ますいいの運営するノンプロフィットレンタルアートギャラリーとギャラリー。各アート作品の展示・販売をするショップとなっております。

公式サイト>

ますいいでは、古くなった物件を壊すことなく次の世代に引き継ぐお手伝いをしております。

詳細情報>

CREATED BY TOMBOWING

ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

ますいいリビングカンパニー|埼玉県川口市

ますいいについて/about us
作品集/galleryコンセプト/concept現場進行中/project仕事の進め方/workflow
増井真也日記
田村和也雑想設計室雑感
お問い合わせ/contact

top > 増井真也日記 > 2015年7月アーカイブ

増井真也日記

2015年7月アーカイブ

2015/07/28

埼玉県さいたま市にて進行していた住宅が完成した。この住宅は、とある大手組織設計事務所にお勤めのクライアントが、自ら考えた自分の家のアイデアをますいいのスタッフとともに図面化し作り上げたという事例である。木造の設計はやったことはないというクライアントではあったが、でも大学時代に住宅の設計について考えたことがあったり、当然ながら自分の家は自分で考えたいという欲求があったりする中で、クライアントのデザイン的な欲求と、ますいいの木造技術をすり合わせながら進めていった仕事である。

実はますいいにはこのような事例がとても多い。以前にも大手ゼネコンO社、大手ハウスメーカーM社とT社、大手設計事務所Y社、などなど建設業界の方のご自宅を多数作ってきた。そのうち設計よりの方は、ほとんどの場合自分でプランを考える。大体はまずは増井さんのプランを見てみたいといわれ、僕なりにプランを考えてはみるのであるが、やっぱりすぐに取り下げさせられてしまう。だって、みんな設計が好きで設計事務所の仕事をしているのだ。僕のプランが採用されるかどうかはどうでもよい問題だとして、このように自分で自分の家を考えるという形は、ますいいにとってとても理想的なものだと考えている。設計を職業としている人は具体的な図面として考えることができるのだけれど、そうではない普通の人たちも家に対する理想は持っている。図面化することは難しいとしても、イメージと近い写真で伝えたり、スケッチを描いたり、言葉で伝えたりの手法で表現することはできる。その具体性の度合いによって、僕たちがお手伝いする作業内容は変わるけれど、でもクライアントが考えた理想を実現してあげるということ自体に変わりはない。大切なことは、まず理想を持つこと、そしてそれを限られた予算で実現するということで、その結果豊かな生活が営まれるということが果たさなければならない目的であるのだと思う。技術とは、そういうためにある。優れた技術とは、ある倫理観を持って正しい形で利用すれば、必ず人の暮らしを豊かにしてくれるものだと思うのである。

20150728.jpg

20150728-2.jpg

20時より、本社タッフ全員でフットサル。1時間ほど。スタッフとこのようなことをやるのは本当に久しぶり。でも昔はしょっちゅうみんなでやっていた。スポーツはとても不思議な力を持っていて、その時だけは、たまたま別れたチームごとにみんながまとまって、声を出して、励ましあって、一つの目標に向かって走ることができる。汗をかいた後に飲むビールは最高にうまいし、いつの間にやら出来上がっていた壁のようなものも、あっという間に取り払ってくれる。今後も月に一度は開催する予定であるが、飛び入り参加も受け付けたいと思っているので、NEWSの告知を見た方はぜひ申し込んできてほしい。

2015/07/27

朝礼終了後、事務所にて打ち合わせ。一日ゆっくりと事務所にて過ごす。

夕方、久しぶりの畑作業。約2反の畑のうち、野菜が植えられている部分はおそらく半分の1反ほどで、あとは駐車スペースと、ブルーベリーを植えている果物スペース、そして倉庫などの資材置き場になっている。ぜいたくすぎる使い方ではあるのだが、それでも十分すぎる野菜が獲れる。一年間に2回の作付ができるじゃがいもは、3年ほど期間をあけないと連作障害が出てしまうので、つまりは全体を8個のスペースに分けると必ず夏と冬に収穫ができるということになるのであるが、その1/8のスペースでも400個ほどのじゃがいもが収穫できる。1週間に10個食べたとしても、40週間分だから、とても僕の家族だけでは食べきることはできない。玉ねぎだって、今年は900個ほどの収穫ができた。大根だってもう見るのも嫌なくらい、にんじんもしかりである。最近気が付いたこと、それは大根が育ちすぎて古くなってくると、土の中でまさに根っこのように固くなり始めるということである。芯のほうからだんだんと色が茶色っぽくなっていくのであるが、こうなるともう大根おろしにすることはできないくらいにかたくなるのだ。これらの大量の野菜は、ますいいで働くスタッフの胃袋にも入ることになる。僕の妻が手料理を作って、スタッフを家に呼ぶのであるが、これが意外に好評だ。どうしても家庭的な料理が不足しがちな一人暮らしの若者には貴重な機会となっているようである。

今の時期は新鮮なトマト・なす・ピーマン・大葉・バジル・枝豆が一日おきにどっさりと収穫できる。今日は今年初めのキュウリが獲れたし、来週にはゴーヤも獲れ始めるだろう。こういう初物はとてもうれしいもので、なんだかとてもおいしく感じる。

収穫と同時にやらなければいけないことが土づくりである。今日はじゃがいもが植えられていたスペースに堆肥と石灰を混ぜ、耕耘機で耕した。耕してから1か月ほど寝かしておくと、土がまた元気になっていく。そしてまた秋上の野菜を育てることができる状態になる。このスペースでは、知人からリクエストのあったニンニクに挑戦する予定だ。さすがにニンニクだけで埋めることはできないので、ほかにもキャベツやレタスを育てようと思っている。

2015/07/25

午前中は事務所にて各プロジェクトと打ち合わせ。

昼過ぎより、所要にて外出。

夕方より、川口駅西口公園で開催されている国際交流フェスティバルなるお祭りに参加。ここは僕が住んでいる町会とかいうわけではないのだけれど、たまたま息子が通っていて、たまたまPTA会長になってしまった川口市立西中学校の生徒たちがロックソーランを踊るということで、それを見に行ったという次第である。会場は川口駅の西口、本当に駅前のペデストリアンデッキの延長線上にある公園で、駅前でこんなに派手なお祭りをよくやるなと思うくらいのにぎわいだ。夕暮れ時のフィナーレ直前、ちょうど町会のおみこしが到着したところで、神輿の周りには熱気で顔を赤くしたハッピ姿の男衆たちが群がっている。マンションが林立し、なかなか町内のつながりを保つことが難しくなっている昨今、きっとこういうことの運営にはとても苦労していることであろう。でも、集まっている人たちの楽しそうな笑顔を見ていると、ふるさとというようなものを感じさせるいわゆる地域の行事というものがとても大切なような気もしてくる。おみこしの練習会に参加したいと強く思う人は少ないだろうけれど、実際に担いでいる姿を見て、自分も担いでみたいと思う人はきっとたくさんいるのだろうし、そういう気持ちがいわゆる郷土愛のようなものにつながっても行くのであろう。

さて、参加している中学生たちは、とても良い笑顔をしている。ロックソーランを踊っている姿を見ていて、昔中学生のころに、東北のわらび座という劇団に修学旅行で訪れた時のことを思い出した。今ではミュージカル体験のようなこともさせているようであるが、当時は参加した中学生にクラスごとにソーラン節を躍らせていた。クラスごとに自分たちのソーラン節を話し合って、次の日にそれをみんなに披露するというような内容だったと思う。どちらかというとそういうことがあまり好きではなかった僕も、なんとなくのせられて、いつの間にか楽しくなって踊っていた、そんな記憶がある。今日の西中学校の生徒たちの笑顔もそんな気持ちがあふれ出ているような笑顔だった。それを見ている先生たちも顔もまたしかり。理屈ではない何か、祭りや踊りにはそういう力があるのだなと思う。

20150725.jpg

2015/07/24

朝礼終了後、事務所にて茶室のスタディー。来年の5月ごろに開催する展示に向けて新たに茶室を製作してみようのアイデアを絞り出している。とはいうもののまったくアイデアまとまらず・・・。
・組立、移動が容易にできること
・セルフビルドで作ることができること
・自然素材を使うこと
・どこか懐かしさを感じること
今日のところはこんな程度である。

午後より、埼玉県富士見市にて新居を計画中のTさんご夫妻打ち合わせ。Tさんの土地は2mほどのがけの上にあって、まずは擁壁を作り直さなければ家を建てることはできない。このように古い擁壁を持つ土地はたくさんあって、そのどれもが老朽化による造り替えという同じ問題を抱えている。今回の様に比較的簡単に造り替えられる場合はよいが、ものすごい高さがあるとか、隣地に多大なる影響を与えてしまうとかの理由で造り替えられないような土地もたくさんあって、そういうところは地域一帯を巻き込んだ再開発のような大きな事業を計画しないと何もできない状況になっていたりする。そういう事例に比べれば、だいぶ良い、つまりは現実的なコストで比較的容易に工事ができる事例である。

せっかく擁壁を作り直すのだからということで、今回は擁壁のラインを少し敷地の奥のほうにずらし、今は無い車庫スペースを作るという計画を採用することにしたのだけれど、今日は擁壁の計画が決まってからの初めての打ち合わせであった。プランは車庫スペースの上部に広がるデッキを、1階に配置したリビングと連続して使うことのできるのびやかなLDKのあるものとした。デッキは隣接する道路よりも2mほど上がっているので、外部と縁を切られたプライベートな庭として利用ができる。2階には各個室を配し、そのすべてをデッキのある東側に向けることで、すべての部屋に開放感をもたらすように計画している。収納の量の調整について若干の変更が必要なものの、概ね受け入れていただいたようだ。次は1・50程度の模型を作っていきたいと考えている。

2015/07/22

朝礼終了後、埼玉県寄居町にて新築住宅を検討中のMさんをご訪問。Mさんとは裏千家の活動を通じて知り合った。数年前から知ってはいたけれど、最近、ひょんなことから急にお会いする機会が増え、ご自宅のご相談を受けた次第である。寄居町というところは、小学生のころ遠足できた記憶があるような無いような・・・とにかく秩父の玄関口に位置する町で、川口市からは車を飛ばして78分の距離であった。敷地は大きな道路から少し入りこんだところにあり、家に着くとMさんとご両親が出迎えてくれた。こちらは鈴木君と二人、遠路はるばるといった感じであるが、こういう仕事もたまにはよいものである。

敷地は南北に広がる広い農地で、ご両親の住むご実家の隣に位置する。今は小さな畑として利用されていて、北側には小高い山がどーんと存在している。まさに裏山という感じで、聞くと風は北側から南側に吹き抜けるという。裏山へは一本道が続いていて、その両側には数件の住宅が建っている。きっとたぬきとかの小動物が住んでいたりするのであろう。都会では味わうことができない景色と風、何ともうらやましい限りである。

敷地の調査を済ませると、ご実家にお邪魔しての打ち合わせ。1時間ほど。終了後、秩父にあるお蕎麦屋さんにて昼食をごちそうになる。味もよく、建物の雰囲気もよく、さらにとてつもなく量の多いお蕎麦屋さんで、とても人気があるお店だそうだ。満腹感の中、帰事務所。

20150722.jpg

2015/07/20

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。10時ごろより、千葉県流山市にて新築住宅を検討中のFさん打ち合わせ。今回は3回目のプレゼンテーションということで、だいぶプランの考え方のバリエーションが出そろってきた感がある。基本設計の初期段階では、その土地の使い方や住宅の考え方についての可能性を多方面に探ることが大切である。クライアントも僕たちと一緒にプランの良し悪しを判断していただいたほうがよいに決まっているし、結果的にその過程が、「自分の家を自分で考える」という結果にはとても大切なことであるように思うのである。

20150720.jpg

2015/07/19

今日は娘二人を連れて、東京国立近代美術館・工芸館へ足を運んだ。この美術館では現在、「こども+おとな工芸館 ピカ☆ボコ~オノマトペで読みとく工芸の魅力~」という展示が行われていて、子供も一緒に楽しめるであろうの期待のもとに足を運んだ次第である。

11時ごろ家を出発し、まずは東京駅へ。大正3年に辰野金吾氏によって設計された東京駅の姿は東京を代表する駅のシンボルになっているようで、駅の前には記念撮影をする多くの外国人観光客が歩いていた。駅を出ると、丸ビルに沿って歩き、皇居方面に進む。大手門をくぐって皇居内部へ進み、左手の坂を上がって大奥跡へ。そのまま進むと天守閣跡の高い石垣がそびえたっており、子供たちも初めて見る石垣のスケールに驚いていた。今は芝生の庭園になっている大奥跡ではあるが、昔の姿を思い浮かべながら眺めてみると荘厳な風景がなんとなく頭に浮かぶ。とはいえ実際に見たことがあるわけでもないので、あくまで時代劇などで見る建築の姿のつなぎ合わせのイメージしか思い浮かべることはできないのがさびしい限り。もしもここに当時をしのぶスケールの建築が再建されたら、きっと東京で一番の観光名所になるであろうなどと考えながら足を進める。北桔橋門をくぐり外に出ると、美術館はすぐそこである。

この建物は、明治43年に近衛師団司令部庁舎として建築されたもので、2階建煉瓦造、両翼部に張り出しがある簡素なゴシック様式の建物である。東側に設置された和室も含め展示室は建築家の谷口吉郎氏によって設計されたもので、静謐感が漂うとても良い空間となっている。偶然にも東京駅の外観にとても似ていて、3年生の娘はまた駅に来たの?と言っていた。ヨーロッパの街並みでは当然のような、同じような建築様式の建物が立ち並ぶ姿というのも、今の日本人にとっては珍しいことである。明らかに異なる二つの建築を同じものとみなしてしまう感覚も無理もないのであろう。

展示室に入ると、さまざまな工芸品がその表層の質感ごとに「ぴかぴか」「でこぼこ」などと分類されており、子供たちでも自然に工芸品を眺め、話をすることができるような設えがされている。質感をとらえながら、用途を考え、スケッチをしたりさせる仕掛けはなかなかのものである。何よりも、茶器や織物、漆器、螺鈿細工などが並ぶ工芸館を見せて、「楽しかった」の感想が聞けたことに驚いた限りであった。

終了後タクシーにて築地場外へ移動。こちらも観光客に交じってお寿司を食し、16時ごろ帰宅。埼玉県に住んでいても意外と知らない東京の姿があるものである。次はどこへ行こうか。娘が相手にしてくれるうちにいろいろな旅をしてみよう。

2015/07/16

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。埼玉県所沢市にて設計中のYさんの家についてのスタディーなど。Yさんの家は奥様のご実家の農家の畑の一角に建設する予定で、移住後は趣味の範囲内での畑作業なども行うという計画である。敷地には一家族が十分に食べられるくらいの野菜が取れるであろうスペースがある。それが家の目の前にあるというのだから、なんと理想的な状況であろうか。

僕も畑をやっているけれど、僕の畑は家から車で20分もかかる。毎日野菜を取りに行くことはできないから、なるべく一日おきに妻が収穫に行っているのだけれど、所要が重なって3日もあけてしまうと、熟したトマトが地面に落ちていたりする。もしも家の目の前に畑があったら、夕食の準備に必要な野菜を必要な量だけ収穫し、そのまま料理をして食するという当たり前の行動が、何の無理もなく行うことができるのである。

都会の近くの農家的生活は僕の理想だ。でも現実には農地を購入することはとてもハードルが高くて、川口市の場合は5反、つまり1500坪をいっぺんに購入しなければ農家とは認められない、つまり農業委員会から農家との承認が下りないわけで、つまりは土地の売買契約も認めていただけないわけである。では1500坪同時に購入できるかというと、それもそれでハードルが高い。もっと田舎に引っ越せば可能なのかもしれないけれど、地元の川口市でそれをやろうというのは、土地の価格が高すぎるのと物件自体がとても少ないという理由で、とても無理のある話になってしまうのである。

今回は広い土地を有効に使った分棟式のプランを考えることにした。以前リフォームをしたMさんの家で感じた感覚を生かせないかと考えたのである。Mさんの家は広い土地に、Mさんのおじいさん世帯が住んでいた古い住宅をリフォームした。おじいさんたちの家はとても小さいものであったが、画家だったおじいさんのための小さなアトリエが寄り添うようにたっていた。住居とアトリエは角の部分で接していて、内部で行き来ができるようになっていた。L字型に配置された二つのスペースの間には広い庭があり、どちらのスペースからもその庭を望むことができるようになっていた。この古い家をリフォームするにあたって、Mさんたちはアトリエをリビングとし、もともとの居間があったスペースをダイニングキッチンとして設定した。柔らかくつながりを持つ二つのスペースが一つの庭を囲むようにつながりを持ち、とても豊かな空間が現れたのである。大体のプランは考えることができたので、この方針でプレゼン資料を作ることとしよう。

10時、地元川口駅近くのマンションリフォームご相談。小さなお子様を抱えた奥様で、このたび離婚を機にリフォームをするとのこと。人生はいろいろあるが、強い女性はこういう機会にめげずに前に進む。男ではなかなかこうはいかないものである。

2015/07/14

朝礼終了後事務所にて雑務。朝礼では、日本列島に近づきつつある台風に対する現場対策について話し合った。現場では風による飛散防止などの準備をするわけだけれど、実際に台風が来てしまってからではどうすることもできないので、事前に想定と準備がとても大切になる。

今年初めてとなる台風、規模が大きそうなだけに被害が心配である。一昨年のフィリピン・レイテ島の被害は数千人の方がなくなる大きなものであった。日本付近にくる台風の規模の年々大型化しているだけに気になるところだ。下の写真は、そんな水害が発生した場合に川口市のような低地帯で生きのびるために考えたスタディー模型である。塔のような2本のコンクリート製の構造体の上に寄棟型の住宅が乗っかっているこの構造は、水門をイメージして作られている。例えば私の会社のある川口市中青木というところでは、荒川の堤防が決壊した場合の被害として3mほどの浸水が想定されており、その高さは電柱に赤いラインで表示されている。この模型でいうところのちょうど1階部分が完全に水に浸った状態なわけだけれど、強靭なコンクリートの構造の上にある住宅部分は全く被害を受けることはないであろう。棟の内部は普段はアトリエや多目的スペースとして利用できる。1階の外部にも魅力的なピロティ―を作ることができるであろう。コンクリート製の構造体は、毎年発生する竜巻などからも身を守ってくれることであろう。身を守るという建築の根源をしっかりと果たす建築の姿を、ここで一つご提案したい。

20150714.jpg

午後、茶道お稽古。今日は四か伝の盆点てと、平水指の薄茶点前を行った。盆点ては楽茶碗に、象牙の茶杓、唐物の茶入れというお道具である。奥伝ということであまり頻繁に行う稽古ではないから、やっぱり手が思うように動かないもので、特に文琳型の茶入れを時計回りに回そうとする指が思うように動かない状態は、今にも茶入れを落としてしまいそうで危なっかしい限りである。身につく、とはよく言ったものでとにかく繰り返しが大切なのだ。頭でわかっていても身につくといえるような状態になるにはそれなりに時間がかかるのであろう。

2015/07/13

現在茶室の設計をしている。同じ社中のYさんのご自宅に作るお茶室で、お仏壇の間と4畳半の茶室が6畳ほどのスペースに収まるように計画した。現在は大手ハウスメーカーさんが造った、もともとある住宅の雨漏り工事中。もちろんこちらの雨漏り補修工事はMホームさんの工事班が直しているのだけれど、なかなか治ってくれないので茶室の工事を進める事ができないという困った状態なのである。

そんな時間を利用して、茶室の設計はどんどん深いところまで進んでいく。下の写真は床柱として使う予定のこぶしである。香節という字を書くことで知られているが、ほのかに香りがするというから楽しみである。川口でもアリオの周りの歩道に植えられていて、春になると白い花をつけているのをよく見かける。公園などに植えられることもよくあるようで、都会の生活者にもとても親しみのある木だ。茶の世界ではわびさびの風情ある素材として好まれており、苔の生えた樹皮の景色を楽しむように配置される。

もう一枚の写真は腰貼りにする予定の小川和紙だ。腰貼りというのは壁の下のほうだけに貼る紙のことで、昔の茶室を見ると暦が書かれている古紙などを貼っている例も見かけることがある。着物の帯で壁をこすることのないようにという工夫であろうか。土壁のざらついた風合いを柔らかく覆い隠してくれるものだ。今回採用した小川和紙というのは埼玉県で作られている和紙で、なんとなくことらも親しみを感じる素材である。地域のものをうまく利用することは茶の世界だけでなくいつでも心がけたい感覚である。そういう感覚が更なる魅力を地域にもたらしてくれることは、僕たちが魅力的と感じる地域を見れば明らかであるのだ。とにもかくにもなるべく早く工事が進むことを祈るばかり、Mホームさんの補修工事の奮闘に期待したい。

20150713.jpg

2015/07/11

朝礼終了後、プロジェクト打ち合わせ。10時ごろ、大宮駅付近にて古い住宅を購入してリフォームをしたいという検討をしているTさんご家族打ち合わせ。現場にはすでにTさんのご家族、不動産屋さんが到着されていて、家を空けて準備してくれていた。住宅はお世辞にもきれいとは言えない物だった。築数十年の平屋で、若干の傾きも感じる。天井には雨漏りの後と思われるシミも点々としていて、数か月間空き家として使われていなかった建物だと感じさせるしめっぽい感じもする。正直な気持ちを言うと、本当に魅力的な住まいができるだろうか・・・、そんな不安を感じる建築であった。

「なんだか乗ってきませんね・・・」苦笑いをしながらTさんに言うと、Tさんご家族も困ったご様子。そりゃそうだろう、何とかしてくれると思って呼んだ僕が、乗り気にならないといっているのである、本当にこの計画は大丈夫かの不安な気持ちにならないわけがない。

でも、このままでは来た意味がない。僕がその気にならないからといって、でもTさんはその気になっているのだ。その気になるにはそれなりの理由があるはずである。相手と同じ気持ちになって、相手の立場からもう一度家を感じてみる。土地を感じて、将来の出来事を予想して、それで僕の気分が変わることもある。いや、多くの場合それで初めて僕の気持ちは動き出す。何とかしてあげよう・・・そんな気持ちが芽生えだすのである。

「この住宅を購入して、リフォームしようと思った理由として、何が気に入ったのですか?」の質問をしてみると、
・駅からのアクセスにしては値段が安い
・庭があること
まずはこの二つの気持ちを伝えてくれた。そうか、値段がそんなに安いのか。ではその理由は?・・・この土地、2mの旗竿地なのだが、旗竿の途中が1.9mしかないところがる。再建築ができるかどうかわからない・・・これが安い理由のようであった。再建築ができない?これは大事である。もしもこの先転売をしたり、御嬢さんが家を建てたいと思ったり、そんな時にとても不便な思いをしてしまう。不動産屋さんは「たぶん大丈夫ですよ」といっているのだが、たぶんではだめなのだ。建築審査会がどのような判断をするのか、一度は試してみて、確実に建築ができる保証がなければ買わないほうがよい。もしくはもっと安く買ったほうがよい土地だと僕は思う。

さっそくTさんにご説明。Tさんのご了承を得て不動産屋さんにもいろいろとお話をさせていただくと、どうやら売主は業者で、すでに確認申請を出そうとして審査会に出したところ、非難の妨げとなりそうな隣地との境の高いコンクリート塀を1.2m以下にすれば確認申請を取らせてくれるというところまでは分かっているということであった。では本当にその塀の高さは低くなるのであろうか?隣地の所有物であれば自由に解体することはできないはずである。それにそんなに簡単にできるのであれば、売主さんがすでにやっていそうな話である。あいまいなまま会話は進んで、調べておきますということになったわけだけれど、とにかく知っていることは初めから話してほしい・・・の感をTさんともども抱きつつ、でもこれがこの業界の低い倫理観かとあきらめたりもする複雑な感情であった。

なんとなくあいまいなまま、今日のところはお別れとした。帰るころ、だいぶ目の慣れてきた僕には、初めはちょっと気後れした古家もだいぶ愛おしいものに見えてきた。きちんとリフォームしてあげれば、和風の良さを生かしたやさしさのある住宅に生まれ変わるであろうし、なんとなくそんな姿が頭に浮かんできっつつもあった。デザインのお仕事をされているというご主人の頭にはきっとすでに浮かんでいたそんなお住まいの姿を共有することができたような気がした。何が気に入ったのですか?の質問にこたえているTさんを見ていて、先の二つのほかにも理由があったような気がした。その理由が、きっとうまくは表現できないこのぼんやりとした住まいの姿であったのだろう。

良い方向に進展することを心よりお祈りしたい。

2015/07/10

午前中は事務所にて雑務。昼よりRDRギャラリーにて茶室展示の立ち合い。今週一週間の展示期間の中で、二日間だけは在廊し来ていただいた方にお茶を差し上げるという事をしてみた次第である。今日はその一日目。ばたばたと茶道具を並べ、呈茶の準備。お客様がちらほらと訪れるたびに、いろいろなお話をすることができて、とても楽しい半日を過ごすことができた。

思えばこんな風にギャラリーに一日中いることは初めての経験である。作家さんたちがそういう風に展示期間を過ごしていることは知っていたけれど、いったい何をしているのやらと思っていた。でも体験してみるとこの時間は本当にいろいろなことを考えることができるとても有意義な時間だということが分かった。来ていただける多くの方は、美術関係の方々である。互いに刺激となる会話を交わしながら、また一人で考える、の繰り返しからまた新たなアイデアが生まれるかもしれないの感もあったのである。次の在廊は日曜日。明後日が楽しみある。

20150710.jpg

2015/07/08

午前中、埼玉県所沢市にて新築住宅を検討中のYさん打ち合わせ。今回は第1回目のプレゼンテーションということで、2パターンほどのプランをご提案することにした。12時過ぎまで。打ち合わせの最中に思い付いたことを書いていたら、なんとなく新しいプランができてしまった。まあよくあることなのだけれど、なかなか良かったのでこの方向性でもう一度考えをまとめてみようと思う。

19時過ぎ、最近裏千家の関係で縁あってお付き合いをするようになった高崎に住むIさんと会食。Iさんの知人のSさん、僕の友人のI君も一緒に合計4人で、高崎駅前「かえん」なる居酒屋さんに入る。お店につくと、すでにIさんとSさんが着いていて、僕たちは奥のほうの席に案内された。お店までの道のりは駅から一本道、片側3車線というとてつもなく広い道を歩くこと10分程度であった。

短い時間だったけれど初めての道を歩くときの気持ちはとても良い。道が広く、建物の背が低いからであろうか、歩いているととても開放感がある。そしてあることに気が付く。戸田建設の現場監督だった頃、滋賀県に配属された時にも感じた感覚である。大学時代に行ったオーストラリアでも、アラスカでも感じた感覚、そう、空が見えるあの感じを強く感じることができたのだ。都会で生活していると普通に立っているだけで空を意識することはあまりない。それが普通になってしまっているからであろうか、そういう場所に行った時に感じる空の広さは、僕にとって解放感を感じさせる強い要素となっているようだ。

こういう解放感はどこでも味わえるものである。都会を離れればよい、それだけで簡単に手に入るはずだ。でも毎回それを意識するのかというとそうではないようだ。ある心の状態、つまりかなりリラックスした心の状態と、そういうことを感じることができる余裕がある時だけしか、解放感を意識するような感覚にはなれないのである。

僕の場合旅行をするとそういう心の状態になることが多い。それも二人とか、少ない人数での旅行をすると、とても良い感覚になるような気がする。空とか風とか光とか・・・、そんなことを考えていたからであろうか、いつの間にやら終電車を逃してしまった。思いがけぬ一泊旅行、I君と二人、夜遅くまで語りあった。

2015/07/07

朝礼終了後、10時過ぎより埼玉県富士見市にて設計中のTさんの家打ち合わせ。先日の日記にも書いた擁壁のある土地に対する設計である。今日の打ち合わせでは擁壁工事の方針について3パターンほどの計画と予算を、対比する形でご説明させていただいたのだけれど、大方の方針は決まりそうなので、もう少し詳しく調べを進めてみようと思う。

午後、茶道稽古。今日から妻も僕と同じ社中に入門した。とても良い先生なので僕が余計な事を教えるよりも、直接先生に教えてもらったほうがよいに決まっているので、僕は何にも教えていない。割り稽古の初回、なんとも新鮮な一日であっただろう。大人になって、40歳を過ぎて、信頼できる先生から何かを学ぶなどということはなかなかできるものではないのだ。

最近の僕は、なんとなく懐かしさを感じる住宅、安らぎを感じる住宅、年月を経ても味わいが増し、良い風合いがにじみ出る住宅、素材と向き合うことができる住宅、そんな住宅を作ることに専念している。どんな住宅かといわれてもなかなか一言で表現できるものではないのだけれど、少なくとも新しいシティーホテルや分譲マンションのような軽々しいものではないことだけは確かだ。

住宅の設計を始めるときに、僕はいきなりプランを考えることはしない。圧倒的なまでの資本主義社会に生きる個人が、わざわざ資本主義的ではない個人住宅などという見返りの無い投資をするのである。そうまでして、「つかの間の安らぎ・魂の安定のようなもの」を求める空間が住宅であるとするならば、そのクライアントにとっての本当の安らぎとは何かを考え、与えられた土地の中で、先ほど考えたふとした安らぎと感じることができるシーンを思い、その断片的なシーンを土地の図面の上に落とし込むことによって、漠然とした住宅の形を生み出すことが何よりも大切な作業ではないかと思うからである。

この作業は、クライアントの頭の中にある漠然とした「かたちにならない価値」というものを、建築におけるクライアントの暮らしという形に置き換え、提示することであると思う。その住宅の中に身を置くことで、自然に自らが理想とする価値の断片に触れることができ、意識的な作業を行うことなく人の魂の安らぎのようなものを得ることができたら、僕の仕事は大成功といえるのかもしれない。

下の写真は僕が大好きな山小屋の写真である。入笠山という山の上にあった山荘なのだけれど、先ごろ火災で焼失してしまった。昔から山小屋を支えてきたご主人もお亡くなりになって、奥様もすでに山を下りられたそうだ。そんなに頻繁に行けたわけではないけれど、僕にとって、さっき書いた魂の安らぎを感じることができる空間であった。こういう風景が心に残り、そして今作っている建築につながっているような気がするのである。

20150707.jpg

2015/07/04

東京都中野区の現場では、大工さんによる木工事が進んでいる。この住宅はご実家のとなりの土地に若いご夫婦のための住宅を作るというもので、敷地の北側には見晴らしの良い大きな緑が広がっている。計画ではこの眺望を取り込みながら、南側の光をどのように取り込むかがテーマとして進められてきた。現在では、この屋根下地の上にガルバリウムの屋根が葺かれ、外壁のモルタル工事が行われている。内部では大工さんによる木工事が大詰めとなり、いよいよ完成に向けて仕上げが施される予定だ。南側の高い天井を利用してロフトを取り付けているのだが、そこから入り込む光を早く見てみたいと思う。

20150704.jpg

写真の小上がりには畳が敷かれる予定である。その向こう側はキッチンとなっており、対面する形でくつろぎの場を作った。梯子ようなものが置かれている場所は、ロフトに上がるための階段箪笥が大工さんの手によって造られる。小上がりの下には引出がおさまるように工夫されている。細かい大工工事だけれど、大工さんも一生懸命やってくれているようだ。

20150704-1.jpg

2015/07/03

朝礼終了後、各プロジェクト打ち合わせ。

それにしても毎日雨ばかり。事務所の改修工事もなかなか前に進まない。梅雨が長いせいだろうか、7月だというのに、半そで一枚では肌寒い日がとても多く、ここまで続くとなんとなく恐くなる。まあこの長雨はエルニーニョ現象によるものだから一応原因は分かっているものの、エルニーニョ現象の発生が地球温暖化の原因となっているCO2と関係しているという説などもあることから、自然発生的な気候現状によるものだと安心してはいられないような気もする。

先日「デイアフター 2020 首都大凍結」なるイギリス映画を見た。この映画の中ではすでに地球は温暖化の影響を受けてほとんどが砂漠化、さらには石油資源が枯渇した状況で話が始まる。さらにその資源問題を解決するために、ヘイロー社なる悪役企業がグリーンランドの油田開発をした結果、海水の塩分濃度が下がり、ロンドンに再び氷河時代が訪れるというストーリーだ。僕はそういうことについてはよくわからないのだけれどさまざまな学説の中には、氷河時代が起きた原因に海水や大気の流れが急激に変動したことを挙げる人が多いから、きっとそういうことにヒントを得て作られた話であろう。

自然のことはよくわからない。いろいろな学説を読んでいても、全く逆の説もあれば、僕たちが学校でこのまま石油を使い続ければ、あと50年程度で無くなってしまうという話だって、あれからもう30年もたつけれど、いまだに50年といわれているどころか、実はほぼ無限に存在するなんて言う学説もあるくらいだ。とにかくよくわからない中で心配ばかりしていても仕方がないのだけれど、でもそういうことに自然に気持ちが行ってしまうくらいちょっと涼しすぎる7月であるような気がするのである。

2015/07/02

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。埼玉県ふじみ市にて計画中の擁壁のある家について。この住宅は高さ2mほどのがけ地の上に、現在建っている古い住宅を解体して建てられる。今ある擁壁はすでにだいぶ古くなっており、構造的な信頼性にも欠けることから、造り替えなければいけない状態だ。これを造り替えるにあたって、その擁壁の一部を掘りこんで、カーポートとする計画を立てているのだけれど、いくつかのバリエーションを比較するとかかる費用もだいぶ異なってくるようであり、どのパターンを選択するかのスタディーに手を動かしているという状態である。

最近立て続けに2つの擁壁工事を行った。どちらも上記の内容にほぼ等しく、古くなったものを撤去し、新たに造り替えるという内容である。住宅ストックが増えすぎている現状では新たに世壁を作ってまで区画分譲をする例は減ってきているのであるが、すでに住宅地として利用されている地域の古くなった擁壁を造り替えるという事例は、今後ますます増加することが予想される。構造計算に基づく信頼できる構造とすることはもちろんなのだけれど、いかに有効に利用できる計画とするかについても配慮しなければいけないところだと思う。住宅の設計の枠をちょっとだけ飛び出して、土地の造成設計のような範囲まで考える能力が求められているのである。

page top