になくなってしまうお菓子だけれど、ここまでこだわって意匠を考案する、それも見習いたい姿だ。茶道の世界は、いわゆる合理化のごとき近代経済の考えとはかけ離れているが、でもなんとなくだからこそ求められているようなものである気もするのである。

夕方、別の集まりにて会食。11時ごろ帰宅。何とも長い一日であった。

2018/06/08

午前中、埼玉県川口市にて設計中のSさんの事務所打ち合わせ。今日は大体のプランが決定したということで、事務所の看板についての打ち合わせを行った。看板などというもの、普段はあまり気にすることはない。でもよくよく見てみると、遠くから視認できそうな屋根の上などの高いところに取り付けられたもの、車で近づいてきたときにすぐに駐車場の中に入ることができるように導くためのもの、歩行者が目に留まりやすいように人の目線にあるもの等などいろいろと奥深い。取り付ける場所もさることながら、その角度もまたいろいろだ。一見裏側としか思えないような角度のほうが、道路と平行に取り付ける看板よりもよく見えるなどの驚きもある。さすがいろいろなところに看板を取り付けてきたSさんである。僕なんかよりもよほど看板に詳しいのである。

終了後、明日の茶会準備へ。ランドクルーザーに満載の茶道具を川口市の錫杖寺に運び込む。僕が弟子入りしている松田先生の社中としては初の公の茶会なので念入りに準備を行う。

17時、新宿にあるリビングデザインセンターオゾンにて東京都杉並区で設計中のUさんの家の打ち合わせ。基本設計も終盤ということでキッチンなどの細部についての確認作業などを行った。

2018/06/06

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

10時、埼玉県某所にて投資用アパートを建てたいというご相談を受ける。最近は木造の小さなアパートを作って、投資用物件として賃貸するケースが多いようだけれど、今回のご相談では土地から購入して建築を新築して賃貸経営をしようという計画であった。こういう計画は初期投資が抑えられれば抑えられるほどに利回りが良くなりやすいわけなので、当然ローコストでよい建築を造ってくれる会社が必要となる。しかしながら空き家問題がこれほど大きくクローズアップされる時代に、魅力のない建築を作ったところで、それが満室状態で賃貸されるとは思えない。コストをかけない魅力とは・・・。なかなか難しいお題である。住まい方の提案でどのような魅力を生み出すことができるのか。プランニングの工夫でどのような魅力を生み出すことができるのか。セルフビルドを受け入れる賃貸なども増えてきてはいるけれど、新築でそれをやるのもなんだかなあの感もある。難しい限りであるのだ。

15時、ものつくり大学のインターンシップ面接。大工さんになろうかそれとも設計を学ぼうか、悩んでいるということである。似ているようでだいぶ違う、職人さんと設計士、これは安易にアドバイスはできない。大工さんはとてもよい仕事だと思う。そして住宅を設計するという仕事も僕自身がかかわっていてとても楽しい仕事だ。そもそも昔は大工の棟梁と呼ばれる親方が、施主と話し合って間取りを決めて、設計をして、さらには職人もやって家づくりを行っていた。しかしながら法律の複雑化、多様なデザイン・・・などなどの理由によって棟梁が設計を行う家づくりというのは、ほとんど行われていない。その代わりに台頭したのがハウスメーカーである。大量に同じものを作ることができるシステムを家づくりに導入し、均質化された建築を全国にばらまいた。都市が成長する時代には画期的な制度であったのであろうし、コルビジェの建築のごとき近代化の時代を先導する現実的な商品として必要とされたのだと思う。

現代、物はあふれ、これ以上の建築はもはやあんまり必要とされない時代となった。それでも家を作ろうという人はいるけれど、均質化された大量生産品はあんまりほしくはないであろう。これからの時代に必要なものは、魅力的な建築を作ろうという職人気質を持つ大工さんが一つ一つ丁寧にこだわって作り上げた建築であると思う。設計と大工、どちらになろうかを悩むほうがおかしいのかもしれない。どちらも学びどちらも出来る、そんな人物になってみればのアドバイスが良いのかなあなどと考えてみた。

2018/06/05

グアテマラのフエゴ山の火山の噴火が大きなニュースになっている。山頂付近の街は火山灰によって埋め尽くされていしまっていて、多くの犠牲者が出ているようだ。最近日本でもあちこちの火山が噴火しているし、フィリピンなどでも同様の噴火が起きている。地球全体にとってみれば、くしゃみをしている程度なのかもしれないけれど、付近で生活をしている住民にとってはとても不安な現象だろう。僕たちの生活圏のすぐ近くにも富士山というとても大きな火山がある。富士山が噴火すれば、東京でも数センチの火山灰が積もるといわれているし、そうするといろいろな困った事態が起こるといわれている。とはいえ何ができるか。マスクを買ってみたり、水を買ってみたりの程度は誰でもやれることだけれど、逆に言うとそれ以上の備えなど行うすべもない。

ポンペイの遺跡に関する映画を見たことがあるが、繁栄していた町が一瞬にして火山灰に飲み込まれてしまった様子はとても恐ろしいものだった。この町は62年に大地震に襲われた後、79年にヴェスヴィオ火山噴火によって消滅した。今から2000年ほど前の出来事だけれど、実際にあった出来事である。いつ起こってもおかしくないという言葉を理解していても、そこでの生活をすぐにやめることができるほど人間の暮らしは単純なものではない。それはきっと現代社会でも2000年前の暮らしでも同じことなのだと思う。

13時、茶道稽古。今日は今週末の茶会に向けて長板二つ置きの点前を繰り返す。手順などはとっくに思えているけれど、思うように体が動かない。勝手に茶会をイメージし、勝手に緊張してこわばっているようだ。人の精神状況というのは面白い。自分の意志とは全く関係なく、汗をかいたり、震えたり、・・・全く困ったものである。3回目の点前ではさすがに緊張感もなくなってきたが、果たして本番は如何に?楽しみでもありちょっと怖くもある。

19時、建築士事務所協会理事会に参加。会の途中、空き家に関する条例について話題となった。家を作りすぎるから、空き家が増える。建売をこれ以上作れば、その分だけ空き家が増える。集合住宅も同じことだけれど、造ることを規制する法律は経済に悪影響を与えるからなかなか整備されない。その代わりに壊す事や管理することを促進するというが、これでよいのだろうかの疑問はぬぐい切れない。

都会に売り土地が出るとき、その土地は建売業者が買い取るかマンション業者が買い取る場合が一番多い。なぜならそれが最も高く売れるからである。でも、売主が自ら土地を分割して販売できるようになれば、実はそれが一番高く売れる方法である。しかしそれは宅建業法違反となってしまうので行うことができない手法だ。だったら法律を変えればよいと思うが、こういう改正は業界団体が許さないからなかなか実行されないのが現実である。自由に家を建てたい人はその買取を逃れた数少ない土地の中から、建築条件などの無い綺麗な土地を購入し、家を造る。でもそれでよいのか・・・あまりよくはない。

地方行政は何をできるのか。地方にしかできないことというのはよくわからないが、その土地にいるからこそわかることがわかり、その土地にいるからこそ描ける理想がわかり、その理想を実現するための施策を行うことができるのだと思う。政治家はそれを実現するべきだ。国が作った助成金制度を活用し、予算を引っ張てくることだけが政治家の仕事ではない。もちろん利用すべきは利用するほうが良いのは自明の理だけれど、国が助成金をつけなければ動かないというのは愚の骨頂だと思う。僕が暮らす川口市は下町っぽくてごった返していて、気取ったところがなくって、とても良い町だと思う。でも、最近はだんだんと下町っぽさがなくなって、どこかで見かけるニュータウンのごとき再開発の風景が増えつつあって、本当にこれでよいのかの疑問を感じることも多い。教育やアートを取り入れ、町の価値を高める施策も取られ始めているけれど、こうした動きはそれほど爆発的なものではないのが残念だ。事務所協会も参加し始めたばかりだが、なんだかいろいろと考えさせられる機会としてとても役に立ちそうな気がする。

2018/06/03

10時、東京都国分寺市にて設計中のJさんの家の打ち合わせ。このプロジェクトでは、例えば冬の寒い日にペレットストーブを炊いたとして、温められた空気が吹き抜けの上部にたまってしまうわけだけれど、その暖かい空気をダクトを使って床下に送り込むための装置を設置することを計画している。三菱の送風機に断熱と防音を兼ねたダクトを接続し、さらには消音のためのマフラーを取り付けることで運転時の音をなるべく小さくするようにしているのだけれど、どれくらいに音が小さくなったかというのは実際にその音を聞いてみないとわからないわけなので、契約前にその装置を実験的に組み立ててみることにした。果たして結果は・・・これは予想外に効果的で、音はかすかに聞こえるものの消音装置なしの時と比べると格段に小さくなる。これで、上部にたまった暖かい空気を床下の送り込むことができればなかなか効果的な空気循環装置ができる事だろう。Jさんも気に入ってくれたようで何よりであった。

引き続き見積もり提示の打ち合わせなどを行い、12時過ぎに終了。ちなみに下の写真はその装置の様子である。意外な大きさにびっくりするが、大きな箱はただの消音マフラーで小さい箱のほうが実際の送風機である。

20180603.jpg

14時、越谷花田苑にて茶会に参加。今日は埼玉県の学生茶道連盟の方々によるお茶会にお招きいただいた。大学生から中学生まで大変多くの学生さんたちが熱心に取り組んでいる様子を見ていると、改めて引きしまる思いがする。すぐ隣で手を震わせながらお点前をする高校生・・・、これはまるで自分の様で、緊張すると手が震えるのはみんな一緒なんだなあ等と、変なところに感心しながら時を過ごしていた。それにしても熱心に学生たちに教えている先生方にも誠に頭が下がる。毎年変わる学生たちに、毎年同じことを教えてあげる気力、使命感、こういう仕事を聖職と呼ぶのだなあ・・・、根気よく教授するということの大切さにも改めて思いを寄せる一日であった。

2018/06/02

10時、埼玉県和光市にて設計中のKさんの家打ち合わせ。今日は見積もりの提示である。概算で金額を入れておいた構造材が思ったより高い。これは資材の値上がりの影響もあって、特に梁材などの値上がりが大きいようである。米松・・・アメリカのものの値段が高くなるのはもしかしたらあの大統領のせいだろうか?全く勘弁してほしいものである。

17時、埼玉県さいたま市にて新築住宅を検討中のIさん打ち合わせ。土地探しのご相談である。トータルの予算からして2500万円程度の土地を探すことになりそうである。最近はだいぶ土地の流動が進んでいるような気がするけれど、空き家対策の条例などの影響もあるのかもしれないし、今が売り時との判断からなのかもしれない。どちらにしても売り物件があって初めて購入することができるわけだから、不要な土地を所有している人には是非売り出しの意志を表示してほしいものであるのだ。

そういえば昔、北の常緑ハウスのクライアントのKさんが土地探しをしていた時のことを思い出す。Kさんは数年間、川に近い理想的な土地を探していたけれど、なかなか見つけることができなかった。ある時自転車でお目当てのエリアを走っていると、人が住んでいない土地を見つけた。早速持ち主を調べ、静岡県にいる持ち主と直接交渉し、土地の購入を決めてしまった。まさに運命の出会いである。土地探しとはそんなものなのだろう。まるで結婚相手との出会いのようだが、一生住み続けることを思うと同じようなものかもしれない。相性と勢い・・・、うまくいくようにお手伝いをしていきたいと思う。

201808

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
page top