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8月
2009/8/31
朝一番朝礼で選挙に行ったかどうかを聞いてみた。どうやら13人中8名は行ったようで、当社の投票率は61%、全国平均より少し下というところだろうか。ますいいのスタッフのような若い人でも今回は投票にいったんだなあと思うと関心の高さに改めて驚かされた。どちらにしてもこれでまた普通の日々が過ごせると思うとほっと一安心だ。
午後、実施設計の打ち合わせ。
夜、少少時間があったのでカルロ・スカルパの作品「ブリオン家の墓地」を眺めていた。墓地というのはこれといった設備もなく、必要とされる機能もない、まさに建築であって彫刻である。死者と生者が交わる場所、瞑想の場所、さまざまな人々が訪れ自分の先祖のことなどを考えたりする場所である。私にとっては、中学、高校時代に入った山岳部ではじめた山に行くことが、一番物を考える時間となっている。周りの景色を眺めながら歩いている時間に、頭の中では地球規模でのさまざまな問題を考えているなんてことがよくあるのだ。日常の喧騒から離れ、人と人の経済によるつながりからも離れ、本当に純粋に思考できる場所、ブリオン家の墓もきっとそんな場所なんだろう。

2009/8/30
昨日までの衆議院総選挙の喧騒がうそのように、街中は静けさを取り戻している。夜の開票速報が始まると政権交代の報道でまた一色に染まるのだろうが、それまでひと時の静けさということだろうか。私はというと、地元のしがらみから自民党の候補者の活動をお手伝いすることになった。これまで政治にはそれほどの興味を持ったことはなかったのだが、実際に行動を起こしてみるとやはりいろいろと感じることは出てくるもので、何よりも政治なくして世の中は動かないのだということもわかってくる。どちらにしても無関心が一番よくない。
結果は比例での当選。政権は間違いなく交代するだろうことはわかっていたが、指示していた候補者が当選して良かった。なんといっても私が卒業した幼稚園の園長先生なのだから。
それにしてもここまで投票率が上がったことには驚いた。世の中が安定しているときであれば、ここまで数値が伸びることはなかったのであろう。それだけ予測不能の危機感を感じている人が多いということだ。経済至上主義でもない、かといって理想だけを追求するユートピア思想でもない、健全な政治が運営されることを期待したい。
2009/8/26
朝10時、日高市で家を建てたいというHさん打ち合わせ。25坪の住宅をなんと1000万円で建てたいということであった。一般的に考えてこの計画は無理がある。建売や県民共済などの企画住宅のようなものであればまだ何とかなるかもしれないが、注文住宅でしかもカフェができるスペースを併用した建築をこの価格で建設するとなるとやはり無理があるだろう。
いくつかの会社で断られて当社にきてくれたということであったが、ますいいでも請負でこの予算内で納めるというのはちょっと無理があると考えられる。そこで、今回は施主の分離発注を御提案した。
現在の住宅産業というのは法律でがんじがらめにされている感がある。完成された住宅を建てたい人には良い傾向であるのだが、ラフな、まるで小屋のような建築を望んでいる方にとっては厳しすぎる。例えば地盤の問題。住宅を作る際には必ず地盤調査を行い、住宅の重量を支えうる強固な地盤を形成しなければいけないという決まりになっている。当たり前といえば当たり前なのだが、木造2階建て程度の住宅で昔からこの地盤改良工事が行われてきたかといえば、実はそうではない。実際に築30年程度の古い住宅を見てみると、結構多くの住宅が傾いている。そしてその微妙に傾いている住宅で普通の暮らしが営まれているのである。
別に住宅が傾いてよいといっているわけではない。でも、もしクライアントの側にこの住宅はその程度でよいのですよ、という意志が強くあったとしたらどうだろうか。現在の法律ではクライアントの側にその意思があったとしても建設会社にはそうすることはできないのである。一律にやらなければならない、それがおかしいといっているのである。
であるならばもしこのような法律の中でラフな、ある意味適当な家作りを行おうとしたらどうすればよいのであろうか。その時はもはや、クライアント自らが建設工事を行うしかないであろう。そこで採用する方法が分離発注である。この形態では請負会社は存在しない。あくまでクライアントが自ら材料を調達し、自ら若しくは職人さんの協力を得て工事を行う。もちろん建築に対する責任もクライアントが負うことになる。誰も保証などしてくれるわけがないし、最初からそんなことを望まないという人でなければやるべきではない。
仮にこのような方法を採用することになっても設計者の責任という問題もあるし、本当に軟弱で危険な地盤の上に建物を建てることはできないわけだから、一応の調査をしてそれでよいかどうかの判断をする必要はあるだろう。つまり、分離発注をしたからといって問題がなくなるわけではないのだが、一歩可能性が広がることは確かであろう。リスクと自己責任、これを考えると普通はありえない方式である。でもどうしても自分の力で家を作りたいという方にはこれが最後の手段というところであろう。
2009/8/22
午前中、目黒区で家を建てたいというKさん打ち合わせ。偶然にも数年前に大学時代の友人の実家を建設した現場のすぐ近くということで、なんとなく懐かしい思いにふけりながらの打ち合わせとなった。建築の現場の会った土地というのは、工務店にとってなんとなく特別の場所となる。周辺の環境や近隣の住民、さまざまな関係の中で家作りを行う中で、まるでそこに住んでいたことがあるかのような気持ちがわいてくるのだ。今回の計画は狭小地での3階建て木造住宅という計画なのだが、シンプルな住宅を好むクライアントの意向が土地の性状に非常に適していてやりがいのある仕事になりそうであった。役所調査、現場調査を経てプレゼンしたいと思う。
午後、越谷の集合住宅併用住宅打ち合わせ。今回は初めてのプレゼン。予算と規模の関係を検討した上で、クライアントの希望よりも小さめの御提案とした。次回打ち合わせに向け、ヒアリングを中心とした打ち合わせとなった。

こちらは東大宮の家の屋根の様子。最近は山内君の独壇場だが、この屋根もまた中々手間のかかる大仕事である。これだけの急勾配での作業、考えるだけでも難しいものを難なくやってくれるのだから頼もしい限り。
2009/8/20
午前中、川口の家打ち合わせ。今回は第2回目のプラン提出となった。建築の御依頼をいただく旨の申し出をしていただくことができほっとする。ごくごく近所での新築住宅ということで、多少の緊張感を感じる。
14時より、西川口周辺の環境浄化対策委員会に出席。御存知の通り西川口周辺では、違法風俗店の取り姉妹を3年越しで行ってきた。今ではほとんどそのような店舗を見かけることもなく、平和な街に変貌を遂げるkと思いきや、街の変化というのはそんなに簡単なものでもない。シャッターが閉まりきった商店街や飲食店街を見ると、逆に不気味に感じるような凄みがある。で、今年の街づくりの対策は、B級グルメの誘致活動ということであった。家賃を20万円まで2年間助成したり、改修費用を150万円まで助成したりの大盤振る舞い。でも、これで画期的な効果が現れるかといえばそんなこともないだろうということは誰にでも予想できる。結局のところ長い時間をかけて街自体が健全な成長を遂げるように方向性をつけていく以外に根本的な解決方法はないのだろう。それに向けた小さな力があちこちで動き出している。いずれは大きな動きに発展することを祈りたい。

西立野の家の外壁工事がほぼ終了した。写真の黒っぽい部分はガルバリウム鋼板の横葺きである。こういう仕上げ工事は誰でもできるようで引き受けてくれる板金屋さんを探すことは難しい。今回もまた山内君に大変世話になった。このように、なんにでも面倒くさがらずに挑戦してくれる職人さんは今では大変貴重な存在である。
2009/8/19
午前中、各プロジェクト雑務。
14時ごろより、大田区にて家を建てたいというNさん打ち合わせ。この住宅の敷地は前面道路より約2m高くなっていて、その段差は古いヨウヘキによって支えられている。周辺のすでに建っている住宅を見ると、この段差の部分にコンクリート造の駐車場をつくり、その上に木造の住宅を乗せるという作り方が採用されている。限られた予算内でこのプロジェクトを完成させるには、地盤とコンクリートの駐車場の工事をいかに安価に作るかということにかかっていそうである。今回の打ち合わせでは、コンクリート部分についての概算見積もりを参考にしながらプランについてのお話をするという流れになった。第1回の打ち合わせからいきなり見積もりの話ということでNさんもだいぶ戸惑ったようだったが、このように特殊な土地ということで御容赦願いたい。
19時ごろ、調布の集合住宅併用住宅の打ち合わせ。前回のプランよりもだいぶボリュームを絞ったプランを作成しての打ち合わせとなった。集合住宅の部分をどのような形式とするかによってプラン全体が大きく変わってくるものなので、まずはその方針を決定しなければいけない。終了後、調布駅前の焼き鳥屋さんにて建築談義。11時過ぎまで。
2009/8/17
お盆休みも終わりスタッフも全員無事に会社に戻ってきた。今年の夏は大水や研修などがあり個人的にはあまりのんびりと過ごすことができなかったが、スタッフ達はそれぞれ田舎に帰りこういうときにしか会うことのできない大切な人たちにあってきたんだろう。大都市にはお金も人も集中しているので、そういうところに仕事をしにくるということはある意味し方がないのかもしれないが、できればみんな地元で生きていきたいのだろうな。
蓮田の家は完成に向けて工事が進められている。すでに内装工事や塗装工事も終わり、後は少少の雑工事を残すのみである。この土地は当初外周部の段差を支えるヨウヘキすらない広大な土地であった。そこに2m弱の造成工事を行い、駐車スペースや階段を造成して土地を作り上げた。その当時から考えるとすでに1年近い期間が経過している。いや昨年の4月ごろに土地を取得したのだから、すでに1年を軽く越しているのだ。
現代社会においてこんなにもゆっくりと物を作る仕事というのは建築以外に存在するだろうか。その建築ですら、工業化製品として2ヵ月半程度で完成してしまうようなものが主流である中で、クライアントとじっくりとした打ち合わせを行い、一つ一つの形状や性能、製品の組み合わせ方、部材の選定を、こんなにも長い時間をかけて行うことができる注文住宅という仕事は大変特異なものであろう。この家作りを通して、私達はさまざまな経験をつむことができる。まずはクライアントとの出会い、そしてその建築を作り上げる中でのそれぞれの職人さんとの出会い。ゆっくりとした時間の中で経験するこれらの出来事は大学を出たての若いスタッフにとっては大変貴重な経験であり、それまで頭でっかちで車の運転もできないひ弱な青年を一人前の男に作り変えてくれる。大体人に興味がないなどとは言っていられないのだ。何とかして限られた予算内で職人さんの機嫌をとり、クライアントの満足するものを作り上げよう、自分のやりたい意匠を実現させようという日々は、まさに人との格闘の毎日である。こういうやり取りを経てこそ良い建築ができるというものだ。だからこそ完成間近の現場はなんとなく満足感であふれている。

2009/8/9〜16
1週間のお盆休み。9日からスタッフのメンバーは実家に帰ったり旅行に行ったりの自由行動となったが、あいにく9日はここ川口市内で大雨となり、私の電話につかまったスタッフは洪水の始末の作業を手伝わされた。
事務所のある土地は、床上ぎりぎりまで水が出た。幸いにも1階の床はコンクリートであったので、被害という被害はゼロ。しいて言えば庭の土が流されてしまったくらいであったが、あと1時間も降り続いていたら事務所の内部まで水が浸入していたであろうことを考えれば不幸中の幸いであった。
ギャラリーのある土地は前面道路を含めて辺り一帯が完全に水没。ギャラリー内部も約40センチの浸水。前面道路では水没して動けなくなった車が多数レッカー車で移動されるという騒ぎであった。このギャラリーは賃貸物件だが、借りるときからすでに水が出やすい旨は十分に説明を受けていた。設計時にモルタル仕上げという床仕上げを採用したのも、水が出たときの水洗いがしやすいようにであるので今回もそれほど大変な思いはしなかった。両隣のクラフトショップと飲食店は床をフロアリング仕上げとしていたので、これからの改修作業に結構な手間を要するだろう。
このような経験をすると、やはり床の高さはある程度確保したほうがよいということになってくる。近年都市部においては狭小地に3階建てを建てることが多く、このような場合どうしても1階の床下寸法を抑える傾向が強く出てしまうものだ。2階リビングやそのほかの居室の天井寸法を確保するには、床下寸法や天井の懐を抑えるのは当然の選択である。であるならば少なくとも水が出るといわれている地域で家を建てるときだけでも、3階の天井高さを1800mmくらいで押さえて床下寸法を確保するくらいの工夫はすべきだろうと思う。
翌日、翌々日は台風の被害に備えて池上、中村に事務所待機に協力してもらった。こういうときに協力してくれるスタッフは本当に頼りになる。建築現場というのはまだ完成していない建物をますいいリビングカンパニーの元で管理しなければならないわけであるので、こういうときには盆休みも何もない。夏場の台風はその中でも最も注意を要するものだ。風、雨のダブルパンチでは仮設資材の散乱や足場の倒壊などの惨事にもつながる恐れがある。幸い進路がそれてくれたので、何事もなかった。
12日、京セラソーラーシステム説明会に参加。住宅用ソーラーシステムの仕組みについて。
13日以降は家族で北海道へ。涼しい土地でのゴルフを楽しむことができた。
2009/8/8
朝一番より大宮の家の完成写真撮影。ちょうど9坪の平面を持つこの住宅は、完成してみるとやっぱりびっくりするくらい小さい。でも中に入ってカメラを構えてみると、やっぱりなんともいえない広がりが感じられる、そんな住宅である。

写真は、和室からリビングを見たものである。吹き抜けのあるリビングには大きな窓が1階部分と2階部分についている。障子がはめ込まれたその窓からはやさしい光が降り注ぐ。コンパクトにまとめられたキッチン、急だけれど2階に登るには十分な階段、どれをとってみても必要最小限に吟味された住宅である。

こちらは外観写真。南に面する大きな建具はヒバの木で作られている。その南側には雨がかかるのを防止するために軒を張り出した。大窓の外部には敷地境界ぎりぎりまでのウッドデッキが敷きこまれている。周辺の現場がいまだ工事中ということなので落ち着いたらもう一度撮影させていただくことにしよう。
午後、打ち合わせが入る予定だったのだが急遽なくなったので明日からのお盆休みに向けての整理など。
2009/8/4
朝10時より川口の家の打ち合わせ。今回は初めてのプレゼンテーションということで二つのプランを説明させていただいた。
今住んでいる古い住宅は、小さな平屋建てからスタートして徐々に増築していったそうだ。後ろに伸ばして、一部2階建てにして、それからまた残りを2階建てにして現在の形状になったということである。こういう話を聞くと昔の建築は自由でよかったなあと、つくづく思う。
もし今このような増築工事を行おうとすると、既存部分の構造が増築後も現行の建築基準法に照らし合わせて合法的であることを証明せよ、という具合に非常に厳しい制約を受けることになる。やってできないことはないけれど、20年前に作られた住宅の基礎の構造強度を証明するなどの類はそれほど簡単にできることではないし、そもそも数値的に不足しているという結果が出る確率が非常に高いのである。そしてその数値を現行法の基準値まで高める工事を行うのには相当な予算を必要としてしまうのだ。
このように厳しい基準が定められていくのにはそれなりの理由があるわけで、もちろんその理由が納得できないわけではない。地震国日本において作られる建築は、頑強でなければならないし、30年で壊さなければいけないような建築よりも、長期的に利用できる建築を作ったほうが環境にも優しいことくらい子供でもわかることだ。
しかし、小さな家から始まってだんだんと大きな住宅に変身していく、そんな自由な暮らし方にちょっとあこがれる、そんな思いはぬぐいきれない。こういう自由な変化をできるような住宅の作り方ができたら面白いだろうな。
2009/8/3
朝一番、全体ミーティング。
引き続き越谷のアパート併用住宅プランミーティング。このようなアパート併用住宅を作る場合にひとつの基準になるのが住宅ローンの範囲内でどのくらいの予算が組めるかということだ。年収などの条件によってクライアントが組むことにできる住宅ローンの金額は決まるわけだが、それに自己資金を加算した金額が住宅ローンを利用する場合の事業予算ということになる。それに対し、賃貸部分の面積が全体の半分を超したり、若しくは住宅ローンの予算を超えるような事業規模になる場合は事業用のローンを利用することになる。事業用のローンということになると金利などの条件もその物件ごとに変わるわけだが、場合によっては1%くらいあがることもあり、その場合は返済額が大幅に加算されてしまう。
ますいいのクライアントがこのような事業を行う場合は、ほとんどが住宅に付属した賃貸住宅ということになる。そして住宅ローンの範囲内での事業を計画している場合が多い。コストから割り出した床面積をどのように配分し、魅力的な住宅とそれに付属する集合住宅を作るか、あくまでも魅力的に作ることが前提となり、そうでなければ結局空き部屋ができてしまいクライアントにとってもやる意味がない、この最善の答えを探す作業が続くわけである。
午後は、明日打ち合わせ予定の川口氏の住宅についての最終ミーティング。模型、プランともにとりあえず第1案が完成している。今回が初めてのプレゼント言うことなので、まずはこれをたたき台にクライアントのさまざまな希望を聞くことになるだろう。
先日、埼玉の杉についての記事を呼んだ。私も屋久島の家を作ったときには普段はあまり使わない杉の材料を多く利用した。
例えば関東地方で作られる家の天井下地、通常の流通している材料は赤松の角材であって、杉はほとんど利用されない。杉は赤松に比べると柔らかく釘持ちが悪い、また反りなどの変化が出やすいというのがその理由だ。フロアリングなどはそのやわらかい風合いが好まれ、最近良く利用されるようになっているがこのような下地材などには今だに警戒されて利用されていないというのが現状である。
下地材にそのような変化が出てしまうとひび割れなどにつながる。それを防ぐためにわざわざ赤松を利用するのだが、実はこの材料はロシアなどから輸入している。ロシアから輸入している材料が日本国内にたくさん生えている杉よりも流通しているというちょっとおかしな現象になっているわけだ。
これに対し屋久島では屋久島や鹿児島で取れる杉が多く流通し、価格も安い。それに仕上げも杉などの割れない素材にすることで、下地に遠慮なく杉を使うことが当たり前になってもいる。このように地域で取れる産物を上手に利用する設計、これもまた環境に配慮した住宅なのだと思う。

2009/8/1
今年の8月はなんだか暑くなったり涼しくなったりの繰り返しで、変な天気だ。今日はといえば比較的過ごしやすく、とてもとても温暖化が進んだ真夏日とは思えない気温である。
今日は東大宮の家の上棟式。12時過ぎから現場の1階にてベニヤのテーブルと角材のいすを利用して食事会を行った。参会者はクライアント御家族、大工さん4人にますいいリビングカンパニーより3人。会の最初には施主の奥様による祝詞の奏上もあり、厳粛な雰囲気の中で行うことができた。
以前、上棟式で木遣りというのを聞いたことがある。歌ってくれたのは基礎屋さんだったのだが、とび職の間ではこのような伝統を守る活動をしているということで披露してくれた。木遣りが鳶さんの間で流行った行事なのに対し、祝詞は神事として神主さんが行う行事であるが、物事の安全や完成を祈り、その場を祝うという意味ではそれほどの代わりはないのだと思う。どちらも独特のリズムを持つ言葉であり、そのリズムに乗った言葉を聴いていると聞いている方までなんだか神聖な気分になるのは不思議だ。特に子の木鑓というのは作業しながらみなで声を合わせて歌ったということだが、今の時代にこのようなものは存在するだろうか。少なくとも私の人生の中では、職場で社員一同で声を合わせて歌を歌ったという経験はない。危険と隣りあわせだったり、力のタイミングを大勢で合わせる必要がある作業を行うときに、このような歌は効力を出すのであろう。

15時帰社。17時より草加周辺の地域で住宅を建てたいというSさんご夫妻来社。まだ土地を探し始めたばかりということでまさにこれから家作りのスタートというところであった。おそらく2年間くらいのお付き合いが始まることとなるわけだが、まずは良い土地が見つかることを祈りたい。土地との出会いは本当にタイミングで、まさに結婚相手と出会うようなの。不動産屋さんはその結婚相手を紹介する相談所みたいなものである。クライアントがどのような家を作りたいかがわかっていて、それに見合った土地を紹介してくれる不動産屋さんばかりなら良いのだが悲しいことにそうでない場合も多々ある。特に狭小地の場合は注意が必要で、建蔽率や容積率、その他の制限によって建物がほとんど建たない土地なんていうのもある。事前の相談してくれればそのような土地を買うことはまずないのだが、土地を購入した後に相談にこられる場合はどうすることもできないのだ。その意味では、こんかいのSさんは本当にスタート地点での御来社である。これからの進展を期待したい。
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