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増井真也日記

2014年1月アーカイブ

2014/01/31

午前中、ご近所の小屋を造る工事の打ち合わせ。この小屋は千葉大学の教授をされていたIさん(ちなみに今は他の大学で先生をしている)が、研究室から持ってくる色々な資料を収納したり、趣味の絵を書いたりのためのスペースである。イナバの物置ではあまりにもということだし、それに2階建ての小屋にしたいということなので、今回は敷地を分割して確認申請を行い、小さいけれど建築と呼べるものを作ることにした。こうなるともう、小屋とはいえどもそれなりの設計が必要になるし、それなりの工事も必要になる。

このまま進めば、この工事の大工さんにかかわる部分については、ますいい大工塾で養成中の青島君が取り組んでくれるということになりそうだ。もちろん、親方の草間さんも一緒にやるが、もしそうなれば初めて大工塾の職人さんがますいいの建築を作ることになる。これまた楽しみな話である。

小屋といえば、数年前に埼玉県川口市の安行という植木の町に作った小屋がある。この小屋は、クライアントがガーデニングを楽しんだりのための休日を過ごす小屋である。もちろん床のタイル張り工事やら壁の漆喰工事やらの、出来ることのすべてはセルフビルドで行っている。コストは600万円ほどであるので、今回計画しているものとほぼ同等である。

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この小屋をめぐる生活はなかなか魅力的で、僕のやった仕事の中でもとても印象深いものとなっている。まるでヘンリー・デビッド・ソローの「森の生活」の舞台のようなとまでは言わないけれど、とにかく都市近郊で比較的広い土地に囲まれて、耕作生活を送るなどなかなか出来るものではない。

実は僕は今密かに、この都市農家になる決意を固めている。ちなみに農家の経験はあるわけもないし、農地も持っていないので最低でも5反、つまり1500坪の農地を取得しなければならない。この広さ、もし住宅地として保有していたら僕は億万長者であるが、農地は安いのでそれほどの大金は必要ない。さすがに川口市内では高すぎるとなれば、安いところまで車で移動すれば良い。極端な話ではあるが、同じ埼玉県でも北の方では1反50万円で取得できるようなところもあるのだ。この計画、まずは情報収集からのスタートである。土地を取得するところからはじめても、移住するには2年はかかるであろう。まあ、楽しんで進めていきたいと思う。

2014/01/30

午前中は、東京都杉並区にて現場進行中のTさんの家に向かう。新規のAさんがますいいで建設中の現場を見てみたいというので、ちょうど大工さんがやっている木工事が終わりかけているこの現場を見ていただくことにした。10時に現場に到着し、大工さんと簡単な打ち合わせなどをしながら待っているも、Aさんが現場に現れない。11時ごろまでお待ちするも、連絡を取ることもできないので事務所に戻った。どうやら日付を勘違いされていたとのこと、まあ仕方が無い。

事務所に戻ると、注文していた本が届いていたので目を通す。ル・コルビジェ「小さな家」読了。著者が両親のためにフランスのレマン湖のほとりに建てた小さな家についての記述である。

「屋根に上ること。これは過ぎ去った時代のある文明において知られていた喜びである。鉄筋コンクリートのスラブが屋上のテラスを支えている。そこに15センチないし20センチの土が盛られ、ここは屋上庭園となる。私たちは、ここ屋上庭園にいる。酷暑のさなか、今は8月。植物達も焼け焦がれそう。かまわないではないか。一本一本の茎は木陰を作り、密集した根は分厚い断熱層をなすのだから。・・・」の屋根についてのくだりは、読んでいて印象に残った。

僕は普段水による劣化がとても心配な木造の住宅を造っているから、クライアントの要望によって(なるべく小さめの)屋上を作ることはあっても、そこを緑化することはお勧めしていない。木造の住宅における防水というのはFRPという素材を使うことが多いのだけれど、これ自体はめったに割れることのない優れた防水層を作ってくれる。でもその下地となっているベニヤ板などの類は、所詮釘で固定されているもともとは一つ一つばらばらの部材であり、地震などの際に簡単に動いてくれてしまうものであるから、もしもその下地材に目違いなどが生じてしまえば、FRPの防水層だってそれにともなって割れることになる。もし屋上に緑化の層があれば、防水層の割れた部分を探し出すことはとても困難な作業だし、そのたびに土をどかすなどのメンテナンスの為の2次的な作業が必要になってしまう。個人の住宅なのに、そのための費用を生涯にわたって必要とする建築を積極的に勧められる訳がない、これが僕が屋上緑化をあまりお勧めしない理由である。

でも、コンクリートの建物は木造に比べてこのような動きをすることが少なく、だから緑化の計画を立てやすいというわけなのだけれど、でも本当に印象に残ったことは、そういう現実的なことに関係のないロマンを感じさせるコルビジェの文章とその様子を示す写真であった。そして、僕もやっぱりいつか造ってみたいと思うのである。

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2014/01/27

月曜日の朝の朝礼を終え、午前中は各プロジェクト打ち合わせ。埼玉県さいたま市にて計画中のTさんの家の外観デザインのスタディーなど。スケッチ案を机に並べて選んでみたら、新人の渡邊君のアイデアを選択。思いがけないセンスの発見に、普段指導しているこちらも嬉しくなってしまう。続いて、埼玉県さいたま市にて設計中の整骨院兼住宅のスタディー。こちらも外観のデザインの最終検討段階である。担当の鈴木君と屋根のかけ方などについていくつかのアイデアを考えてみた。

ニュースでは建築資材の高騰が報道されているが、これは住宅業界においても変わらない。消費税の増税に加えて、資材の高騰となるとなんとも計画のコストは上がっていく方向になるわけだが、これまでの状態が安すぎた面も否めないのであってなんともいえない状態である。もう少し平準化してくれれば業界全体も楽なのであろうが、波があるのが経済、つまりは人間のやることなのであろう。規模の小さな住宅をやっているからこそこういう大きな波に左右されずに、建築の仕事に取り組んでいけるのであって、これからもこの領域のなかでゆったりとした仕事をしていきたいと思うばかりである。

このような経済状況の変動期に感じるのは、社会的には大きな変動期であっても、無垢材の値段というものはそれほど大きくは変わらないという点である。ベニヤが値上がりしたとか、断熱材・石膏ボードが足りなくなったとかという経験は中国のオリンピック景気のときもあったし、リーマンショック前のミニバブルのときもあった。このような工業製品は大規模のビル建築でも使用するので、どうしても影響を受ける。でもますいいの家造りでよく使用する杉やヒノキ・松の無垢材や、スプルス・タモといった枠材などが手に入らなくなった経験は無いし、値段もそれほど大きくは変わらない。そもそも、こういう材料は土木でもビル建築でもほぼ使用しないわけで、さらに言えば建売などの住宅産業でも使用されないわけだから、変化しないのも当然なのであろう。大量生産の工業製品に比べると、普段は比較的高価とされる自然素材系の材料が、変化をしないことで相対的に値下がりする感覚になるわけだから、なんだかよくわからない、経済はやっぱり難しいのである。

2014/01/24

午前中、主任の橋本君と打ち合わせ。まずは埼玉県川口市にて計画中のSさんのスタジオ計画の予算調整について。続いて、埼玉県川口市にて設計中のIさんの家について。Iさんの家では、中庭を要望するご主人に答える為に、L字型で中庭のような庭があるプラン・敷地の奥と手前にボリュームを配置してその間に庭を配するプラン等のバリエーションを揃えることに。基本設計の第1回目という時点であるので、様々なプランを見ていただいて方針を考えていきたいところである。

午後、2014年度ますいい建築塾の第1回目、第2回目についての計画。第1回目については、2月13日より現地に二日間しか居られないという超弾丸ツアーでニューヨークに行く予定である。第2回目では、2月末に東京ビッグサイトで開催されるエコハウス&エコビルディングなるEXPOを見学する予定である。国内外様々なメーカーがそろっての商品展示会なので、きっと新たな気付きもあることだろう。昨年より始めた建築塾、今年もスタッフの資質向上のために10回程度は開催していきたいと考えている。

19時より、川口駅の近くにあるタイ料理のお店にスタッフを連れて食事に出かける。このお店で僕が一番好きなのは渡り蟹と卵をタイ料理風のスープで味付けしたもので、ちょっとスパイシーなんだけれど辛すぎもせず、蟹もプニュプニュの殻ごと食べられるのでめんどくさくもなくとてもおいしい。みんなにも食べてもらったのだが、おいしいといって喜んでくれたので何よりである。

僕は、料理ってなんとなく家造りに似ているところがあると思っている。フランス料理のフルコースみたいなものを、結婚式でもないのに高いお金を払って食べに行こうとは思わないし、だからといって食べる場所の雰囲気だとか味だとか素材だとかに対してはそれなりにこだわりもある。とはいうもののお金だって安い方が良いに決まっているわけで、そういうことを総合的に考えて今日はここのお店にしようかなとなるわけである。僕達が作っている住宅はクライアントにとっての日常であり、何十年も続くローンはまさに定期的な出費となる。その金額はまさに家庭の食費と同じくらいであって、安いほうが良いに決まっているのである。こだわりとコスト、それをどのように納めていくかの微妙な勘所はまさに共通いているところなのだ。

2014/01/23

一昨日の娘の入院以来、なんとなくばたばたした日々を送っている。たいした病気ではないのだけれど、微熱が2週間ほど続いているということで大事をとっての検査入院。子供の病気というのは、その親にとってはなんともいえない心配が付いて回る。ましてや入院ともなればなおさらである。早く直ることを祈るばかりだ。

素材についての考察。下の写真はモルタルで作ったキッチンと、ガルバリウム鋼板の外壁の様子である。これらの素材はともに多くの場合下地材などとして利用される工業製品であるが、写真のようにその使い方やデザインによってはシンプルで心地よい印象を与えてくれる。もちろん高価な化粧材料ではない。でもコストを抑えた建築物に見られる、偽者のビニルシートを貼り付けた木目調の製品や、レンガ調のサイディングなどのいやらしさもない。つまりはコストを抑えて中で、性能上必要な材料をセンスよく使うことでそのまま仕上げとして表現する潔さのようなものが見るものに良い印象を与えるのだと思う。

多くのコストダウンは、安い既製品の積み重ねによってしか作られないし、作り方を均一化し職人さんの手間を極限まで下げるようにする方法でしか作られない。その結果の建売住宅だし、その結果のハウスメーカーであるわけだが、その結果のつまらない街並みでもあるのだ。まったく異なる都市環境の中に、まったく異なる土地の形があり、そして住まい手の嗜好もそれぞれなわけなのに、そんなに簡単に大量生産と均一化によるコストダウンを図るなどという手法だけで満足が生み出されるはずもないのである。

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2014/01/21

午前中各プロジェクト打ち合わせ。

埼玉県さいたま市にて進行中のMさんの家の写真である。ちょっとわかりにくいが、写真の左側は吹き抜け、右側が子供の為の個室である。奥に見えるのは階段スペースで、吹き抜けは1階のリビングとつながっている。天井にはすでにラワン合板の化粧張りが施されており、床にも無垢材のフロアリングが張られたところだ。

延べ床面積にして25坪ちょっとの小規模の住宅だけれど、とても住み心地がよさそうに仕上がってきている。1階のリビングの外側に付けられる縁側とか、そのまた向こうにある庭のスペースまでもがすべてひとつにつながって暮らしを受け入れてくれる、そんな住宅になりそうだ。

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夜、村上春樹「もしも僕らの言葉がウィスキーであったなら」読了。スコットランドのアイラ島やアイルランド各地を巡り、そこでで飲むウィスキーや見学したウィスキーの工場、そこで出会った人々の話など。なんとも贅沢な旅である。

僕は京浜東北線の南浦和駅近くにあるバーによく行くのだけれど、そこのバーでは葉巻を楽しみながら、バーテンさんが勧めてくれたシングルモルトのウィスキーからスタートして合計3杯ほどのんで帰ってくるというのがいつものスタイルになっている。同じお酒をずーっと飲んでるわけでもなくって、お任せの中にも、3杯目は変化をつけてちょっと強くて甘いお酒(先日は「ベルタ」-グラッパ、その前は「バルデスピノ」-シェリーが出で来た。)という具合に、楽しませてくれる。そしてさらに面白いのが、お酒の味を表現するバーテンさんの表現力の豊かさである。ほろ酔い気分で、「バナナのような香に・・・」のきざな台詞を聞いていると、ただただ幸せな時間を過ごしているなという気になるのである。

2014/01/19

日曜日。午前中は東京都練馬区にて住宅建築を検討されているHさんご夫妻打ち合わせ。今日が始めての顔合わせとなったが、ご主人が店舗などのインテリアデザインのお仕事をされていて、さらに奥様ともに美術系の大学を卒業されているという、なんとも「ますいい」らしいお客様であった。

午後より、埼玉県さいたま市にて住宅の建て替えを検討中のIさんご夫妻打ち合わせ。今回は第1回目のプレゼンテーションということで、二つのプランの提示をすることに。この土地には古い擁壁があるのだけれど、それを作り変える方針で進めるかどうか、こういうところはとてもお金がかかるところだから、もしやらなくて良いのであればやらない方が良いに決まっているし、でも本当はやらなければいけないのにやらなくて良いと思い込むような手抜きみたいなことは決してしてはいけないわけで、とにかく慎重な判断が必要になる。第2回目に向けて検討していきたいところだ。

夜、村上春樹「スプートニックの恋人」読了。1999年、村上春樹の作品の中ではちょうど真ん中へんの作品である。なんとなく新しい作品に出てくる文体がここら辺で形になったのかなと思うような、そんな文章だった。

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2014/01/18

午前中は埼玉県さいたま市にて新築住宅を設計中のTさん打ち合わせ。これまで進めてきた基本設計に基づいて、初めての1/50模型を作成した。この住宅は1階に子供室と寝室、中2階に読書室のようなスペースを配し、2階はLDKとなっている。この中2階は、リビングの延長のようでありながら、音楽を聴いたり、家族の記念品を飾ったり、本を読んだりのための、ちょっと特別なスペースとして設計している。この場にふさわしい開口部のあり方、机や棚などの作り付けの家具、などなど検討した結果を模型に反映させたのだが、なかなか満足のいく出来栄えであった。

続いて14時ごろより、埼玉県川越市にてリフォームを計画しているOさん打ち合わせ。ご家族と奥様のご両親という総勢6名でのにぎやかな打ち合わせとなった。今回は初めてのプラン提案ということで、大まかな予算構成と建築仕様、そしてプランについてのプレゼンテーションを行った。

最近ではこのような中古物件を購入しての大規模リフォームが増えているように感じる。特に平成になってからの住宅を購入しての事例が増えているが、それはその時代に建てられた建築の性能がそれ以前のものよりも格段に向上していることが原因だろう。日本の住宅は簡単に壊されすぎるというような話をよく耳にしたものだが、それは日本の住宅がまるで居間の中国でのそれのように性能よりも量を求めて造られていた時代のものであって、今の時代に丁寧に作られた建築たちは世代をまたいで、それぞれの世代の好みに合う形で変化を遂げながら使われていくに違いない。きっといつか僕が建てた住宅のリフォームを頼まれたりするときもくるのだろう。

2014/01/17

午前中は事務所にて各プロジェクト打ち合わせ。

夕方より、埼玉県川口市にて設計中のSさんのスタジオについての金額調整打ち合わせ。担当の橋本が進めているのであるが、見積もりをしたところ予算よりもだいぶオーバーしてしまっている。この計画は、もともとあるとても古い母屋に続くこれまた古い店舗の部分を解体して、そこの土地を平坦にしたら、そこに新しいスタジオを作るというものである。もちろん店舗部分を切り取られてしまった母屋の改修工事も行わなければならない。しかも敷地に接する道路は坂道と来ているので、どうしても計画は複雑になる。見積書の1行1行を見直しながら、10時30分ごろまでかけて方針を定める。

このような複雑な計画だけに、これまでも数々の変更を経てようやくここまでたどり着いた。予算の増加を懸念して建物全体を縮小したりなどの配慮もしてきた。模型は初期の頃の計画である。もともとある風景に、どのように建物を付け加えるか、そしてその結果どのようなすばらしい風景が生み出されるかのこだわりの途中の様子である。そして今の形にたどり着き、最後の調整段階というところ。まあ、結局いつもここが一番大変なのだ。

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2014/01/13

朝礼終了後、田部井君と一緒に東京都新宿区にあるリビングデザインセンターオゾンに向かう。今日は町田分室の方に依頼してくれたKさんの打ち合わせがここオゾンで開かれることになっているのだが、なんとKさんの奥様は、工作舎という出版社で雑誌「室内」の編集を担当されていた時代に、私の取材を何度もしてくれたお馴染みさんとのこと。町田分室長の田村から聞くまでは何も知らなかったのだが、10年ほど前に取材を受けたときのことを思い出せば、おのずとKさんの顔は浮かんでくるもので、それならばまずはご挨拶をと、駆けつけたわけである。なんとご主人も私と同じ早稲田大学理工学部のひとつ上の先輩ということなので、直接のご関係はないもののどこかでつながっているかも知れぬというご縁を感じた次第であった。

少々の立ち話のあと、そのまま渋谷区での家造りを検討されているOさんの敷地調査。新宿駅の近くにこんなにひっそりとした住宅街があるのかと驚くような場所である。学校などがある関係か、開発の波からたまたま取り残されたのであろう。通りを出ればすぐにビルが立ち並ぶ様相だが、ここだけはとても新宿とは思えない場所であった。

昨年末に完成したひとつのリフォームをご紹介しよう。この家は〇〇林業に造ってもらったハウスメーターの住宅だけれど、その中のリビングの部分にカフェのような、若しくは将来的にカフェを営業することが出来るようなスペースを造った。「昔懐かしいスペース」のコンセプトのもと、こだわり屋さんの奥様と一緒に丁寧に作り上げたのだが、これが大変よく出来たのでご覧頂きたい。リビングの一角に造られた子上がりの部屋、この部屋はカフェが開業されれば個室として利用されるだろう。さお縁の天井、ラワンの家具やキッチン造作ももともとあったメーカーさんのものと比べるとその正反対の様がなんとも面白い。

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2014/01/12

午前中は、普段通っている裏千家の社中の初釜に参加。今日は立礼のお点前ということで着物ではなくスーツで参加することにした。何でも外国人向けに椅子に座っても出来るお手前というものを考案したということだが、これは正座の苦手な僕達にとっても大変助かることである。デモなんか茶道をやっている気にならないのが不思議なところで、やっぱりきちんと畳の上に正座して、炉に向かい合いながら茶をたてるという所作の中に、心に通じる何かがあるのだと思う。

こういうことは住宅の設計における窓の高さなどを考えるときにも言えることだ。窓というと何でもかんでも南側に、それも少しでも大きくしたいというようなことを言われることが多いのだけれど、ただただ南側に大きな開口部が付いていればそれで良いというものではない。下の写真は西東京市にて建てたOさんの家。大きな窓の方は北側だけれども目の前に広がる広大な景色を楽しむ窓、その向こうにある小さいけれど春には桜の花を望むことが出来る窓となっている。

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次の写真は、茨城県古河市に建てたMさんの家である。土間にある大きな引き違い窓は、日ごろの畑仕事のときなどに気軽に荷物を持って玄関代わりに行き来することが出来る開口部だから出来る限り大きくした。正面に移る西側の窓は、日差しの影響や外部からの視線が気にならないように木製格子のある小さめの窓となっている。その窓と対峙するときの所作、タイミング、そしてその時の心持、それぞれの微妙な違いがあり、その変化を造らなければ、タダの温室になってしまうのである。大は小をかねる、こういう言葉はあまり設計には通用しないことなのだ。

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夕方、久しぶりに高田馬場にて大学時代のラグビー部の友人達と新年会を開催。少人数だったけれど数年ぶりに会う仲間達と楽しいひとときを過ごすことができた。

2014/01/11

午前中、埼玉県草加市にて新築住宅を検討されているAさん打ち合わせ。まだ土地を取得されていはいないということなので、土地の購入に対するご相談からスターとすることになった。Aさんはローコスト住宅の建築をご希望されているのであるが、ますいいで最近挑戦しているローコスト住宅にはひとつの流れが出来上がっている。

ローコスト住宅を建築する場合にとても大切なことは、何をもってその建物の魅力を創造するかということだ。予算が少ないのだから高級な仕上げ材料など利用できるはずもなく、安価な材料を使用しながらもその空間が魅力的に感じるような工夫が必要となる。

その操作をするにあたり有効に活用しているものが構造体である。構造体は、建物の構成には必要不可欠なものである。どうせ使わなければいけないものなのだから、その構造体のありようを丁寧にデザインし、それを仕上げの魅力として見せてしまおうというわけだ。下の写真は埼玉県川島町のカフェの様子である。この写真に写る柱は今では青い色に塗られ、空間のひとつのアクセントになっている。このカフェでは、内装をほぼセルフビルドで行うことで、工事費を1250万円ほどに抑えることに成功しているのだが、そのおかげか完成後もオーナーの気分によって少しずつ変化を続けている。

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ここでひとつ注意点、この魅力を実現しようと思うと防火制限がひとつのポイントとなる。木造住宅の場合、22条区域や準防火地域の2階建てまでであれば比較的自由に構造体を表現することが出来るのだが、これが準防火地域で3階建てになったり、防火地域になったりすると、構造体の防火性能を高める為に石膏ボードで被覆しなければならないなどの制約を受けることになってしまうのだ。こうなると柱はもちろんのこと梁も、そして階段なども構造を表すことはできなくなってしまう。さらにボードを貼る以上は何らかの仕上げをしなければならず、それはすべてコストをあげる要素となってしまう。ローコスト住宅を建てるなら準防火地域2階建てまで、これはひとつの参考として覚えて置いていただきたい。

2014/01/10

午前中、地盤改良の新しい工法「天然石パイル工法」の説明に業者のKさん来社。この工法はセメントミルクを使用した従来型の柱状改良工事を、天然の砕石を利用して行うというもので、大きなメリットとしては産業廃棄物となるものを地中に埋めないで済むという事である。さらに魅力なのが、セメントミルクの変わりに砕石を使うことで、液状化のときの水道を作ることができ、結果的に液状化対策になるという点だ。この結果、地震の時にはその水道を通って水が噴出すだけで、土地全体が変形することを抑えてくれるということである。工法の実績もすでに1万件以上あるということ、さらにコストもこれまでどおりのセメントミルクを利用したものと比べて同じか安いくらいだということであるので、これからの採用を検討していきたいと考えている。

災害に対する備えのようなものをどの程度行うかという点では判断に迷う点が多々ある。最近増えている竜巻などが起これば、木造の住宅は大きな被害を受けることが多いし、それに備えようと思えばアメリカのように地下シェルターのごとき備えをしなければいけない。河川の氾濫の増水時には、1階部分だけでもコンクリートで出来ていればよかったと考えるわけであるが、(仮にコンクリートで作ったって、低い部分に開口部を造ったら何の意味もないわけだが、)通常の木造住宅の基礎ではせいぜい地盤面から40センチ程度も水が上がれば床下に浸水してしまうわけである。最近行政から発表されているハザードマップのようなものを見ると、洪水や地震時の災害の可能性も大方予想が出来るわけであるが、僕の住んでいる川口市などまっ赤赤、つまりほとんどどこに住んでも危険ですよというような状態だ。

住宅としての快適性、コスト、災害時の危険回避能力、これらのバランスを考えた家造りの方向性というようなものもを、考えてみようと思う。それもより身近な地域の事例を通しての見解を示してみたい。


2014/01/08

最近和食についてのテレビ番組などを目にすることが増えているような気がする。先日も醤油や酒を作ってくれる酵母菌についての特集を見たが、人体に害のない、さらにおいしいものを作ってくれるそれらの菌は、古くからそういった仕事にかかわる日本人が選別して大切に育ててきたというようなことが説明されていた。杜氏と呼ばれる酒造りの若い職人が、親の代から伝わる菌を大切に育てている姿や、その作業をしている年季の入った工場、その結果できあがったおいしい日本酒というものは、これからの文化国家日本の行く末の姿を示しているようにも感じられたし、同時に「そういう方向に向かってかなければいけないよ」という希望のようにも感じられた。

世界経済が確立し、様々な通信手段や移動手段の発達によって、文明の下に暮らしている人々は世界的市民権を実現し始めている。そしてそれと同時に文明的多様性を失うという現実が世界中で認識されているわけだけれど、多様性を失うということが予想した以上につまらないものであるということがわかり始めてくると同時に、だったらもう一度そういう文明的多様性を再生しようではないかという行動が沸き起こっているということなのであろう。

こういうことはたぶん世界の傾向であり、この傾向の方向性のようなものはおそらく大切に感じなければいけないものだと思う。そもそも世界に絶対的存在などというものはない。バックミンスターフラーの言葉を借りれば、地球が地軸を中心に自転するとき、赤道上で静止している人は地球とともに時速約1600キロメートルで回転している。それと同時に、地球は時速96600キロメートルで太陽の周りを公転している。この太陽系は銀河系の中を疾走し、銀河系も想像を絶する速さで宇宙の中を疾走している。要するにすべては相対的ということ、絶対などはないのである。

僕達がかかわる建築の世界にも絶対的価値なんてないような気がする。住宅の仕事でひとつだけあるとすれば、それはクライアントの趣向といったものなのだろうけれど、それだって流行とかいろんなものに左右されているものであるわけで、40歳で家を建てたとして60歳のときに同じ趣向をもち続けている確証なんてまったくない。そういうあやふやな物事の中から、たぶんこういうことが大切なんだろうなというようなものを抜き出して建築という形にしていく作業が設計であって、それをするための対話を重ねることが打ち合わせであるのだ。

若い杜氏が、僕には目指しているお酒があって毎年少しずつそれに近づいているということを言っていたのが印象的だった。僕にもそんな家のイメージがある。暮らしのイメージがある。自分の暮らす家を毎年少し変えることは現実的には出来ないけれど、でも家作りに関しては、年を重ねるごとに前よりもすこしだけうまくなっているような気がする。

2014/01/06

いよいよ今日から仕事始め。僕はこれまで家を造らせていただいたお客様との年賀状のやり取りをしているのだが、毎年この懐かしい方々のはがきを見ることは恒例の楽しみとなっている。ウッドデッキを直したいなとか、病気で3ヶ月入院したけどもう大丈夫ですとか、子供の人数が増えましたとか、色々なコメントが入っているのだけれど、そういうちょっとしたことでも、目を通しているとなんとも言えない懐かしさを感じるものだ。

午年についての神社の解説文を同封してくれたお客様もいたけれど、そこには午前・午後といった分かれ目として、午の時というものは現代生活にも残っているというようなお話が書かれていた。要するに分かれ目のときだからこそ、どうなるかわからない未来に備えて、判断が必要だと。

それを伝える話に「人間万事塞翁が馬」を紹介していたのだが、この話は要塞近くに住む老人と馬のお話だそうだ。当時の馬といえば、一頭で多くの家族が生活できる貴重な財産。ある日とても大切にしていた老人の馬が逃げ出したら、近所の人がお悔やみに来た。老人は狼狽せずに「これがどうなるか・・・」と厩の掃除を始めたそうである。すると逃げた馬が野生の駿馬を連れ帰り、近所の人はお祝いに駆けつけたそうである。「これがどうなるか・・・」と老人が言っていると、今度はその老人の子がその馬を馴らしているうちに落馬して怪我をしたそうだ。要するにどうなるかわからない、分かれ目の年、慎重に浮かれずに、地に足をつけて生きて生きたいものである。

午前中は朝礼終了後、それぞれの担当者と各プロジェクトについてのおさらいをした。

17時より、川口駅前江南春にて新年会。町田分室のスタッフも合わせて総勢15名のにぎやかな会となる。11時ごろだろうか、家路に着く。

2014/01/05

12月30日は川口市長岡村幸四郎さんの告別式に参加。昨日に引き続き多くの参列者の受付や誘導など会場における設営に携わった。式が終了し、ご遺体が車に載せられて火葬場へと向かう瞬間、その車の廻りにはおそらく500人ほどの人がいたと思う。お寺の外に立っていた人も合わせれば1000人以上の人がいたのではないだろうか。

もちろん僕も手を合わせてそこに立っていたけれど、そのすごく長く感じる時間の中で色々な思い出が浮かんできた。個人的に深い付き合いをしたわけではないけれど、でも僕にとってはありえないくらいに近い存在の方であった事は間違いない。クラクションが鳴らされた瞬間、誰かが幸四郎!と叫んだ声が響き渡り、車が発進した。次の瞬間にはそこにいたみんなが涙していた。こんな葬式は初めて経験したけれど、惜しい人をなくしたという言葉はこういうときのためにあるんだなと思った。

明け方3時ごろに家を出発して妻の実家の滋賀県東近江市へ。さすがに二日間の激務だったので少し疲れは残っていたけれど、長い時間の、それも夜中の運転はまるで違う世界に向かっていくかのように、気分を変えてくれる。名古屋の手前で夜明けを向かえ、滋賀県に着いたのは9時30分ごろ。そこにはいつもと変わらない、ちょっと雪の残った田園風景が広がっている。実家では、予想外に早くついたことに驚いているお父さんとお母さんが、これまたいつもと変わらない元気な声で出迎えてくれた。

子供たちは、普段見せたことがないような楽しそうなハイテンションで、庭を駆け回ったり、家の前の広大な空き地で遊んだり、じっちゃんの畑に大根や白菜を採りに行ったりと、思い思いの時を過ごしている。僕はといえば、なんとなく失われた何かを思い出そうと、色々と考え事をしながら、時たま妻と将棋などをしてのんびりとした時間を過ごした。

2日の15時ごろ、再び滋賀県を出発。充電、こんな言葉をよく聞くけれど、きっとこの言葉が一番適していると思う。帰りの運転をしている僕は、いつも名古屋を過ぎるあたりで仕事の事を考え初めて、そのあとは一刻も早く帰りたくて帰りたくて仕方がないという状況になる。それまでは完全に頭から離れていたいろんなことが、次々に浮かんできてそれが頭から離れなくなる。まるで神社の境内にいる鳩のように、ばらばらに飛んでいったたくさんの付箋が、誰かがまいたえさに群がるように僕の頭に帰ってくるかのような感覚になる。夜中の2時に帰宅。もう遅いのでゆっくりとねる。

3日から5日は、たまに事務所で仕事をしながら、まったくしていなかった家の大掃除。まあそれなりにきれいになった。いよいよ明日から仕事始め。

本年もどうぞよろしくお願いします。そして皆様にとって良い年でありますように。

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