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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
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増井真也日記

2014年12月アーカイブ

2014/12/28

正月休み1日目。今日は東京都豊島区、鬼子母神の近所にあるH寺にてお餅つきのお手伝いへ。鈴木君とますいい大工養成塾で修行中の青島君の二人を連れて、10時ごろH寺に到着した。お寺ではすでに石谷さんの水野さんご兄弟が準備を進められていた。今年からこのお寺の工務店となった僕たちはというと、まずは様子見である。どうしてよいかわからずの様相で、檀家さんたちに交じって本堂に入り、ご住職のお経を聞く。お手伝いに来たはずなのにの戸惑いを感じながらも、まあ仕方がない。なんせはじめてなのである。しばしの観察の後、それぞれが自分の得意そうな作業を見つけ出して動きだす。おもむろに杵を持ち出す青島君。さすがに大工である。手返しを始める鈴木君。意外な器用さに周りにいる人たちがみな驚いている。全部で12臼の餅つきだったけれど、最後のほうはますいい軍団が大活躍であった。終了後はお手伝いの面々たちとたぬきそばをいただき、16時ごろ帰宅した。

それにしても、この写真にあるように池袋駅にほど近いこの場所で、お餅つきが薪を使用して行われていることには驚いた。これはあくまで新年を迎えるうえでの鏡餅を作ったりの宗教的な行事であるとの理由で許されているとのことであるが、たき火をしていることがすごいのではなくって、とにかく東京なのに東京らしくないところ、ちょっと川口っぽいところが魅力的だなあと感じたのである。

地域の住民が多く集まり、中には餅つきのつき手としてこの日だけは毎年お寺に来るという方がいるほどの交流の場となっているようである。とにかく都会の顔の池袋ではまったくありえない「地域」なるものがしっかりとあることを感じた。この寺が集いの場であり、発信の場となっている。その中心にご住職がしっかりといることが何よりの安心感なのであろう。

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2014/12/26

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

14時、東京都世田谷区にて新築住宅を計画中のIさん打ち合わせ。今日は第1回目のプレゼンである。計画案はいたってシンプルな住宅である。敷地に接する公園の借景を取り込み、開放的なリビング空間を2階に実現することを計画している。1階にはすべての個室と水廻りを配置した。約2時間のお話のあと、なんとなく次のご提案が頭に浮かんだような気がした。まだまだ基本設計が始まったばかりである。この敷地に建てられる住宅の可能性を探っていきたいと考えている。

夜、忘年会。11時ごろ終了し帰宅。

2014/12/23

埼玉県さいたま市にて工事を進めていたTさんの家がほぼ完成した。あえてほぼと言うのは、一部の外構工事などの残工事がある状態での引き渡しをしたからである。この住宅は、スキップフロアの構成を採用している。玄関のあるレベルから半階下りると、子供室がある。半階上がるとそこはサブリビングとなっている。このスペースには大きな本棚があり、そこには家族の思い出の品などのさまざまなものが置かれることとなるだろう。

最近の日本の住宅のリビングはテレビを中心として家族のだんらんの場が造られることが多い。その周りにはDVDやらネット関係の機器、テレビゲームなどが設置されることが多いわけで、家族の写真やらの思い出が入り込む隙間は少ないことが多い。必然的に家族のアルバムなどは本棚の片隅に追いやられていることが多いわけであるが、偶にこういうものに目を通した時の感覚はとても心地よいものである。僕の家には3代にわたるアルバムがいつも手にとれるところに置かれているのだけれど、たまには親が自分と同じくらいの年ごろだった時の様子などを見るのもとても良いものだと思う。自分が今育てている子供たちと自分の関係、それと似たような関係が過去に親との間にあったことを思い出したりすることは、とても大切なことのように思うからである。

さらに上に上がるとそこにはリビング、ダイニング、キッチンが広がっている。上下移動の階段はスチールのプレートを加工したささらに木製の段板を取り付けて組み上げた。手すりは同じくスチールのフラットバーである。まだ内部のセルフ塗装が終わっていないので家具の表面の色がバラバラなのだけれど、これらは濃いめの茶色に塗装される予定である。

スキップフロアの構成は空間の豊かさを作り上げるだけでなく、南側に広がる外部への抜けをさまざまな形で作り出す効果ももたらしている。さらには上下のつながりを生活に取り込み、楽しい交流が生まれるであろうという期待も込められている。生活が始まった頃、改めて訪問するのが楽しみな家である。

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2014/12/22

午前中、埼玉県三芳町にて新築住宅を検討中のMさんご夫妻打ち合わせ。今日はお父さんの持っている600㎡の駐車場の中のどの部分に住宅地を設けるかの検討を、2パターンの図面でご提案させていただいた。Mさんは農家のご出身である。ゆえに建物を建てる土地は、お父さんの持つ広大な敷地の中からセレクトすることができる。こういうケースは普通の住宅ではありえない話なのだからうらやましい限りである。12時ごろ終了。

2014/12/20

今日はお世話になった方に会いに行くため、京都への一泊小旅行。14時ごろの新幹線で、川口市の仲間と一緒に京都に向けて出発した。19時、待ち合わせのお店で会食。祇園宮川町にある「まつおか」なる名店で、生カニやカニの炭焼き、もろこの炭焼きなどの京料理を堪能させていただいた。

もろこというのは妻の実家のある滋賀県の名産で琵琶湖でとれる小魚なのだけれど、最近はブラックバスなどのせいで漁獲量が激減しているらしく、なんだかとても高級な珍味になってしまったらしい。たぶん昔はいくらでもとれる地元の食材だったものが、なんだかとてつもないもののようにもてはやされている様子はちょっと滑稽なのだけれど、でもうまいものはうまいもので、僕としては大変な満足であった。

おいしいものを食べることは僕にとって最高の幸せである。食は人間が作り出した芸術だと思う。いろんな味付けをしたり、いろんな見た目に盛り付けたり、いろんな風に調理して、食べる人に腹を満たすだけでない何かを感じさせてくれる。特に京都という場所はそういうことに何とも深いこだわりを持っていて、まるでフレンチのシェフのごとく、空間を作り出してくれる。こういう感覚は僕の専業の建築にも通じるものだ。提供する側とそれをいただく側の感性が交わりあって初めて生まれる微妙な空気感、そんなものに出会えた時にとても幸せな気持ちになるのである。

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2014/12/19

朝礼終了後、東京都世田谷区にて竣工したKさんの家の竣工立ち合いに。Kさんは僕の取材を初めてしてくれた今はなき雑誌「室内」の編集者さんで、今から10年も前に僕の取材をしてくれたこともある恩人である。しばらく疎遠になっていたのだけれど、ご結婚され、家を建てるということでますいいに依頼してくれた。

敷地は祖師ヶ谷大蔵駅から歩いてしばらく行ったところにある閑静な住宅街である。周りには建築家が設計したのだろうなと思われるファッショナブルな建築が立ち並んでいる。Kさんの家はそんな街並みの中に、ちょっと控えめに佇んでいる。中に入ると、広いLDKが広がっている。床には杉板が貼られているのだけれど、僕が行ったときはちょうどセルフビルドで床のワックス塗装をしている最中であった。壁には漆喰が塗られていて、とてつもない面積があるのだけれど、すべてセルフビルドで仕上げられている。さすがは「工作舎・室内」出身のつわものである。建築に対するこだわりは僕たち以上に強いかもしれない。1時間ほどお邪魔して、帰事務所。

夕方、埼玉県さいたま市にて設計中のTさんの家についてスタディー。担当の和順君と次のプレゼンテーションについての打ち合わせを行った。年内にはある程度の方針を固めようと思う。

2014/12/17

11時ごろ、土田君と一緒に「ますいい本」取材。今日は、住宅雑誌のライターさんでもあるWさんのご自宅、船橋の家へ。Wさんは僕がいつも掲載していただいている扶桑社の「住まいの設計」という雑誌のライターさんで、もう何年も前からますいいの取材にも来てくれている関係であった。家ができたのは2009年である。そこから一年前、2008年のある日、Wさんから家づくりを頼まれたわけである。

僕は建築の仕事をしている人から家づくりを頼まれることが多いのだけれど、それにはある共通した理由がある。大手のゼネコンマンもいれば、ハウスメーカーの営業さんもいて、はたまた設計事務所に勤務している人もいるのだけれど、とにかくみんな同じ理由で僕に依頼してくれている。それは、
「クライアントの希望するであろうデザインとはなんであるのかをクライアントと共に考え、そのデザインを実現させるために設計を行い、作る段階においてはクライアントの特性に合わせて、セルフビルドや施主支給などのさまざまな条件を取り込んだ自由な家づくりをさせてくれるであろう」
という理由である。Wさんも、おんなじ理由で僕に依頼してくれた。仕事柄、たくさんの建築を、しかも著名な建築家からハウスメーカーまで、とにかく飽きるほど見てきている人である。そんなWさんが希望したのは、Wさんにとって、ちょうど良い家、程よい住宅であった。

僕も元来、住宅は住みやすいことが一番であると考えている。ギャラリーのごとき空間では、毎日の生活で息が詰まってしまう。飼ってきた雑誌や読みかけの本、子供の学校のものがリビングに転がっていたりは当たり前。もちろんたまにはすべて片づけるのだけれど、すぐにまた散らかり始める。多少の雑多な光景、混沌とした様相があっての住宅である。だからこそ住宅はそれを許容するものでなければならない。雑多を混沌をはねのけてしまうものではならない。

この住宅には僕の大好きなリビングがある。このリビングには大きなから傘のような屋根がかかっていて、それを太い柱が支えてくれている。台所との境目にある段差を利用して、ダイニングテーブルは台所側から椅子で、リビング側からは座布団で利用するようになっている。だからこのから傘の下の空間は座布団で利用する。この空間の利用の仕方に特段のルールはない。どうにでも利用できる場である。庭と柔らかくつながりを持って、食事の場ともつながっていて、家の動線の中央に位置していて、みんなが通り抜けて、とどまる場である。そんな場所を象徴的な場とすることで、家族を柔らかく包み込んでくれるような住宅を作りたかったのである。

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2014/12/16

朝礼終了後、各プロジェクト打ち合わせ。東京都世田谷区にて計画中のIさんの家について。先日敷地を見に行って、さまざまな希望を聞いてのプラン作りの真っ最中である。何かと制約の多い土地で、しかもとてもたくさんの希望をいっぺんに投げかけられているものだから、なかなか進めることが難しいのであるが、まずはプログラムを忠実に解くことから始めてみたいと考えている。

午後、茶道稽古。今日は運びの薄茶点前、そして茶杓飾りのお稽古を行った。先日自分で作った茶杓を飾るためのお点前である。これまでお稽古用の茶杓でやっても全く気持ちが乗らなかったお点前だけれど、初めて本当に茶杓を飾ってみたいと思いながらのお点前をすることができた。こういうお稽古事は、いかにリアリティーを感じながらモチベーションを保つかがとても大切だと思うのだけれど、でも実際にはそれがなかなか難しくて、すぐに「どうせお稽古だから」という精神状態に入ってしまう。まあ、そういう時に叱ってくれるのが先生なのだけれど、先生だって人間である。リアルとのギャップはやっぱりあるのだ。とにもかくにも楽しいけいこの時間を過ごすことができた。

2014/12/14

今日は所属する裏千家の会合で、茶杓づくりに挑戦。先生は安住楽風さんという茶杓士さんである。茶杓を専業にしている人がいることにも驚いたのだが、体験講座の前のお話を聞いているとこれがまたなかなか奥深いことに驚いた。たかが茶を救うためだけの道具である。そのただの匙にここまでの歴史や思いが介入し、しかも名前まで付けてしまうという点が何とも茶道らしさを感じるのである。

とはいえ僕たち未経験者がそんな理論に基づく形を生み出すことができるはずもないわけで、結果としての偶然の産物を楽しむしかない。約6時間ほどであろうか。一本の竹と向き合いながらひたすらナイフで削る作業はなかなか楽しいものであった。ぜひまた挑戦してみたいものである。

2014/12/13

午前中、埼玉年川口市にて数年前に建てた中庭のある家の取材。この住宅についてはこれまでも何度もこの日記で書いてきたけれど、女性が一人で暮らす住宅としてこの敷地にふさわしく、しかも1500万円というローコストの予算で実現できる最良のものを造ることができたのではないかと思っている。

打ち合わせが始まったころ、クライアントのMさんは少々変わった要望の伝え方をしてきた。ユーミンのCDを持ってきてこれが私の気持ちですと言われたり、後ろ足のない馬の絵を持ってきてそこから何かを感じることを求められたりの経験は僕にとっても初めてのものであった。でもこうした要望の伝え方をしてくれたことは、僕のことを信じてくれているからだということはひしひしと伝わってきたし、だからこそここにふさわしい答えを模索する作業は、自分が納得いくまでやめようとは思わなかった。

広い敷地での計画ということもあり、初めのころは、道路から引きを取って二階建ての木造住宅を作り、その前に庭を配置するというオーソドックスなプランを作っていた。この段階で僕がやろうと考えたのは、塔のような、この家に入って外周部からぐるぐるとまわって、少しずつ上のほうに上っていくことができて、最後には眺めの良いバルコニーに出ることができるというプランであった。なんでそんなに長い動線を取ることにこだわったのかはよく覚えていないけれど、高いところが好きな猫が同居する家だからというような考えがそうさせたのかもしれない。寝室はその周回路の内部にある、中の中、と呼ばれるような場所に配置しており、本当にくつろぐことができるような場所にしたかった。この住宅の2重構成は今でもいつか実現させてみたいと考えているのだけれど、これをしっかりやると快適な環境を生み出すコントロールを建築の構成によって可能になるのではないかと考えている。暑いときには、外郭部の自然な重力換気が熱気を外に逃がしたり、外郭部と内部の開口を調整することによって、内部の温度上昇を抑えたりの工夫ができるのである。

話を戻す。

そのプランをプレゼンしたときは、クライアントのMさんもとても喜んでくれた。でも僕はそのままその建築を作ろうとは思わなかった。なんとなくそこでの生活を創造していると、ちょっと作品的すぎるような違和感、果たしてここで心地よい生活が本当に営まれるかどうかの違和感を感じた。もちろん心地よい生活を創造して作ったプランである。だめなことはない。でも心地よさの種類にもいろいろあって、ある種の、できれば手に入れなければいけない心地よさが手に入らないのではないかの疑問を感じたのである。

そこで次に平屋の案を考えた。この時点でもまだ庭を内部に取り込むには至っていなかった。いくつかの平屋のアイデアを考えているうちに、ふと中庭の案を思いつたのである。この案を思いついたときに、緑が好きで、風景を眺めることが好きで、自然が好きで、そういうものに囲まれながら暮らしたいという考えと、女性が一人で暮らすにあたって、安心してくつろぐことができるであろうという現実が、急に近づいたような気がした。そこからの設計はとてもスムーズに進めることができた。そしてとても良い家を作ることができた。たぶん一生の記憶に残る仕事であろう。

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2014/12/12

朝礼終了後、埼玉県さいたま市にて計画中のTさんの家打ち合わせ。明日のプレゼンに向けて、プランや模型の最終確認を行った。この住宅ではまるで農家の古い民家を改修したかのような風合いを持つ建築を計画している。とはいっても古材をふんだんに使ったイミテーションの類を行うわけではなく、プランの中になんとなくそのような感覚を醸し出す要素をちりばめている。玄関を入ったところにある土間のダイニングキッチンは、庭との関係を深く保ちながら、反外部のような感覚で使用することのできるスペースとなっている。小上がりの居間は、薪ストーブを中心にくつろぐことのできる場とした。南側の庭を中心に、家族が集い、活動的に過ごすことができる住宅である。西側に広がる地主さんの森に対しては借景を取り込むために、ピクチャーウィンドウを設ける。日々の生活の中で差し込む西日が、夕暮れが訪れることを教えて、そして家族の夕刻のだ団欒が始まる、そんな一瞬を作り出してくれるであろう。

10時、数年前に作った東京都北区にある薪の木の家の取材。この住宅では築40年以上の和室を保存し、新築部分の木造3期建て住宅と渡り廊下で連結するという工事を行っているのだが、久しぶりに現場に来て当時のいきさつを思い出した。僕が初めてこの現場に訪れたのは、建て替えのご相談を受ける時であった。恒例のお母さんがいるという理由からであろうか、めずらしくクライアントのご自宅での打ち合わせとなったのである。和室に通され、座ってみると、そこはとても素晴らしい設えの和室であることに気が付いた。僕が座った座布団の横には、おそらくなくなっているであろうお父さんの胸像が飾られている。尋ねると、やはり亡くなったお父さんのものであるとのこと。そのあとも家じゅうをくまなくご案内していただき、今は使っていない茶室に、下宿部屋のようなスペースなどなど、何とも面白い古家を拝見したことを覚えている。

僕は当然の様に、この和室を保存しませんか、というご質問を投げかけた。驚きとともに帰ってきた答えは、「そんなことができるのですか?もしできるのであればお願いします。本当は私たちもこの和室を残したいと思っていたんです。でもできるとは思いませんでした。」というものであった。この時に、すべてが決まったような気がした。今でもこの和室は僕の好きな空間の一つである。

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2014/12/11

朝礼終了後、2年ほど前に埼玉県幸手市にて作ったバレエスタジオ兼住宅の取材。60坪ほどの建物を3000万円ほどの予算で作るにあたって、ローコストで魅力あるバレエスタジオをいかにして作るかが課題であった。2階にスタジオを配置したいというクライアントの以降を実現するために、屋根にはトラス構造を採用した。各部材が引っ張り力だけを負担するというこの構造は、柱をなくして大スパンを作るのに適しており、結果として8m程度の大空間を実現している。しかもバレエが必要とする天井の高さも作り出すことができており一石二鳥の結果をもたらした。

住宅のある1階部分には、振動を防ぐために通常よりも多くの柱を建てている。こうすることで梁のスパンを短くし、床の振動を防ぐことを狙った計画は成功しているようであった。

エントランスはクライアントの手によってかわいらしく飾り付けられており、将来を期待されるちびっこダンサーたちを迎え入れてくれている。ここでバレエを学ぶ子供たちに対して、建築は何をしてくれるだろう。少なくとも何かを創造するという意思のようなものや、子供たちを温かく迎えようという指導者の胸の内にある何かを伝えてくれているのではないかと思う。

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2014/12/08

朝礼終了後、田部井君と一緒に埼玉県三芳町の敷地調査へ。敷地は関越自動車道の所沢インターを降りて20分ほど走ったところにある、農村地帯と住宅街の入り混じったような街の中にある。現在は600㎡ほどのスペースを駐車場として利用されており、その一角に住宅を作るというものである。まず最初の作業は敷地を一体どこにするか、どれくらいの広さにするかの検討をするわけであるが、そこら辺の判断となるとやはりクライアントに来ていただいたほうが早いだろうということで電話してみたところ、すぐに駆けつけていただくことができた。

結果60坪ほどのスペースをほぼ正方形に切り取るパターンと、日当たりのよい部分だけを長方形にとるパターンの二通りを検討してみることに。日当たりのよい部分だけのパターンというのは、敷地の長編方向の長い接道面をほぼすべてとってしまうというありえないほどの贅沢な敷地分割なのであるが、敷地が市街化調整区域で農家の親族以外に家を建てることはできない土地であるので、間違っても分譲地に利用される可能性がないとなればそれもありうるということでの検討である。

それにしても農家の住環境というのはとても豊かである。まず、敷地が広い。普段扱っている土地に比べるととてつもなく広い。そして安い。そりゃそうである。農地は農地以外に利用できないのであるから、いわゆる日本社会が作り上げた投機の目的としての不動産価値など持つはずもなく、ゆえにそこからとれる野菜の値段の積み重ね?程度の値段設定となるのである。しかも農地は普通の人は買うことができない。農家しか買うことができないのだから、余計に市場価格とは無縁の世界となるのである。

僕は今年の秋に畑の片隅でじゃがいもを育てのだけれど、今回得られた約150キロの収穫は市場価格にして3万円程度の価値しか持たない。種イモと肥料を買うのに要したコストが約8000円、土地の賃料の相当分は3000円程度であろうか。11000円の投資に対して30000円のリターンである。僕と妻の試行錯誤と労働力を加えると、11000円が30000円になる。これが今年の秋の成果である。じゃがいもの話はほんの一角のことであるので、あくまで想像の範囲内で話をすると、ちょうど同じ600㎡ほどの敷地で、一年間に得ることができる収入は50万円程度だと予想される。これを現代的な利回り5%で取得するとすると仮定して、この土地の適正な価格は1000万円程度ということになるわけだ。まあこんな想定はあんまり意味がないわけだけれど、とにかく僕は農家になりたいのである。

15時、埼玉県川口市にて計画中のSさんの家のリフォーム現場調査。大工さんの國分さんと、担当の橋本君と一緒にあれやこれやの調査団である。16時過ぎ終了。

2014/12/05

朝礼終了後、昨日鈴木君が行った取材についての報告を受ける。この現場は、埼玉県川口市に建つ普通のハウスメーカーの住宅の一角に、まるで築40年ほどの住宅を改修したかのようなカフェを作るというものであった。初めて現場に行ったときには、ゴージャスな既製品がちりばめられた現状と、古い住宅のようなカフェというご希望の間のあまりのギャップに驚いたのだが、家を建ててからそのような空間を作りたいと考えたというのだから仕方がない。まだ新しい住宅の内装を壊すことには若干の抵抗を感じはしたものの、既存のリビングをほぼスケルトン状態にしての工事となった。

クライアントはいわゆる専業主婦である。カフェはいわゆる会員制とでもいうのであろうか、毎日営業しているというわけではなく、告知をして知人が集まる場として営業しているということであった。無論、営利目的というわけではないのであろう。自己の表現の場としてのカフェ、そんな表現が正しいのかもしれない。僕はこれまでたくさんの建築を作ってきたが、自己というものとしっかりと向き合おうとする種族には、やっぱりそれなりの空間が必要であるということなのである。

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2014/12/03

午前中、新規アルミサッシ業者さんとの契約など。

11時ごろ事務所を出て、東京都世田谷区にて新築住宅を検討されているIさんのご自宅訪問。敷地は閑静な住宅街の中にあり、大通りからちょっと中に入っただけなのに都会の喧騒がうそのように全く感じられない。敷地の裏側には公園があって、あんまり人通りの多くはない公園だから、余計に静かに感じられるのであろう。1時間ほどいろいろなお話をして事務所に帰る。

突然の選挙。いつものように選挙の騒がしさが町を覆い尽くすのかと思いきや、ちらほらと選挙カーが走る程度で全くその気配が感じられない。川口市は自民党と共産党の二人しか候補者がいないというから、これまた当然の結果かもしれない。つい最近まで大臣をやっていた新藤さんは、ほかの候補者の応援のために全国を飛び回っているという。静かな選挙でよかったと思う反面、やる必要が本当にあったのかの疑問を感じざるを得ない。日本国債の格下げ報道が一瞬だけ話題になったものの、増税先送りの判断は仕方がないような気もする。まあそれを問いかけるための選挙という位置づけだという話であるが、その思いで投票する人はあまりいないのではないだろうか。どちらかというと消去法、自民以外に入れることができないから自民に入れる、これが本音だと思う。でも結局いつかは増税をしなければいけないわけで、その時にはまた景気が落ち込むはずである。それを先延ばしにしている間に、いったい何のアクションが取れるのであろう。何の変化も起きなければ、ただの先延ばしになってしまうのである。

2014/12/02

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。今日は建築の面白さについての話をした。最近の建築を見ていると、どうしても法律と機能性に縛られたものが多いのだけれど、昔の建築では本当に自由なモノづくりが行われていた。今の時代にこの自由な建築を作ることはとても難しいのだけれど、こと住宅に関しては施主の考え方次第でそれができる可能性がある。だからこそ住宅は面白いのである。

下の建築は箱根の強羅公園にある茶室 白雲洞の一角にある風呂「白鹿湯」である。この一帯は近代茶人の益田鈍翁によって開発されたもので、この茶室もその際に作られたものである。茶室は田舎づくりのまるで古民家のような風貌をしており、いわゆる茶道の小難しい縛りを外して自由な茶を楽しむためのものとして作られている。この風呂は茶を楽しむ前に入るという目的で作られた岩風呂であり、まるで宮崎駿監督のアニメにでも登場しそうな意匠となっている。

着物を着て岩の階段を下りる。岩に取りつくように作られた小さな棚に脱いだ着物を置いて、一番下にある岩ぶろにつかりながら「はー」っとため息。見ているだけでなんとなく心が安らぐ、そんな建築である。

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今日は久しぶりに茶道の稽古。こちらは自由とは無縁の稽古である。今日は続き薄茶の点前を行うことに。久しぶりの正座でしびれた足をごまかしながら、一つ一つの作法を厳しく直されることもまた僕にとってはなかなか心地よいひと時なのだけれど、これこそまさに人間の持つ二重性なのであろう。

2014/12/01

朝礼終了後、埼玉県三芳町にて新築の住宅を検討しているMさんご夫妻打ち合わせ。とてもユニークなお二人で、ご主人は吉本興業の芸人さん、奥様は元劇団員という経歴の持ち主だ。奥様のご実家の土地の一角に、住宅を建てられる程度の敷地を分割し家を建てるというもの。敷地全体では600㎡もあるというから幸せな話である。まずは計画地を拝見するところからスタートする。さてさて、どんな風に話が進んでいくのであろうか。本当に楽しみな方々であった。

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