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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
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増井真也日記

2012年12月アーカイブ

2012/12/29

今日は仕事納めということで、社員一同での大掃除。朝礼のときにスタッフの佐野君がなかなか良いテーマを選択したのでちょっとご紹介したい。今日の朝礼では石山修武氏の著書「生き延びるための建築」から抜粋した言葉についての意見を話し合った。その言葉は「今は激しい変化の時代である。それを敏感に感じ取らなければいけない。」というような言葉であった。

私が思うに、時代とはいつも激しく変化している。確かに今を生きる私たちにとって急激なコミュニケーションツールの普及や情報量の増加、様々な社会における規制の緩和などは激変の時代といえるのかもしれないが、それでは数十年前の高度成長は激変ではなかった?と問うて見ればそれも大きな社会の変化であった。戦争後も、戦争前も、常に社会は変化している。そしてその変化を作り出しているのもまた人間なのである。その変化の中で、ではどのような価値観を社会の中で作り上げていくか、これについて考えることが常に求められるのであり、それを考え実践するからこそ、また時代は変化するのだとも思う。

建築がある思想のシンボルになりうる時代はすでに終わったといわれている。その昔、例えば戦争に向かう国民の意識を鼓舞する為の帝冠建築なるスタイルもあったし、もっとさかのぼれば伊勢神宮などの神殿建築やら東大寺などの宗教建築なるスタイルもあった。確かに、今の時代にいくら東京スカイツリーを作ったところでその国家の技術力の最大のアピールかといえばそうではないであろうし、見ている人たちも高いタワーが出来たなーくらいにしか感じないだろう。でも住宅は違う。この技術が進歩しないで良いとされている非常に特殊な世界では、未だに家族の集う安らぎの場所というテーマを示すことだけが求められているのである。

価値観が多様化している時代だからこそ、家族が集う場所という住宅にとって大切なものとは何かを冷静に判断する力が求められる。それこそが今の時代における建築家の役割であろうとも思う。

さてさて、今日の大掃除も終わりを迎えた。皆様とお会いするのは2013年、1月7日である。すべての皆様が良いお年をお迎えできることを心よりお祈りする。

2012/12/25

今日は朝から池上君と一緒に、東京都目黒区自由ヶ丘にて進行中のOさんの家の現場チェックへ。現場では造作家具以外の大工工事がほぼ完了していて、大工さんがほとんど最後の窓枠の取り付けを行っていた。池上君は大工さんと家具の造作についての打ち合わせをしているので、私はといえば足場をよじ登り、外壁やら屋根の軒先やらの納まりを確認。一通り現場を確認すると、クライアントであり、この家の設計者のOさんがやってきた。Oさんは私の大学の同級生で、現在はこの現場の隣にある、これまたOさんが以前設計して私が工務店として作った実家で設計事務所を営んでいる。30分ほど立ち話をして現場を分かれた。

続いて東京都西東京市にて進行中のOさんの家現場確認。こちらの現場は上棟工事が終わり、筋交いなどの構造が終わった段階で、いよいよこれから天井や床の工事に入るところである。はしごをのぼって2階にあがると、まだ透湿防水紙で遮られてはいるがその紙の向こうに、隣にある大学の農場の広大な風景が広がっているのが見えた。コーナーにある小さな窓からは、樹齢何年かは分らないが大きな桜の老木も見える。東京都でこれだけ開放的な風景に囲まれている敷地もなかなか無いだろう。1時間ほど現場にいて帰社。
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2012/12/24

クリスマスイブ。祭日とは言っても普段どおりの仕事だが、さすがにこの時期になると世間もせわしなくなり、みな正月を迎える準備に入る。午前中は、埼玉県川口市にて設計中のOさんの2世帯住宅についての打ち合わせ。いつもどおり、お子様、そして奥様を合わせたご家族でご来社。先日の土地購入の際に、広い区画前の土地の北の端か南の端を購入するという選択をした結果、以前設計を進めていた部分とは異なる北の端を購入することになったので、土地の形状は同じでも若干の設計変更が生じたのだが、今日はその変更についての打ち合わせを主に行った。12時過ぎ終了。

埼玉県川口市において工事を進めていたMさんの家のリフォーム工事が終了した。この住宅は画家であったMさんのおじいさんが住まい兼アトリエとして利用していたものを、一世代飛ばしてMさんご夫妻が譲り受け、これからの住まいとして利用する為に改修したものである。もともとは上段左右の写真のアトリエ・玄関も、中断左の写真の居間も天井が貼られて利用されていたのだが、改修工事の際に天井をはがしてみるとなかなかに魅力的な梁組みが現れたということで、その梁組みを現しで仕上げることとなった。上段左のアトリエスペースに張られた床は、以前の日記にも記載したいわゆるヘリンボーン仕上げである。中断左のリビングに用いたのは、通常工事現場などで利用される木製の足場板だ。壁の漆喰はセルフビルドを採用して、Mさんやそのお友達の手によって施工されている。引渡し後も、引き続きセルフビルドによってキッチンのタイルなどの施工をする予定である。川口市に流れる芝川沿いの庭を持つ、おじいさんの暮らしの年月が作り出した魅力と共に暮らす味わい深い家が出来た。リフォーム予算は、電気設備工事や雨漏り補修や水周りの全改修等も含めて約700万円。大変良い仕事が出来たと満足している。
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2012/12/23

今日は朝9時ごろスタッフの鈴木君と一緒に事務所を出発し、茨城県古河市にて設計中のMさんの家打ち合わせに出かけた。10時過ぎにご自宅に着くと、ちょうどお使い物から帰ってきたお母さんと玄関先でであった。ご自宅にははじめてお会いする3女の、お名前は分らないのだが、お嬢さんもいて、いつもどおりにぎやかな打ち合わせであった。今日のテーマは土間の扱いについて。今回の提案では土間のある家を二案作ったのだが、そもそもその土間をどのように利用するかについて明確なイメージが出来ていなかった為に、大きな土間のプランと、小さな土間のプランの両方をご提案してみた。色々とお話しているうちに、やっぱりある程度の広さのある土間を作りたいとの方向性にお話がすすむ。それでは、ということでその方向で設計を進めていくことに。大体生活スタイルなるものは、そうそう普段から考えて行っているわけでもなく、いざ家造りの段になって改めて普段の生活を思い返し、ここがコウダッタラ良いナなどの色々な感が寄り集まって出来上がるものなのである。今日の打ち合わせを経て、なんだかだいぶイメージが固まってきたようだ。

終了後、帰りがけにお蕎麦屋さんでカレーそばを食す。

15時、埼玉県さいたま市大宮区にて新築の住宅を検討中のIさんご家族来社。今日は第1回目のプレゼンテーションということで、ご希望の2世帯住宅について1階をリビングとする提案と、2階に子世帯のリビングを配置する提案の二つを行った。2回目は、同居する予定のお母さんのご意見をあわせて、再度提案することに。プラン説明を田部井君が主にやってくれたおかげで、私はといえばお子様のお絵かき教室をすることに。「隣のトトロ」のワンシーン、めいとさつきが雨の中バス停で傘をさしているところに、いつの間にかトトロが隣に立っているという有名なシーンを色鉛筆で一緒に書いてあげること約30分程度。何とか打ち合わせ終了までに仕上げることが出来たので記念に持ち帰ってもらった。

17時ごろ自宅に戻る。妻の体調が悪いということで、今日はちゃんこ鍋を作ってあげた。具は冷蔵庫に合った残り物。ジャガイモ、にんじん、たまねぎ、白菜、シメジ、エリンギ、つみれ、鶏肉のスライスを鍋に入れる。味噌味のスープを作り野菜の煮汁が出たらちょうど良い程度まで鍋に入れ、火をかける。沸騰したら牛と豚の合挽き肉ににんにく、しょうが、塩、酒、ねぎ、だしを入れて作った肉団子をひと口サイズに丸めて入れて出来上がり。なんとも簡単な料理だが、おいしいと評判だった。

2012/12/20

午前中事務所にて雑務。スタッフの鈴木君と茨城県古河市にて設計中のMさんのについてスタディー。今回は土間のあるプランを考えているのだが、その土間、果たして何に使うか、その想定次第では如何様に作るかの手法も変わってくる。先日の日記にも書いたが、これまでもいくつもの土間のある住宅を作ってきた。さてさて、今回はどんな土間を提案をするかな。

夜は、先日何気なく借りてきた三谷幸喜監督の「ステキな金縛り」鑑賞。西田俊之が演じる落ち武者の幽霊と深津絵里が演じる3流弁護士のコンビが、無実の罪の被告人を救うという、感動あり涙ありのコメディー作品。この人の作品は見ていてなんだか癒される、浅田次郎の小説に似たところがあるのだが、この映画もなんとなく後味が良いそんな映画に仕上がっているようだ。

2012/12/19

朝礼後、スタッフの岸田君と田部井君を連れて、これから設計を始める建築の敷地調査へ出かけた。もちろんこの二人ということは運転は私である。何せますいいで最も運転の苦手な二人だから。まずは埼玉県幸手市のバレエスタジオ併用住宅の敷地へ向かう。東北自動車道久喜インターを降りて少々走ると、閑静な住宅街の中にあるその敷地についた。

現場には小さな小屋が建っていて、バレエスタジオのポスターが張ってある。こういう様子を拝見すると、この地でこれから華々しくスタジオを始めようとしているクライアントの意気込みのようなものがひしひしと伝わってくるもので、設計者としても身が引き締まる思いがする。先日の日記でも書いたとおり、建築がそのスタジオの印象を大きく決定する要因になることは十分にありえる。そしてそこで巣立っていく子供達にとっては、日々の練習を積むその場のこそが自らのバレエ人生の原風景となるのであり、その舞台を設計し作り上げる使命は非常に責任があると思う。途中となりの家にお住まいのお母さんがわざわざご挨拶に出向いてくれた。名刺をお渡し少々のお話をした後次の現場に移動した。

つづいて、埼玉県さいたま市大宮区にあるIさんの家の敷地へ。大きな敷地には現在親御さんがすんでいる古い住宅と弟さんのご家族がお住まいの新しい3階建て住宅が建っているのだが、その敷地を半分に分割して、その一方に2世帯で住む為の住宅をつくるという計画である。震災以降集まって住むというパターンが本当に増えたというお話をだいぶ前に書いた日記の中でしたことがあるのだが、今回のケースもまさにその集まって暮らす、3家族が集団で暮らすということである。ちなみに幸手市の住宅もこの集まって暮らすというパターンだ。

私はこのような居住形態が今後の日本の居住形態の主流になっていくのではないかと考えている。いや、むしろなるべきであるのではないかと考えてもいる。核家族化や、高齢化の社会問題を様々な世代が集まることで親族の中で解決する手法として、この集まって住むというのは非常に有効であり、しかも人口減少やそれに起因する空家率の上昇によって、これから先の時代に土地の価格というのは下がることは考えられても上がることはまず無いであろうから、新たに住宅を建築する世帯にとっても大きな敷地表に入れやすいという今後の状況を考えれば、至極合理的な考えだと思うからだ。人間はコンピューターではない。悩んだり辛かったりのときに、年長者の話を聞くだけで心が落ち着く、小さな子供がおばあちゃんの話を聞いて昔のことを振り返る、先祖や親族とのつながりの仲で人間関係を学んで育つというような、当たり前にあったらよいと誰もが思うことを日常の生活の中で当たり前にできる環境というのは、大変魅力的であると思うのである。

2012/12/17

今日は毎月恒例のスタッフバーベキュー。ということで、朝礼終了後雑務をこなし、11時ごろより夜の料理の仕込みに入る。今日のメニューは鮟鱇鍋とすき焼きとかにのバーベキューだ。主な食材はあらかじめネットで注文しておいたので、それ以外の野菜などを買出しに行く。栗田商店さん3名と大工の草間さんと田村君をご招待したので、総勢21名である。21名分の食材の買出しなどやったことが無いので、どれくらい買えば良いのやら?の見当がつかないのだが、3つの鍋を満たしてくれそうな野菜、ちょっとしたつま、そして飲み物類などを購入し13時ごろ帰宅。簡単に食事を済ませ、いよいよ料理に入る。約4時間ほどかけての料理だったがさすがに今日は疲れた。4キロのかにを下ごしらえしたり、野菜を切ったり、の作業はまさに職人だなこれは。

天候が心配だったが夜はわりと暖かく、テントの中では快適に過ごせる程度であった。19時開会、以降しだいに盛り上がり22時ごろ終了。さて、次は新年会である。次のメニューは何にしようかな。

料理をしていると、色々と考える。来てくれる人がどのようにすれば、目で見て、匂いで嗅いで、そして味わって今日のひとときを楽しんでくれるか、それを考えること、つまりもてなしの工夫を追及することは、家造りにもつながると思う。NHKにいろんな会社の社員の昼や夜食のメニューやらその作り方を取材した「さらめし」なる番組があるが、それが結構楽しい。社員教育につなげる会社もあれば、交流の場としている会社もある。食を通した交流は、普段の会話とはちょっと違う関係を築いてくれるものだ。そしてどれだけ工夫をすることができるかで、その深まりは一段と強くなる。今年からはじめたこのスタッフバーベキュー、きっともっともっと深くなっていくだろう予感がするな。

2012/12/16

今日は15時ごろより、埼玉県久喜市のあたりで土地を購入して住宅を建てたいというMさんご夫妻打ち合わせ。まだ土地の購入前ということで、家造りの流れや土地購入のポイントなどについてお話を進める。

打ち合わせ終了後、夕食の買出しを兼ねて選挙へ。18時ごろの投票所にはまだ多くの人がいたが、それでも前回の総選挙に比べるとだいぶ人手が少ないようだ。結果は目に見えている、と思いながらも一票を投票することは義務である。さしたる期待は出来ないものの、それでもこの国に対する危機感を抱いていない政治家はいないと信じて票を投じる。

夕食は鉄板焼き。30分ほどふかしたジャガイモを使ったじゃがバターに、塩コショウをしたサーロインステーキ、にんにくのホイル焼きに、茄子やエリンギといった野菜類、実の大きめのブラックタイガーとソーセージというバラエティーにとんだ焼き物である。夕食後家族でビデオ鑑賞。先日映画館で007「スカイフォール」を見てからダニエル・クレイグの007シリーズをDVDで借りて見ている。今日は「カジノロワイヤル」。ダニエル・クレイグが始めてこの007シリーズに登場することになった映画だ。

夜半過ぎ、テレビをつけると選挙速報が大体出揃ったようだ。大方の予想通り、自民党の圧勝である。それにしても民主党の惨敗振りはひどい。こうまで負けてしまうとせっかく出来上がったかに見えた2大政党政治にもかげりを感じてしまう。しかしそれにしても、どうして日本の国民はここまで左右にぶれやすくなってしまったのだろうか。そもそもイデオロギーの対立構造といった選挙はすでに終わりを迎えているわけで、社民党や共産党といった思想集団の存在意義も薄れている。自由主義・民主主義を進めることに対しては誰も疑問を抱かない現在の世の中で、時流以外に投票行動の判断を決める基準も無いのが実情であろう。保守を語る自民党に対して、確固たる存在意義を示せなかった民主党の弱みが露呈してしまった。それにしても阿部首相に麻生太郎である。すでに失敗を繰り返したリーダーに一体何が出来るのであろうか。

2012/12/15

朝10時より、埼玉県幸手市にてバレエスタジオ兼住宅を建てたいというMさん打ち合わせ。今日の打ち合わせはMさんとそのフィアンセのお二方が来社しての打ち合わせだった。バレエスタジオ、と聞いて色々なイメージを頭の中で膨らませる。コンクリート打ち放しのモダンな箱、鐵骨造の大空間などなど、2階に配置して欲しいというスタジオの大空間を作る手法からのアプローチの想像を膨らませていたのだが、なんとなく腑に落ちない。話を聞いていると、木造の温かみのある空間を作ってあげたいとの思いがふつふつとわいてくるのである。

ためしに長崎県にある古い教会の写真をご覧いただく。「こういう空間好きですか?」と。すると、なんだかクライアントの表情が急に明るくなったような気がした。思いが通じたようなそんな気配が事務所の中に充満した。思ったとおりである。こういう瞬間を大切にしている。それが、建築家の醍醐味とも思う。そして何とかしてそれを作りたいという欲望もわいてくる。設計とは、求められる魅力を作り上げることだと思う。そこには社会的背景や技術的背景、そしてもちろんコストなどの要因も加わる中で、過去のものの写しではなく、現代に即した形でそれを形として作り出すことであると考えている。価値観が多様化している現代社会においては求められる魅力はクライアントによって様々である。もちろん建売などのデコレーションケーキのような住宅もある中で、すべてのスタイルをよしとして受け入れることは出来ない。それは私も好みのある人間だから。でもそれを受け入れることが出来る場合、それこそが力を発揮する時なんだと思う。
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昼過ぎ、埼玉県川口市にて進行中のIさんの家上棟式。Iさんご家族とそのお父さんがご参加しての式は、終始和やかに進められた。お父さんが持ってきてくれた日本酒に手を付けると、昼間というのに結構お酒がすすんでしまう。ご主人もなかなか飲まれるようで、3人で一升瓶の半分くらいをあけてしまった。息子と同じ幸町小学校に進学予定のお子さんがいるということで、今日は息子のケンイチも参加したのだが、さすがに息子の前で泥酔することは避けたいということでほろ酔い程度のところで終了。お父さんも電車で茨城まで帰られるということだったので、このくらいにしておいて正解だろう。
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2012/12/13

今日は朝からスタッフの田部井君と一緒に埼玉県蕨市にて進行中のMさんの家現場管理。現場の方は上棟が終わり、屋根工事が完成、土台周りの防蟻処理などをする段階である。冬場の現場は寒さとの戦いだが、かつて戸田建設時代に経験した滋賀県の現場のように1週間連続で雪が降るなどの気候になることの無い埼玉県においては、猛暑が続く夏よりもずーと工事は進めやすい状況である。そもそも雨が少ないし、乾燥しているので濡れたとしてもすぐに乾く。寒いといっても高が知れているので、やはり私は冬の現場の方が好きだ。

現場をやっているとついつい屋根の上に登ってしまう。足場があるときにしか上れないこの場所は、意外と気持ちが良い。都会で空を見る機会は意外と無いものだ。住宅密集地の家の中から空を見る機会は皆無に等しい。でも足場の上にはこんなに良い景色が広がっている。馬鹿と煙は高いところへ・・・などというが、僕は昔から現場に行くと足場に登ってしまうのである。
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2012/12/10

午前中事務所にて雑務。スタッフの田部井君が入社以来早速小さな車の事故を起こしてしまったようだ。事故の規模は行きつけの金物屋さんの駐車場で、マキタという工具メーカーの車にちょっと当てた程度なのでたいしたことは無いのだが、それにしても設計畑で生きてきた人間に現場を教える中で、最も苦労するのが運転技術だったというのは以外である。運転なんて誰でもできると思っていただ大間違いで、設計という仕事が好きな人種はなぜか車のようなメカ物に興味が無い。きっと昔は違ったのであろうが、最近はこれは方程式のように当てはまる。もしかしたら今の若者が全体的に興味が無いのかもしれないが、まったくのペーパードライバーで入社というパターンが非常に多いのである。一応入社条件に車の運転が出来ることとあるのだが嘆いても仕方が無い。そういえば先日見た映画に登場したボンドカー、アストンマーチンDBSはかっこよかったな。日本で購入すれば3000万円ほど。こういったことに極端に取り組む姿勢はさすがに英国人の気質といったところで、日本ではこんな車はめったに作られることは無い。レクサスがちょっとかじってるけど、いきなりそんなことをされてもなんだか魅力は感じないものだ。メーカーとして目指すものを明確に作り続けているからこその価値、そんな魅力を感じることが出来る車はそう多くは無い。

途中スタッフの鈴木君と二人で、現在工事進行中の埼玉県川口市にあるMさんの家のリフォームの現場に現場管理に出向く。来週末の引越しに向けて急ピッチで大工工事が仕上げられているところで、現場では二人の大工さんが明日までに木の造作を終わらせようと作業を行っている。この現場では工事中の設計変更が柔軟に取り入れられた。写真は仕上がった天井=屋根裏の様子である。実はこの屋根裏を化粧で見せるという手法は設計段階では無かった。普通に石膏ボードの天井を貼り、仕上げを施すという方法で設計を行っていた。一度天井をはがして、再度貼りなおそうと天井を開けてみたら、写真のような見事な梁組みが現れたのである。これは隠してしまったらもったいない。これだけの梁組みがあるなら化粧で見せてしまって、その天井が上がった分の高い空間の魅力を生かしたほうがよいだろうという思いがふつふつと沸いてきたのである。私だけではない。その現場を見た皆がそう思ったに違いない。そう思えない人がいたとしたら相当センスが無い。それくらい見ていてほっとする、なんとなく懐かしい、そんな屋根裏なのである。
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2012/12/09

今日は朝10時より、埼玉県さいたま市大宮区にて住宅を建てたいというIさんご家族打ちあわせ。ご家族が事務所に見えると小さなお子さんが一緒だったので、映画「シュレック」をDVDで見せてあげる。事務所には宮崎駿の「ととろ」とこの映画が置いてあるのだが、映像の力はすごいもので、たいてい1時間くらいは映画に夢中になってくれる。その間に住宅の打ち合わせをおこなうのだが、家は家族の為に建てるもの、これくらいの配慮は当たり前だろう。

今回の計画は、大きなご両親の敷地の中に、すでに建っている弟さんの住宅をよけるような形で、ご両親と同居する為の2世帯住宅を建設するというものである。2世帯住宅というと、まず問題となるのが、どの部分まで分割し、どの部分を共有するかという点だ。もちろんすべて分割してしまえば、完全なる2世帯住宅、つまりはマンションのようにまったく別々の住戸がくっついているという形となり、生活の中でのふれあいはほとんど無くなるがゆえに、互いに気を使うこともまったく無くなる。しかしながら、この場合、通常であれば玄関と廊下部分に2坪、風呂洗面トイレに2.5坪、キッチンに2.5坪程度の必要面積も倍になるだけでなく、設備器具に要するコストなども含めて倍になってしまう。

7坪の面積が倍になれば、単純計算で坪単価が60万円程度だと考えれば420万円の増額、そして設備器具もすべてが二つだと考えればここでも通常の単世帯住宅と比較して150万円程度の増額となる。家族の事情によっても異なるであろうが、私が考える理想の形は、キッチン・ダイニング・リビングのみを二つ作り、その他の部分は共有にするというのがコスト的にも、生活のしやすさという点からも妥当であるのではないだろうかと考えている。玄関やら風呂やらの利用時間の極端に少ない部分を二つずつ作ることにコストの大部分をかけるくらいなら、その分のコストを生活空間を魅力的にすることに使った方が結果的に豊かな生活が営めるのではないか。それに、互いの生活が気兼ねなく営める範囲内で多少のふれあいがあるほうが、そこで育つ子供達にとってもためになるのではないだろうか。どちらにしてもこういう形で暮らすことが出来るということ自体、近年の人と人のふれあいが少なくなった時代においては、大変貴重で恵まれた環境であることは間違いないであろう。

終了後、家族と一緒にアリオにて映画「007 スカイフォール」鑑賞。今回で3作目となるダニエル・クレイグだがちょっと年老いたスパイ役をコミカルにこなしていた。映画の中に出てくる廃墟は、長崎県にある軍艦島である。適役のボスが暮らす廃墟というシーンだが、その廃墟の島に向かうシーンで全景が映し出されている。さすがに本当に崩れる可能性がある場所での島内撮影は見送られたそうだが、私は立ち入り禁止を無視して釣り船にこっそり依頼して上陸、しかも島の中の建物の中にまで入り込んだ経験があるので、なんとなく懐かしい様な嬉しい様な。下の写真は私が撮影したもの。今では観光船が送ってくれるような形で整備されているということなので、興味のある方は行かれると良い。きっと何かを感じる、感じさせられる場であることは間違いないだろう。
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2012/12/08

13時、スタッフの鈴木君と一緒に茨城県古河市のMさん宅に打ち合わせに出かける。今回は3回目となるプラン打ち合わせ。だいぶ完成度が高まってきた感はあるものの、もう少し他の可能性も探ってみたいということで、土間のある住宅のプランを一つご提案することに。土間のある住宅はこれまでにもいくつか作ってきたのだが、今回はL字型の土間にペレットストーブやキッチンなどを配置したプランを提案した。
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これまで作った土間のある住宅の中でも最も大きな土間を持つものが埼玉県伊奈町に作ったWさんの家である。昔の農家の住宅のような大きなL字型の土間の中心に30センチほど上がった居間を配置している。この土間を含めてリビングとして利用されるわけだが、住宅の中で半外部空間のような場を持つ事ができるプランとなっている。
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東京都板橋区に作ったこの写真の住宅(さんかくの家)では三角形の敷地にあわせて直角三角形のプランを作ったのだが、1階の床はすべて土間仕上げとなっている。右側の写真の奥に写っているのは、土間の延長に作ったコンクリート製のお風呂だ。三角形の頂点に合う浴槽など市販では売っていない。そこで浴槽も作ってしまおうということで作ったのがこのお風呂である。
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茨城県石毛町に作ったHさんの家ではリビングの半分、キッチンと玄関ホールの部分を土間とした例である。敷地の前に広がる畑、その自然と融合した生活を営むにあたって、家の中での作業スペースとしての土間を造った。居間の部分は畳仕上げとし、南側の外壁に沿って縁側を配置している。住宅の中の土間スペースには、様々な遊びが生まれる可能性があると思う。もちろんそれがあることが絶対良いというわけではないが、条件がそろうならば取り入れることも面白い。検討してみる価値はあるであろう。

2012/12/05

午前中事務所にて雑務。

午後、ビックコミックスペリオール(小学館)匠三代に次のテーマとして考えている、住宅のプラン打ち合わせ。今回は都会の中で安らぎの場として自然と触れ合いながら暮らすことの出来る住宅、子供のいない夫婦がお互いのプライバシーを確保しながら生活することの出来る住宅の案ということで考えているのだが、住宅の中にいくつかの庭を取り入れ、生活と自然を融合させた中庭のある家をモデルとして考えることにした。大方のプランニングと内観パースの作成を岸田君に指示。

2012/12/04

今日は久しぶりに早稲田大学の石山修武研究室からお電話をいただいた。石山修武先生は、ますいいリビングカンパニーの顧問をしていただいている先生で私の本当の意味での恩師である。私が戸田建設に在籍中、工務店を開業したいのだけれどどのようにすれば良いかの相談を持ちかけたのが石山先生であった。石山先生は昔から住宅をセルフビルドで作ること、もしそれができないのであれば自分の家は自分で考えること、それが本当に自由な家造りにつながるとの持論を展開されていた。そのような先生に相談に行ったときに、どうせゼロから工務店を作るのであれば、クライアントのこだわりを実現してあげる建築家としての設計力と、コストマネジメントとコンストラクションマネジメントをしっかりと行う工務店としての施工管理能力、そしてセルフビルドに対応するクライアント参加の家づくり、この3つを融合した会社を作ろう、ということでスタートしたのが居間のますいいリビングカンパニーであるのだ。

ますいいの「い」、なぜ「い」が二つ重なっているかといえば、それは「ますい」+いしやまの「い」ということである。これまで何度と無く間違ってませんか?とたずねられてきたが、決して間違いなどではない。忘れることの出来ない恩師に名づけていただいた大切な名前である。

今日の用件は、何でも先生の妹さんが建築工事を行うかもしれないとのこと。そのときにはよろしくな!!という、なんとも嬉しいお電話であった。いつのことかは分らぬが、そのときまで首を長くして待つことにしよう。

2012/12/02

日曜日。今日は少々寝坊してみた。10時ごろ目覚めてプールへ。1時間ほど汗を流して帰宅。家族は東京拘置所に柔道の出稽古に行っているので家には誰もいない。軽い昼食をとり午後からの打ち合わせに備える。

14時、事務所によってスタッフの鈴木君を拾い、茨城県古河市のMさん宅にて打ち合わせに向かう。今日は2回目の打ち合わせだった。今回は2週間ほどの時間をかけて、前回よりも実際のキッチンの使用状況や持ち込む予定の家具を落とし込むなどの、より具体的なプランを作成した。持ち込む予定のダイニングテーブルが置かれる食事の間や和室のくつろぎの間、そして大きなキッチンが連続する暮らしやすい間取りである。でもなんとなく気になる。これで良いだろうかの疑問がふつふつと沸いてくる。こういうときは大体おかしい。何かがあるのだ。

打ち合わせの際に私や鈴木君がご自宅にお邪魔すると、まず通される部屋には座卓が置いてある。フロアリングのその部屋にはじゅうたんが敷かれ、その座卓の周りに人が座って打ち合わせをするのだ。出される飲み物はお茶。きちんと茶托にお茶碗がのせられている。座卓の脇に座るお父さんは7畳半の洋間から体がはみ出している。連続する6畳の和室に座り、7畳半の洋間にある座卓に向かって座っている。お父さんの正面にはテレビ。前回の打ち合わせで渡邊篤の建物探訪のDVDを渡したときの、お父さんのテレビの操作は確かだった。普段から慣れている証拠だ。お母さんは7畳半のストーブの前にちょこんと本当に心地よさそうに座っている。いつも床に座っている人は床に座る姿が自然体である。でも普段椅子の生活をしている人はそうはいかない。この家族はどう見ても床に座る生活が身についている。なのに私は、せっかく買ったダイニングテーブルだからと、なんとなくそのダイニングテーブルを置く為のダイニングルームを設計し、その横に改めて和室を設計していたのである。そしてその設計していた和室もちょうど今と同じ7畳半である。お父さんがはみ出している7畳半だ。何かがおかしい、その原因がだんだんと分ってきた。どう見ても今設計している住宅はこの家族にはあわない。なんだか無理やり住宅展示場の住宅に合わせたようなぎこちない住み方になってしまうか、今のようにプランからはみ出した生活になってしまうか、とにかく変更した方がよさそうだ。

このダイニングテーブルを持ち込みたいというのはクライアントからの要望であった。だからそれを聞いてあげるのは正しい判断だと思う。でもやっぱり疑問を感じるのであれば一応聞いてみるに限る。結果、やはり座卓の生活を選択することになった。食事どころと今を分けなければもともと分離されていたそれぞれのスペースの合計面積の12畳ほどの広さを居間に当てることが出来る。床の素材は杉などの柔らかいものが良いだろう。ここで一度仕切りなおしである。次の打ち合わせは1週間後。なんだかだんだんと良い家に向かっている気がする。
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千葉県船橋市に建てたWさんの家
座る生活の居間に連続する食事どころはキッチンの作業台を兼ねた杉のテーブル

2012/12/01

朝10時、建築家山崎氏のご自宅にて打ち合わせ。今回のご縁はある電話からはじまった。東京都小金井市にて住宅を建てたいというSさんからお電話をいただいたのは1週間ほど前だったか。見積もり合わせをしているがなかなか金額が折り合わないという状況でのお電話であった。この段階でクライアントが直接工務店に連絡をするというのは、あまりあることではない。なぜなら建築家と、その仕事を請け負う工務店というのは深いつながりがある場合が多いのだ。それだけ建築家の仕事は難しく、見積もりにしたって慣れていなければ簡単に出来るものでもない。だから通常の場合この手の電話は断る。そもそも建築家の下請け仕事はやらないよ、というのが私のスタイルである。でも時と場合によってそれは変わる。それを変える唯一の要因は、建築家とのご縁である。

今回お会いした山崎さんのHPを拝見していると、私の家の近所にある一風変わった住宅に酷似していることに気がついたのがご縁の始まりであった。たまたまその住宅の隣の住人と私が友人なのだが、以前その友人からその家の住人が建築家であることを伝えられていたのである。もしやと思い始めていただいたお電話でお話してみると、やはりその住宅の住人、つまり我が家のご近所の、しかも私の友人のお隣さんが山崎さんであったのだ。さらに、私の運営しているギャラリーにもこれまで何度か足を運んでいただき、さらには私の事務所にも、2001年のオープンハウスの際にいらして頂いた事があるということであった。さらにさらに、なんと私の出身校の早稲田中学・高等学校の先輩とのことである。なんだかこれだけの縁を感じてしまうと、仕事をさせていただくことが運命のように感じてしまう。世間は狭い、そしてなんとなく縁というものが人と人をつないでくれるんだなあ。

12時ごろ事務所に戻る。以降雑務。

今日は皆さんに変わった床の貼り方をご紹介したい。こちらは現在改修工事をしている埼玉県川口市のMさんの家。このような木材の小片を魚の骨のように並べて張る手法を寄せ木貼りと呼ぶ。この模様はジャケットの記事などでも定番のヘリンボーンだ。手間はかかるがなんともいえない味が出る。しかも木材の変化を抑えてくれるという性能上のメリットもある。手間がかかるので最近はあまりやらない手法なのだが、昔は良く取り入れられていたので、古い洋館やホテルなどにいくと目にしたことがあるだろう。
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