ますいいの運営するノンプロフィットレンタルアートギャラリーとギャラリー。各アート作品の展示・販売をするショップとなっております。

公式サイト>

ますいいでは、古くなった物件を壊すことなく次の世代に引き継ぐお手伝いをしております。

詳細情報>

ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

ますいいリビングカンパニー|埼玉県川口市

ますいいについて/about us
作品集/gallery会社概要/corporate現場進行中/project仕事の進め方/workflow
増井真也日記
田村和也雑想設計室雑感
お問い合わせ/contact

top > 増井真也日記 > 2017年11月アーカイブ

増井真也日記

2017年11月アーカイブ

2017/11/28

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

10時、藤井産業、井田さん来社。電材屋さんとして初の営業である。いろいろな業者さんが営業に来てくれるけれど、電材屋さんが来たのは初めて。ではなぜ来たのかを聞いてみると、なんとパナソニックさんの資材販売ルートの開拓のようだ。なるほどである。現在は大手のサッシや設備のメーカーが経営統合をしてリクシルという巨大メーカーが誕生し、その結果、管材系の商社も、サッシ系の商社もこぞってリクシル製品を売り込むという体制が完成している。

同じメーカーの製品を違う商社が売り込んでくる、つまりは生き残りをかけた壮絶な争いが行われている状態である。リクシルの売り込みが強くなれば、相対的に他社の売れ行きは悪くなる。そして今日の訪問というわけだ。

正直言って僕の家造りではそれほど積極的に既製品を使用しているわけではないので、どのメーカーが好きとかいうこだわりはあんまりない。価格と性能のバランスで評価し、採用を決めているのが現状である。つまりはあんまり期待されても・・・なのである。

夜。リビングデザインセンターオゾンにて会合。早稲田大学時代の同級生や先輩方などの懐かしのメンバーに出会う。同級生は皆43歳、働き盛りだ。こういう場所で出会うのも必然、良きライバルである。周りを見渡すと、いつの間にやら僕たちが世代の中心にいるような気がする。つい先日までは大御所に相手にされない若造だったような気もするけれど、その大御所らしき人たちがあんまり見当たらないのである。団塊世代の世代交代は確実に進んでいる。そしてそれとともに社会の構造も変わりつつあるようだ。

数年前の野村総研の予測では下記のようなレポートが出されている。

消費税率が10%にアップすることが見込まれる直前の2016年度には、駆け込み需要の発生で新設住宅着工戸数が約92万戸となるものの、2020年度には約76万戸、2025年度には約64万戸、2030年度には約53万戸と徐々に減少していくことが見込まれます。

2030年というと、僕は60歳になる。着工数が今より半減するといわれているけれど、人口が減り住宅が長寿命化しているのだから当たり前の話である。実際にますいいの仕事でもリフォームは増えている。時代とともに仕事の内容も変わる。僕たちはその時代に暮らす人が無理なく快適な状況を手に入れるお手伝いをしてあげられればそれでよいのだと思う。

新築でなくともよいし、新築でもよい。そこには大した差はないと思う。これからはこれまで住宅地だった土地が余る時代である。土地が余ればそこに何かを作ることができる。それは住宅ではなく、これまでは持つことができなかった自分のための基地かもしれない。そういう建築は安いほうが良い。性能も悪くて良い。小屋・・・のような呼び名がふさわしいものかもしれない。なんだかいろいろなことを考える一日であった。今日出会った多くの人に感謝したい。

(下の写真は昨年作った蕨市のカフェ。最近では古い住宅にカフェ機能を加えるリノベーションの事例等も増えている)
20171128.jpg

20171128-2.jpg


2017/11/27

午前中、埼玉県川口市にてリフォームを検討中のTさん打ち合わせ。8月ごろからリフォームを検討しているTさんが、ついに正式に申し込みをしてくれることとなった。家づくりは悩ましいものである。僕のところには、1年くらいの時間を空けて、つまりは悩みに悩みぬいた後に最後に再び来てくれるという人もたくさんいる。新築の際の土地探しなどもよい例だ。先日も川越市で土地探しをしていたMさんから、本当に久しぶりに土地を見つけた旨のご連絡をいただいた。覚えていてくれる、それだけでうれしいものだ。僕たちはたかが工務店である。でも一生懸命家づくりをしている工務店である。一生懸命やっているからこそ、信じてくれた時のうれしさも大きいのである。


夜、ますいいRDRギャラリーにて、アーティストたちの家づくり展開催。今日はアーティストさんたちとますいいのスタッフ全員による交流会を開催した。

20171127-2.jpg

終了後は近所にある川口ブルワリーさんにてパーティーである。アーティストによる建築の部品の製作にはとても可能性を感じている。今はまだ建築そのものをターゲットにしていない人たちも、だんだんと建築を作る人が増えてくるような気もしている。今の時代職人さんが不足している。そしてそれを補うように、プレファブリケーション、つまり工場生産が普及している。しかしながら、そのような画一化された世界では満足できないのが人間である。というよりも満足するべきではないと思う。家は人が生きる場である。生きる場がどれもこれも同じでは、あまりにもつまらなすぎる。SFの世界の人間培養器・・・、悪く言えばそうとしか見えない住宅がすでにたくさん建っているのだ。

新築住宅が減っている。リフォームであれば職人さんでなくともアーティストさんによる施工が可能となる。そもそもこの二つの呼び名を分ける必要場あるのかという気さえしてきた。職人=アーティスト的思考が必要である。領域を分けることなく自由に家づくりができないものか。この問題は継続的に取り組んでいきたい。

20171127.jpg

2017/11/26

今日は朝から畑作業である。久しぶりに何もない日曜日、最近はあまり畑で本格的な作業をする暇が取れなかったので3時間ほど集中して行った。まずはサツマイモと里芋の収穫である。どちらもすでに葉は枯れ、収穫しやすい状態となっている。これ以上放置したら収穫できなくなってしまうかもしれないタイミングだと思うけれど、逆にここまで待ったことで見たこともないくらいに丸々と太ったサツマイモが採れた。1時間ほどの時間をかけて大きな段ボールに2箱ほどの収穫を終え終了である。続いてゴーヤときゅうりを植えていた場所にある格子の撤去作業だ。つる植物が絡みつくための格子を作ってそのままにしておいたものだ。作るときは楽しいけれど解体するのは気乗りしない。でもやらなければいけないのである。こういう作業もなかなか手間がかかるもので、ゴムバンドやビニルひもを外しながらきれいに整理するまで30分ほどの時間を要した。一通りの収穫と片づけを終えたら、最後に畑を耕す作業である。土に石灰を振りかけて、耕運機で耕しておく。また次の年にしっかりと作物を育ててくれるように感謝しながらしばしの休憩を取ってもらうわけである。ちなみに今の時期、白菜やダイコン、カブに春菊などいわゆる鍋の材料になりそうな野菜が良く採れる。我が家の今夜の食事も鍋である。旬の野菜を美味しく頂く、これが一番幸せな瞬間なのだ。

夕方、浜田マハ「暗幕のゲルニカ」読了。ピカソのゲルニカ作成にまつわる第2次世界大戦当時の物語と、ゲルニカを中心とした企画展を成功させようとする現代のキュレーターの物語が行ったり来たりの構成である。特にピカソが創作活動に没頭する様子の描写がまるで歴史小説のごとく読みごたえがあり、アートの力というものを改めて認識させられる作品であった。

20171126.jpg

2017/11/25

10時、東京都杉並区にて新築住宅を検討中のIさんご夫妻打ち合わせ。この住宅の計画に当たっては、オールアースやセルロースファイバーの断熱材、自然換気システムなどの対策をコストと相談しながら行うことを想定して、プランニングを進めている。もちろん暮らしやすい魅力的なプランの構築を最初の作業として進めているけれど、この先の作業としてはいかに健康に暮らせるかの追及も行ってほしいとのことである。これまであまり意識したことのなかった電磁波対策、調べてみると様々な対処法があるようだ。僕が今座っているパソコンからも電磁波は出ている。携帯電話もしかり。テレビも、屋内の電気配線も、とにかく電気が流れているところには電磁波があるようである。それをなるべく少なくするのがオールアースの考え方で、簡単に言うと部屋を電導系の素材ですっぽり包み込みアースを通ってしまうことで電磁波の影響を受けないようにしようということなのである。

14時、東京都国分寺市にて新築住宅を検討中のJさん打ち合わせ。今回は2回目のプレゼンテーションということで、前回に引き続き吹き抜けのあるプランをご提案させていただいた。今回の提案では2階からさらに階段を上ると屋上に上がることができるように変更した。都市型の住宅ではどうしても庭を広く作ることが難しい。それならば屋上で遊べるように...との配慮である。以前の日記にも書いたが、南側を同規模の建築にふさがれてしまう土地である。必然的に光は上部から取り入れる計画となる。そしてその光をいかにして1階のリビングまで取り入れるかの工夫が快適さを生み出すポイントとなる。光と風、これをうまくコントロールすることがこの住宅を作るうえで最も大切なことであるのだ。

下の写真は国分寺の家の1/100模型である。ますいいでは建築の様子をクライアントと共有するために、基本設計の時に必ずこの模型を作るようにしている。さてさて、この先がとても楽しみな現場である。

20171125.jpg

2017/11/22

午前中、東京都墨田区にてマンションのリフォームを検討中のHさん打ち合わせ。今日が初めての顔合わせということで、購入されたマンションの様子を拝見しながらご希望を伺うための打ち合わせを行った。改修工事のご予算は800万円とのこと。ファミリー向けのマンション広さの場合、全面的にスケルトンにするには少々厳しいけれど、既存のプランをうまく利用しながら工夫をすればフルリフォームが可能なラインである。リフォームの場合は、壊せば壊すほどにかかる費用も多くなる。例えば水回りの位置を全く変更してしまえば、間仕切り壁や配管などをすべて解体することになってしまうけれど、場所をあまり変更しないことで最小限の工事に抑えることができるのである。幸い管理組合はとても協力的であった。設計図面も一式見せていただいたので提案もしやすい。古くても感じの良いマンションは、気持ちの良い管理者がいる気がする。やはり最後は人によるところも大きいのかもしれないなと思う。

夜、埼玉県川口市にて計画中のIさんの家の打ち合わせ。基本設計から実施設計にうつり数回目の打ち合わせである。木造3階建てでエレベーターのついた2世帯住宅ということで設計を進めているが、プランはまるで普通の単一家族の住宅と変わらないものとなっている。つまりお風呂も玄関もキッチンも一つ、ただ単にお父さんが同居するという形での2世帯住宅である。敷地はとても小さな狭小地であるので、このように設計を行うことが必然的なのだけれど、そもそも集合住宅のごとき2世帯にしたいというご要望は初めからなかった。お父さんも一人の家族として集まって暮らす、ただそれだけのことであるのだ。

計画では高齢のお父さんが暮らしやすいように配慮されている。玄関のポーチは道路とスロープでつながっており、車いすを利用することになっても困らないようにした。以前全く別の現場で、道路から1mほどある玄関へのスロープを考えてほしいといわれたことがあるけれど、1mの段差を解消するとなると建築基準法で制限されている1/8勾配でも8mもの距離が必要となるわけで、つまりは狭い敷地の玄関前空地だけでは到底無理な話なわけで、とても困った記憶がある。こういうことはできれば最初から計画したほうが良い。今できないことは、後からやるのも大変なのである。玄関を入ると、腰かけられるスペースがある。靴の脱ぎ履きにはとても便利な場所となるであろう。上下移動はエレベーターがある。トイレはお父さんの寝室のすぐ目の前に設けた。当然お風呂も同様である。少しでも長くこの家で快適に暮らせるようにと設計を進めている。いよいよ設計も大詰め、工事に向けて進めていきたいと思う。

2017/11/20

朝礼終了後、各プロジェクト打ち合わせ。

10時過ぎ、東京都台東区にて設計中のSさんの家の打ち合わせ。今日は基本設計の最終打ち合わせということで、1/50の模型を作成し、開口部の位置や大きさについての確認などを行った。この住宅は延べ床面積が17坪ほどの狭小住宅である。工事費は1500万円しかない。でもクライアントはもともと塗装やさんで働いていたなどのセルフビルドに適した人物で、足場の上での作業もやるよ!!と言ってくれているほどだ。少なくとも内装の仕上げやタイル工事などについては職人さんに依頼する必要がないので大幅なコストダウンが図れるだろうと考えている。いよいよ実施設計なので慎重に進めていきたい。

2017/11/19

今日は埼玉県の生越町にある山猫軒なる山小屋に訪れた。名前からわかるように宮沢賢治の「注文のお多い料理店」をイメージして作られたお店である。今ではカフェ機能とギャラリー機能が運営されていて、今日は先日お会いした赤川さんの個展が開催されているということで、訪問したしだいである。

この小屋、設計者は高橋俊和さん。三宅島に枕木5000本を使ってセルフビルドの建築「生闘學舎」を作ったことで有名な建築家である。この高橋さんがまだ若いころ、1989年に山猫軒は作られた。もちろん再びセルフビルドである。複雑な構造の屋根を持つ建築であるので、セルフビルドといっても大工さんなどの協力はあるだろう。それに昔の人のパワーは今の人のそれよりも格段に強い。行動力がある。赤川さんもそのグループに所属していたらしいが、いわゆる当時のヒッピー文化に染まった人々による経済と隔離された理想郷、そんな建築を目指したのであろう。

場所は鶴ヶ島インターを降りて、毛呂山を通り過ぎたところ。町中から山の中に一歩踏み込んだあたりである。都会の喧騒から離れて、ちょっと息抜きのできるそんな自然の中にある。興味のある方はぜひ行ってみてほしい。

20171119.jpg

20171119-2.jpg

2017/11/17

朝礼終了後、各プロジェクト打ち合わせ。

11時より東京都小金井市にて新築住宅を設計中のOさん打ち合わせ。1630万円で作る家である。広さは約21坪・・・とても厳しい予算だからもちろんセルフビルドを行うことを前提としている。計画には慎重を期し、効率の良い総2階の間取りにしたり、間仕切り壁を少なくしたり、水回りの位置をまとめたりの方向へと進む打ち合わせとなっていく。Oさん自身も、お風呂や洗面は1階にしたいというようなコストダウンに協力的なご要望を言ってくれるので、全員が同じ方向を向いて困難なプロジェクトを進めていくというとても良い状況になっていると思う。

ローコスト住宅の建設には、この状況がとても大切だ。つまりクライアントと僕たちが同じ方向を向くこと。何とかして実現するためのチームを形成すること、これこそが一番の秘策であると思っている。ローコスト系のハウスメーカーの手法は、同じものを大量に作り、少しでも手間をかけずに、魅力的ではないけれど困らないものを安く提供することである。でもますいいにはそういうものでは満足できない人が来る。お金はないけれど魅力的なものが欲しい、そういう都合の良い考えを持った人が来るのである。そういう無茶を実現するには・・・、やっぱりあるロマンを胸の中に秘めた種族に位置している人の力しかないのである。

15時、茶室を作りたいというAさんご相談。66歳、茶道を習うこと12年、仕事も順調に行ってきてそろそろ自分の贅沢な空間を作ってもよいのではないかという思いでご相談に来られた。こちら胸にロマンを持つ人々である。男の隠れ家的茶室はとても良い。心を落ち着け、たとえ茶道を行わなくとも思わずそこに居たいと思う場所である。

こういう時に必ず聞かれるのは「費用は・・・いかほどの???」の質問だ。これに対し、茶室の費用はどうにでもなる、というのが僕の考えである。いわゆる銘木と呼ばれるような床柱や框に100万円を支払うことも出来る。でも、たとえすべてをこぶしや赤松、檜といった無垢材で仕上げたとしても、それらをすべて合わせて20万円ほどで購入することも出来る。つまりは茶碗と同じである。どこどこの山で取れる希少な木を使いましたの物語を身にまとうために多額の出費をするもよし、まっとうな茶室のしつらえを適正価格で作るもよし、はたまたそれらの銘木ではなく杉の荒木を削った木を使い設えとしてふさわしい形だけをそろえる格安の数万円のしつらえを選ぶもよし、・・・これつまり自分次第であると思うのだ。

利休は戦地の朽ちたお堂に壊れた建具のついたてで囲いを作り茶をたてた???という話が藤森先生の書籍に記されている。まあ半分作り話であろうが、でも本来の茶室とはそのようなもので良いとも思う。何も壊れたお堂でなくともよい。伝統技術の石端建ての柱が高いのであれば、木造住宅と同様の基礎に柱を立ててもよいのではないか。その時代に最も安易に作れる構造体に、あるべき設えを設け、そして自分の好みに合う床の間やら壁やら天井やらの仕上げを施す、そんな気楽な茶室が良いのではないかと思うのである。

2017/11/16

朝一番で、川口市にある青木町公園の外柵部の測量に立ち会う。川口市よりデザインを依頼されている運動公園の外柵の設置レベルを合計1キロ分測定し、設置方法の検討に利用しようというわけだ。

15時過ぎ、東京都立川市にある赤川政由さんの工房へ。赤川さんは、川口市で育った人なら大抵は知っている川口駅東口商店街に置かれているドン・キホーテ像の作者である。このドン・キホーテ像は商店街の人たちがそごうの出店の際に、大軍に立ち向かうドン・キホーテの気持ちで商店を運営していこうという決意を込めて作ったそうだけれど、そういう話は地元で育った僕でも知らない。ただ大切なことは、鋳物の街川口に鋳物でできた像がシンボルのようにそびえたっていること、つまりこういうものは町のアイデンティティーであり町の記憶であり、この町のシンボルであるわけだけれど、そういうものが本当に町の中心にあるということなのだと思う。

実はこの町にはこういう鋳物のオブジェがたくさんある。そしてその多くを赤川さんが作っている。何でかといえば、この川口という町で多くのマンション開発をしてきた森行世先生という建築家が、自分が建築を作る時に赤川さんの彫刻を設置してきたからだ。もちろん赤川さんだけではないけれど、でも赤川さんの作品を中心に町中に鋳物の町川口だった頃の記憶を、オブジェという形でちりばめたのである。

僕は、今回の青木町公園の外柵デザインに当たり、ここにも町の記憶をちりばめることを考えた。リボン上の外柵の中には赤川さんの書いた運動する人のレリーフが1キロにわたって躍動する。公園中央のサイン塔の上には赤川さんの寄って描かれた運動する人が今にも動き出し様にそれぞれの競技場の方向を示している。決して新しいものではないけれど、ここに来た子供たちが、ここでも川口市という町の記憶を感じることができる、そんな風景を目指している。

下の写真は赤川さんの工房である。混沌とした中にもなんとなくの秩序があって、そして素晴らしい作品が作られている、そんな場所であった。

20171116.jpg

20171116-3.jpg

実はこの場所、立川市にある米軍住宅だ。昔のまんま奇跡的に残っているものを賃貸で貸し出しているらしい。僕の興味は赤川さんと同等に、こちらの米軍住宅にも注がれることとなるくらいに面白い空間であった。下の写真は実際に貸し出している米軍住宅である。たまたま今空いている。家賃は十数万円とのこと。住んでみたい・・・、そんなことを本気で考えてしまう魅力がある。なぜ・・・。

建築は粗末な小屋である。夏は暑かろうし、冬は寒かろう、小屋と呼ぶにふさわしいものだ。ただその小屋と呼ぶにふさわしい様相になんとなく魅力がある。肩ひじ張らない、程よい感覚、程よいからこそ安かろうしお金がかからない。お金がかからないからこそいろんなことから自由になれる。そんな自由を獲得している人たちが住んでいるのがこの米軍ハウス街なのだ。全部で10軒ほどであろうか。道の両側に開放的に並ぶ住宅群では、本当に開放的な近所付き合いが存在し、開放的な生活が存在している。隣に誰が住んでいるのかもわからない様な子とは全くない、心の生々しいつながりが生き生きと存在する様子が何とも魅力的なのである。

20171116-2.jpg

夜、赤川さんを囲んで会食。とても楽しいひと時であった。生越の山猫軒というカフェで個展をしているとのこと。日曜日に行ってみようと思う。

2017/11/14

朝礼終了後、川口市役所鳩谷分室にて現在設計中のKさんの家の敷地前通路の調査に出かける。この敷地の前面道路は厳密には水路の舗装路で道路ではない。両側には植栽が植えられており、計画地の前にもわずか2mの隙間を除いてはすべて植栽が配置されている。ただでさえ狭い水路上の舗装路で、しかもたった2mの幅しか開口がないとなると工事の進行にも支障がある。ということでこの植栽の撤去もしくは一時撤去についての問い合わせに行った次第である。結果は良好、おそらくこちらの意向通りに対応してくれそうな感触であった。行政とは市民の健全な暮らしのために存在するのであって、こうした相談は中立の立場に立ってきちんと行えば、聞いてもらえるものなのだと思っている。相談する側にもされる側にも、とにかく大切なことは良心なのだろうと思う。

午後、茶道稽古。今日は炉の点前である。茶道の中で湯を沸かす設えには風炉と炉があるのだけれど、11月からは炉を使うという決まりになっている。炉というのは畳を切り、彫り込んで作られた部分のことで、おそらくは皆さんのイメージにある茶道の風景の湯を沸かす様子は、こちらのほうが多いのではないかと思う。炉開きというのは、特に晴れがましい行事でとても大切にされる瞬間である。僕はといえば、突然変わってしまったお点前について行けるはずもなく、先生に助言されながらの進行であった・・・。

2017/11/12

午前中、東京都国分寺市で新築住宅を検討中のJさんご家族打ちあわせ。今日は1回目のプレゼンテーションだ。プロジェクトは東西に細長く切られた土地に建てる住宅である。南側にも当然同じような住宅が建つわけで、そのうえでどのように南側からの光を取り入れたり、風が通り抜ける住宅としたりするかの検討を中心に取り組んできた。南側の住宅との距離は1m程度しかない。もう少し離れるかもしれないけれど、おそらくそんなものだ。外壁面、つまり横からの光はあまり望めない。とすれば・・・やはり思いつくのは上からの光である。屋根の一部を立ち上げて、そこの外壁面に開口部を設けることで明り取りのための棟屋となる。仕上げを漆喰などを施すことにより白くしておけば、光は反射して拡散する。上からの光は気持ちが良い。1階のリビングに降り注ぐ光は、まさに光庭ともいうべき明るい空間を作り出すだろう。

下の写真は埼玉県伊奈町で作った住宅である。中央部分に設けられた吹き抜けの上部には棟屋を設け、1階に配置したリビングまで光が降り注ぐようにした。吹き抜けにはストーヴが設置されている。家の中央にあるのは柔らかく燃える火である。普通の家では家の中央にテレビが配置されることが多いけれど、それに比べてこのように火の回りに集う様子はとても文化的だと思う。ちなみにキッチンのガスコンロの火は絵にならない。ガスコンロの周りに集い、語り合う人はいないだろう。ストーヴの火は見ていて飽きない。それどころか、人間とは・・・なんて考えてしまったりもする。ワインを片手にストーブの周りに集う、そんな生活ができる住宅はとても豊かな空間だと思うのである。

20171112.jpg

国分寺の家もそんな家になればよいと思う。2回目のプレゼンに向けて考えを進めていきたいと思う。

夕方より埼玉県川越市にて家づk類を検討中のMさんご家族打ちあわせ。土地を買おうかどうかの最終決断の時期である。1年半前に初めてますいいに来てくれた時の土地の話はうまく進まなかったということだけれど、今回の土地は綺麗な分譲地だからスムーズに話が進むであろう。それにしても1年半である。1年半たってもまたますいいに来てくれる、それが何よりもうれしかったのである。

2017/11/10

朝礼終了後、東京都墨田区にて計画中のマンションのリフォームの現地調査に出かける。現場につくと、オゾンさんとクライアントのKさんが迎えてくれた。都会のマンションだから周りの環境はどのようになっているのかと確認してみると、窓の向こう側には隣のビルの窓があったり、はたまたバルコニーがあったりと言う具合である。こうなると開口部の周りにくつろぎの場を配置しての通常のプランニングが最適な答えであるとは言えず、開口部とくつろぎの場の間にいかに中間領域を配置するかのデザインをすることがテーマのように思えてくる。Kさんがセレクトしている最近の事例などを見ても、個室や書斎といったスペースを窓際に配置することでくつろぎの場を柔らかく周囲の喧騒から遮るものが多いようだ。都会には都会ならではのデザインがある。ここ両国は息子の高校があるのだけれど、縁というのは本当に面白いもので、息子が両国に通いだして初めて両国の仕事をいただき、それ以来なぜか両国で依頼されることが多いのだ。さてさて、今回の両国でのお仕事はいかがなものか。これからの進展が楽しみである。

事務所に戻り各プロジェクト打ち合わせ。日曜日の打ち合わせに向けた渡辺君の作業確認などを行った。

2017/11/08

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。10時、岐阜県からお越しいただいたNさんとの打ち合わせ。東京都のお寺の改修工事に関して限界耐力計算という手法での耐震診断を依頼したところ、予想よりもだいぶ良い結果が出た。この計算手法では、地震の時の揺れ幅を建物の高さの何分の一であるか予測し、その数値が小さければ小さいほど有利となる。何もしなければ1/15、お勧めの耐震改修工事を行えば1/21、という具合に揺れ幅が小さくなる。揺れ幅が小さくなるということはつまり壊れなくなるというわけである。

実はこの耐震診断やらの手法はあまりメジャーではない。僕たちが通常の住宅で使用する耐震診断は一般診断といわれるもので、この限界耐力計算とは違う。限界耐力計算では柱や梁の仕口も耐力があるということで計算するけれど、一般診断では接合部だけの耐力は考慮されない等の差がある。ではなぜお寺の場合だけこんな計算方法があるかといえば、開口部だらけのお寺などでは、通常の耐震診断で耐力壁とみなされる壁が少なく、仕口や接合部の強度を考慮しなければ、耐震要素が少ないので簡単に壊れるという判定になってしまいがちだからである。メジャーではないから東京都の構造設計士さんの中で探そうとしても技術者がいない。でもお寺などの建築物の多い関西にはたくさんいる。だから岐阜県から来ていただいたというわけなのだ。

東京だけが最も高い技術力を有しているというのは勘違いである。むしろ地方のほうが人の手にまつわる技術力に関しては高いような気がするのである。

15時、左官職人の金澤さん来社。ものつくり大学出身の女性左官職人である。1級技能士であり、母である。一人でやっているから広い面積の仕事はできないけれど、でもこだわりの仕事を続けている。旦那さんはゼネコンマンだというから建築一家だ。ますいいではセルフビルドを多く取り入れているけれど、金澤さんはそのセルフビルドの指導なども快く受けてくれるという。小さな面積ならタイルも貼れる。何かと心強いのである。

2017/11/07

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

14時より埼玉県川口市にて設計中のYさんの家のリフォーム打ち合わせ。ますいいからは田部井・土田・吉村と私の4名の参加である。なかなかの大人数となったのは、施工範囲の検討などでだいぶ遠回りの検討を重ねてきたからなのであるけれど、ようやく予算内での施工範囲と工事内容の目途が立ってきた。リフォーム工事の難しいところはまさにこの施工範囲の設定である。ここも、あそこもという具合に範囲を広げていっては当然コストも膨らむ一方であり、だからといってここもやるならあそこもついでに綺麗にしたいというのが人情でもあるわけで、どこかで線引きをする瞬間が必要となるのである。

夜、埼玉県川口市にて設計中のIさんの家の打ち合わせ。これまたまさにご近所でのお仕事である。先のYさんもご近所だけど、工務店にとっては地元に愛されるということが何よりも大切なことだと思う。今日は実施設計に入っての各所の仕上げなどについて打ち合わせを行った。22時間ほどの打ち合わせの後終了。

2017/11/06

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。埼玉県川口市にて設計中のHさんの家ではこれまで設計を進めてきた3階建ての案を一時中断して、2階建てのプランを考えてみた。もちろん3階建てのプランもとても気に入っているのだけれど、コストのことや周辺の住宅との調和を考えると2階建ても候補として考えてもよいかなの思考である。ちなみに周辺の住宅はほぼすべて2階建てである。30坪の土地面積があればどちらも自由に選択できるわけなので、この辺は冷静に考えていきたいと思う。

2階建ての3階建てのコストとの違いについて考えてみた。基本的には3階建てのほうがやっぱりコストは高くなる。まず基礎の構造が少し複雑になる分コストが上がる。設計段階においては構造計算費用が割高となる。足場や外壁工事は面積によって決められるのであまり変わらないけれど、上下移動の量が増える分労務費が上昇する。直接的な費用の差はこんなものだと思うけれど、3階建ての場合は地震の場合の揺れ幅も増えるわけなので、例えばひび割れしにくい外壁材を選択するなどの配慮も必要となる。準防火地域の場合には3階建てにした瞬間に準耐火建築にしなければいけない規制がかかる。まあいろいろとあるのだ。

13時過ぎ、川口市役所公園課の皆様と一緒に青木町公園視察。市の中心部にある総合運動公園の外柵とサインのデザインを行っている関係である。今日は公園の周りを一周回りながら、伐採する樹木を選んだり、高低差の処理の仕方などを話し合ったりの有意義な打ち合わせであった。外周約1キロの長い長い柵である。実際の工事は来年となるであろうけれど完成するのがとても楽しみだ。

2017/11/05

今日は裏千家淡交会の事業で、和菓子つくり体験を行った。講師は与野にある梅月堂というお菓子屋さんの大熊氏である。全部で4種類、栗の饅頭・花をイメージした練り切りなどを、3時間ほどの講習の中で作成させていただいた。参加者はみんなで22名ほど。皆淡交会という会合の会員である。茶道という共通の目的に集う仲間たちである。和気あいあいとする中でも、節度ある楽しい時間を過ごすことができた。

20171105.jpg

2017/11/03

祭日というのにほとんどのスタッフは出社している。まあいつものことである。

10時、千葉県流山市にて設計中のIさんご夫妻打ち合わせ。今日は2回目のプレゼンテーションである。前回は2階にリビングを配置していたのだけれど、今日は1階にリビングを配置したプランをご提案させていただいた。リビングを1階に配置するか2階に配置するかは、敷地条件の厳しい都会の家づくりではいつも悩むところである。家の前に全く視界を遮るもののない広い庭を作ることができて、・・・の好条件であれば迷いなく1階となるところなのだけれど、土地の価格の高い都会ではそんな贅沢ができるのは地主さんくらいのものである。下の写真は数年前に造った越谷の家である。この計画では、道路からの視線を遮るウッドデッキの中庭を作り、リビングから連続する仕上げとすることで一体感のある空間を実現している。中庭は、道路面とは異なる方位に面しており、プライバシーもある程度確保されている。

20171103.jpg

下の写真は、船橋に造った住宅である。30坪ほどの小さな土地であったが、1階に配置したリビングが道路面よりも70センチほどかさ上げされた庭に面しており、木製建具を通して一体感のあるスペースを作り上げている。

20171103-2.jpg

それに対して、2階にリビングを配置した例もある。浜田山の家では河川敷沿いの公園に面する土地であったが、プライバシーの確保に考慮して2階のリビングに連続するウッドデッキを造っている。地面とは離れているけれど、連続するウッドデッキとその先の緑に囲まれた心地よい空間が完成した。

20171103-3.jpg

1階リビング、2階リビング、どちらが正解ということもない。開放感やプライバシー、光の取り込み方などを考慮してその都度悩んでいく問題なのである。

夕方、東京都の高円寺にて新築住宅を検討中のIさん打ち合わせ。今日は初めての面談ということで家づくりに対する考え方などを伺った。20時ごろまで。

2017/11/01

誕生日。今年で43歳になる。建築業界で働き始めて21年目が始まろうとしている。いつの間にか業界でも中堅の位置になってしまった。いつまでも若いと思っているのは自分だけ、あっという間に年月は過ぎていく。四十にして惑わずというが、僕の場合は住宅をつくる住宅作家としての道に誇りを感じるし、やりがいも感じているのでこのままきっと進んでいくんだろうと思う。地元に密着した建築家、工務店のおやじとしての側面も大好きで、このまま素敵な年の取り方ができればよい。とにかくあんまり世間の情勢に左右されることなく自由でありたいし、良い仲間とともに良いものを作っていければと思っている。偉大過ぎて比較することもおこがましいけれど、桑田佳祐のような生き方が僕は好きだ。何歳になっても変わらず一つのことを全うする姿に惹かれるし、そのスタイルが変わらないこともまたすごいと思う。時代が変われど、そして人も変われど、どんな世代にも受け入れられる価値を生み出す姿は建築にも通じるものだ。流行が過ぎれば廃れる建築もある。月日が流れれば見るも無残な建築もある。でもいつの時代にどんな人が見ても心打たれる建築もあるのだ。普通だけどちょっといい家。これからもそんな家を作っていきたいと改めて思う。

10時、東京都台東区にて新築住宅を検討中のSさんご夫妻打ち合わせ。次回の模型作成に向けて展開図などを用いた打ち合わせである。とても小さな敷地に造るとても小さな住宅ということで基本設計のペースは早いけれど、その分コストにもとても厳しい制限があるので丁寧に進めていかなければならない。

201805

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
page top