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増井真也日記
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増井真也日記

2017/04/01

朝礼終了後、各プロジェクト打ち合わせ。

14時、東京都練馬区にて計画中のKさんの家の打ち合わせ。今日は数回目の基本設計打ち合わせだ。現在のところは、細かい変更も含めると10案以上ご提案していることになるので、計画の方針もだいぶ固まりつつあるという段階である。

Kさんは建築系の大学をご卒業されているので、まさに自分で自分の家を設計することができるタイプのクライアントだ。お話を聞くと住宅とは分野は違うが、現在も設計のお仕事をされているということである。今回もご自身で作ったプランを1案持ってきてくれた。前に造ったプランと比べるとだいぶ腕を上げてきた印象がある。きっと何度も何度も自分でプランを描いているのだろう。ということで、次回打ち合わせまでにKさんご自身が書いたプランをCADに落としこみ、設計上の問題点がないかどうかの検討をすることとした。

一つの文章を紹介したい。これは僕が作った本に書いた文章で、津田寛治さんという俳優さんの家づくりをした数年後に、その家づくりについてインタビューをしたものである。家づくりはクライアントのためにある、という当たり前のことをあっらためてわかりやすく考えさせてくれる言葉が込められている。そしてそれはますいいリビングカンパニーという会社が存在する意義でもある。
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建築家をやっているといろいろな人と出会う。年齢も職種もそれぞれで、打ち合わせをしていると、いろいろなお話が聞けてとても楽しいし為にもなる。時には有名人もやってくる。7年ほど前に俳優、津田寛治さんのご自宅を建てた。映画やテレビドラマなどで活躍されている方でご存知の方も多いだろう。津田さんとの出会いは、奥様がさんかくの家が掲載されている雑誌「住まいの設計」をご覧になった時に、モルタルで作ったキッチンやお風呂の写真を見て気に入ってくれて、ご連絡してくれたところから始まった。

土地を購入して、不動産屋さんに紹介してもらった設計士さんに図面を書いてもらうところまで進んでいる状態だったのであるが、その設計士さんに塗り壁で仕上げをして欲しいと依頼したところ、「この土地では地盤が悪いから塗り壁の仕上げは無理です。クロスを貼らなければ仕上がりません」と言われて決別してしまった時に、たまたま新宿パークタワーにあるリビングデザインセンターオゾンのライブラリーで雑誌を見つけて、ますいいに来ていただいたというわけである。

津田さんは当時のますいいとの出会い、印象をこのように話してくれた。

「僕の家づくりには、設計を押し付けるような建築家は絶対に入れたくないと思っていました。そういう建築家って他人の住む住宅を自分の作品としてとらえているじゃないですか。でもそれは傲慢なことでしかないと思うんです。住宅は決して建築家の作品ではないと思います。住宅はあくまでそこで暮らす人のものなんですね。だからこそ、住む人の希望とか使いやすさとかをないがしろにして作品性を高めることに偏りすぎてしまうことは傲慢だと思います。
建築家の人がもしクライアントの希望を聞いていて、でもやっぱり後々後悔するよって思っても、お客さんがそう望むのであれば思うようにやらせてあげればよいと思います。それで、どうしても嫌になったらやり直せばいいと思います。
僕たちは、デザインを押し付ける建築家ではなく、工務店なんだけれどセンスのわかるところを探していたんですね。その考えにぴったり合う会社を見つけたのが、たまたま(ますいいリビングカンパニー)さんだったんですね。はじめての打ち合わせで、妻がこれまで依頼しようと考えていた他の設計事務所が書いた図面を見せて「これでお願いします」というようなことを言ってしまったときに、さすがに失礼だろって思ったのですが、増井さんが「わかりました」と言ったんですね。あの時の増井さんを見て、クライアントの要望を寛容に受け入れるところと、それでも自分を崩さないところを持っているなあと、つまりとても自然体だなと思いました。施主の思いを実現するという設計手法は、ともすると設計という行為に対してモチベーションが感じられなくなる場合もあると思います。でもそこをうまくバランスをとって、それを楽しんでくれるのがすごくよかったんです。」

津田寛治さんは僕の印象では、芸能人と呼ばれる人が持つであろうとイメージされる派手さとか、傲慢さとかとは無縁の人である。むしろ普通の人よりも自然体かもしれない。乗っている車などぼろぼろのワゴン車にニコちゃんマークのペイントを施しているような車だし、服装だってセンスの良い普通の大学生のようなもの。とにかく見栄を張るような行為とは無縁の人だ。そんな津田さんにとっての住宅とはどのようなものだったのかを聞いてみた。

「俳優って特殊な仕事のように思われるけど、実は普通の仕事と変わらないんです。一部のスターは違うかもしれないけれど、僕たちのような役者は現場に行って、衣装に着替えて、せりふをしゃべって、お疲れ様でしたと、まるで大工さんみたいに働いています。
日本中のいろんな現場に行って、その現場の仕事をします。だから僕が家を建てる時も特別なことを考えていたのではなく、ただただそこで育つ子供のことを考えていました。僕の中では児童館みたいな家にしたいと思っていたんです。決してファッショナブルなものではなくどちらかというと暖かいもの。家という物はその場だけの完成作品ではない。住んで何十年もたって完成する。すごくきれいだけれど20年たってみすぼらしくなるものではなく、時間がたった時に魅力があるようなものが良い。先日も通りすがりの人がこの家を建てた人を紹介してほしいと言ってきた。」
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