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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
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増井真也日記
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増井真也日記

2012年5月アーカイブ

2012/05/31

午前中は事務所にて雑務。

なんとなく田舎暮らしについて考えている中で、以前設計をした屋久島の家を思い出した。東京で長年暮らした夫婦とそのお母さんが屋久島に50歳を過ぎて移住し、新たな生活を始めようというプロジェクトであった。Iターンなるものが流行っているというような話は聞いたことはあったが、実際にその関係の仕事にかかわることは初めてであった。下の写真が屋久島の家である。リビングルームと寝室などの収まる棟の間には、南北に家を貫く通り土間がしつらえてある。スキューバーダイビングが趣味のご夫婦はここで道具を干したりの作業もすることができる。自然に囲まれての暮らしには、家の中と外との中間領域が必要だ。

md-20120531.jpg何気なく手に取った住宅巡礼なる仰々しい名前が付けられた雑誌に、スウェーデンの建築家エリック・グンナール・アスプルンドが設計した「夏の家」が掲載されていたのを思いだした。そういえばこの住宅にも似たような通り土間が設えてあった。平屋のボリュームを少しずつずらしながら配置するというのは、スカンジナヴィアの伝統的な民家の設計手法でもあるらしい。

夜は東京都目黒区自由ヶ丘にて大学時代の友人と会食。会話の中で早稲田大学の建築学科が定員割れしているとの情報を得た。その代わりに芸大などの人気が高まっているらしい。近代建築的な思考やモダンデザインに偏った建築の設計に何らかの疑問を感じている世代が多い中で、早稲田大学か芸大にその視線が向くこともなんとなく分る気がする。そしてそれは、私の田舎暮らし思考にも同じように現れているような気もするのだ。

震災以降の私のクライアントの嗜好も少しずつ変化しているように感じる。飯能市やあきる野市などの郊外での生活を目指したりのご相談の件数も格段に増えた。そしてその多くは都心での仕事を抱えながらの郊外生活を目指しているのだ。情報技術の進化により、どこでも出来る仕事の幅は格段に増加している。それに人の嗜好の変化が加われば、生活のスタイルも必然的に変化するであろう。その過渡期にある今、私も私を標本に自分なりの実験住宅を考えてみたい。

2012/05/30

10時より理事をしている川口市公園緑地公社の理事会に参加。この公社は主に川口市の公園の指定管理と浮間ゴルフ場の経営を行っている公益財団法人なのだが、私が理事長をしている会の関係で、今年一年間だけの理事メンバーとなったので参加している。まあほかの理事さんたちがこれまで何年も続けている中で、私はあくまで一年限りであるので、一年限りならではの新鮮な言葉を残せたらなあ、などと考えながらの参加である。

19時ごろ新宿3丁目の中華料理屋さんにて、大学時代の友人の添田君と会食。大学時代の友人との食事というと、結婚式に次々に招待されていた30代前半までは一年に何度もあった印象があるのだが、いつの間にやら疎遠になりがちになっていた。添田君も同じことを言っていたが、確かに違う会社で働き、それぞれが家族を持ち、しかも住んでいるところはそれなりに離れているとなれば、出会いの機会が減るのも無理はない。でも友達というのは面白いもの。ひとたび顔を合わせてしまえば、数年前に話した内容と同じようなことで盛り上がり、数年前にしたけんかの話題で言い訳をし、言ってみれば自分の人生のアルバムをめくりながら楽しむかのような時間をお互いに過ごすのであった。中華料理屋さんということで紹興酒を大分飲んでしまった。午前零時を大幅に回っての帰宅。


2012/05/28

朝一番各プロジェクト打ち合わせ。

理想の住宅とは何か?の疑問が最近頭の中でぐるぐる回っている。あくまで私にとっての理想の住宅ということなのだが、その考えはまずはいつも敷地からはじまる。住宅はその敷地で大半が決定される。この川口市で望むことは不可能なロケーション、例えば湖に面する森の中の宅地、海を臨む高台にある敷地、想像しているだけで楽しくなるのだが、やはり川口市にはそんなところはない。では、この川口市周辺でそんな理想的な敷地が存在するのだろうか。ちょっとgoogl mapを見てみた。

結論から言うとそんな土地は存在しない。地図を20分ほど眺めてみたのだが、やっぱりない。私の記憶の中に残る、私が理想的と思えるようなシーンは、妻の実家がある滋賀県の琵琶湖湖畔のようなとてつもなく離れたところにしかないのである。アラスカの名も知れぬ湖のほとりに立つ宿もすばらしかった。よく話しに出す長野県にある入笠小屋も理想郷のようだ。うん、今これ以上考えても仕方がないな。もうやめるとしよう。

2012/05/27

日曜日だけれど朝一番から池上君と一緒に埼玉県飯能市に向けて出発。飯能市というのは埼玉県の秩父の玄関口として有名なところで、地盤が良いことから震災後の居住地としても見直されている。駅前はそれなりに開発されているのだが、少し離れると鮎が釣れるような川があったりの自然が豊かな環境を維持している。ますいいでも、よく利用する杉のフロアリング材を仕入れるなどの関係の深い土地だ。

偶然にも飯能市から二人のクライアントの相談を受けたので、日曜日の時間を利用してどちらも回ってしまおうということである。

一件目は土地の購入前の下見である。河川に面した土地で、3方をよう壁に囲まれている。しかもそのよう壁の高さは約4m。それでいて構造計算をしている気配もないほどにうすっぺらい壁だ。これはだめだ。購入しないことをお勧めした方が良い。よう壁は地盤を支える、というより形作る大切な役割を担っている。もしそれが崩れてしまえば、どれだけその建築を頑丈に作ったところで意味がない。いわゆる土砂崩れのような状態になってしまうかもしれないのである。土地の値段は確かに安い。でももしよう壁を作り直すとなると、土地の値段の倍のお金がかかってしまいそうなくらいに、大掛かりな工事が必要な土地であるのだ。

続いて2件目。こちらはすでに購入した物件のリフォームのご相談。下の写真はその土地の様子である。古い古い鉄骨の人工地盤の上に木造の平屋が建てられているのだが、問題は鉄骨の人工地盤のほうだ。どれが構造体なのか分らないほどに、思いつきで作ったのかと思うほどに、複雑な、しかもかなり腐食の進んでいるこの人工地盤をどのように補強するか。かなりの難問を突きつけられた感に、しばし唖然としてしまった。さっきも言ったがこれはすでに購入した案件である。ということは何とかしなければいけない。この状況だと、逃げはきかない。ゆえに後は乗り切る勇気と判断力である。なんだかわくわくするような仕事を突きつけられ、半ば興奮気味に事務所に帰った。

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2012/05/25

午前中、セブンシーズ望月さんがシーガルフォーの商品説明の為来社。一時期放射能を除去できる浄水器ということで話題になったのだが、今回は福島県の河川の水を浄水した結果、放射能検出がゼロになったという試験データを持ってきての、効果説明であった。放射能除去についての専門知識はないので良くわからないが、微細なチリなどに付着しているものだけに限定して言えば、高性能な浄水器で除去できることもうなずける。実際に家庭の水道に装着して使用してみたのだが、匂いや味も市販のミネラルウォーターと変わりなく、水道水を普通に飲むことができるようになるので、毎日大量のペットボトルを購入しなくてすんだということで、妻も大喜びである。今の世の中、何が正しい可など分らない。特に政府の発表など信用できるはずもない。そんな中、毎日飲む水くらいは、多少の気を使いたいものである。

11時、埼玉県川口市在住のNさんの家リフォーム打ち合わせ。猫と同居しているNさんの家の玄関には、玄関を入るとすぐにもう一つの玄関代わりにしているパーテーションがあるのだが、それを本設のガラス扉にしてほしいというリクエストである。それにしても今年のますいいのクライアントは猫の家が続いている。これも何かの縁なのであろう。

夜、息子が通う柔道教室「大道塾」にて中学生と一緒に柔道の稽古。高校の体育でやって以来の2回目の体験なのだが、なかなかに楽しい。3分間の「らんどり」を5本やらされたときには、さすがに目の前が真っ白になったが、これもまた快感。やっぱり人間相手に体を動かして流す汗は充実感満点である。

2012/05/22

埼玉県川口市のKさんの自宅では、リフォームの工事が進行している。今回の工事範囲はLDKとトイレの全面改装だ。写真は古い鉄筋コンクリート造の内装を解体している様子。まずはすべての部材を取り除き、設備や内装の工事に入るわけだが、今回は解体工事の範囲もそれほど多いわけではないので大工さんに解体までやってもらうこととした。

RC構造物の場合には木造のように自由になる範囲がどうしても少なく、既存の構造体に合わせて工夫しての改修工事となるわけだが、構造体の腐れなどの劣化については、木造よりもだいぶ耐久性が高いので構造補強などの必要はないことが多い。(もちろんもともとの構造自体に問題があれば別の話だが。)ゆえにマンションリフォームのような感覚になるわけである。

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2012/05/21

午前中は、川口市内に土地を200坪ほど所有しているおばあさんの敷地の一部を売却し、その資金の一部を利用して築40年ほどの住宅をリフォームしたいというYさんが来社しての打ち合わせ。ますいいで運営しているRDRギャラリーでの展示をきっかけに知り合った方なのだが、話を聞いているうちに、売却ではなくそのまま利用して集合住宅をつくる計画なども考えてみてはの提案をさせていただくことになった。敷地は川口駅から徒歩10分ほどの好立地である。狭小地を売却すればたちどころに売れることは間違いない。そして数千万円のお金を手に入れることも出来る。しかし、現金は現金、ただの紙切れでしかない。私は高知県にある沢田マンションのお話をしてみることとした。

md-20120521.jpgこのマンションはある夫婦がセルフビルドで建てた、しかも建築基準法に縛られずに独学の構造解析に基づいて、自由に、そして美しく作られた集合住宅であり、今でもそのつくり手である沢田夫妻によって非常に魅力的に運営されている。都会の集合住宅はすでに飽和気味であり、これ以上の新築は無意味になりつつある。しかしながら魅力的なものがどれだけあるかというと、どれもこれも同じような間取りばかりで、その選定に当たってはせいぜい道路面にタイルが張ってあるからきれいだとかの比較をするしかないのが現実である。アートの関心の高い若者ならではの大家さん、そんな夢もなかなか良いと思うのである。

夜は自宅で映画「時計仕掛けのオレンジ」鑑賞。町山智浩氏による「映画の見方がわかる本」を読むに当たっての、事前鑑賞なのだが、映画を見て、さらにその映画についての評論を読んでという、3時間1セットの楽しい時間を過ごすことができた。この事件で描かれる50年代の社会に反抗する若者は、今すでに80歳を超えるであろう。しかしいつの時代も人間の暴力は形を変えてその社会に現れるように思える。最近増えている自動車の暴走事件なども、精神疾患と片付けることの出来ない社会への反抗のようにも思えるのである。50年代の若者の姿と違う点、それは一人であるということ。不良グループを組織することもなく、たった一人で一瞬の事件を起こし、すべてを終わりにしようという、現代的な反抗に見えて仕方が無い。

2012/05/20

朝5時前に家を出て、秩父にあるキングダムゴルフクラブへ。今日は久しぶりのゴルフであったが、感覚が戻ることはなく撃沈。このスポーツはたまにやって楽しめるものでもなく、どうしたら良いかの疑問だけが残る一日であった。

2012/05/19

午前中は埼玉県川口市にて亡くなったおじいさんが所有していた古い住宅を改修して移り住みたいというMさんご夫妻との打ち合わせ。前回の打ち合わせにおけるご提案に対するご意見を伺うための打ち合わせとなったが、これまたますいいのクライアントらしく、出来るところは自分たちでやろうというセルフビルド魂をちりばめての内容であった。

14時過ぎ、埼玉県川口市にて住宅を新築する計画を進めているIさん打ち合わせ。今回は二つのプランを提案したのだが、前回から含めて合計5案の提案をしたこととなる。スキップフロアや3階にリビングのある案などの様々な形式を試しているが、次の提案くらいで大体の可能性を網羅できることになるであろう。デザインと機能性、開放性と冷暖房などの効率性など相反する部分の考え方に対し、あくまで個人住宅ならではの個人の価値観に基づく回答を出してく段階が基本設計であり、言い換えればここで建築の魅力の大半を作り出す部分でもあるわけで、じっくり時間をかけて納得の行くまで取り組んで生きたいところである。

18時ごろより、埼玉県飯能市にてカフェ兼住宅を新築したいというMさんご夫妻打ち合わせ。これまたスーパーローコストな、まるで川島町のカフェを思い出させるご相談であったのだが、求める建築に対する価値観が私の考えるものと同じような感じ、つまり同類のにおいがぷんぷんするわけであり、面白そうなプロジェクトに発展しそうな予感がしたのであった。この手のスーパーローコストは一年に1件程度しかやることは出来ない。なんせ金額を納めるのが大変であり、クライアント自身もそれ相応の作業をしてもらわなければならないので誰でも挑戦できるというわけでもないのである。うまくいきそうな予感、それがあったときだけの、特別仕様、それが川島町のカフェなのである。

2012/05/18

今日は夕方より憲法改正について考えるミーティングに参加した。対談形式の講師はひげの隊長こと佐藤議員とケントギルバート氏、そしてコーディネーターは憲法学者の高乗教授である。

ひげの隊長の言いそうなことは分りきっているのでここでは書かない。アメリカ人であるケントギルバート氏の発言はちょっと面白い。氏は今のアメリカが日本に疑問を抱いているといっていた。まずは約束を守ってほしいということを言っていたのである。何についてかといえば、一つに鳩山元首相の発言であった。基地問題についての彼の発言は、一国の首相としてのレベルではまるでなかった。そして最後に自立ということの4原則についてお話していた。自立とは、自分・家族・地域社会・行政という順番で頼るべきものである。なのに今の日本社会は自分で自分を守ることをさておき、家族もばらばらになってしまい、地域社会で支えあうコミュニティーも薄れ、何かあるとすぐに行政に文句を言うようになってしまっている。そもそも、行政だってみんなで行政を作り上げて、こういうことは行政にやらせたほうが良いから税金を払って行政に運営させようという風に国を作ったのであって、市民の側が行政に文句を言ったり助けてもらったりの感覚を持つこと事態に矛盾があるのである。この考えは、当たり前だけれど面白い。

そもそも憲法だって、行政や立法府や司法権が国民の主権を侵害することのないように、さらには国民一人ひとりが国民として何をしなければいけないのかの義務を、国民全員で決定したものであるべきであり、そこの部分が現行の憲法のアメリカによって定められたといういきさつを持つことによる最も力の弱い部分なのだが、あくまで主権は国民にあるのである。今のこの国の問題は、主権が国民にあるということを、なんでもわがままを言う権利があるという風に読み違えている人の余りにも多いことであろう。つまり自由と引き換えに必ず義務があるということを忘れてしまっているのであり、その義務とは勤労と納税、そして教育としっかり明記されているのだ。なんだか尽きない話になってしまいそうなのでここら辺でやめようと思うが、このての話の一般化こそがまずは第一段階の進歩であろうと考える。

2012/05/17

埼玉県川口市にてFさんの家のリフォームが始まった。Fさんの家は約11年ほど前、私が独立した当初にほとんど始めてといってよいくらいに私に仕事をさせてくれた方である。その当時は、リビングの壁に珪藻土を塗ったり、キッチンを入れ替えたりの工事をさせていただいたのだが、今回は洗面所とトイレの入れ替えに、シロアリの被害の復旧、そして屋根の葺き替えの工事をすることとなった。

画像は屋根の工事の様子である。現状はカラーベストコロニアルというセメント系の屋根材なのだが、これを一度すべて下ろし、遮熱シートを施工する。その後通気層を確保し、断熱材がついているガルバリウム鋼板を葺く予定である。この工事により、屋根の断絶性能が格段に向上し、しかも重量が軽くなる為、耐震性も向上する。古い住宅の工事では、ただ単にもともとあった性能を満足するだけではなく、断熱性や耐震性といった現代において強く求められる性能を新たに付加することを大切にしなければならないと考えている。しかも、なるべくなら改めての耐震工事をするのではなく、屋根の葺き替えのついでにここまで断熱性と耐震性が向上しましたよというほうが良い。限られた予算で、暮らしの場を確保するクライアントのことを考えれば、杓子定規ではいけないのである。

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2012/05/15

午前中は事務所にて各プロジェクト打ち合わせ。

昼から茶道稽古を1時間ほど。今日は運びの薄茶と濃茶のお点前を行った。いつもは一人で受ける稽古だが、今日から二人で行うことになった。やはり誰かの為にお茶をたてるほうがやっていても身が入るようで、心なしか緊張感を感じながらのひとときは心地よいものであった。

下の写真、実はコンテナの中に入っていたごみである。ふと、コンテナの中を確認すると、なんとももったいないお宝のような材料が捨てられている事に気がついたのだ。下の写真はリフォームの現場で発生したゴミである。しかし、つい先日までは住宅の部材として家を支えてきた建材である。どの材料も刻み込まれた時間がにじみ出る渋いものばかり、日曜大工の材料にはもってこいのものばかりだ。しかもヒノキですよ、ヒノキ。こういうものをゴミコンテナに入れる、いや入れっぱなしにしてしまう感覚は私には無い。私は昔からこういう材料を余り木工房と名づける箱に入れるようにしている。すると二日もたたないうちにいつの間にか無くなる。近所の誰かが、何かを作っているのだろう。何を作っているのかなわからない。でも何かを作っているのである。

同じような廃材で作ったこの箱には約0.8立米ほどの余り木を入れることが出来る。もし処分したら、7000円ほどのお金がかかるが、近所の人が持っていってくれればそれはまた新たな命を吹き込まれ利用される材料となる。処分代が節約でき、材料も再利用され、まさに一石二鳥の仕組みなのだ。ますいいのスタッフにはこういう感覚を大切にしてほしいと叩き込んだつもりなのだが、やはり鈍感なものもいるようだ。こういうことに鈍感では建築をやる資格はないように思える。いつもゴミ箱に張り付いているわけには行かないが、しばらくはゴミ箱番をやってみよう。一番大切なのは、こういうことを大切にする感覚だということを教えなければならない。

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2012/05/14

埼玉県川口市にて進行中のIさんの家の内装工事の様子である。内装の仕上げ材は基本的にますいいリビングカンパニーでよく使用する高知県の田中石灰工業が作るタナクリームである。この材料は素人でも施工しやすいように、砂などが適度に混ぜ合わされており、1回のこて塗りで仕上げることができる。しかも完全に自然素材ということで、体にも優しい。以前私の自宅の工事をしたときに、アレルギー体質の母の部屋をビニルクロスから石灰クリームに変えたのだが、それだけで喘息のような症状がなくなった経験がある。これがどれだけの化学物質の減少なのかの数値的なことまでは調べていないが、効果があることだけは確かだ。写真の右側の黒い壁は、白いタナクリームに灰墨を混ぜた。この部分のみが箱のような表現になっているのだが、色彩の変化でそれを表現している。左の写真の白い部分はオーソドックスなタナクリームである。柱や針の木部の自然色との取り合いもよく仕上がっている。

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2012/05/11

朝7時30分ごろ自宅を出発し、町田の事務所へ。今日は神奈川県横浜市で住宅の建て替えを検討されているTさんご家族との打ち合わせ。計画地はこれまで、お父さん、お母さんが文房具屋さんを営みながら、二人のお嬢さんと一緒に暮らしてきた土地である。そのうちにお父さんがお亡くなりになり、二人の娘さんがお嫁に嫁ぎ、しばらくはお母さん一人で暮らしていた。そして今回の計画を機に、二人の姉妹のそれぞれの旦那さんやお子さんを含むご家族と、お母さんと一緒に一つのこの土地に暮らすという選択をすることになったそうである。つまり、またまた「集まって住む」、そのための住宅を検討することとなったわけだ。

震災以降、人々の家族というものに対する意識が変化した、つまり家族の結びつきというものが非常に強くなってきたことを感じている。先日完成した東京都北区にある、薪の木の家も同じように3世帯が集まって暮らす住宅である。

http://masuii.sakura.ne.jp/gallery/2012/08/nimura.html

しかも2世帯住宅ではない、近くにいる兄弟を中心とする親族がみな集まるというところに特徴があるように感じる。お母さんに子供の面倒を見てもらえるなどの、直接的な利便性は確かにある。しかしそういうことだけではない何かが、このような暮らし方の選択を意識的に勧めているように感じてならない。

2012/05/10

今日は、私が理事長を努める社団法人川口青年会議所の例会を開催。今日の例会のテーマは「川口市におけるエネルギー問題の現状とその解決方法について」というテーマで、川口市にある新郷工業団地という工場群を束ねる石川理事長と、川口市より選出されている衆議院議員の新藤先生を招いての対談形式による講演会を行った。

先日の日記にも記載したが、福島県にある原発問題による被害地域の状況を見れば、日本のこれからのエネルギー政策をこれまで通りの原子力発電中心のものにしておくことは許されないのは明白であるものの、誰も解決策を見出せない多くの問題を聞いていると、当面は原子力発電に頼るしかない日本の脆弱な国力というものも分ってくる。

つまり中東戦争以降とり続けて来たエネルギーのベストミックスの政策、化石燃料だけに頼り過ぎない政策というものが如何に日本にとって優れたものであったか、さらに鳩山元首相が言った2020年までに二酸化炭素排出量を20%カットするという非現実的な目標を達成できないから、2030年までに25%カットするという先延ばしの政策を採っているという状況、震災前まで描かれていたこの計画を実現させる為のプランは原発をさらに14期新設し稼働率を60%から90%まで高めるという実現できそうも無いプランであったこと、そしてそれを変更しなければいけないことは誰もわかっているけれど、誰もそれに対する答えを持ち合わせていないと言う現状、そのような現状を分った上での東電による値上げ政策、今まさにまるで幕末のような解決策の見当たらない問題が渦巻く、そんな状況の中、無責任な批判を繰り返すことには何の意味も感じないし、建築家として、技術者として、そしてこの国で暮らす市民として何か出来ることはないかの熟考をめぐらす大変よい機会を提供することが出来たのではないかと考えている。

当面、この青年会議所においては、PPSを利用した地域ぐるみのエネルギー地産地消システムを提言する予定である。地域社会における工場や住宅の屋根を利用した発電、またメタンガスなどを利用した発電システムを普及させること、さらにはその電力を売買する仕組みを作り上げること、そのようなシステムを普及させる上での、ファンドなどの資金面も含めた中心的役割を担う機能を行政などの公的機関に立ち上げさせること、それら一体的に提言することで、実現に向けた問題や可能性が明確化されるとき、また新たな報告が出来るであろう。

2012/05/09

午前中は各プロジェクト打ち合わせ。

夕方より、埼玉県川口市にて新築住宅を検討中のMさん打ち合わせ。Mさんはお母さんとお姉さんご夫妻、そして妹さんと一緒に住むという今回の新築住宅の計画の中心となっている方なのだが、ますいいRDRギャラリーに足を運んでくれる川口市のアートの担い手でもある。この計画、なんと住まい手がみんなアラ還世代で、さらにそのお母さんが一緒に住むという事なのだが、アートがお好きというMさんだけ会って、とてもはつらつとしているというのが印象である。やっぱり最近は女性の方が元気がよい、つまり物事を達成するパワーがあるが、世代が高くなればなるほどに男はだめになり、女性が元気になっていくような気がする。

計画地は20坪に満たない狭小地である。そのような条件で、これから高齢者になっていくであろう方々の住みやすい住宅とはどのような形なのであろうか、についての検討を進めていくことになるであろう。

2012/05/07

今日から田部井君という新しいスタッフが参加。年齢も35歳ということで、設計事務所の経験も長く頼れる存在になりそうだ。しばらくは川口本社10名、町田分室2名の体制で進めていく予定である。

埼玉県所沢市で進行中のリフォームの現場では、下の写真のように土間の打設を行った。通常古い家の床下は土のままとなっている。その上に束石を置き、床組みをするわけであるが、それだと湿気があがったりの不都合が現れる。そこで今回は湿気の防止と床を支える束石などの固定という面を兼ねる形でモルタルを打ち込むこととした。下の写真はそのモルタルを均す左官屋さんの様子である。ちょっと作業はしにくそうだが、これでまたこの住宅が生き返ると思えばたやすいものだ。

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2012/05/06

午前中は、後楽園にある講道館にて小学生の柔道全国大会を観戦。全国各地から集まった子供達の熱気ある姿は見ていてとても気持ちのよいものであった。同じ道場の仲間を応援している息子もまた同じように見入っていた。きっと自分も同じ舞台で戦いたいんだろうなと思うが、そんな仲間達と一緒に練習が出来ることもまた恵まれているのであろう。

夕方、福島県広野市にあるJビレッジの様子を見るためにいわき市に向けて出発。今回この視察を思いついたのは、全国の原発が稼動停止状態にある現状を受けて、再稼動推進に対する世論が熱を帯びてきていることを感じたためである。日本がこれまで作り上げてきた原子力発電技術をみすみす捨ててしまったら日本の国際競争力は低下する、化石燃料に頼るエネルギー政策は国を滅ぼす、夏の電力不足は熱中症による死亡事故などの生命に係る問題を引き起こす、原発で生きている会社は従業員はどうするのか、そのような会社が潰れてしまえば再稼動したときにそれを支える人がいなくなる・・・・挙げればきりがないほどの再稼動推進に対する考え方はどれも理にかなっており、今すぐ再稼動をしなければいけないのではないかという気にさえなってくるものばかりだ。エネルギー政策は国の存続に係るものであり、資源を持たぬ日本における原子力の可能性は極めて重要であろう。

しかしながらである。実際に被害を受けた地域では、今も避難生活を強いられている人がいる。というよりもうほとんど永久的に生まれ育った我が家に戻ることが出来なくなってしまった人々もいるのだ。その事実を肌で感じるために訪れた広野町は、福島第1原発から約20kmの地点にある。原発対応の拠点施設として利用されているJビレッジがあることで有名だ。もちろんその奥に入ることは出来ない。立ち入り禁止区域の入り口には10名ほどの警察官がおり、通行を制限している。原発関係の仕事をする為に多くの会社が集まっていて、町全体がさながら現場事務所の様相を呈している。パチンコ屋さんまでもが日立の仮設事務所として利用されている。住民の姿を見かけることは少なく、雨戸がしまっている家も多い。広野駅はいわき方面に向かう電車が一日数本、北上する電車は動いていない。近所の仮設住宅には一体どんな人が住んでいるのだろうか、人の気配はまるで無い。空間線量は0.16μシーベルト前後であった。この数字がどうなのかはわからないが、埼玉県の川口市より高いことは確かである。

今回の事故で放射能に汚染されてしまった地域は、町としての機能を完全に失ってしまった。こんなことを言ったら大変申し分けないが、以前と同じように戻すことはおそらく無理だろう。この姿を見ると、やはり原発の再稼動に解決策を求める論調に賛成することは難しい。それこそ破滅への第一歩な様な気がする。日本に世界に誇る研究力があるならば、この被害を受けた国家として先進的なエネルギー政策や新エネルギーの技術開発を推進すべきであり、それが唯一の道であるように感じるのである。

md-20120503.jpg夜ニュースを見ていると、大きな竜巻による被害の報道をしていた。そういえば昨日の夜もいわき市は雷をともなう大雨であったが、今日はさらにひどかったようだ。木造住宅の屋根がひどく壊されていた。外壁もはがされていた。風速70m、考えたこともないような強い風の前では、ひとたまりも無いだろう。なんだか、原発の近くから帰ってきた後だけに、ますます気が重くなった。

2012/05/01

埼玉県さいたま市の現場では、土地の造成工事兼基礎工事が進んでいる。写真に見えるのは、隣地との段差を解消する為のよう壁工事の様子である。このように道路より高いところにある土地に家を建てる場合には、道路との段差を作って高いままで利用する場合と、道路の高さまで切り下げて利用する場合とに分かれるが、今回は道路の高さまで切り下げて、そこに木造3階建ての住宅を作る方向に進むこととなった。ゆえに隣地に建つ住宅と比べると、約2mほど低いところに家を作ることになる。敷地全体はよう壁と一体化した基礎コンクリートで覆われている。埼玉県の住宅工事ではなかなか無い大掛かりな造成だ。

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