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3月
2009/3/30
午前中は朝礼ほか事務所にて雑務。
午後、埼玉県蓮田の家の現場進行状況打ち合わせ。蓮田の家では現在基礎工事が進行している。下の写真は鉄筋工事の様子。金色の金物は住宅の土台を固定するためのアンカーと呼ばれるもので、奥の職人さんはそれを固定している。アンカーというのは非常に重要なもので、ホールダウン金物とかいくつかの種類がある。強い力に耐えられるものとそうでないものを必要に応じて使い分けるわけだが、その引き抜きの力というのは筋交いが入る位置によって決まる。筋交いが入る位置にある柱は、地震のときにその揺れを止めるために大きな力がかかることになり、結果的には建物が基礎から浮き上がろうとすることになる。実際に新潟の地震の時には、このアンカーがきちんと施工されていなかった建物がころっと転がり落ちるように基礎から外れてしまっているものなどがあった。
施工管理というものはこういう地道な確認の積み重ねが重要。いくら図面を丁寧に書いたところで、現場がそのとおりになっていないのでは仕方が無い。一本一本確認する作業がやっぱり必要である。

2009/3/27
昼間は事務所にて雑務。
18時30分、東京都足立区に新築を建てたいというUさん打ち合わせ。足立区というと川口市のすぐに隣に位置する。以前西新井のお大師様がある西新井駅のすぐ近くでも住宅を作ったことがあるので2回目の仕事となりそうだ。周りを住宅やマンションに囲まれた土地を購入したとのことで、光や風をうまく取り入れることのできる住宅を設計してほしいということであった。これまでもいくつかのハウスメーカーなどに足を運んだということであったが、なかなか気に入る提案が無かったとのこと。建築で工夫して土地の持つ問題をクリアしながら光や風を取り入れるというような建築の場合、よりいっそう設計事務所のほうが向いているのかもしれない。
夜、無事手術を終えて娘が退院してくるとの知らせを受ける。6歳の子供にとって、全身麻酔の手術はたとえ簡単なものでも大変な経験だっただろうな。何せ大人の私でも手術後の夜の記憶は、周りの人に聞くと普通にしゃべっていたらしいのだけれど、本人にはまったく無いのだから。
2009/3/26
埼玉県の川口市は安行という植木の産地があることで有名である。その安行の原というところにガーデニングのためのセカンドハウスを作った。クライアントは公団の外構工事を管理する仕事をしている方で、ガーデニングは普段の仕事の延長でもある。通常暮らす家はほかにあるわけだが、このセカンドハウスでは休日にガーデニングを楽しんだり、バーベキューをしたりの利用をする予定で、さながら川口安行原の別荘というわけだ。
川口市内に別荘、なんとも新しい発想だ。都心で暮らす場合、なかなか庭を十分につくることができる敷地を購入することは難しい。しかし、土地というのは不思議なもので同じ川口市内でも何らかの条件が重なって格安で購入できる場合がある。今回の計画地も通常の相場では考えられないような価格で購入しているもので、クライアントにとっては自宅の敷地内に作ることが難しい庭を、ちょっと離れたところに持つことが出来たというわけなのである。
この発想はマンションで暮らす方が近所にレンタル畑を持つのに近似している。別荘というと普通は軽井沢や那須高原を思い浮かべてしまうが、ガソリンをばら撒いてそんなに遠くまで行かなくとも良い状況を作り上げるには、今回の手法は良策である。
実はこの建築、確認申請には非常に苦労を要した。風呂も無いキッチンも無い、それでは住宅とは認められないというわけである。セカンドハウスと倉庫の違い、こんなものは定義されていないので、必然的に役所とは行ったり来たりの問答になる。結果、玄関らしき床のくぼみと間仕切壁らしきついたてをつくることで住宅と認められたわけであるが、住宅専用地域にセカンドハウスを作ることなど法律も想定していないということだろう。
建築はいたってシンプルな木造平屋建てである。内装工事は全てセルフビルドで行う予定だ。写真の床タイルも全て施主のセルフビルドだ。外壁には杉板を利用した。ゆったりとした休日を於過ごすのにふさわしい自然素材を利用した建築としている。

今日は、朝から今岡と一緒に埼玉県さいたま市の見沼に家を建てたいという方の敷地見学にうかがった。前面の道路には用水路があり、その反対側には分譲用の土地が開発されている。見晴らしの良い角地の、なかなか良い土地であった。不動産屋さんの営業の方が少少遅れて現場に到着。一通りの流れを確認して現場を後にした。
夜、経営についてのセミナーに参加。これは私が参加している青年会議所という会で主催しているもの。今回は簡単な制度についての説明的な内容であったのだが、こういうことは知っているということがまずは必要なこと。参加した方々のために多少はなったと思う。
会社というのは、社会の中でさまざまな立場で役割を果たしているものだと思う。たとえば建築の世界で言えば、大量生産体制を整え安定した品質の住宅を供給するシステムを作り上げているハウスメーカー、土地の分譲開発から建物まで完成させてしまい商品としての一戸建て住宅を供給する建売屋さん、大規模のビルディングを作り上げるゼネコン、駅前の混沌とした状態を再開発という手法で整然とした町並みに整えるディベロッパー系の設計事務所、そして当社のように棟数は非常に少ないけれど、クライアントのこだわりを実現するために一軒一軒丁寧に設計し、施行管理まで行う設計事務所。このように一口に建築業といってもさまざまな業態がある中で、それぞれの役割をきちんと果たすことがまずは会社の第1歩なのだと思う。また、会社の魅力とはやはりその組織力であろう。個人事務所がたくさんあるこの世界において、組織であるということでできることがたくさんある。大きすぎず、縛られすぎず、お互いに助け合うことのメリットが感じられる組織作り、そういうものを今後も目指していきたいと思う。そして、ますいいに参加しているすべてのスタッフが建築家として好きな仕事を続けていくことのできる、そういう環境を作り上げていこう。これからの世界は、少なくとも日本は大量生産大量消費の時代は終わりを告げた。物を作り上げるのは人間の特権であり、動物にその能力は無い。その人間が、人間のために、真剣にものづくりに没頭することのできる集団というのは、ありそうでなかなか無いのが現実である。
2009/3/23
私の手術が終わったと思ったら、娘の入院、まあこれは予定されていた簡単な手術のためということなのでどうということは無いのだが、昨日の日曜日はスタッフの渡辺の緊急入院、手術となり、なんだかよく判らない状態になっている。こういうことが続くのは余り歓迎できない。健康な状態の時にはあまり健康のことなど考えることは無い。でもこうも続くと考えざるを得ない。
建築という仕事は建物を建てるだけであれば、どうということの無い仕事だと思う。気力も体力もそれほど必要ではない。知力も要らない。あえて言えば仕事を頼まれるために必要な交渉力ということくらいであろう。しかし、本当に建築をデザインして作り上げるとなると、ことは変わってくる。何も無いところに普段から暖めている建築に対する思いのたけをぶつける作業は、なかなかしんどい作業だ。絵を描くのとは違い法律、クライアントの個人的欲求、敷地などの諸条件、そういうものをすべて頭に入れた上で最適な答えを導く作業というのは、お金には換算できないがかなりの耐力と知力、忍耐力を要する。そして、この作業が最も面白い、つまり建築をやる醍醐味であることも明白であり、要するに自ら進んでそういう大変な世界に身をおいているということなのである。とはいえ、体を壊しては何にもならない。スタッフの状況の管理ももう少し気を使っていかないといけないと思う。
2009/3/21
午前中オープンデスクの希望者が来社するのかと思い待っていたのだが、予定時間を過ぎても誰も現れず。好意で受け入れを表明するもこのようなこともあるのだなの感。まあ、それだけの人間だったということだろう。
午後、五反田で新築を建てる計画のSさん打ち合わせ。土地の購入を済ませいよいよこれから新築計画に入ろうという段階での御相談ということで、コンクリート造、木造の両方の可能性を探りながら進めていきましょうとのお話になった。
住宅の設計時には木造かコンクリート造、どちらにしたほうが良いかということを聞かれることがたびたびある。木造のほうが弱いのではないか、RCの住み心地はどうか、そういう質問が大半だ。
私の考えでは、特に木造がだめとか、コンクリート造がだめとか言うことはないと思っている。耐震性についてもしっかりと構造計算をすることで十分な強度のある木造建築を建てることが可能だし、結露が心配されることの多いコンクリート造でも断熱や換気などの措置を取ることで十分快適な空間をつくることはできると思うからである。
「ではどちらがよいか?」、どちらかに強い思い入れがある場合などは別であるが、一般的には諸条件の要求の結果として選択するというのが一番よい方法だと考える。たとえば、川口市本町の家では1階部分にガレージを作りたいというクライアントの要望があった。敷地は細長い狭小地。この場合道路側には車が入るための大きな開口が必要であり、それをつくると耐力壁を作ることができなくなる。狭小地ということで3階建てが計画されていたので、木造ではなかなか厳しいということになった。そこで、1階部分だけにコンクリート造を採用することとなったわけである。1階部分だけなので、建物の重さもそれほど重くなることは無く地盤の改良の費用は最小限に抑えられた。
様々な条件をクリアーしながらクライアントの要望を形にすることが建築の仕事である。その手段として構造の選択をしていく、これがもっとも合理的な手法なのではないだろうか。

(川口市本町の家)
2009/3/20
朝一番で狛江のリフォーム現場の下見。再建築不可の古い住宅を購入し、リフォームをして住みたいとの計画を持っているKさん。数日前の日記にも書いたがもともと左官屋さんを経験していたこともあるのでセルフビルドには非常に興味があるとのことである。さてさて、どんな建物が建っているのかと楽しみに行ってみると、そこには築数十年の古い古い住宅が建っていた。おそらく地盤が傾いているのであろう。建物がだいぶ傾斜しているようで、平衡感覚がちょっとおかしくなったような感じがする。この建物にただ表面的なリフォームをしただけで住み続けるというのは、なんとなく怖いそんな印象を抱かせるような古さであった。
かといって大金をかけて新築同様にする予算も無ければ、それもちょっともったいないような気がする。さてさて、どうしたものか。
2階を完全に撤去して建物の倒壊を防ぎ、1階だけで快適に暮らせる空間を作り出そうか、などいろいろなことを考えながらとりあえず退散。とにかく前面道路に車も入れない工事関係者泣かせの難しい現場であることは確か。なるべくお金をかけずに安心してすむことができるような方法を考えることが非常に難しい現場となりそうであったが何とかしなければいけないな。

2009/3/18
今日は朝から越谷の家の現場確認。ついに完成間近、中庭を囲む各部屋から中庭のほうを眺めるとなんともいえない距離感でお互いの部屋が関係していることに気がつく。寝室からリビング、そして子供室と直接的ではないにせよ、程よい距離で中庭を介して連続しているのである。外部である中庭が、まるで建築の内部にある吹き抜けのような役割をしている、そんな印象を受けた。
実はこの住宅、設計の監修を施主のお父さんにやってもらっている。お父さんが描くスケッチを検討し議論し図面化する、そういうスタンスで仕事を進めてきた。もちろんお父さんはプロである。今回はお父さんの設計から多くのことを学ばせていただいたような気がする。そして、こういう経験ができることもますいいが工務店であるというところの面白いところだと思う。ほかの人が考えたエッセンスがこめられた建物を作り上げることなど、ふつうの設計事務所ではまずできない経験だからな。
下が中庭の様子である。完成写真が楽しみな住宅である。

2009/3/14
14時、調布にあるロイヤルホストにて調布の家の打ち合わせ。毎回車で打ち合わせに向かうのだが、川崎に近いこの地域は川口市の雰囲気にとっても良く似ている。調布の持つ雰囲気は三鷹のアーティスティックな感じをちょっと緩和したようなものだろう。これまで余りこちらの方面には来たことが無かったのだがせっかくの機会なので、役所調査などのときにでも街を散策してみようと思う。
調布の家については、木造建築をセルフビルドを取り入れながら作り上げる手段としてセルフビルドならではの工法を開発してみようということになった。これまでのセルフビルドの可能性を拡大させるようなものになればよいと思う。たとえば骨組みと屋根がかかった状態で、外壁、断熱材、内壁の一体型パネルをセルフビルドで作る。そのパネルは構造体に対して内側から足場に出ることなく固定することができる。最後に板金屋さんに外部足場から構造体のカバーを取り付けてもらう。というような工法である。
セルフビルドを行う場合にはやはり素人が行う作業であるので単純作業にすること、安全な作業にすること、一人で無理なく持ち運びができる作業であること、こういうことがきちんと考えられていなければいけない。まあこれは職人さんが行う場合でもいえることだとは思うが、いつもより以上に気をつけなければいけないということである。こういう考え方で作られる形をうまくデザインしていくことができればこの工法自体が新たな可能性を秘めている、そんな感覚を持っている。
夕方、川口市の伊刈で家を建てたいというWさん打ち合わせ。Wさん、今回の打ち合わせでもコンクリート住宅に対する強い希望を述べられていた。しかしこの土地はどう見ても軟弱地盤、普通にコンクリート造でやったら杭工事の金額がだいぶかかってしまうだろう。建物重量を重くしないで、Wさんのコンクリート住宅の御要望にお答えする、そんな作戦を探っていかなければいけないだろう。
2009/3/11
午前中、退院。
赤塚の家の大工さんの工事が完了した。三角の家、4コハウスと板橋区には何かとご縁があるようで、この赤塚の家は3件目の住宅である。写真は壁から持ち出された階段の様子。段板と段板の間に縦にはさまれているのは鉄板である。この鉄板が壁から持ち出されていて、段板を固定している。結果、軽やかな、しかも足の触れる部分は木製の跳ねだし階段が出来上がった。なかなかない技術である。とくとごらんいただきたい。

夕方、以前建てた住宅のメンテナンスの報告。大きな引き違いのはきし窓の真ん中部分が下がった結果、サッシの角の部分に隙間が生じてしまっていた。原因としては木材の収縮などが考えられる。今後はこのようなことの無いように対策を考えていかなければならない。

夜、西川口にて会合。さすがに退院した当日ということで体調が悪い。それにしても夜の西川口駅はさびしい。さまざまな町おこし運動が行われているもののどれもぱっとしない。新たな道路ができてその周辺にロードサイド型の大型店舗ができるような、もしくは大きな工場などが撤退し大規模商業施設ができるような単純な計画論では物事を進められない難しさをはらんでいる。逆に言えば、新しいものを作り上げるのであればもっと簡単なのだ。ディズニーランドのような夢の町並みを作り上げてしまえばよい。ロードサイドであれば、車を利用するスピードにあわせた区画割と、車のスピードにあわせた配置計画が出来上がり人々の満足する店舗の数をそろえれば必ずうまくいくものだ。たとえて言えば、レストラン、回転寿司、紳士服、イオンモール、自動車屋さん、そんなところであろうか。
それではこのような駅周辺の寂れた商店街に生きる道は無いかといえばそうでもない気がする。日本はこれまでアメリカを目指し、急速な発展を遂げてきた。これは今でもそうは変わらないだろう。しかし近年、スローライフという言葉に代表されるような、脱工業化、脱大量消費的生き方をする人々の数がこの川口という街でも目立ち始めてきているように思える。このような人、まず車を持たない。ということは、車人にとって不便極まりない商店街も、こういう人々にとって見れば逆に邪魔な車がいなくてうれしい場所になる。カーシェアリングの仕事を始めた知人がいるが、近い将来車を持たない人の数は確実に増えるだろう。脱車社会、この発想での商店の再構築を考えるとなんとなく未来がありそうな気がする。
2009/3/10
以前より調子の悪かった鼻の手術。鼻竹というポリープのようなものを取るだけの簡単な手術だったが、さすがに全身麻酔をかけると回復には時間がかかるようで、意識が完全に戻らない。ひざの靭帯再建手術とその後のボルト摘出手術にひき続き3回目になるわけだが、何回やっても余り気分の良いものではない。これっきりにしたいものだ。
2009/3/7
午前中、西川口駅で開催している西川口バザール見学。商店街の一区画を利用して町おこしのためのイベントを行っているのだが、いまいち人の集まりにかけるようだ。西川口駅というのはかつて風俗街として有名だった。それがいっせいに摘発され、今ではシャッターが閉まるテナントばかりのゴーストタウン化している。人通りも少なく、飲食店にも入るお客さんがいないという状況だ。街では、このイメージを何とか変えようといろいろな努力をしていて、そのひとつが今回のイベントというわけである。それにしても、イベントを企画した若手の力だけではいかんともしがたい状況だ。
越谷の家では、外構工事が進んでいる。下の写真は玄関前のようへきとポーチが出来上がった様子。この家はこの字型をしていて、敷地中央に中庭を配置している。その周りには和室やリビングがあり、2階の寝室や子供部屋もすべて中庭を取り囲むように配置されている。中庭のある家、これは昔から作ってみたかったタイプの住宅である。しかし、土地の条件、予算その他様々な事情で今回始めて実現した。完成するのが実に楽しみだ。

夕方、狛江にて全面リフォームを御希望のKさん打ち合わせ。Kさん何と御実家は左官屋さんとのこと。何でも若いころに2年間ほど左官職人をしていたそうである。ということは・・・これは完璧なセルフビルダーだ。予算こそ少ないが、Kさんのマンパワーを使えばいろいろなことに挑戦できるだろう。話を聴いているとすでにセルフビルダー振りを発揮しているようだ。ベランダのデッキは細かく切ってゴミ袋にいれ、ごみの日に出してしまったとのこと。おいおい、という感じだが、この根性には感心する。大きな棕櫚の木は、なたで切ったそうだ。いかにもますいい向きのお客様。一緒に楽しみながら家を作りましょう。
2009/3/4
所沢のリフォームの現場では、構造補強を行いながらのリフォーム工事が進行している。筋交いがついているのに金物がない部分に金物を取り付けたりの作業は、既存物との取り合いをかいくぐりながらの工事になる。大工さんの作業は予定したよりもだいぶ時間がかかるようでなかなかにして進まない。上の写真は新しい金物を既存の筋交いに取り付けている様子。昔は釘で止めていただけなので、これでだいぶ強い壁とすることができる。

この下の写真は吹き抜けを作るために梁を補強して、不要となる梁を撤去する前段階のものである。一番奥に見える2段梁の下の部材が今回補強に使用した材料。この梁に2階の屋根を支える荷重をかけるために、補強することとなった。この後手前側に見える梁の大部分を取り除き吹き抜けとする。この部屋はリビングとして利用される予定である。この拭き抜けには階段が取り付けられ、2階のホールに続く。
かなり程度の良い住宅だったこの家でさえ、現在の基準では当然に取り付けられる金物の類はそれほど取り付けられていないわけであるので、昔の築20年以上建つ住宅のほとんどは金物を利用しない仕口と呼ばれる接合方法で固定されているだけであろう。これで倒れないというのはあくまで日常の状態の話だ。大きな地震時には金物の強度が大きな助けになることはすでに証明されている。耐震補強というのは現在の基準とまったく同じものを作ろうとすると何にもできなくなる。少しでも、少しでもの積み重ねでちょっとずつ今の建築をより強固なものにする、そういう柔軟な考え方が必要だ。

2009/3/3
午前中、時事通信社の文化部Iさん打ち合わせ。4月、5月に地方新聞に掲載される記事の連載を依頼されたのだが、その内容についての打ち合わせを行った。テーマはローコスト住宅について。私にとってはまさにうってつけのテーマである。初めての新聞連載ということ。少少緊張もするがしっかりと書いていきたい。
13時、川口産業振興公社打ち合わせ。協働で立ち上げを行っているインキュベートオフィスについての打ち合わせ。施設名称などまだまだ決めなければならないことがたくさんある。施設の概要としては、街の問題を解決するタイプのビジネスを集めるオフィスにする予定だ。家賃も周辺相場とは比べ物にならないくらい安く設定される。地域で働きたいと挑戦する若者にとって、貴重な助けとなるような施設にしていきたいと思う。
夜、ニートを対象にしたセミナー講師。あいにく雪が降り出すという状況で15名くらいいた聴講者がばらばらと帰りだし、結果的にわずか4名のためのセミナーになってしまった。しかし、4名とはいえわざわざ聴きたいと残ってくれた人である。真剣に離さなければ失礼にあたる。1時間30分自分の経験をすべてお話することができたと思う。
2009/3/2
朝礼終了後、新人スタッフ面接、昼過ぎまで。これまでは大規模建築を経験してきた1級建築士の資格を持つスタッフということだが、これからは新たに住宅を学びたいということであった。
住宅の設計、施工の楽しいところはやはり誰のために仕事をしているかということがはっきりとわかるということだろう。私も以前ゼネコンにいた経験があるが、大規模物件の工事現場にいて細分化された各担当の仕事に没頭していると、誰のためにこの建築が立ち上がろうとしているのかがさっぱりわからないことがあった。家族の生活、光と風の問題、子供の成長、そういう人に密接いしたことを真剣に考え抜く仕事がやってみたい、これは非常に共感できる考えである。
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