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増井真也日記

2016年6月アーカイブ

2016/06/30

午前中、新入社員面接。大手ハウスメーカーに1年間だけ勤務していたというSさん、今回は好きな設計があまりできなかったという理由で退社し、ますいいに応募してくれたということである。

もしも採用となれば、本社で二人目の設計スタッフ。僕はいま、女性のスタッフを全体の3分の1程度まで増やそうとしているので、大いに期待したいと考えている。僕たちが作っているものは住宅なのだ。しかも、大概の場合は、子供がいるかいないかは別としても、夫婦が仲良く暮らすための住宅なのである。女性の一人暮らしのための家を作ることはよくあっても、男性の一人暮らしの人のための家を作ったことは一度しかない。だからこそ女性目線での設計が有効な場面はたくさんあるであろう。男女が平等に働く社会とはいうものの、その成果物にはやはり差異がある部分もあると思うのである。

2016/06/28

午前中、埼玉県さいたま市にて設計中のYさんの家の打ち合わせ。ご両親が住む母屋の裏側に建つ古い家を壊して、そこに新しい住宅を建てようという計画である。今回は初めてのプレゼンテーションということで、1階と2階の間に中間階としてのロフトがあるプランをプレゼンした。2階の上にロフトを作ることはごく自然にあることなのであるが、中間階のロフトをあえてつくることはあんまりない。収納のようでもあるし、子供たちの基地のようにも使える。多目的と言えば多目的だし、ただの収納として利用すればただの収納になる。ロフトというのはその利用方法によって実態が変化するし、その周りの状況にも少なからず影響を与える、面白い存在なのである。

4コハウスでは、子供室の中にロフトを作っている。20坪の小さな土地で、しかも建蔽率が40%、容積率が80%という厳しい状況に家を作るに当たって、子供室に割ける限られた面積を最大限利用するために、まるでベッドのようなロフトを作るという工夫をしたわけである。上り下りに使う梯子は、このロフトのためにデザインしたものである。階には入らないけれど床であるという、何とも不思議な空間のロフトは、木造住宅に楽しめる空間を造ってくれる魅力的なアイテムでもあるのだ。

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2016/06/26

午前中、埼玉県寄居町にてMさんの家の地鎮祭に参加。梅雨の時期の束の間の晴れ、本当に心地よいお天気の中無事に地鎮祭を執り行うことが出来た。地鎮祭というのは、土地の神様をその土地にお招きして、これから行う工事の安全や、家が建った後の家族の無事等をお祈りするための祭りである。

僕は土地の神様なるものを心の底から信じているわけではない。まあ普通の現代人である。でもこういうことをしている時間というのは、少なくとも参列者が心を一つにして住宅現場の無事故、完成、ご家族の無事・・・といったことを考えているわけで、そういう再認識の時間としてとても意義深いものであると思うのである。

最近の家づくりでは上棟式やら地鎮祭やらの祭りごとを省略するというような話もよく聞く。でもせめて地鎮祭くらいは行ってもよいのではないかと思う。何せ家づくりのスタートなのだ。

終了後、道路境界線上の塀の形状などについて打ち合わせ。10時30分ごろ現場を出発した。

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続いて靖国神社へ。今日はお茶の水女子大学の茶会が靖国神社で執り行われるということで、先生と妻と一緒に参加させていただくことにした。大学生の茶会はとてもフレッシュである。高価な道具などは一切ないが、それだからこそ学生の工夫が見て取れる。この素直な気持ちでの茶道の修道を大人になっても普通に続けていってほしい。そしていつか、自分よりも若い世代に伝えるようになってほしいものだと思う。

17時、国際フォーラムにて一青窈コンサート。別にファンでもないのだけれど、ふた月に一度くらいはこういうことをしようと心がけている。ファンの方が聞いたらきっと怒られてしまうのかもしれないけれど、僕にとっての音楽はそんなに一生懸命に聞くものではなく、なんとなく耳から入って去っていく程度のものなのだ。それでいて心地よいものを探せれば尚良い。でもそういう運命的な出会いはなかなかないんだなあ。

最近で言えば日本武道館で聞いたノラ・ジョーンズと、コットンクラブで聞いたエミール・クレア・バロウがとても心地よい音楽であった。ピアノジャズが好きだけれど、キース・ジャレットはなんとなく官能的過ぎてあまり長く聞くことはできない。やっぱりビル・エバンスのほうが圧倒的に心に響く感じがする。100枚ほどのジャスのCDを持っていても、結局はいつも同じような曲をかけてしまう。みんなもきっとそんなものだと思う。次のコンサートは何にしようか、そんなことを考えている時間が意外と楽しいものだ。

2016/06/24

朝からイギリスのEU離脱問題が世間を騒がせている。移民問題に端を発し、残留派の議員の殺人事件まで起こして、結果72%というとても高い投票率の中での国民帳票の結果の離脱である。ここまで大きな物事を、国民投票という手法で検討し、そこに向かって新たなリーダーが舵を取っていくという民主主義の進度を感じるとともに、この先に対する不安を感じざるを得ない。

日本でも沖縄の基地問題や憲法改正の問題などといった様々な議論があり、論客がメディアの中で様々な意見を交わしているけれど、それでは国民投票で白黒つけましょうという風にはならないのが風潮である。でも、マスコミと共に世論が湧き上がり、ある一人の対象者を血祭りにあげているいつもの様子を見ていると、もしも白黒をつけるような国民投票があったとして、それに対して良い答えを出すことが出来うる国民の民度が備わっているのかも疑問に感じるのである。この先の動き、しばらく注目しなければいけないだろう。

2016/06/23

午前中、学童保育ジャンプの内田社長来社。数人のスタッフさんを引き連れて会社に来てくれ、僕と妻と一緒にますいい農園に見学に向かった。なぜ内田社長がますいい農園を見学するのかと言えば、先日開催されたますいい建築圏の中でプレゼンをしていたますいい農園の様子を見て、学童保育の子どもに対する教育プログラムの一環として、畑での作業を取り入れたいというお話を聞いたためである。つまり、学童に通う子供たちが野菜を育て理体験をしたり、収穫をしたり、それで軽食を作って食べたりの経験を出来るようにと考えているということであった。

今日のところはとりあえずの見学である。まずは畑の利用方法を検討してみるとのこと。一緒に活動をするのがとても楽しみである。そもそも川口市にはたくさんの畑がある。きちんと畑として利用されているところもあれば、資材置き場などにされてしまっているところもある。畑が資材置き場?畑が駐車場?ひどい場合には産廃置場などに利用されているような地域に、魅力はない。でも悲しいけれどこれが川口市の現実である。

魅力的な地域、人がそこで暮らしたいと思うような地域は、都市の発展と魅力的な自然が程よく調和し、計画的に整えられている地域である。僕は川口市をそういう魅力的な場所にしたいと思っている。子供たちが畑で自分の食べるものを育てている地域、昔だったらあたりまえそうなそういうことを、きちんとできる将来を作ってあげたいものである。内田社長の参加を歓迎したいと思う。

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この様子は2年前の開墾の様子である。このますいい農園ももともとは耕作放棄地であったのだ。開墾には臼山興業の臼山社長に協力していただいた。臼山社長にも感謝感謝であるのだ。

2016/06/20

雑誌住宅特集を読んでいたら屋根についての特集をしていた。屋根というのは、建築を雨から守る大切な要素である。BOX型の住宅を造っているとあんまり意識をすることはないのだけれど、「軒下空間」とか、「内部に露出した小屋組みの意匠」とか、「屋根が外観に強い印象を与える場合」とか、とにかく意識をし出すとその奥深さはとてつもなく、場合によってはとんでもない苦労を強いられるようになるのが屋根という部位なのである。

ますいいでもいろいろな屋根を作ってきたのでご紹介しながらエピソードをご紹介しようと思う。

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上の写真はますいいの川口本社の完成時と工事中の様子である。鉄骨の人工地盤の上に木造の平屋を乗せているような構造体となっている3階部分の屋根、実はこれを作るのにはとても苦労をしている。この棟のライン、実は曲がっている。そして高さも場所によって異なる。通常はまっすぐなものである。高さも一定なはず。でもどうしてか知らないけれど曲がっているのである。

しかも屋根を支える梁は合掌造りになっていて、つまりは真ん中に柱を持たないから、勾配が少なくても合掌を成立させるために梁の中に鉄板の補強材を仕込んでいる。この鉄板も、勾配が一列ずつ微妙に変わるのに合わせて、形が変わる。そのたびに原寸の図面に合わせて鉄板をカットするという大変な作業を金物屋さんに頼み込んで、嫌がる職人さんたちと一緒に工事を進めたのである。

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結果、3階の内部には写真のような微妙に屋根のこう配が変化する空間を得ることが出来た。15mが見渡せる部分に建つとその屋根の変化が空間の特徴となっていることに気が付くとともに、当時の苦労が蘇るのだ。

船橋の家では、大黒柱に支えられる大屋根を作った。隅木に化粧の垂木がかかるというまるで大工さんの技能五輪のごとき設計に、大工さんがとてつもなく苦労していたのをよく覚えている。この住宅はとある住宅雑誌のライターさんの家で、ということはありとあらゆる建築家さんやら工務店さんやらの建築を見飽きるほどに見たことがあるWさんが、それでもますいいに家づくりを頼んでくれたという状況にある仕事であった。意気込んだ僕は、どうしてもこういう屋根を作ってあげたくなった。家族を包み込むような大きな屋根、ちょっと和風のその空間で家族がくつろいでいる、そんな光景を創り上げたのである。外部には大きな軒下空間を設えた。内部の大屋根と同じくらいこだわった場所である。

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沢山ありすぎて一度にすべてをご紹介することはできないけれど、とにかく屋根の設計は面白い。良い屋根の家は、なんとなく印象の強いい家になるような気もする。家の絵をかくときに子供たちは必ず三角屋根を書く。僕たち大人にも屋根を想う心がきっと残っているのであろう。

2016/06/19

日曜日。昨日と一昨日の二日間は福島県いわき市にて裏千家の行事に参加していたのだけれど、今日は現在東京都江東区にて設計を進めているMさんの打ち合わせのために帰社した。

11時、Mさんご家族来社。今日は詳細部分の設計変更についてと、見積書の細かな説明をさせて頂いた。Mさんの家はとても古い木造2階建ての建築である。お父さんが僕の大先輩、つまり建築家をやりながら工務店を経営するという同じようなスタイルでの家づくりをしていたという、そのお父さんの作品である。建築は随所に設計者のこだわりが見える。例えば急な階段を上がった先に見えるとても天井の高い洋間、その隣にある茶室のごとき小さな和室、水屋のようなスペースの横には格子状の装飾が付いた壁がそのまま扉となっており、そこを開けると収納が隠れている。とにかく見ていて楽しい住宅なのである。

今回の計画ではこうした古い装飾は取り払いながらも、小屋組みのような建築の持つ骨格の魅力などを生かした改修を行う予定である。改修後はMさんご家族の家として、そしてもしかしたらゲストハウスなどにも利用されるようになるかもしれない建築である。

終了後、本当は浅草などへの散歩を計画していたのだけれど、食事をしていたらなんとなく中途半端な時間となってしまったのでやめることに。大体福島からの出張がえり、なんとなく体も疲れているのだ。ということで夕食を作って早めめに床に就くことにした。

2016/06/17

朝礼終了後、埼玉県川口市にて設計中のIさんの家改修工事についてのスタディー。この計画は3階建ての鉄骨造の建築をリフォームしようというものである。1階は空きスペースとなっており、今回の改修を機に何らかの賃料が取れるような仕組みを作る予定である。現時点での僕の提案はレンタル倉庫、屋内の小さな倉庫が駅前にあれば、借り手はつくのではないかの予想の上での提案をするつもりだ。

2・3階は住居スペースとする予定である。リビングは最も明るい3階に配置することとなるであろう。限られたスペースをどのようにリノベーションするかの手法は近所のハイツのリフォーム計画をしているときに多くのバリエーションを考えた実績がある。通り土間、腰壁による柔らかい間仕切り、今回もこの時に考えた手法を生かし様々なご提案をしていければと考えている。

打ち合わせ終了後、福島県いわき市に向けて出発。二日間の出張を予定している。

2016/06/15

埼玉県さいたま市にて設計中のUさんの家スタディー。この住宅はご両親が住む家と背中合わせになっている北側の土地に、御嬢さんご家族が暮らすための住宅を造るというプロジェクトである。敷地は北側道路、東西を建物に囲まれ、南側にはご両親の家が建っている。ご両親の家との間には小さな庭があって、そこではお父さんがちょっとした野菜などを育てている。今回の設計では、この庭に面するように1階にリビングを配置し、2階に寝室などの個室を作ることとしている。南側の庭からの光だけではちょっと光の量が足りないという状況のなかで、どのように光を引き込むかが工夫のしどころとなる。

このような場合にまず思いつく方法が光を引き込むための中庭である。中庭を作ることで光だけではなく、風の通り道を作ることも出来る。中庭の周りをすべて2階建てにしてしまうのではなく、一部に平屋の部分を残すことで光の量を増やすことも出来るであろう。

中庭の周りには、居心地の良いスペースがそれぞれ取りつくことができる。中庭があるおかげでそれぞれのスペースを柔らかく分断することも可能である。家で仕事をしているUさんの場合、仕事場とリビングを壁で仕切るのではなく、中庭を通してつながる形で区切るというようなことも出来るかもしれない。まずはこの方向で考えを進めてみようと思う。

2016/06/13

今日は朝から雨が強く降っている。テレビでは舛添知事の集中審議のニュースが世間を騒がせているが、いったいどうなることであろうか。あんまり興味が無いと言いながらも嫌でも聞こえてくるニュースを聞いていると、三日月ホテルの宿泊代がどうのこうのということにここまでメディアが集中して議論をしていること自体に疑問を感じてしまう。以前租税回避地のニュースが世界を騒がせたことがあったが、この世界ではみな多かれ少なかれ同じ様な事をしているようだ。そしてそういうことが出来る抜け道が用意されているようなのである。

午前中は事務所にて打ち合わせ。埼玉県伊奈町にて設計中のWさんの家では、駐車スペースの台数を2台に増やしたことによる設計変更を行っている。基本設計4回目での大変更、先日ピアノについての記載をしたけれど、この変更は駐車場どころの騒ぎではない。駐車場を配置する場所の選定、その結果出来る日当たりのよい場所の扱い等々に思いを巡らせプランを練り上げる。

こういう作業をするときには敷地模型を使用する。敷地に隣接する建物を造り、そこに新しいプランを入れ込んでみて、スポットライトを当てたりの検討をすると日当たりの確認ができたりもする。そういう状況を目視していると、敷地の中で最も気持ちがよさそうな場所の確認もできる。結果、プランに影響もする。基本設計段階ではとても大切なツールの一つなのである。

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2016/06/12

日曜日、ここ2か月ほど毎朝6時から40分ほどのウォーキングをしているのだけれど、今日は朝の散歩をする時間に起きることが出来なかった。後で出来ると思うと心がくじける、ここから習慣を失わないように気を付けたい。

10時、越谷市にあるこしがや能楽堂にて、高校生や大学生が主催している茶会に参加するために妻と娘を連れて家を発つ。会場に付くと大勢のお客様が列を連ねている。すでに7席目というから、140人ほどは来場している計算だ。10席まであるということは200人の客様を想定しているという、何とも大きなお茶会である。各席は顧問の先生と学生さんの熱意のこもった暖かい設えがなされており、若々しい創意工夫は見ていて気持ちが良いものであった。お金のかかる茶道ではなく、創意工夫の茶道が良い。だから学生の茶会は楽しいのである。

夕方、朝の分を取り戻すべく川口駅の周りを歩き回る。今日は本町という川口駅周辺で最も古い街並みを歩いてみることにした。どのような町にも本町という地名は存在する。そしてどの町における本町も、たいていはその町で最も古い格式ある地域であることが多い。ここ川口市でも本町は歴代の市長さんが住んでいたり、老舗の鋳物屋さんの御屋敷があったり、区画整理が手つかずでなかなか整然とした街並みにはならないのだけれど、とても趣があって、楽しみがあって、混沌としていて、たまに不思議な感じのするそんな町並みであった。1万歩ほどの歩きの後、帰宅。

2016/06/10

今日は午後から浅草へ出かけた。最近なんとなく浅草から両国あたりまでの東東京が気になるのである。2008年ごろであろうか、今ではだいぶ経営を縮小してしまった家具屋のIDEEさんとお付き合いしていたころ、EAST TOKYOの活性化についての話を聞いたことがあった。当時のこのエリアは問屋さんや製造業の町が衰退し、安い価格につられた若者や新しい産業が入り込む状況だったと思う。その時はそれ以上の興味を持たなかったのだけれど、近年の観光市場の成長と共に再びこの地域に対する関心が高まってきた。僕の意識の中にまるでNYで見たSOHOやらミートパッキング地区のごとき姿が目に浮かぶのである。早速街に出てみよう。まずはどのような状態になっているのかを見てみたいとの思いから出かけてみることにした。

最初の目的地は浅草不動産さんである。この不動産屋さん、まるでますいいのごとくおしゃれに不動産屋さんをやっている。ご対応いただいた方もとても親近感を感じる、温かいお店であった。ご紹介された蔵前エリアに移動し、新しいカフェやらホステルやらを見学。ちらほらと売却用物件もあるようだ。

日本の都市は高齢化している。このエリアも川口市も同じように高齢化している。高齢化した都市をすべてぶっ壊して新しくすることはできない。何故ならこの国の経済自体がそれを実行することが出来る状況にはないからである。古いものを古い状況で如何に有効に利用するか、そのアイデアが様々な所で必要とされている。そしてそのアイデアを持つ不動産屋さんなり建築家なりの手腕もまた必要とされているのである。さてさて、僕に何ができるのであろうか。街を歩きながらの熟考である。歩けば歩くほどいろいろなことが浮かんでくる。まずは10万歩くらいは歩いてみなければいけない。

2016/06/07

午前中は各プロジェクト打ち合わせ。

13時より茶道稽古。今日は四カ伝の台天目のお点前を行う。このお点前は、主に天目茶碗の扱いを習得する機会となる。曲げの水差しは全体に水をかけておき、茶杓は象牙の茶杓を使用する。水差し、和物の茶入れ、台天目茶碗を飾ってある状態からスタートするというものである。終了後は運びの薄茶出前を行い、御菓子とお茶をいただきながらの楽しいひと時を過ごす。お点前は相変わらず覚えられないのだけれど、それでも少しずつではあるけれど身についているような気もする。何ともゆったりとした至福の時間であった。

2016/06/06

午前中、埼玉県寄居町にて設計中のMさんの家打ち合わせ。これまで長らく設計の打ち合わせを進めてきたけれど、今日でほぼすべての事項を決定することが出来た。あとは工事金額の精査と確認申請の作業に入るのみである。7月中旬の工事開始に向けて、準備を進めていきたいと思う。

夕方本棚の整理をしていたら、昔々読んだとある本を見つけた。赤瀬川原平氏の「千利休・無言の前衛」である。久しぶりに手にとって読み進めてみるとなかなかに面白い。2時間ほどで読了。

中に面白い記載があった。「おそらくフランス人が日本人の財布の中を見たら呆れるのではないか。こんなにきれいにお札を揃えて、いったい財布の中で何をしているのだと。財布の中で安らぎを得ようとしているのである。ただ物を買うための、手続きとしての仮の姿である紙ペラを、ほとんど崇めるようにきれいにそろえて、・・・・財布の中に奉っているのだ。財布の中のお札は神棚のお札を代行するものである。その行いをもって、この世に生きている不安から遠ざかろうとする。・・・日本人は金満国になっているのに贅沢が下手だ、というのではなく、そこでなお、表面では不本意ながらも、実態を避けて通ろうとしているのだ。そうやって実態から浮き上がって仮構の物と接する財布の行いには、お茶という物質から浮き上がって無名の行為に至る道筋が、わずかに見え隠れしているのである。」

宗教とは別のところで、茶を飲むという行為がその目的を超えたところに独立した美意識としての意味を持つ茶道を、このように分析している説には初めて触れたと思う。震災などの混乱時に、民衆が自発的に秩序を保つという国民性も、こうした習性からきているのかもしれない。僕自身も茶道という見えない何かに、この国の未来を感じているような気がするのである。


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2016/06/05

日曜日。今日は僕がお世話になっている裏千家の社中の懐石料理講座、つまりは茶事の練習会である。朝から着物を着て、妻と二人でお稽古場へ向かうと、すでに五十嵐さんという料理人さんが懐石料理の仕込みをしていた。五十嵐さんが僕たちの社中に来て料理をしてくれるのは、これで2回目のこと。さすがにプロだけあって、手際の良さは見ていて気持ちが良くなるほどである。

今日の御稽古では、僕が亭主でお客さんが3名というグループと、それと全く同じ人数のもう一つのグループを先生が指導していくという手法で行われた。亭主とはいっても今回は懐石料理をいただくところで終わりだし、しかも料理は五十嵐さんが作ってくれているわけで、つまりはその言葉や手順を覚えることだけを目的としたものである。僕なんかの浅い経験では当然たどたどしさを隠し切れない訳だけど、それでも初めての亭主役に楽しいひと時を過ごすことが出来た。次は家族を相手に自前の料理での亭主に挑戦してみようと思う次第である。

2016/06/04

午前中、埼玉県さいたま市にて設計中のWさんの家打ち合わせ。今日は基本設計のお申し込みをいただいた後、初めての打ち合わせであった。4人家族が暮らすための30坪弱のプランについて、2時間ほどのご説明をさせて頂いた。

この住宅には畳の間がある。和室と呼ぶには小さすぎる、1畳よりもちょっと小さな畳が4枚ならんでいるくつろぎのためのスペースである。この場所はリビングの一角にある。床の高さはリビングのフロアリングよりもちょっと高め、子上がりのようになっている。畳の下にはちょっとした収納スペースを設ける予定である。このスペースの隣にはリビングがある。テレビもある。この畳に寝転ぶと、テレビを見たり、テレビを見ている家族と話をしたりすることが出来る。ちゃぶ台を出せば、お茶を飲んだりの場所にもなるかもしれない。正面の壁には向こう側にあるエントランスに向かってはめ殺しの障子窓がついている。家族が帰ってきたり来客あったりしたときには、この窓からなんとなく人の気配を感じることが出来る。

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打ち合わせ終了間近、なんとアップライトピアノが登場。ご実家から新居に移すかもしれないとのことである。何とも大きなアイテムが登場した。これはプランを再考する必要がありそうだ。我が家と全く同じ女の子二人兄弟・・・ピアノの可能性をもっと早く感じればよかった。

2016/06/02

今日は事務所のスタッフを連れて2016年度の第1回ますいい建築塾を開催した。朝7時頃事務所を出発し、まず最初に向かったのは八王子にある工学院大学である。工学院大学(八王子キャンパス)にある弓道場・ボクシング場は福島加津也さんと富永祥子さんによる設計で、平成27年度の建築学会作品賞を受賞した名作。今日は大学の事務局の方にご案内をしていただきながら、約1時間の見学をさせて頂くことが出来た。

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この建築は、小さな部材を組み合わせることで、道場という柱の無い大きな空間の屋根を支えることに成功している。そして、その意匠は大きな空間を支えるトラスなどとは違い、和の感覚を呼び起こす意匠であることが特筆すべき点である。木造の可能性を広げ、和という感覚を喚起する意匠ということで規模は小さいながらも大きく評価されている。しかも3000万円程度のローコストで行われている点がさらに共感を覚える点である。コストが無い中での設計者の魂がひしひしと伝わる建築の力にしばし圧倒される、とても心地の良いひと時であった。

続いて、うかい鳥山にて昼食を食す。こちらは言わずと知れた和の名店、和風建築テーマパークのごとき建築群を堪能しながら、鳥肉の焼き物を食した。仕事の合間をぬっての建築塾、こういう栄養が無ければ良い設計を生み出すことはできないのである。終了後各自、また仕事に戻っての作業となったが、この時間はきっと次の建築につながるものとなるはずである。

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