日々の出来事や想うことをまとめていこうと思います
建築・現場・本・映画・旅・写真・・・
 
 

 

 

   住まいの設計

   2011
   東京都調布市
   仙川の家
 
 

   住まいの設計

   2009
   埼玉県越谷市
   越谷の家
 
 

   リフォームの基本

   2009
   東京都三鷹市
   三鷹の家
 
 

   New間取り実例集

   2008
   埼玉県蕨市
   蕨の家
 
 

   面倒見のいい工務店

   2008
   東京都杉並区
   浜田山の家
 
 

   面倒見のいい工務店

   2007
   埼玉県鳩ヶ谷市
   八幡木の家
 
 

   別冊プラスワンリビング

   2007
   埼玉県鳩ヶ谷市
   八幡木の家
 
 

   住まいの設計

   2006
   埼玉県鳩ヶ谷市
   八幡木の家
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
    4月2日    
 

東京都国分寺市で住宅の設計が進んでいます。

今は基本設計の段階ですが、本日の打ち合わせで大分、方向性が見えてきました。
基本設計は、間取りや建物の形、ボリュームなどを検討する段階で、設計の根本となる一番大切な作業です。
ここでは予算や敷地の形状、周囲の環境等を考慮する事はもちろんですが、住み手のライフスタイルや住宅に関する考え方、価値観を共有する事が大切だと思っています。
それは打ち合わせの会話に出る何気ない一言やメールのやり取り、実際に今住まわれているお宅を見せていただいたりする中でおぼろげながら見えてきます。

・広い家はいらない。手の届く範囲、管理のできる範囲の中でコンパクトに収まった家
・ネコと一緒に暮らす家(部屋を分けるのではなく)
・趣味の本やCDがすぐ手に取れる家
・団地のような住まい(プライベートとパブリックのあり方)
・使いこんだような古びた趣の家

等などを手がかりに、今回は下のような提案をさせていただきました。



写真では分かりづらいのですが、中央にある壁は本棚です。
1階床から2階天井まである本棚を中心に、少しづつ段差をつけた4つのフロアーと一間幅ある部屋のような階段をらせん状に配置しています。
6畳程度のそれぞれのフロアーと階段は、段差と本棚によってゆるやかに仕切られており、いろいろなところが居場所になります。
本棚は本やCDが収められるのと同時に、ネコの部屋(居場所)ともなればいいなと思っています。

コンパクトにまとめたボリュームは敷地の中央に寄せて置かれ、四周に庭(空地)をとり、プライベートともパブリックともいえないような豊かな空間になれば良いなと思います。


 

 
    2月29日



先日、庭の隅にふきのとうを見つけ、もうすぐ春だなと思っていたら、今日は一面、雪化粧。



    2月26日


『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』(高橋栄樹監督)を見ました。
AKB48のドキュメンタリー映画第二段のようです。


とりわけAKB48のファンというわけでもなく、第一段も見たことなければ、メンバーだってこの映画を見るまでは3人くらいしか知らない程度の知識です。
それまでのAKBのイメージといえば、高校や中学の時の体育祭や学園祭のノリだな程度の感覚で、あまり興味を持った事がなかったのですが、好きなラジオ番組で取り上げられていたので、たまには違った分野の映画を見るのもいいかなくらいの感覚でした。
しかし、その内容はアイドルのドキュメンタリー映画としてはあまりにも衝撃的です。

現代社会の中でアイドルというものを成立させるために大人たちの考えた仕掛け、TVなどでも特集されている「総選挙」に代表されるようなゲーム的なものの中での、少女たちの葛藤や苦しみをその舞台裏まで赤裸々に見せています。
その虚構のようなゲームの中での彼女たちの心の動きや行動はまさしくドキュメントで、非常に残酷ではあるけれども、見ていると心打たれるし、非常に面白い。
それはファンが応援すればするほど、それが彼女たちをいっそう傷つけ、またその様子をエンターテイメントとして楽しんでいるというような恐ろしい構造です。
無責任に言えば、それは残酷であればあるほど、面白いのではないかと思うほどです。

そして、そんな事までして成立させるアイドルって何だろうというひとつの着地点として、東日本大震災における復興チャリティーコンサートの様子、被災地での子供達や大人達の笑顔が描かれています。
それはトラックコンテナの荷台という通常のライブから考えると粗末な舞台であるにもかかわらず、まさに国民的アイドルであるAKBだからこそ子供たちに勇気を与えられるし、そこにいる大人やちょこっと写る被災地で救援活動をしている自衛隊の人たちにも希望が与えられる。
また
それは、この活動を通じて自分達の仕事は人々に勇気を与えられることが分かった、というAKB本人たちの希望でもあるというような。

しかしこの映画で見せられるこうした構造は、うまくいえないのですが、とてもあやういバランスで成り立っているような気がします。そこには現代の様々な問題にも共通して見られるような、何かひとつが崩れてしまうと全体が一気に崩壊してしまうような怖さがあるような気がします。




    2月24日
  

12tのユニック車に載せられてコンテナが町田事務所にやってきました。


現場を管理するのに必要な、道具や材料などを保管する物置として使用します。
あらかじめセットしておいたコンクリートの平板の上に、ユニックで吊り上げて、ただ置くだけです。
設置の作業時間は30分程。
たとえば木造や簡単な軽量鉄骨で物置を作ることを考えると、その施行時間は雲泥の差です。
もちろんそれは、コストにも反映してきます。

その施工性やコストに注目され、最近ではレンタルトランクルームや震災の仮設住宅、復興住宅などにコンテナを転用した事例をよく見かけます。
ますいい本社にも、コンテナを住宅に改造したコンテナハウスがあり、私が入社した頃、先輩がコンテナハウスに住んでいました。

http://www.masuii.co.jp/kensozai-kontenahausu.htm

また住宅がトラックに乗ってやってくるという観点から言うと、積水ハイムと建築家の大野勝彦さんが開発した、M1があります。一部屋を工場でユニットにし、トラックに乗っけて運び、現場で組み合わせてゆきます。
今でも、たまに建っているものを見かけることがありますが、画期的なプレファブ工法に見えます。

http://www.sekisuiheimm1.com/#

また住宅への転用という例を挙げると、私が大学時代を過ごした大阪には、戦時中に作られた高射砲台を住宅に転用して住んでいる一角がありました。屋上を庭園としたり、まるでモダニズム建築のようだったことを覚えています。



その時代時代や住み手の状況から必然的に生まれたこうした住宅は面白く、住むとはどういうことかを問いかけられているような気がします。



    2月9日


ご相談をいただいている、西東京市の住宅の敷地調査へ。
敷地周辺の状況、接道と周囲の家の建ち方、水道やガスのの引き込み等のライフラインをチェックし、
新しい家のボリュームのイメージをなんとなく思い浮かべながらあたりをぐるぐると回ってきました。

帰りに、江戸東京たてもの園へ。
調査した敷地から車で5分程度のところにある、江戸時代や近現代の貴重な建物を移築、復元した施設です。
西東京市のお施主さんはそこに移築された、建築家前川國男の自邸が欲しいくらい好きという事で、調査という口実もでき、行ってきました。
若いご夫婦なのに日本の近代建築の大御所建築家、前川國男の自邸が好きだというのは、「つう」だなと思います。



戦時体制化につくられたこともあり、既成が厳しく外観こそは和風ですが、サロンと呼ばれる吹き抜けのある大きな空間を中心として各個室がシンメトリーに配置されています。
まさしくモダンで、スカッとして気持ちよく、ところどころにある木造の無骨さもまたかっこいい。

その隣に、建築家堀口捨己の設計した、小出邸がありました。
こちらも近代を代表する建築家ですが、その様相は全く違います。
当時のオランダ風の建物に、日本のかやぶき屋根の家(小出邸は瓦ですが)を突き刺したような形をしています。
室内も仕上げや仕様もぜんぜん違う個室がパッケージされたように並んでいます。
また、家の建ち方も前川自邸が南北を正面にキチッと建っているのに対して、方位からも道路からも振れていて斜めに建っています。
一筋縄では理解できない建物ですが、キッチュな感じでかわいらしく、憎めない建物で奥深さをかんじます。



こういう対照的なものが、並んで建っているところが博物館の面白いところです。
他にもたくさん建物はあるのですが、仕事の合間に見るには膨大なので、また休みに行こうと思います。


    2月7日

   

「団地団−ベランダから 見渡す映画論− 大山顕 佐藤大 速水健朗」を読みました。



トークイベントをきっかけに集まった団地好きの三人が、映画や漫画などのサブカルに描かれる団地、というフィルターを通して、団地の魅力や歴史をおもしろおかしく語っています。
それは、団地の魅力=ノスタルジーといった単純解を回避し、違った側面からの団地の魅力や歴史を浮き彫りにし、ひいては各時代の社会や家族像が垣間見えてきます。

1950年中頃からつくられはじめた団地の歴史は、私たちの世代にはにわかに信じがたいですが、「下町の太陽1963年」で 山田洋二が描がいているように、当初は庶民(大衆)にとって憧れの存在だったようです。
鉄筋コンクリート造、ステンレスの流し台、風呂、水洗トイレ付等、都市への人口流入に伴い郊外に作られた団地は洋風化(近代化)への憧れの象徴、ショッピングモールなどを伴った理想的な都市。
しかし、70年代になると「団地妻」に描かれるような、画一的で窮屈なもの、その閉鎖性が取り上げられるようになります。
そして80年代には、大友克洋の漫画「童夢」で、パッケージ化された同じ形の箱の中に様々な人間が住んでいる、という得体の知れない怖さが描かれ、ついに「家族ゲーム 森田芳光監督」では団地に住む核家族の解体が描かれます。

これはこの本に紹介されているほんの一部ですが、団地という建築に社会が投影されていることが、まじまじとわかります。
そして、現在このような本が出版される事からも解るように、団地が見直されてきています。
団地での高齢者の孤独死などの問題がある一方で、幼少期を団地で暮らした若い子育て世代が、その住環境の良さや子育てのしやすさを理由に団地に帰ってくるという現象があると聞いた事があります。
またシェアーハウス等へのリノベーションやURなどによる様々な試みも始まっているようです。
確かに、団地をひとつの「もの」として捉えると、その広々とした空地や時間が経って成長した樹木、同じものが並んで建っているその風景さえ、魅力的なものに見えてきます。
そしてこんな時代だからこそ、人と人が集まって住むということの本質が問われているのだと思います。


    2月2日

DVDで「その街のこども 劇場版」を観ました。
2010年に放送されたNHKのテレビドラマに、未公開シーンと再編集を加え劇場公開した作品です。



阪神淡路大震災をテーマとした作品で、震災を神戸で経験し、その後東京で暮らす若い男女二人が、「追悼のつどい」が行われる前日の神戸で偶然知り合い、震災15年目の朝を迎えるまでの時間を共に過ごすというストーリです。

終電をなくしてしまった二人が、「追悼のつどい」を迎える朝まで、復興を遂げた真夜中の神戸の町を歩きながら、震災を経験した事で背負わされた重荷を、それぞれ打ち明けていく様を淡々とドキュメント風に描いています。

自分たちの過ごした町(友達の家や遊んだ公園)を背景に、それぞれが少しづつうちあける重い過去に、お互いがコメントをするわけでもなく、ただ聞きあうだけ、恋愛感情に発展するわけでもないのですが、はじめは離れていた二人の心の距離がすこしづつ縮まってゆき、心の重荷をすこしづつ下ろしてゆく、またこれから下ろすことを予感させるシーンを、時には現代の若者っぽいと言われそうなユーモラスな描写を織り交ぜながら、見事に描いてゆきます。

友達を震災でなくした佐藤江梨子演じる美香が
「何であんなええ子が先に死ななあかんの。・・・・地震はほんま訳がわからへん」
と言った言葉が印象的です。

東日本大震災の際に私も含めて多くの人の感じたであろう地震の理不尽さや、一方で日常の生活をおくっている罪悪感、地震だけでなく日常的に起こる様々な理不尽な事象やそのような感情に、明確な答えはおそらく誰も出せないと思いますが、主人公二人の何気ない描写の重なり合いを通して、決して励ましあっているわけでもなく、本質的には同じ悩みを抱えているとも言えない二人が、ただ話を聞くだけ、寄り添うだけで人は人によってこんな感じで救われるんだ・・・と心が温かくなってきます。

クライマックスシーンも見ものです。
震災を扱った映画やTVはたくさんあると思いますが、切り口も新鮮で話にぐいぐい引き込まれていってしまいます。
ネタばれしないようにコメントを書くのは難しいので、ぜひ、観てみてください。


    1月28日
 

新宿にあるリビングデザインセンター OZONEでセミナーをやらせていただきました。
昨年、OZONE-家づくりサポート-の登録工務店となった事もあり、家づくりを考えている人や興味を持っている人を対象に「良い家のつくり方」という表題で一時間話をさせていただきました。

もちろん「良い家のつくり方」という表題に、はっきり答えを出せるわけではないのですが、ますいいの家のつくり方や施工例を中心に、日ごろから考えている事を、日ごろ、お施主さんと話しているような感覚で話をしてきました。




当たり前の事ですが、全ての人にとっての「良い家のつくり方」はないと思います。
それは、人それぞれの住宅に対する考え方は違うからです。
ますいいでは、設計や施行においても、セルフビルド等なるべく参加型の家づくりを推奨しています。
住宅は家族をかたち作るもののひとつであると思いますし、住み手が住宅に対してしっかりと「考える」事や、実際に作業をして「知る」事は大切な事だと思うからです。
そして何よりも、そのほうが楽しいと思うからです。

ただし、そうしたデザインやものづくりに興味のない方にとっては、「面倒」以外の何者でもないと思います。
住宅を建てようとする建て主にとって大切な事は、建て主と価値観を共有でき、この事務所なら、この人なら、信頼して家づくりを頼める所を見極める事なのだと今回話をしてゆく中で改めて思いました。
それが一番の「良い家のつくりかた」かもしれません。


私もそういう人間になれるように努力してゆきたいです。

    1月24日
 

21時過ぎ、窓から外を眺め雪が降ってきたと思ったら、みるみるうちに積もっていきました。
子供のころはもちろん、いまだに雪が降るとなんだかわくわくしてきます。

しばらくすると、「ドン・ドン・ドドン」と建物に雪合戦の流れ弾でも当たっているかのような音がします。
はじめはそんなに気にならなかったのですが、どんどんひどくなってゆきます。
こんな夜中に、近所の子供でもいたずらしているのかなと思い、寒い中、外に出て建物を一周し、あたりを見回すのですが誰もいません。

室内に戻り、鳴り止まない音を不気味に思いながら外を見ていると、道路を挟んだ向かい側の住宅の駐車場にとまっている車が上空から攻撃をうけています。
「ドン・ドン・ドドン」と。

再び外へ出て見上げてみると、
なんと犯人は上空を走っている高圧電線です。
電線に積もった雪が、固まって落ちてきているのです。

写真の円形に土が見えている部分は足跡ではありません。
高圧電線からの爆撃跡です。
結構すごいでしょ。


 
    1月23日
   

午前中、ご相談をいただいている東京都国分寺市の住宅の打ち合わせに伺いました。
築40年になる住宅をリフォームするか、この際、新築に建て替えるかの相談をうけました。

この住宅はお施主さんが、8年前に中古物件で購入しました。
古い家ではありますが、その状態をみると、ご自分で少しづつ手を加えながら、大切にされてきた様子がわかります。
しかし、水周りの使いづらさ、断熱材が入っていないための冬の寒さ、そもそも構造は問題ないのか、そういった不安から今回ご相談をいただきました。

こうした築年数の古い住宅の建て替えか、リフォームかの判断は非常に難しいところがあります。
もちろんお施主さんの愛着のある家ですので、リフォームをして問題を解決する事が一番良いと思います。
しかし、水周りを使いやすくすることや断熱性能を向上させることは簡単ですが、構造を現行の基準に合うように補強するには、かなりの費用がかかってしまう事が予想されます。
内装をはがし、骨組みの状態にし、痛んでいる材料を取替え、筋交いや金物補強をしてゆく。
そして上部の木構造が強くなると、地震が起きたときに従来以上に建物が浮き上がろうとする引っ張りの力が基礎コンクリートにかかる為、基礎部分の補強も必要になってきます。
そんな事をしていると、新築が建ってしまうくらいの費用がかかってしまうことが予想されます。
敷地の事情で再建築不可の建物ならばまだしも、今回の敷地は新築も可能ですので、そこまでするならば建て替えようとなるわけです。

しかし別の考え方もあると思います。
例えば現行の構造基準を1とすると、リフォームをして建物全体で0.7くらいになるように構造補強をしてゆくという考え方です。
つまり、大地震がおきた際に、部分的には壊れたとしても、おそらく建物が崩壊しない、ひっくり返らないだろうと考えられるくらいの補強をする。
「おそらく・・・考えられるだろう」というのは、リフォームですし0.7という数字に問題ないと言える根拠はないのですが、現状よりは確実に構造的なバランスは良くなり、建物は強くなるということです。
今回の住宅ですと、水周り、断熱性能を向上させて、上記のような構造補強を行なっても、新築の1/3程度の予算で行なえるのではないかと思います。


新築にせよ、リフォームにせよ、住宅に手を加える事は多くの費用を必要とします。
住宅を考える事は、今後の家族の設計、家族のかたち(お施主さんの言葉の引用)を考える事だと思います。
じっくり考えていただき、最良のかたちでスタートできればいいなと思います。





    1月14日


お問い合わせをいただいている、神奈川県川崎市の住宅の敷地調査へ行ってきました。

敷地は、道路面より2M程高台にあり、道路を挟んで緑地に面している、とても雰囲気の良い場所です。
これまでも、何度かこうした緑地に面した敷地で設計をしましたが、こういった敷地は周りの風景をうまく取り込むと間違いなく良い雰囲気の住宅になります。

しかし今回の敷地の問題は、いつ作られたかも解らない約2M〜2.5Mの石積みの上に位置していることです。
昔のものなので、所有者である川崎市も図面などは持っていませんし、もちろんその強度もわかりません。
それ故、地震などでこの石積みが壊れてしまう可能性は十分に考えられます。
しかし先にも書いたように、石積み自体は川崎市のものですので、作り変えるわけにもいきません。

そこで、今回の住宅は、この石積みに建物の荷重かけないように設計しないといけません。
簡単に言うと、隣の石積みが万一、崩壊しても建物には全く影響がないように設計しないといけません。
影響が無くなるまで、石積みより離して建てることが一番簡単なのですが、そうすると敷地の中に必要なボリュームの建物が建たなくなってしまいます。

そのため、石積み崩壊時に建物が倒れないように基礎を深くするなどいくつか方法はあると思うのですが、土工事やコンクリート工事は、慎重に考えないと費用がかかるところですし、折角、このような敷地なのでその対処方法が建物をより魅力的にするような方法が考えられるといいなと思います。




 

    1月9日


先日、模型写真を紹介した、東京都稲城市の家の基本設計を進めています。
年末にクライアントと打ち合わせをし、スキップフロアーのボリュームや大まかな方向性は決まりましたが、水周りの配置やダイニングスペースとキッチンの配置などを調整しました。
水周り、物干し場所、キッチンの配置などは、実際に使う人によって作業の仕方や、重要なポイントが違う為、慎重に決めるようにしています。
クライアントの意見はもちろん、今までに設計した物件の実際に使われているクライアントから聞いた意見などを参考にしながら、今回は3案提案してみる事にしました。

午後は、川口のリフォームの実施図面を作成。
こちらは、見積もりを取りながら、細かい設計を詰めていっています。

夜は、近所のTUTAYAで借りてきたDVD「息もできない」を見ました。
町田に引っ越してから、TVのない生活をしている為か、本を読んだり、DVDを見る機会が増えました。

「母なる証明」 ポン・ジュノ
「十三人の刺客」 三池崇史
「殺人の追憶」 ポン・ジュノ
「東京原発」 山川 元
「奇跡」 是枝裕和
「息もできない」 ヤン・イクチュン

数えてみると、今年に入ってからもう6本も見ています。
印象に残っているのは「東京原発」と韓国映画の3本です。

「東京原発」は役所広司演じる東京都知事が東京に原発を誘致しようと提案する話。
そこで、原発推進派と原発反対派が現れ、原発誘致について討論します。
話されている内容は、福島原発事故後にTVや新聞で語られていた内容と全くといってよいほど同じでした。
しかし驚くべき事は、この映画は2004年に公開されている事です。
やはり、知っている人は知っていた訳で、いかに自分が原発に対する知識や関心がなかったかに改めて気づかされます。
映画としても良いのでお勧めします。

韓国映画の3本は友人に薦められてみたのですが、シナリオの構成力もすごく、それぞれの撮影の仕方も独特でおもしろく、圧倒されてしまいました。


    1月6日


あけましておめでとうございます。

ますいいは今日が仕事はじめです。
本年もよろしくお願い致します。

お正月は、島根県の実家に帰省し、地元の友達と飲みに出たり、DVDで映画を見たり、長い移動中の電車で本を読んだり、ゆっくりとした時間を過ごしました。
なかなか、普段の仕事で忙しくしていると、何日もゆっくりと過ごす時間はないので、大変貴重な時間に思えます。

折角なので、本とDVDの感想を。

「奇縁まんだら」 瀬戸内寂聴



日本経済新聞に連載されていたエッセイをまとめた本。
瀬戸内寂聴が今はもう亡くなった、ゆかりのある作家との交友を愛情を持って赤裸々に描いています。
どれも名前を聞いた事のある有名な作家ばかりだけれども、語り口調のようなユーモラスな書き方で、親しみもわき、非常に面白く、帰りの電車の中で一気に読み終えてしまいました。
人との出会いを書いているようで、実は自伝のようでもあり、あまり知らなかった寂聴さんの人となりが見えてきます。
よく言われることかもしれませんが、その人とは、実は周りにいる人や囲まれている物、本等の周辺との関係から、おぼろげながら立ち現れてくるものという事に改めて気づかされた気がしました。


「大聖堂」 ケン・フォレット




これは上、中、下とある長編なのでまだ半分くらいですが、とても面白く読んでいます。
十二世紀のイギリスの話で、国王による統治と教会による宗教的な統治とが重なっていない、非常に混乱した時期における社会の構築を「大聖堂を建てること」を通して描いています。
「大聖堂を建てること」は、ただ設計者が図面を引き、職人が作るだけではない。
資金を稼ぐ為に、町の市場を活性化したり、敵から町を守るなど、「大聖堂を建てる」という目的のためにひとつの共同体が一致団結してゆきます。
教会にとって大聖堂は神様に祈りを捧げる大切な場所であると同時に、ひとつのシンボルです。
しかし、この物語ではそれ以上に大聖堂を建築するという行為によって、個人個人が自分を律し、共同体(社会)を構築してゆくという、建築することの魅力を描いているように思います。
これは、住宅のような小さな建築も全くかわらないと思います。


 
他にもDVDや映画館で映画を見たのですが、長くなってしまいそうなので、また今度紹介します。


    12月8日


東京都稲城市の家の模型スタディーをしています。

設計をしている時は、スケッチももちろん描きながら検討を重ねますが、最終的にはいつも模型を作成し、内部の雰囲気や空間のつながりを確認します。

模型を作っていると、検討しているプランが立体になる事で、思わぬ発見や修正したほうが良い箇所が見えてきます。
時には、周辺の環境に合わせ、ボリューム模型を作成し、そこからプランを作っていくようなスタディーもします。

稲城の家の模型はこんな感じで進んでいます。





まだ途中の段階ですが、旦那さんの趣味の木工室を半地下として、半地下の上部の部屋とその他の部屋を半分階をずらしたスキップフロアーにしてみました。

上部の2階、2.5階がLDKとなりますが、大きな勾配屋根の下に段違いで、ダイニングキッチンと居間をつくっています。
段差で二つの部屋を緩やかに仕切られながらも、全体としては、のびやかな一室空間になっています。


    12月6日


先週末の雨で延期になった、赤羽西の住宅の上棟を行ないました。
クライアントの生まれ育った旧家屋の一部(和室)を残し、その隣に木造三階建てを新築します。
最終的に和室は、新築のダイニングキッチンとつなげられ、居間兼客間として使われる予定です。




隣に三階建てが建ち、並んでみると、まさに「保存棟」と言った感じです。
古いものを残すということは、使い勝手の良さや、構造的な問題、設計や施工にかかる手間等を考えると、一般的に新しいものが好まれるこの時代において勇気のいる決断だと思います。
しかしクライアントの記憶と共に、この保存棟が次の世代に引き継がれていく事は意義のあることではないかと思っています。

解体時にクライアントがふと漏らした「育った家が解体されているけれど、保存棟があるので、なんだか寂しくないんです」という言葉が耳に残っています。

私の育った家でもないのに、なぜか初めてこの家を訪れた際に感じた「懐かしさ」、「私の幼いころの記憶」、漠然とした感覚ではありますが、そうした感覚の大切さを感じます。

   11月25日


お問い合わせいただいている東京都稲城市の住宅の検討をしています。
敷地は、町田分室から30分程。
多摩川近くのわりとのんびりとした地域です。

木工が趣味の旦那さんの希望もあり、音がもれないように地下に趣味室を計画しています。
地下室は、水位や湿気の問題もあるので、断熱や防水をしっかりしたものにしなければならないため、どうしても費用がかかってしまいます。

そのため、地下室がある場合や1階に趣味室を設置し防音対策をした場合など、何案かプランを提案しようと思います。
なるべく間仕切りのない、広い空間を作り、部屋の使用に応じて家具などで緩やかに仕切れるような、旦那さんの趣味をセルフビルドで取り入られるようなプランの設計を提案したいと思っています。

   11月23日


町田分室がショウウィンドウギャラリーと一緒にオープンしました。
ショウウィンドウギャラリーは、歩道に面した建物の一部に設けた展示空間のことです。
道行く人が、気軽にアートを楽しめる空間になれば良いと考えています。

ますいいRDRギャラリー担当の増井真理子さんに地元の作家さんに声をかけてもらい、オープニング企画は、写真家の村井旬さんに展示をしていただきました。
窓ガラスから建物の室内を見た、モノクロの素敵な作品が六点並んでします。
建物の窓ガラス越しに、「窓ガラスから室内を見た作品」を見るという構造になっています。

ここ1、2週間バタバタしていましたが、多くの人の協力のもと、無事にオープンを迎えることが出来ました。
これから、少しづつ恩返しをしてゆけたらいいなと思います。




   11月17日

新宿にある、リビングデザインセンターOZONEの6階で行われている、工務店5社展「住み継がれる家」の展示会に、ますいいリビングカンパニーも出展させていただいています。

展示品は、模型や写真、簡単な会社説明ですが、11月19日(土) 15:00から展示に連動したセミナーが開かれます。
そこで、ますいいの家のつくり方の説明を、パワーポイントを使って行います。

なかなか、人前で話す機会は少ないので、うまく説明できるか不安ですが、ますいいの家作りに共感してもらえるように、一生懸命話して来ようと思います。

もし、新宿に来られる機会があったら、展示は12月6日までやっていますので、覗いてみてください。



   10月28日


東京都三鷹の家の引渡しを行いました。

この家は、鉄筋コンクリート造2階建ての家です。
はじめて基本設計のプランを提出させていただいた案の中のひとつに、中庭を囲んで「ぐるり」と一周でき、二階から屋上へと回って上がれる、がらんどうの家の設計を提出しました。
3案持っていった中のひとつですが、「一案くらい遊び心いっぱいの案があってもいいかな」と思い作った案でした。

かなり特異なデザインですし、費用面を考えても、実際に住みこなすことを考えても、採用していただくのは難しいかなと思いながら、ご提案したのですが、お施主さんに一目で気にいっていただき、この案で進むことになりました。

曲面を多用した形からいっても、広いバルコニーや屋上の防水性能を考えても、鉄筋コンクリート造が適切だろうと、当初から話していたのですが、問題は費用面でした。

木造に比べ鉄筋コンクリート造は躯体にお金がかかります。
しかし、コンクリートは、躯体が打ちあがってしまえば、床もあり屋根もあるので一応、家になります。
打合せを進めていくうちに、コンクリートのがらんどうの躯体を造り、内装はセルフビルドで行うことで、費用がオーバーすることを解決できないか、という話になりました。
お施主さんは、立て替える前の家を中古で購入され、一部解体したり、床貼りやクロス貼りなどかなりの部分をご自分でリフォームされていました。
実際にリフォームされている家で打合せを行い、その当時の話を聞いていると、この人なら、そんなコンクリート造の家の作り方も出来るのではないかと思ったのです。

そんなこんなで工事ははじまり、ようやく完成を迎えました。
さすがに、お仕事の事情もあり、内装全てセルフビルド工事とはいかなかったのですが、かなりの部分をセルフ工事で仕上げていただきました。
夏の暑い中、足場に上り、外壁に撥水材を塗装したり、コンクリートの床の上に床下地を組み、現在、床の仕上げ工事をされています。

と言うわけで、全て完成しての引渡しではないのですが、こんな家づくりがあっても良いと思います。
お施主さんは、これからも住みながら、必要に合わせて部屋は作って行けば良いし、作りつけの家具も最初は無くてよいと言っています。
とにかく、住まないと分からないから、完成していなくても、早く引越ししたいそうです。

このような家づくりを一緒にさせていただけたことに感謝する一方で、今後この家が、どのように使われていくか非常に楽しみです。






   10月20日


町田分室の事務所工事は、11月23日オープンに向け急ピッチで進めています。

大工工事もほぼ終わり、本日は屋根工事、外壁木部のセルフ塗装工事を行いました。
ますいいでは、日頃から、塗装工事や壁の石灰クリーム塗りなど、お客さんに出来るところはセルフビルドをお勧めしています。
自ら家づくりに参加することでコストを抑えることはもちろんですが、作り方が解れば、その後のちょっとしたメンテナンス等も自分で行えるようになります。
また好きな人にとっては、現場で作業することは何よりも楽しいです。

とは言え、他の業務ももちろんあるので、今日はスタッフの増田君の大学の後輩に声をかけてもらい、お手伝いをしてもらいました。

1日現場での作業は、体力的にもなかなか大変ですが、建物が確実に出来てゆく様を見ると、充実した気持ちになります。




 

 
   10月15日
   
   

赤羽の家の電気配線チェックを、お施主さんと行いました。

外壁の下地が出来、雨が入らなくなった状態で、電気屋さんが電気配線を行います。
そこから、大工さんが内装下地(石膏ボード貼り等)を作っていくのですが、内装の下地が完成してからでは、簡単にコンセントを増やしたり、スイッチの位置を変更したり出来なくなってしまいます。
なので、電気配線の終わった段階でいつも、お施主さんと最終確認を行っています。
図面での確認は、それまでに何度も行っているのですが、実際の空間になってみないとイメージできない所も多々あります。

お施主さんとひとつづつチェックし、コンセント等の位置を若干変更し、その他の打合せをして終了しました。

現場の方は、内断熱材の施工等も終わり、勾配天井から天井を貼り始めています。



   10月11日


午前中、赤羽西の家の解体現場へ。
隣地境界の杭が塀の下に埋まってないか、お施主さん、お隣さん立合いのもと、ブロック塀を解体しました。
結果、残念ながら杭は出てこなかったのですが、現状のブロックのあった位置を境界とすることでお互いに合意。

現在工事中の赤羽の家では、解体時ブロックの下から隠れていた杭が出てきたのですが、今回は見つかりませんでした。こうした場合、調査士を入れて境界確定をすることもあるのですが、費用面を考え、お互いの合意のもと、境界を設定することもしばしばあります。

解体工事のほうは、解体部分の土を整地して終了です。






それにしても切り取られた、保存棟がなんとも寂しそうでシュールな感じです。

午後からは、町田分室の外部セルフ塗装へ。
こちらも11月オープンに向けて急ピッチで工事を進めています。

   10月8日


朝晩が随分寒くなってきました。

川口は鋳物の町で職人さんなども多かったなごりか、今でも多くの銭湯があるような気がします。
私も銭湯が好きで、いろいろな銭湯に行ってみたのですが、今住んでいるマンションの近くのよしの湯は、映画などにも出てきそうな昔ながらの銭湯という感じです。

玄関に木製の下足いれがあり、そこから男湯と女湯に分かれます。
中に入ると番台があり、いつもおばあちゃんが座っています。
浴室は天井の高い空間で一面に高窓があり、奥の壁には富士山が描かれています。
使用してある造作材も立派で、ガラスのランマには鯉の絵が描かれています。

常連のおじさんたちが、プロ野球の話をしたり、オートレースの話で盛り上がっています。
ここには、スパー銭湯には無い独自の空間が残っています。

帰り際にいつも番台のおばあちゃんが、「ありがとうございました。おやすみなさい。」とかけてくれる一言で一日が終わった感じがして、また足を運んでしまいます。



   10月6日



赤羽西の家では、解体工事がはじまりました。

赤羽西の家は、築80年になる和室を保存し、その隣に3階建ての新築を計画しています。
初回の打合せでクライアントのお宅にお邪魔した時に、一目ぼれしてしまった和室です。

室内の造りの良さや、南側に設けられた庭との関係がすばらしく、材料や費用面を考慮すると、今ではここまでの仕様の家はなかなか作れません。

「壊すのもったいなくないですか?ここだけ残して建てたいですね」
ひょんに発した一言にクライアントと意気投合し、始まったプロジェクトがいよいよ着工します。




途中で二階を増築している写真左側解体部分と右の保存する和室を切り離しました。
工事の進行が楽しみです。



   10月4日
 


町田分室事務所、上棟しました。
平屋建ての細長い小さな事務所です。
なるべく単純な木造の構造を採用し、木の骨組みを見せることによって、細長い空間にリズムを与えています。



単純な造りということもあり、完成に向けて、どんどん出来上がって行きます。

    10月1日



町田分室の事務所工事は、本日土台を敷きました。
基礎工事も終了し、いよいよ上棟に向けて準備をしています。



それにしても、10月だと言うのに日差しがきついです。
天気も良いので、休憩中に近所の小川に行ってみました。
小さな川ですが、魚も泳いでいるきれいな川です。
町田分室の敷地の周りには、緑も多く自然が豊かで、何だか島根の田舎を思い出します。




来週からは、又寒くなるようですが、急に暑くなったり寒くなったりで体調管理に気をつけようと思います。


   9月30日
  

赤羽の家では、サッシの取り付けも終わり、外壁の下地工事が進んでいます。

この家では、屋根同様、外壁も木質系断熱材のイーストボードによって外断熱を行っています。



外断熱のイーストボードの上に、タイベックシルバーと呼ばれる通湿防水紙を貼ります。
タイベックシルバーは、通常の通湿防水紙とは異なり、表面のアルミニウムで輻射熱を反射し、夏涼しく、冬暖かい効果があります。
通湿防水紙の外に張られた胴ぶちの間を夏温まった空気が上昇し、屋根から抜ける仕組みになっています。





   9月28日
 

午前中、町田分室事務所の大工工事の打合せを石黒大工さんと行いました。

ますいいで仕事をしてもらっている大工さんは、皆個性的で面白い人が多いのですが、石黒さんは30半ばの若い大工さんです。
ますいいの設計はデザイン上、複雑で面倒な大工工事が多いのですが、石黒さんは納まりなどの想像力が豊かです。また、ますいいの仕事を楽しみながら、やりがいを感じてもらいながら仕事をしている感があり、設計者としても緊張感を感じながらも、話をしていて楽しい大工さんです。

午後より、三鷹の現場へ行きました。
三鷹の家では、下地工事が完了し、これから仕上げ工事へと入って行きます。
ようやく室内も形になり、リビングのハイサイドライトからきれいな光が入ってきています。



この敷地は、高度斜線が厳しく、北側の高さを抑えなければなりませんでした。
そのため、二階の北側にキッチンやトイレ、浴室等の水周りを配置した天井の低い空間と天井の高い南側のリビング・ダイニングという具合に天井高さにメリハリをつけました。
その天井の高さの違いを利用して、その隙間にハイサイドライト(高窓)を設置しました。
視線も空へと抜け、部屋にも広がりが生まれると同時に北側からやさしい光が差し込んできます。


   9月24日

世の中は三連休ですが、ますいいでは土曜日、祝日は仕事をしています。
それは、土曜日や祝日にお休みのクライアントが多く、その日が打合せになることが多いからです。

仕事を始めてからずっと祝日は仕事なので、祝日を忘れている日が多いのですが、いつからか町や事務所の雰囲気で祝日に気づくようになりました。
それは、朝出勤する際に人通りが少なく町が静かな様子や、事務所の隣の公園で子供や親子連れが遊んでいる声が聞こえてきたり、そして何よりも他の会社が休みのため、事務所に電話がかかってきません。

また、ケースバイケースですが、現場が休みになっていることもあり、携帯電話に職人さんからかかってくる電話も極端に少ないです。

そんな理由で、かえって今日みたいな日のほうが事務仕事や図面を描く作業に集中でき、いつもより仕事がはかどります。


     9月22日


スペリオールの最新号が届きました。

前にも書きましたが、スペリオールで連載されている「匠三代」の建築監修をやらせてもらっている関係で、小学館さん
から毎号いただいています。



最新号は、「匠三代」が表紙を飾り、巻頭カラーで新章の「茶室編」がスタートします。
ストーリーは古い仕舞た屋風の住宅をリフォームして、茶室を作る話です。
しかし普段の仕事では、なかなか茶室を作るという機会はないので、いろいろと本を読んで調べながらの作業となり、苦労しました。

また、「茶室編」の打合せの中で、編集者さんから出た「和とは何か」、というテーマも随分考えました。

一口に「和」とか「和風」と言っても、桂離宮のような数奇屋作りの建築から、茶道における所作のようなもの、剣道や柔道等の武道の精神、三丁目の夕日に描かれるような場面や、生活のあり方、単純に畳と障子の部屋や庭に植えられている竹等も「和」と言えてしまいそうで、とりとめもない言葉のように感じます。

難しいテーマなので、これからも実際の仕事の中でも考えていかなければいけないテーマだと思いますが、「茶室編」のストーリーの中でも考えたことが少し反映されています。

コンビ二にも並んでいると思いますので、ぜひ一読してみてください。

    9月20日


蕨の駅前に建つテナント付住宅の提案をしました。
用途は1階にテナント、2階にオーナーさんの経営する飲食店、3階、4階が住宅となります。

間口の狭い敷地のため、うなぎの寝床のように細長い建物になってしまいます。
テナントや店舗は、外観の印象でお客さんを引き込まなければならないため、このような敷地の場合、テナントや店舗の間口をいかに広く見せてあげることが出来るかが重要なポイントのひとつです。

勝負は2階の店舗や3階の住居へ上がる階段をどのように設置し、建物のファサード(正面)を広く見せることが出来るかです。

まずは、スタイロフォームで建物のボリュームをいくつか切りながら、いろいろな可能性を検討してゆきます。



そして今回は下の写真のようなイメージを提案させていただきます。





まず、建物の前面に少し引きを取り、そこに2階、3階へ上がる階段を設置します。
階段は 鉄骨を使い、軽やかな構造として存在感を消すことにより、階段越しに奥の店舗が垣間見ることで、店舗の間口が広く見えることを期待しています。

唯一の気がかりな点は、2階へ行くお客さんの使う階段と3階へ行く住宅の階段を分けることが難しい点です。
階段を分けてしまうと、その分面積をとってしまい、テナントや店舗の床面積がどんどん狭くなってしまいます。

そこで今回の提案は、2階から3階へ上がるプライベートな階段を柔らかく隠すようにルーバーを設置しました。
通りを歩く人から住宅へ上がっていく人の姿を隠し、軽やかな鉄骨階段と共に、この建物の特徴的なファサードを作りあげています。


    9月17日
 

神奈川分室・町田事務所の工事現場に看板を立ててきました。

看板と言っても、工事のお知らせ看板ではなく、神奈川分室をアピールする広告看板です。
近所の人や通りすがりの人にどんな会社のどのような建物が建つか知ってもらい、少しでも新しい仕事につながるといいなと思います。



現場は、基礎の根切(掘削)が終わり、砕石を敷いています。

11月オープンを目指し、急ピッチで工事を進めています。

 


   
   9月15日  
  

赤羽の家では、屋根の下地工事を大工さんが行っています。

この家では、通常使用するグラスウールやスタイロフォームとは違い木質系断熱材を使用しています。
木質系断熱材は、断熱、防音、調湿性能など木本来の特徴を生かした特性に加え、生産で必要とするエネルギーが他の建材に比べて極端に小さく、生産や廃棄の過程での廃棄物の発生も無い、その性能のみならず生産から廃棄まで含めたトータルで環境にやさしい材料です。

今回の屋根の仕様は、まず、ウッドファイバーという木の繊維で出来た断熱材を垂木の間にはめ込んでゆきます。
メーカーの出している施工仕様によると、垂木間に受け金物を設置して上から落とし込むのですが、それだと真ん中が垂れてしまうため、大工さんがコンパネを細く刻んで、垂木と垂木の間に断熱材受けを作って、なるべく隙間があかないように、ひと手間かけてきれいに施工してくれています。




次に垂木の上に構造用の合板を打ちつけ、さらにその上にイーストボードという木繊維を圧縮形成した断熱材を貼ります。
壁も同様の仕様になるので、ウッドファイバーによる内断熱とイーストボードによる外断熱の二重断熱構造になっています。




写真の左側の茶色い部分がイーストボードです。

また、右側に貼っているのは、イーストルーフと呼ばれる耐水シートですが、これもこだわりです。通常は、アスファルトルーフィングと呼ばれる黒いシートを貼るのですが、このイーストルーフは、表面のアルミ光沢のおかげで、日射熱を反射し輻射熱による室内の温度上昇を妨ぎます。
メーカーの出している実験データでは、下地野地板のアスファルトルーフィングとの比較で 最大7℃の違いが出るようです。

屋根下地工事は、この上に通気層を設け、コンパネを貼って終了です。

断熱性能・仕様の選択は費用の問題もあるので、クライアントの考え方や建物の建つ地域性によってそれぞれですが、環境やエネルギーの問題から目を背けられない今、われわれ設計者も真剣に考えていかなければいけないテーマのひとつだと思います。

 


  
   9月12日  


神奈川分室の町田事務所、ようやく着工しました。

震災の影響や日常業務の忙しさに追われ、なかなか思い通りに進まなかったのですが、本日ようやく着工です。

本日の現場作業は、基礎の位置や高さを実際の敷地に出してゆく遣り方という作業です。要するにこの位置が実際の建物の位置や高さになります。

通常は基礎業者がこの作業を行うのですが、日頃からクライアントにもお勧めしているように「出来ることは自分達でやろう」という意気込みで、事務所の田山君と二人で行いました。

まず建物の外周部に杭を建てます。



次にその杭の一定の高さの位置に貫と呼ばれる木の平板を水平に打って行きます。
この高さが敷地における建物の基準の高さとなるので、わりと重要です。
補強のために、筋交いのような斜材を留めて、最後に建物の正確な位置に糸を張って終了です。




建物の位置や高さを決める重要な工程ですが、作業的にはシンプルで原始的とも言える作業です。

実際に住宅を建てようとする人も、私達もそうですが、意気込みと時間さえあれば建築工事の中で、自分達で出来ることは結構あります。
壁のしっくいや塗装作業などは典型的ですが、先日、お盆休みを利用されて三鷹の家ではクライアント自ら床を組みました。

こうしたセルフビルドはもちろんコスト削減にもなりますが、現場に出て作業し、家づくりに実際に参加することで、建物が出来てゆく過程を共有することは何よりも楽しいものです。
また家の作られ方が少しでもわかると、ちょっとしたメンテナンス等は自分で行えるようにもなると思います。

もちろん、人によって出来ることや、時間の都合もありますので、その人その人に合った家作りの参加の仕方を提案してゆければと思います。



 
   9月9日
  

赤羽の家、上棟しました。







上棟は現場工程の中でも特別な出来事です。
基礎工事ももちろん大事な工程ですが、半年以上お施主さんと話し合い煮詰めてきた住宅に対する思いや希望が、紙の世界から飛び出して現実の世界に建ち上がります。

昨日まで何も無かった基礎の上に、一日で木造の躯体が建ち上がる様は幻のようで、職人さんが組み上げていく様子はいつ見ても見飽きることがありません。

現場はこれから大工工事が始まり、いよいよ工事も本番ですが、2階に設けたリビングの勾配天井がロフトへとつながる、のびのびとした気持ちの良い家になりそうで楽しみです。



   9月7日


赤羽の家では、基礎が出来上がり、本日土台敷きを行いました。
土台敷きは、文字通り、上棟の前に基礎の上に土台を敷いてゆく作業です。

通常は、基礎と土台の間に基礎パッキンと呼ばれるプラスチックのパッキンを挟んで、床下に湿気がたまらないように、換気のための隙間を設けます。
しかし、今回の赤羽の家では、気密パッキンと呼ばれる、スポンジのようなものを挟んで土台と基礎を締めつけることによって、空気の抜けない設計を行いました。


写真のトラックの荷台に載っているロール状のものが気密パッキンです。


基礎と土台を密着させています。

その理由は、床下に蓄熱式の放熱暖房を設置するためです。
床下放熱器で暖められた空気を土台と基礎の隙間から外に逃がすことを防ぎ、床に設ける通気口から暖かい空気が上昇し、家全体に広がってゆきます。
通常の家のように、床下を外部空間として扱うのではなく、室内の一部として扱って、冬場24時間全館暖房とする計画です。
熱源は、深夜電力を利用するヒートポンプ形式のため、ランニングコストも抑えることが出来ます。
エアコンのように空気を無理やり暖める計画とは違った、放射熱で家全体がほんのり暖かくなるような気持ちの良い空間に仕上がります。


   8月30日

足立の美容室兼住宅の写真撮影を行いました。
住宅部分は、まだ引越しされておらず、荷物が置かれていて撮影が難しい状態だったため、一階の美容室の撮影を行いました。









椅子や家具が置かれると、グッと雰囲気が出てきます。
   8月26日
  
夕方、突然台風のような激しい雨が降り出したと思ったら、あっという間に水位が上昇し事務所前の道路、庭一面がプールのようになってしまいました。
道路はひざ下くらいまで水が溜まり、事務所の前を通る車も、まるで水陸両用車のように走ってゆきます。



事務所はぎりぎりのところで浸水を免れたのですが、川口駅近くにあるギャラリーは30cmくらい浸水してしまったということで、展示品の避難と片付けの応援に向いました。

普段、何気なく生活していると気づかないのですが、ギャラリーに向かって歩いていると、平らなようで道路にも随分高低差があることに気づきます。
当然、水は低いほうに流れていくので、交差点で直行する道路の片側は何もなっていなくて、もう一方は膝下くらいまで浸水しています。同じところに建っているような住宅でも、一方は不安そうに玄関先で傘をさして外を見ているだけで、もう一方は、必死になって家の中に入ってくる水をかき出しています。
その差は、天国と地獄です。
被害の規模はまったく違いますが、先の震災の津波被害も似たような光景で、高低差によって線を引かれたように津波の被害にあった場所と合わなかった場所がハッキリと分かれていたことを思い出しました。

中でもギャラリーの前面道路は低いようで、ギャラリーも完全に浸水していました。




2、3年前にも同じようなゲリラ豪雨の被害があり、
上の写真右側のシャッター前に見られるような非常時に設置する止水版が設けられました。
しかし雨が降り出してからあっという間の出来事で、ギャラリーを運営する女性一人では、設置方法の複雑さと、止水板の大きさや重さゆえ、とても設置出来なかったようです。
まわりを見渡しても、設置できているテナントは半分くらいで、設置できていても水の浸入は完全には防ぎきれず、道路に溜まっている水の半分くらいはテナントの中に水が入ってきており、止水板として機能していませんでした。
なかなか、こういう非常時対策の設計は難しいと思いますが、過去の事例や今回の経験をフィードバックさせ、次に生かすことが大切だと思います。

雨がやむと、一時間くらいで水はひき、ギャラリーの水出しと掃除を終えると、さっきまでの光景が嘘のように、あたりは日常の生活に戻っていました。


   8月25日
   
足立区の美容室azzyがオープンしました。
先日の看板も無事設置され、ライトを照らすとこんな感じです。




本日オープンなので、たくさんの花やお客さんが来られていて、内観写真は撮れなかったのですが、天井に表した鉄骨梁やデッキプレートの無機質な感じと、受付カウンター等、家具材で使用した木の柔らかさがマッチして落ち着いた良い雰囲気に仕上がりました。
内観写真は後日、お休みの日に撮らせていただいて、ホームページに載せようと思います。

   8月20日


神奈川分室事務所の敷地に建っていた、小屋と塀を解体しました。
敷地には、ぐるりと塀に囲まれた10坪程度の小屋が建っていたのですが、やはり解体してみると視界が開け、周りの風景も違って見えます。
いよいよ、事務所の新築工事がはじまりますが、周りの景色に溶け込んだ、近所の人に愛されるような建物になるといいなと思います。


解体前



解体中

 

 
   8月17日
   

赤羽の現場では、基礎工事がはじまっています。
今日はアンカーチェックと言って、基礎に埋め込む土台を止めるボルトの位置の確認を行いました。この位置がずれると、ボルトがちょうど柱に当たってしまったり、大変なことになってしまいます。
続いて立ち上がりの型枠の位置のチェックをしました。
2,3箇所是正の指示をして、午後から立ち上がりのコンクリートを打設します。
今日で最後の基礎コンクリート打設なので、9月初旬にはいよいよ上棟です。



 

   8月15日

お盆休みは、所用もあり島根の実家に帰ってきました。
日ごろの忙しい毎日とは違い、ゆったりとした休日を過ごすことが出来ました。

島根から埼玉に帰る途中、たまたま時間が合ったので、神戸で途中下車して甲子園球場に、島根代表の開星高校対日大三校の試合を見に行ってきました。
残念ながら、開星高校は負けてしまいましたが、優勝候補相手に、点の取り合いの乱打戦で互角に打ち合い、とても面白い試合でした。

野球ではないのですが、私も高校三年間は部活に熱中していたので、当時が懐かしく、元気をもらいました。


   8月6日
 

注文していた、足立の美容室の看板の文字が届きました。

今回は、アイアン作家の中沢さんに製作を頼みました。
中沢さんは、鉄をあつかう作家さんで、熱した鉄をハンマーでたたいて土目をつけたり、ねじったりして下の写真のように鉄に独特な味わいを加えてくれます。



通常の建築金物業者では、このような仕事はなかなか難しく、お願いできたとしてもとても高価なものになってしまいます。
しかし、作家である中沢さんは自身の工房で、展示作品を作るように製作してくれるため、金額もおさえめで、味のある作品を作ってもらえます。

予算はあまりなかったのですが、看板は美容室の顔ですので、今回も無理を言って製作していただき、大変助かりました。

取り付けが楽しみです。


    8月3日
 

ますいいリビングカンパニー本社では、スタッフを募集しています。
本日、入社希望の方が来られたので、面接に参加しました。

何の職業でもそうかも知れませんが、私達の仕事は労働時間も長く、設計活動から現場管理としての職人さんへの指示、清掃、見積もり作業など、工務店として様々な業務を行っているため、本当に建築の好きな人しか勤まりません。

ますいいのスタッフは
お客さんには既に納得いただいているにもかかわらず、本人がしっくり来ず
更にプランを検討したり、模型をいじったり、
予算を抑え、より良い建物になるように、何度も見積もりを取り直してみたり、
現場で職人さんをなだめながら、こだわった納まりに挑戦してみたり、
休日に好きな建築や展覧会を見に行ったり、
そんな人達の集まりです。

面接に参加していると、学生時代の成績が良いとか悪いとか、CGや模型の技術がどうだとか、そんなことよりも、この人は建築がどのくらい好きなんだろう、これまでどんな建物を見てきて、どんな建物が好きで、建築に対してどんな考え方をしているのだろう。
そんなことばかり気になります。

大抵の技術やノウハウは入ってから、何とでもなると思います。

    8月2日

先日、引渡しの終わった、足立の美容室の受付カウンターとクロークの家具工事を行っています。

カウンターの正面にフローリング材のような板を貼ったり、アイアンパネルを設置したり手の込んだ内容だったので、当初は家具屋さんに特注で作ってもらう計画にしていました。
しかし、見積もりを取ってみると、なかなか良い値段になってしまったので、材料を、ますいいで手配し、現場で大工さんに作ってもらうことにしました。

大工工事ですので、家具のように機械でプレスして材と材をつなげるような複雑なことは出来ませんが、ビスの打ち方等作り方さえ工夫すると、そんなに変わらない出来栄えで、コストを削減することが出来ます。今回はコストを2/3程度に抑えることが出来ました。

大工さんも丁寧に作ってくれて、良い出来です。

塗装は床や奥のシャンプールームに合わせて、こげ茶色で塗装します。
こちらもセルフビルドでお客さん自ら塗っていただき、予算を抑えながら、オリジナルの家具が出来ます。


    7月30日

土曜日は、お施主さんが休みの方が多いため、何件か打合せが重なってしまいます。

午前中は、設計中の赤羽西の住宅の打合せに伺いました。
設計の大枠は決まり、現在、お見積もり金額の調整を行っています。
注文住宅のため、お客さんのご希望や設計者の思いをこめて設計していると、大半の場合、最初のお見積もりは予算オーバーしてしまいます。
そのため、初回のお見積もりをまとめてから、膨れあがった予算を調整する期間、本当に必要なものと、そうでないものとを見極める時間が必要になってきます。

ここで、金額を落とすために安易な減額案を採用してしまうと、出来上がってから後悔することになるので、細かな見積もり項目や設計をひとつひとつチェックし、今回の計画にとって本当に大切な部分(お金をかける価値のある部分)とそうでない部分を見つけ出し、話し合い、取捨選択をしてゆきます。
お施主さんにとっても私達にとっても、一番苦しく大変な部分ですが、納得のいく住宅を納得のいく予算で建てるための大切な打合せです。
今回の打合せで、大きな方向性は決まったので、細かな予算をもう一度見直し、着工まで、もうひとがんばりです。

午後からは、三鷹の家の打合せに伺いました。
コンクリートも無事きれいに打設出来、こんな感じに仕上がっています。






三鷹の家では、コンクリート外壁の撥水材塗装や、各階の床貼りをお施主さんのセルフビルドで行います。
本日、外壁撥水材塗装を行う予定でしたが、生憎の天候なので中止にし、かわりに外構や床の貼りかたの打合せを行いました。

    7月6日

雨で日程が流れていた、三鷹のコンクリート打設を本日行いました。
晴天で、気温も高く、コンクリートが早く乾いてしまうことが心配だったのですが、生コン車も途切れることなくスムーズに入ってきて、先日たてた予定通り無事に打ち終えることが出来ました。


上の写真は、コンクリートがスムーズに流れていくように、暑い中、必死になって職人さんが木槌で型枠をたたいています。
3日間の養生期間を取り、型枠をはずしますが、きれいなコンクリートが打てているかどうか、今から楽しみです。


    7月4日

縁があって、「匠三代」という、ビックコミックスペリオールに連載されている漫画の建築監修をやらさせていただいています。
東京の下町で親子三代(おじいちゃんが大工の棟梁、親父が社長、息子が設計士)が家づくりを手がける工務店のお話です。

今は、頂いたストーリーの三話目の建築を考えているのですが、最初に頂いた話で考えた老人ホームコンペ案が7月8日発売のスペリオールに掲載されます。
通常は、住宅設計の話なのですが、たまたまその時の話は、息子が建築コンペに応募する回で、息子案とライバルの女性建築家の2案を考えました。
発売前ですので、プランはまだ載せられないのですが、普段老人ホームを設計する機会などないので、良い勉強になりました。
漫画ですので、細かい部分で納まってないところが多数あると思いますが、よろしければ手にとって見てみてください。

    7月1日

「いねむり先生」伊集院静を読みました。


普段小説はあまり読まないのですが、少し前に「情熱大陸」で伊集院静さんを紹介していた回を見たこともあり、ふらっと立ち寄った本屋で偶然見つけ、購入しました。

妻であった夏目雅子を亡くし、失意のどん底に落ちた著者が小説家でエッセイスト、ギャンブルの神様と言われた色川武大(阿佐田哲也)と出会い、その交流を通してその傷が和らいでゆく様を描く自伝的小説です。

これと言った大きなストーリーはないのですが、出会いや旅打ちに出かけ、競輪やマージャンをする話の中の、色川武大のしぐさや言葉から、なんとも言えないやさしさと暖かさが伝わってきます。

「サブロー君(伊集院のこと)、人は病気や事故で亡くなるんじゃないそうです。人は寿命でなくなるそうです」
妻の死を突然思い出しふさぎこむ主人公にかけた色川の言葉ですが、この絶妙な距離感にこの人の深さと魅力・センスが現れているように思います。

情熱大陸の中で伊集院静が「小説で人生は変えられない」みたいな事を言っていましたが、人との出会いや交流で人生が変わることはあるのでしょう。


    6月29日

赤羽の家の旧家屋解体工事が始まりました。

赤羽の家の敷地には、隣地との境界部分に1m60cmくらいの高さのブロック塀が建っています。
しかし、先日の東日本大震災の影響で今にも倒れそうな、ぐらぐらの状態になってしまいました。
そんな状態ですので、すぐにでも解体したほうが良かったのですが、赤羽の家のお客さんを含め、三つの敷地に隣接しているため、ブロックが誰のものかわからない状態でした。

先日、その三者立会いのもと、確認をしたのですが、赤羽のような都内の込み合った土地では、昔の資料もなく、隣地境界線も曖昧で、ブロック塀の所有者が誰かなど分からなくなっている例がしばしばあります。
土地家屋調査士に入ってもらい、敷地の境界確定をしていただく方法もあるのですが、結構な費用がかかるため、とりあえず建物解体の際に、隣地境界の杭がブロック下に隠れてないか、壊す前に確認することになりました。

そして本日、解体初日に確認を行いました


すると、ブロック塀の基礎の下から境界の杭が出てきました。
ちょうどブロック塀の芯に入っていましたので、三者共有のブロック塀ということです。


少し見づらい写真ですが、こんな感じで隠れて入っていることもあります。
これで、心おきなく塀を解体、新築工事へと進んでゆけます。


     6月26日

日曜日は、朝から草野球チームの試合に行ってきました。
普段、運動不足になりがちなので、たまには運動をしようと思い、昔やっていた野球を去年15年ぶりに再開しました。
もちろん、昔のように体は動かないのですが、試合中、声を出したり、走ったり、汗をかいたりするだけで、気持ちがいいです。

昼からは赤羽の家の打合せに行きました。
設計も大分進み、今回は電気設備や外壁の仕上げ工事の打合せを行いました。

夜は、神宮外苑のビアガーデンへ。
生憎の曇り空だったのですが、外でビールを飲むのは気持ちいいですね。
住宅の設計をしていると、都内などの密集地では大きめのバルコニーや屋上、郊外ですと中庭型のウッドデッキなど、外部で楽しめる空間を作るのですが、お客さんがそうした空間を大事に思う気持ちが良く分かります。

野球に打合せにとなんだか忙しい一日だったのですが、いっそうビールがおいしく感じました。

     6月25日

三鷹の家の現場では、二階部分の配筋工事が進んでいます。

今日はその二階部分のコンクリート打設に向けて、一緒に設計・現場管理を行っている田山君と、躯体工事をお願いしている会社の番頭の小島さんの
三人で打設計画の打合せを行いました。

三鷹の家では、外壁がコンクリートの打ち放し仕上げになります。
現場で打設したコンクリートがそのまま仕上げになるわけですから、きれいなコンクリートを打たなければなりません。
そのため事前の打設計画が重要になってきます。

梅雨のこの時期は、湿気が多く曇りの日も多いので、コンクリート打設にとっては条件は良いのですが、三鷹の家では壁がRで外回りと中庭部分が一続きになっているので、打設は四角い箱型の家より難しくなります。
また、リビング部分の天井を3200mmと高くしていることや最近気温も高くなってきていますので、硬化が早くなり打ち継ぎが出てきやすくなります。

そこで今回は、ミキサー車の台数・発車時間を計算し、下のような計画での打設順序を決め、鉄筋が密に入っている部分や窓下の部分のコンクリートが流れていきにくい場所の確認を行いました。




また当日の人の配置や打設時間の管理を誰が行うかなどを決めます。

コンクリート打説は型枠の上からコンクリートを流し込む人、バイブレーターといって振動する道具を突っ込んでかき混ぜる人、型枠の下でコンクリートが流れていくように木槌でコンコンたたく人、ミキサー車の管理をする人などなど、当日は総勢15〜20人くらいの人で行います。
コンクリートの硬化は待ってくれませんので、当日はチームワークが大切です。
打設している間にコンクリートが硬化しないように俯瞰的に時間の管理と指示を出す役に田山君、型枠の内壁で木槌を叩く役を小島さん、外枠を叩く役に弊社の池上君、ミキサー車の交通整理と誘導、時間管理を弊社の増田君、以上の四人をリーダーにしてリーダー同士がコミュニケーションをとりながら、打設を行ってゆきます。


後は、当日雨が降らないようにと、うまく打設が終わるように願うだけです。

 

    6月23日

足立区舎人の美容室兼住宅が完成しました。

本日、引渡書類のやり取り、保障関係のご説明、鍵をお渡しし、無事引渡しが終わりました。

引渡しの際、いつもお施主さんに言われる
「まだ、自分の家じゃないみたいで、ここに住むという実感がないんです」
という言葉がいつも印象的に残ります。

実は、逆に私たちは設計から現場で建てている工程の中で、約一年という長い時間を通して、いつの間にか自分のもののように愛情が生まれてきて、引渡しをしてもいつまでも自分の家のような不思議な感覚を持ってしまいます。

舎人の家では、一階の美容室の設計に特に気を使いました。
お施主さんが仕事をする場所で、お客さんに来ていただくところなので、美容室としての店の雰囲気や居心地の良さは重要です。
今回は、鉄骨の梁や柱、デッキプレートなどの構造材を白く塗装し化粧とした天井の高いざっくりとした空間に、奥の壁に貼った柄尽きの壁紙や、落ち着いたシャンプールームとなるように貼った、こげ茶の麻クロスをアクセントにしました。
下がり天井の上に設けた間接照明もすごく良い雰囲気に仕上がりました。
今後、オープンに向け鏡や椅子がセットされるとますます、雰囲気のある美容室になるのではないかと思います。

追加でお願いしていただいた、受付カウンターやクローゼットもあるので、オープンまでいろいろ相談をしながら、全体の雰囲気をまとめていけたらいいなと思います。

8月オープンですので、お近くの人がいたらぜひいらしてください。


 

     6月22日

三鷹の家では、2階の型枠工事が進んでいます。
暑い中、型枠大工さんにがんばってもらい、屋上の床の型枠が出来上がりました。

三鷹の家は鉄筋コンクリート二階建ての家です。
設計当初は木造で考えていたのですが、基本設計プランを提出し、お施主さんと打合せをしていくうちに、出来上がったプランやお施主さんのご要望を踏まえると鉄筋コンクリート造が妥当だろうという話になりました。

その理由は中庭を中心として、ぐるりと回遊できるがらんどうの平面と、ぐるりと回りながら屋上へと上がってゆける平面構成にあります。
木造では構造的に柱や壁が必要となり、このような自由な平面はなかなか難しいです。また、大きな屋上(陸屋根)は防水上の不安もあります。

出来上がった屋上の型枠の床に上がってみると、周囲には高い建物もなく遠くまで見渡せ生産緑地の緑の広がった気持ちの良い眺めが広がっていました。

 

     6月12日

日曜日、ますいいリビングカンパニーのOBで、山崎壮一建築設計事務所の山崎さんが設計した「こばとこどもえん」の内覧会へ行ってきました。

山崎さんには、大学を卒業し、ますいいへ入社して実務的なことが何も分からない私に、図面の書き方から細かい納まり、またいろいろな建築の話を教えてもらいました。
そんな山崎さんの独立後、最初の大きな仕事なので楽しみにしてゆきました。

子供園は、文部科学省と厚生労働省の管轄の違う幼稚園と保育園を合わせた施設です。
そのため、年齢の違う子供や幼稚園と保育園などそれぞれの部屋を用意しなければならないようです。
今回の計画は、そのような部屋を壁で明確に分節するのではなく、部分部分に置いたアルコ-ブのような構造のコアとなるスペースとそこからかかる天井やたれ壁の組み方でやわらかく部屋どうしを分節していました。
全体としては、そうした部屋が連続して続いてゆくような、構造とプランのマッチした非常に面白い内部空間を作っていました。


外観はそうした連続してゆくボリュームをどこで切るか、という作業だったようです。
現れた切り口は、イスラムの教会のような不思議なかたちをしています。



当日は、お休みで子供たちはいなかったのですが、子供たちの走り回っている姿や笑い声の聞こえてきそうな楽しそうな建物でした。

 

 
    6月9日

ますいいリビングカンパニーに入社して、4月で7年目になりました。

忙しい毎日のなかで、日々の作業に追われ、なかなか振り返ることもなかったのですが
今回、神奈川分室のホームページを作成するために、私のかかわった物件を整理していると
あらためて、多くの住宅に関わらせていただいたこと
客観的に並べて見ると、実にさまざまな住宅を手がけさせていただいたことに気づかされます。
構造でいうと、木造、鉄骨造、RC造、RCと木造を組み合わせたもの
シンプルでモダンに仕上げたものや、木造ならではの屋根の軸組みを表現したものからレトロなヨーロッパ風なものまで。
フラット屋根でモダンなもの、きのこのような家型をしたもの、中庭を一周できる美術館のようながらんどうの家。

一見、ひとりの設計者が設計したようには見えないかも知れません。
設計者のゆるがないこだわり、意図はどこにあるのだと。

しかし、これらの作品は、その時その時
住み手の本当に大切にしているものは何なのか、
その土地に建てる住宅として、本質的なかたち、構造とはどんなものなのか、
かかるコストとパフォーマンスのバランスは適切か、
様々な事柄を真剣に考え、悩み、住み手や実際に作る職人ととことん話し合った結果です。

職人が作業をしている横で、お客さんと一緒に左官壁を塗ったり、木部の塗装をするなどのセルフビルドの手伝いをしたり、休憩のときに職人も交えて他愛もない話をしたり。
そうやって作り上げたもので、つくり方やかたちは違うけれど、どの家にも様々なエピソードや思い出とこだわりがあります。

そして出来上がった住宅は、人の顔がそれぞれ違うように、自然とそれぞれ違った表情をしています。
そんな一風変わった家作りは、設計から施工管理、アフターケアーまでトータルで考え、作業してゆける工務店というスタイルならではの強みであると思います。

先日、昨年完成した仙川の家にお邪魔したときに、小学生になるお子さんの友達が遊びに来ていました。
仙川の家では、明確な子供部屋を作らず、細長い一室空間にお施主さんと共に作った手作りの机兼ベッドを置くことで、LDKと子供室を緩やかに仕切っています。
そこで子供たちが、リビングや子供室を行ったり来たり、楽しそうに走りまわって遊んでいました。
子供にとっては細長く広い空間や吹き抜け、屋上へと続く螺旋階段は格好の遊び場なのでしょう。

私も少し一緒になって遊んでいると、そのうちの友達の一人が
「この家お兄さんが作ったの?この家大好き。」
と話かけてくれたことを印象的に覚えています。
島根の田舎の自然の中で育った私にとって、都会の子供は遊び場も少なく窮屈でかわいそうな気がいつもしていたのですが、自分のやってきたことに少し自信が持てた瞬間でした。

これから、町田という土地で分室を始めますが、お客さんのこだわりの家を一緒に楽しんでつくれるような、地域に根ざした組織・工務店を目指してゆきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



仙川の家

 手前が間仕切り収納

子供スペース