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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
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増井真也日記

2012年4月アーカイブ

2012/04/28

午前中は、おじいさんが生前に使っていた平屋の小住宅を譲り受けて、リフォームして暮らしたいというMさんご夫妻打ち合わせ。現場での打ち合わせということだったのだが、なんと鍵を忘れてしまったということで、庭を歩きながらのお話となった。敷地面積は約99坪。新規に購入するにはとても広すぎる敷地である。建築がのっている部分がおよそ40坪ほどであろうか。敷地の南側は芝川という川に面していて、そこには50坪ほどの庭が設えてある。柿の木や、杉の木、藤棚やらもみじなど程よく手入れされたその庭を眺めながらの暮らしはさぞかし心地よいものであろう。出来るところは自分達の手で作りたいというセルフビルドの精神は、まさにますいいのクライアント代表選手といった感じであり、ちょっと羨ましくもなるような事例である。

それにしても今日は鍵を忘れてくれて逆に良かった。というのも、やっぱり庭で長い時間を過ごしてみないとわからないこともあり、しかも今回のプロジェクトはその庭をどのように暮らしに取り入れるかの部分が最も肝心なところであるから、家に入れないという今日の打ち合わせはとても効果的なものであったのである。帰り道の道中、植木屋さんの友人に電話をしてみた。私の事務所の前にも栗の木と金柑の木を新たに植えてみようと思っている。木漏れ日の中での心地よい打ち合わせがそんな気にさせてくれた。なんだか想像するだけで楽しみである。

14時、東京都西東京市にて新築住宅を検討されているOさんご夫妻打ち合わせ。Oさんご夫妻はリビングデザインセンターOZONからのご紹介である。OZONというところは、建築家と工務店を登録しており、来場した方に合わせて適した会社を紹介するサービスを提供している。今日は2回目のプラン打ち合わせということで、概ね気に入っていただけたようであった。明日から奥様が出産の為に里帰りということであるので、今後の打ち合わせはご主人と進めていくことになるであろう。コスト的にはちょっと厳しいプロジェクトなのだが、なんとなく気が合うクライアントなので、きっとうまくいくと思う。ローコスト住宅を手がける場合、このなんとなく気が合うという部分がとても大切になってくる。だって、何もかも普通にローコストで取り入れたら建売になっちゃうのだ。何を大切にし、何を切り捨てるかの取捨選択がきちんとできるからこその魅力的な建築であり、何も選択しなければ、すべてがなんとなく普通に納まる建売以上にはならないのであり、その取捨選択をする過程で一番大切なことは、やっぱり気が合うというところなのである。

2012/04/27

今日はちょっと変わった階段のご紹介をしよう。現在埼玉県川口市にて工事中のIさんの家で作成したオープン階段である。左下の写真の手前にある階段の段板を支える桁は外壁と床に設地している部分で固定されている。もちろんへの字型をした材木を利用しているわけではなく、直線の部材をへの字型に接続しているのであり、その接続部分には12ミリのスチールプレートが内蔵されている。右の写真はそのプレートを挟み込む溝を材木に加工している様子である。このようにすることで、通常であれば必要となる柱が無くなる。つまりより軽やかな階段となるわけだ。ちなみに桁の材質は米松、段板はイースタンホワイトの集成材を利用している。コストはしめて15万円ほどというところか。木造で可能な最も軽やかな階段の事例としてご紹介しよう。

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2012/04/25

午前中、匠三代の次のお話の打ち合わせに、ライターの渡邊さんと小学館の浜本さんが来社。今回のテーマは家族が集まって暮らすことにより、家族の絆を取り戻すといった内容で、先日完成した東京都北区の住宅がモデルになる。登場人物などの類はまったく違う設定で、さすが漫画と思うくらいに無理のある条件なのだが、まあその辺は大目に見て進めていこう。連休明けには、ある程度のプランやパースを提出する予定である。実話をモデルにした漫画が発行されるということに、はじめは戸惑いもあった。でも最近は、とても良いことのような気がしてきている。読みやすい漫画という形で、人の生活空間についての考えを指し示すことが出来ること、そしてそれにおそらく多くの人が影響されることを考えると、小難しい話を並べた本を一冊書き上げるよりも大きな社会的影響があるようにも感じるのである。

2012/04/23

朝礼後、埼玉県川口市にて土地を購入したIさんの家の銀行提出用の図面及び見積書作成の指示。同じく、Mさんの家の図面作成指示など。連休前の一週間ということで、なんとなく現場も設計もあわただしく時が過ぎていく。こういう区切りは、別に世の中の何が変わるわけではないのだけれど、なんとなくすべての人がそこに向けて何かをやり遂げようとするわけで、やっぱり実は大きな意味があるような気もする。ますいいの場合はゴールデンウィーク4連休というのが恒例となっている。暦には関係ない。いつでも4連休だ。今年の場合は3・4・5・6日。一応告知しておこう。

夕方、注文していた三島由紀夫「アポロの杯」が届いたので読んでみた。別に三島の紀行文を読んでみたかったわけでもなく、この中にあるローマ皇帝ハドリアヌスが溺愛した青年アンティノウスに関する小説を三島が書こうとし、そして断念したという顛末を読んでみたかったというだけの事である。アンティノウスは、当時ローマ帝国を動き回るハドリアヌス帝と共に行動し、130年に18歳くらいの歳の時にナイルに投身自殺してしまった美青年である。後にハドリアヌスはアンティノウスの像をたくさん作らせた。三島は最後に、このように言っている。

「このうら若いアビシニヤ人はきわめて短い生涯のうちに、奴隷から神にまで昇ったのであったが、それは知力の為でも才能の為でもなく、ただ類まれなる外面の美しさのためであり、彼はこの移ろいやすいものを失うことなく、自殺とも過失ともつかなぬ不思議な動機によって、ナイルに溺れるにいたるのである。私はこの死の理由を尋ねようとするハドリアヌス皇帝の執拗な追及に対して、死せるアンティノウスをして、ただわかりませんという返事を繰り返させ、われわれの生に理由が無いのに、死にどうして理由があろうか、という単純な主題を暗示させよう。」

三島の旅行は1951年の暮れから翌年5月までのもので、アメリカ、南米、ヨーロッパと回る旅に出かけるものだ。パリでシンメトリーはいやだなどといい、アテネで廃墟について述べ、ローマの美術館でアンティノウスに惚れ込む。三島の自死の理由が、うしなわれる美、崩れる自分への抵抗なのかとも思える、そんな文章であった。

2012/04/22

今日は息子が体調を崩してしまったので、家族全員家の中で過ごす。午前中は家族総出の大掃除。途中、スポーツクラブで汗を流し、14時過ぎ帰宅。夕食も家で食べようということで、鉄板焼きやらもんじゃ焼きやら、大人用のチーズやワインなどなど材料の買出しへ。夜はDVDで「岳」を鑑賞した。

中学、高校の6年間を早稲田中高山岳部で過ごした私にとって、山に関する映画や小説を読むことは、なんとなく自分の心の中心部をえぐられるような感覚をともなうものになっている。自分が山岳部の部長だったときの夏合宿から春合宿までの思い出をたどってみると、それは決して順風万端というものでもなく、しかも部長としてのリーダーシップを誇れるようなものでもなかった。特に印象的なのは最後の春合宿での出来事。鳳凰三山の縦走を計画していたのだが、初日から天候は荒れ、次の日の地蔵岳登頂でこの合宿を終えることになってしまった。強い風が吹く中で、オベリスク付近で進退の決断を顧問の教師から迫られた。部長の判断に任せる、この言葉で聞いてしばらくの熟考の後、私は引き上げることを選択した。高校2年のことなのではっきりとは覚えていないが、恐怖心と冒険心の狭間で揺れ動くなんともいえない感覚が今でもなんとなく残っているような気がする。青春の苦い思い出、そんな感覚が山にはあるのだ。

2012/04/19

今日は東京都北区の現場で建築したNさんの家の完成写真の撮影を行った。撮影してくれたのは建築カメラマンのYさん。扶桑社の住まいの設計の撮影などを行っている方なのだが、実はますいいのクライアントでもある。建築については再三にわたって書いているので詳細は記さないが、保存棟の和室に残る記憶と新たな生活を営む新築棟の質感の違いが面白い建築である。何もかも新しくすればよいというわけではないのだということを、強く示してくれる建築である。

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2012/04/17

午前中ギャップジャパン戸田さん取材。リーフォムに関する大百科的な書籍を作成しているということで、その中の匠?の紹介ページへの取材をしていただいた。カメラマンさんが来ての撮影ということで、少々ぎこちない感じになってしまった。自分の写真を撮られるのはあまり好きではないのだが、仕事だからしょうがない。大体人様に見せられるような容姿は持ち合わせていないのである。

2012/04/15

今日は上野にある国立西洋美術館へ。現在ここでは18世紀に「廃墟のローベル」として名声を築いたフランスの風景画家ユーベル・ローベルの展覧会が開催されている。ジョバンニ・バッティスタ・ピラネージが影響を与えた建築風景画家ということ、そして何よりもピラネージ展が同時開催されているということで、今回足を運ぶこととした。

この二人の絵や版画はローマの建築や廃墟を書いた物が多いが、ローマ的なものはギリシア的なものに比べて内部空間を感じることが出来る状況で残っている。これはギリシア建築がマグサ式であるのに対し、ローマ建築は煉瓦などのアーチ上の架構なので、ヴォールトやドームがそのまま残存している為である。その最たるものといえば、ローマ中心部にあるパンテオンだが、この建築などはローマ皇帝ハドリアヌス(在位117年-138年)が治世下で建てたものである。パンテオン内部は43.8mの球がすっぽり内接する。そしてドームの頂部に8.9mの丸い穴があって、そこから光が差し込むという構成になっている。

僕はこのローマ的な建築の内部空間になんとなく惹かれている。以前コルビジェの後期の作品であるロンシャンの教会に行ったときにも、内部空間の力強さを感じることが出来たが、このコルビジェもロンシャンの教会を作るとき、その一番最初のプランは地下にトンネルを掘り、その地下道をずーっと行って丘の頂上に出る。するとそこに教会がある、というものだったらしいが、このイメージはやはりローマの遺構であるヴィッラ・アドリアーナのセラピス神殿のイメージを引用しているということである。結局このプランは反対され、最終的にはまったく違うものになったということだが、コルビジェの転機とも言われるこの作品を作ったときの心の状態は、実際に建った建築にも宿っているわけであり、だからこその力強い内部空間なのであろう。

ピラネージもローベルも絵である。実際に空間を体感することはできないが、以前ローマに行ったときの感覚を思い起しながらの、擬似体感的な鑑賞をしてみた。多くの美術品は、見ただけですぐに記憶から消えてしまうが、たまに心に焼きつくものがある。私にとってのピラネージの風景はそんなものである。ローマの建築もそうだ。理由は分らないけれどなんとなく忘れることが出来ない、この感覚は好きな女性に出会ったときに似ている気がする。きっと今日という日も一生忘れられないものになるんだろうな。

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ロンシャンの教会(内部)

2012/04/14

午前中は、埼玉県川口市にて、おじいさんが住んでいた家をリフォームして暮らしたいというMさんご夫妻打ち合わせ。川沿いにある古い平屋で、画家だったおじいさんのアトリエが併設されている小住宅である。とても丁寧に作りこまれた建築なので、古いけれども作りはしっかりしている。柱も珍しく4寸角の物を使用しているので、ゆがみも無いようだ。別の工務店では解体しての建て替えを勧められたらしいが、絶対に壊すのはもったいないという印象を持ったこの建築の解体を勧めるとは、分別の無い営業マンなのだろう。残せるものは残せばよい、それが街の歴史を作り上げてゆくと私は思う。古いもののなくなった街など、何の魅力も無いではないか。

午後、東京都狛江市にて、西東京市への新築住宅を検討されているOさんご夫妻との打ち合わせ。今回は初めてのプレゼンテーションということで二つのプランをご説明した。

夕方、埼玉県さいたま市にて新築住宅を検討されているTさん打ち合わせ。2回目のプレゼンテーションを行う。

21時ごろより、家族でいつも行くカレー屋さん「キッチンキング」にて食事。ネパール人の御夫婦が営む小さなカレー屋さんなのだが、丁寧な料理が好きでよく足をはこぶ。22時ごろ帰宅。

2012/04/11

午前中、テレビ朝日「なにこれ珍百景」取材打ち合わせ。なんでもますいいの事務所を珍百景として投稿された方がいるらしく、取材の下見にスタッフの方が訪れての打ち合わせである。どこから見ると珍百景なのか?毎日通っている当方にはよく分らないお話なのだが、確かに近づいてくるにしたがって、事務所が浮いているように見えるというご指摘を受ければ、十分珍百景なような気もする。さてさて、どうなることやら。

午後は、憲政記念館にて竹島の領土保全に関する記念式典に参加。久しぶりに参加する領土問題の集会なのだが、やはり参加者は熱い。表面上はすごく熱い。でも実際は?の疑問がわいてしまうのは、私だけではないだろう。北方領土問題を扱う集会に参加していたころ、まるでこの問題が未来永劫続いてくれることがそこに係るかたがたの生活の糧となっていること、つまりその問題を解決せずに問題として扱い続けていきたいというような思惑があるのではないかの疑問を感じた。今回、参加している議員を見ていると、別の問題で存在感を示すことの出来ない方々のパフォーマンスに見えた。確かに重要な問題である。でも、竹島を武富島と連呼する社民党の議員さんの様子などは、こっけいでもあった。今の日本にはこれといった領土紛争など存在しない。エネルギーの確保につながる可能性のある尖閣諸島の問題以外には、重要な案件は無いのだ。しかしこの問題の相手は中国である。これまたデリケートな相手だ。反して竹島はお隣韓国、当たり障りの無い相手を探しての雄たけびは、なんとなくむなしい。

夜、事務所にて雑務。5月より入社する、スタッフの打ち合わせなど。

2012/04/10

午前中、東京都北区にて進行中のNさんの家現場管理。この住宅は下の写真にあるように、もともと建っていた古い住宅の和室を保存した棟と、新築3階建ての棟の二つの棟から成り立っている。はじめての打ち合わせのときにこの住宅を訪れたとき、そこには妹さん御夫婦とお姉さん、そして高齢のお母さんがいた。お母さんがお嫁に来たときから、姉妹が育ったころに至るまでの長い長い数十年間にわたる昔話を聞いた。その話を聞いた場所が次の写真に写る和室である。そこには、その場所にそぐわない古い像が置かれていた。誰の像かと思えば、亡くなったお父さんのものであった。姉妹のうち妹さんはしばらくよそに住んでいた。そして今回、またこの土地に、大家族で住みたいというご相談であった。設計にあたり、その土地の記憶、華族の記憶を残せないかの考えが頭をよぎった。結果、和室の保存という答えに行き着いたのである。

新築等では、ますいいで恒例のセルフビルドを取り入れている。高知県で作られている土佐漆喰のタナクリームに藁すさを混ぜた仕上げに、思い思いの模様をつけた。モザイクタイルで作られたマリオ、これは妹さんのご主人の作品だ。

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2012/04/09

午前中は各プロジェクト打ち合わせ。

終了後、夕方プレゼン予定の埼玉県川口市に土地の購入を検討中のIさんの家スタディー。埼玉県川口市には、JRの京浜東北線と地下鉄南北線の二つの路線が通っている。そのちょうど真ん中、つまり両方の路線を徒歩圏内で利用することが出来るエリアへの転居を計画している。このエリアは川口市の中でも非常に地価が高く、ゆえに一つ一つの区画がどうしても狭くなりがちである。この土地も、わずか19坪の敷地であり、そこにどのような建築を建てることができるかの検討を今回することになった。

今回のように土地の購入前のご相談というのは、本来とても重要なことである。敷地によっては建蔽率や容積率が40-80%などという非常に厳しい土地もあり、はたまた木造で3階建てを作ることがとても困難な防火地域なる土地もある。これらの土地は主に都内に多く、その場合、居室の面積を確保する為にとることが出来る方法は、鉄骨造にしたり、地下室の容積率緩和を利用したりのコスト増につながることとなる。土地の価格は抑えられたとしても建築費が余計にかかってしまったのでは意味が無い。あくまでトータルコストの問題である。

今回の敷地は、川口市に多い準工業地域、これは川口市が昔鋳物工業で栄えたことに由来している。今、ほとんどの鋳物工場がマンションに変わった。昔の面影はほとんど無い。街に点在するオブジェの類で、ここが昔鋳物の街であったことを知っている人のみが懐かしむ程度になった。このような町の歴史を知っていることもまた、設計の強みであろう。

2012/04/08

7日朝、8時過ぎに事務所に集合し家族とスタッフ一同で軽井沢へ。というのも今週末は4月から入社した森脇君と柳沢君の歓迎会と、3月末で退社した田山君の送別会をかねて軽井沢社員研修を行ったのである。放っておくといつになっても目的地に来ない連中であるので、念入りな一通りの打ち合わせ行い、スタッフはレンタルした8人乗りのエスティマで出発。私と家族は、少々遅れて愛車ワーゲンゴルフに乗り込み、おのおの集合場所のテニスコートに向けて出発した。

初日の午前中は移動兼自由時間ということで、スタッフはお決まりのペイネ美術館に足を運んできたようだ。私達はいつも行くお蕎麦屋さんで昼食を済ませた後に、テニスコートに集合。13時より16時まで、3時間にわたりテニスを楽しんだ。本格的な経験者はいないものの、みんなが数回は必ず経験したことがあって、なんとなく楽しめるのがテニスのよいところ。私はスタッフの鈴木君にコテンパンにやっつけられてしまったが、鈴木君も新人スタッフにはかなわないようで、やっぱり初心者同士の戦いでは体力があるほうに分があるの、至極当然の結果に終わってしまったのだが、それなりに親睦を深めることは出来たようであった。

その日の夜は宿泊先のグランドエクシブ軽井沢にて会食。飲み放題コースということで、私を含めワインをだいぶ飲みすぎてしまった。会を終え部屋に帰ると、シャワーも浴びずにそのままソファーで撃沈。夜中に寒さで目を覚まし、ベッドにもぐりこんだ。

8日はいよいよ今回の研修のメインイベントということで、社長の知人が所有している吉村順三氏の設計した別荘でおいしい手作りのランチをいただいた。「よい建築を学びたければ、その建築で目を覚ますことだ。」のような格言はよく耳にするが、これはまったくその通りだと思う。ランチをすればリビングの居心地を楽しむこことが出来るし、一晩を過ごせば風呂やトイレから寝室の設計にこめられた設計者の意図を感じることが出来るもので、新築時に開催される建築見学の類だけではなかなかそこまでの認識が出来ないのである。それを知ってのご配慮で、リビング、テラス、それぞれの場所でのランチをセッティングしていただいたオーナーさんには心よりの感謝を表したい。

それにしても今回の研修旅行、仕事に係るスタッフ全員に良質の経験を提供できたことが何よりの成果であると感じている。建築の設計なるものは、それなりの経験をしたものでなければやはり絵空事になってしまうもので、だからこそ若いうちには稼いだ金をすべて使って様々な経験を積む様にとのアドバイスは常にしているつもりである。今回は私の家族も同席させたのだが、家族なるものの現実的イメージを体感することもまた、良き住宅の設計者になる上での最低条件であろう。他人の数千万円の予算を預かり、その方が一生過ごす空間を作り出す仕事の責任は重い。そのためにすべき経験はまだまだあるはずであり、これからもこのような質のよい機会をスタッフと共有したいと考えている。

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2012/04/05

朝新聞を読んでいると、埼玉欄に川口市の商工会議所が東京電力の値上げ分に対する不払い運動をしているとの記事が掲載されていた。原子力発電施設が停止している今の状況で、化石燃料の調達費が増額するのは無理も無く、その値上がり分を電気の使用者に付加することもまた当然の話ではあるが、だからといって突然劇的な変化が起これば、日本の製造業全体の価格向上のつながることになり、つまりは日本という国における製造業の絶滅につながる話であるから厄介である。

不払いなる運動はそのことを広く世間に知らしめる為の一つのパフォーマンスであろうが、解決策が見当たらないパフォーマンスだけに、儚さを感じるものとなってしまう。この状況はもはや東電という会社一つの問題ではない。そもそもの国のあり方、方針の問題であり、時間稼ぎのために人の首を挿げ替えたところで何の解決にもならないのは明確であるのだが、マスコミを中心とするポピュリズム旋風の中では、誰かに責任を押し付けることが一番ウケルのだから、とりあえず東電批判運動、これは良い!というわけであろう。

原発の再稼動が話題にのぼる中、この国のエネルギー政策の方向性は、ゆっくりと元に戻っているような気がする。いつの間にか忘れてしまえばよい、その時を待っているような気もする。しかしながら、自然エネルギーの地産地消的発想の活動もゆっくりと力をつけていく気配も感じる。この方針を最終的に決めるのは政治である。ということは選挙権を有する市民全体にその決定権がある。

少なくとも、原発再稼動まで必要となる燃料費の電力値上げ分は国の税金で負担して、その支払いは将来に先送り、そんな結末だけはせめて避けていただきたいものだ。それこそこの国の終わりへのスタートであろう。

2012/04/02

新年度がスタートし、今年もますいいに二人の新卒スタッフが参加することになった。ひとりはフェリカ建築専門学校なる一風変わった専門学校の卒業生で、なんと学校において新築住宅の施工監理まで行った経験があるとの事であった。しかも面白いことにその住宅は、モデルルームとして使用した後に分譲住宅として販売するというから驚きである。実務を兼ねた学校、まさにますいいが目指す形そのものだけに、今後の参考にしてみたい。そしてもう一人は埼玉県の宮代にある日本工業大学の大学院の卒業生だ。こちらは大学における建築教育を受けてきたので私としては理解しやすい経歴の持ち主。本の虫で、とても思慮深いところがあるようなので、今後の成長が期待できる。何はともあれ、新しい風が入り込むことによる事務所の活気を楽しんでいきたい。

夕方、ギャップジャパン北村氏来社。6月に発行されるリフォーム大辞典という雑誌の匠コーナーの取材打ち合わせ。リフォームを検討される方の参考書的な雑誌を作りたいということで、楽しみな仕事になりそうだ。

2012/04/01

日曜日、今年も4月に入りだいぶ暖かくなってきた。毎年春の到来は待ち遠しいものだが、昨年の大震災のせいか、今年はいつもよりいっそう桜の咲く春が待ち遠しく感じる。

10時より、川口市にて土地を購入し住宅を建築したいというMさんご夫妻来社。川崎のマンションからの引越しということだが、最近都内や神奈川北部のマンションから埼玉県に引っ越して戸建住宅を取得したいというお話をよく耳にするような気がする。3.11の大震災以降、住まいというものに求められる価値観はだいぶ変化しているように感じるが、それは住まいを設ける場所に対する考え方にも大きな影響を与えているのであろう。建築家の山本理顕氏が、震災後の住宅のあり方として、都市への集中と、住宅の各機能のシェアというようなアイデアを提案しているが、私はまったく共感できない。人口が減少し、情報伝達手段が発達している社会においては、逆に都市機能を拡散し密度を下げることの方が理想的ではないかと考えている。人間は機械ではないということだ。

打ち合わせは終始土地探しについてのテーマで行われた。実地検分2箇所、そう簡単に理想の土地は見つからないものだ。

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