増井真也日記

略歴
免許登録番号 1級建築士 建設大臣登録 第290771号
1997年早稲田大学理工学建築学科卒業
2001年戸田建設株式会社退社
2001年ますいいリビングカンパニー主宰

「日本の住宅はどうしてこんなに同じものばかりなのだろう。」というのが私が設計を行うようになったきっかけでした。住宅はそれぞれの家族が自分たちのこだわりに合わせて自由に作り上げていくものだと思います。他の工業製品と違い工場での生産が出来ないということからも、本来は個別のデザインが許されて良いはずなのです。
しかし、現実には建築条件のない土地の取得の困難さという問題や、かつてのずさんな工事による工務店の衰退にともなう工業化住宅の発展によって画一的な住宅ばかりが作られるようになりました。
このような中で、今一度住宅の設計を一つ一つ丁寧に行い、そして工務店として作り上げる。その活動こそが個性あふれる豊かな住宅の生産につながると思っています。そして、そのこだわりを実現させるデザインが豊かな街を作り上げていくでしょう。
私は川口の町で生まれ、川口の町で育ちました。住宅を作るという活動を中心としてさまざまなデザインを街の中にちりばめ、この街をもっと魅力的に変化させ、魅力ある街づくりに貢献したいと考えています。

2009年

2月

2009/2/28

朝10時、西川口でマンションを建てたいというKさんのプレゼンテーション。今回のプレゼンでは拭き抜けのある2LDKやちょっと広めのワンルームなどの「自分だったら借りたいと思うような」プランを提案した。

川口市内にはすでに多くのマンションがある。そして、入居率の低さに悩まされる物件も少なくない。過剰供給、どれも同じようなプラン、そういうことが明らかなのにさらに同じようなものが作られ続ける、これが現状だ。

実際に私も若いころワンルームマンションに生活の拠点を置いた時期があるが、17平米のワンルームマンションというのは布団を敷けば足の踏み場もなく食事を取るのも布団の上という、なんとも独房のような生活だった。確かにこういう住宅も必要だと思う。しかし、収益計算の結果でオーナーを説得しやすいという理由だけでこのようなプランを作り続けるというのは、やはりちょっと違うというところなのだろう。いくら計算上で収益が良いマンションを作ったところで、そこに何の魅力もなくただ安いだけというのであれば、いつかは過剰気供給になり空きマンション化してしまうのは当たり前の話だ。作り手には本当の意味で魅力と価格のバランスの取れた提案をすることが求められているといえる。

午後、時事通信社より電話にて新聞記事の連載依頼。HPに書いた日記を見てとのことであった。見てくれている人はいるんだなあ、の感心をした。

2009/2/26

午前中材木市場にて材料選び。

14時より、三角の家のTさん来社。Tさんの運営する家の時間というHPによみがえる家の特集記事を掲載していただけるということで、その取材に来ていただいた。よみがえる家というのは古い建築物を壊さないで利用しましょうというプロジェクトである。具体的には不動産取引の現場においてほとんど価値を認められない中古住宅の中で構造や雨の問題をクリアしているものに関しては、リフォームして利用することを勧めたり、また建築家の設計した住宅を設計当時の状態にリニューアルして利用することを勧めたりなどの総称だ。

リフォームというと非常に簡単そうだが、実は新築工事よりも難しい場合が多い。上の写真のように内装の古い部分を新しく塗り替えたり張り替えたりの工事は誰でもできる。これは設計事務所というより内装屋さんの仕事の部類だ。

それに対して下の写真は大規模改修工事の例である。この埼玉県所沢の現場は現在内装の大部分を解体している、まさに真っ最中である。道路より5mくらい立ち上がるヨウヘキの上に建つこの住宅は、もし解体してしまえば新築工事をするために非常に苦労することが予想される。というのも、現在の建築基準法では既存のヨウヘキの構造強度を証明しなければその上に建築物を新築することが非常に難しくなっているからである。すでに作られてから何十年もたつヨウヘキの、しかも図面もなくなっているヨウヘキの構造強度を証明せよといわれてもなかなかできるものではない。ゆえに新築工事をすることは非常にこんな状態になってしまう。

というわけでこの住宅は大規模リフォームをすることになった。写真に写っているのはかつて水周りだったところである。今はその影も形もない。ここは将来リビングとして利用されることになる。天井ははがされ、吹き抜けとなる予定だ。その吹き抜けには2階に上がるための階段が取り付けられる。その階段のイメージは下の写真のようなもの。

イメージを形にする、既存の建築物の構造強度を確認し必要な補強を施す、これらの工事はまさに設計事務所の仕事である。そしてさらには現場を知っている工務店を兼ね備えた設計事務所のほうがなお良いことは明白だ。貴重な資産である住宅を少しでも長く心地よく利用できるようにするこのリフォームの仕事はこれからの時代に非常に重要なものだと感じる。

2009/2/23

午前中朝礼を終え、建築関係保険制度などの調査。建築の仕事にかかわっているとさまざまな保険制度に加入しなければいけない。まずは設計士に対する保険である建築士賠償責任保険、そして工事に関する賠償責任保険や現場の建物の火災などに備えた工事物保険、そし建物の性能を保証する瑕疵担保責任保険、などなど理解するのもなかなか大変なほどだ。一通りの作業を終え昼過ぎに作業終了。

夕方、建材のネット販売を行いたいという地元の材料屋さんと会食。確かにベニヤ板をネット販売しているのはあまり目にしないので、この業態であれば将来性があるかもしれない。そもそも、ネットの出現によって世の中の流通のしくみは大きく変貌した。消費者の得ることができる情報量が増加し、真の消費者主権が確立したという人もいる。そういう中で、これまでの材木問屋から地元の材木屋さんを通して、工務店が購入するという仕組みは変化する余地があるということである。これもイケヤと同じだということだろう。

2009/2/22

今日は家族でディズニーランドへ。今年は25周年ということで、25年たっても少しも古さを感じさせない徹底したメンテナンスぶりに驚かされた。偶然にも浜田山の家のクライアント御家族にお会いした。しかもメリーゴーランドで。小さな子供がいる家庭の行動パターンはやっぱりどうしても似てしまうようである。

2009/2/21

午前中さいたま市の住宅の打ち合わせ。2回目のプラン打ち合わせということで、まだこれといったところまでは絞りきれなかったが、次回に向けての方針は立てることができた。今回の話の中では、敷地の奥に光と風を取り入れるために設けられていた坪庭を残すかどうかについてが一番のポイントだった。周囲を建物に囲まれている場合、敷地内部にちょっとした坪庭を設けることで、内部にも広がりを感じさせるような効果をもたらすことがある。その反面、貴重な土地を建物として利用しないことになるということなので、その選択は慎重にしなければいけない。今回の土地の場合は既存の駐車場や階段に面積をとられており、有効に敷地として利用できるひな壇の上の部分の土地に、このような庭の部分を設けることは、避けたほうが良いだろうという選択をすることになった。

一方で板橋区の赤塚に建てられた4こハウスでは建物の周囲に4つの坪庭を設けている。この敷地は20坪しかない。こんなに小さい土地なのになぜこんな庭を作ったかというと、そもそもこの土地は建蔽率が40%までしか認められていないのである。ということはどちらにしても8坪の建築しか建てられないわけで、残地をどのように利用するかを考える中で建物周囲に坪庭として配置するという選択は決して土地を無駄に利用したことにはならないわけである。

建物というのは土地に建つ。そして土地の条件はそれぞれまったく違うわけであるので、その条件をよく考慮して最適な配置、プラン計画を立てることが大切だと考える。

夕方、川口市の伊刈というところで、RC3階建て住宅を建てたいというMさん打ち合わせ。RC住宅というとまず心配になるのが地盤である。特に川口市という所は昔から地盤が悪いということで有名で、今回も計画前に周辺地盤の調査をしてみることとにした。結果、予想通り地盤はかなり悪そうである。今後の方針などについてお話をして7時ごろ終了。

2009/2/18

船橋の家の写真である。

先日取材を終えたこの家にもすでに引っ越しがおわり、Wさん御家族が暮らし始めている。まだ引越ししてからはお邪魔していないがどのような暮らし方になってるだろう。おそらくまだダンボール詰めの荷物がたくさんある状態なのだろうか。新しく作られた住宅がどのように使われているかを見るのは、楽しみでもありちょっとどきどきもする。施主が暮らしの中で、その住宅を上手に使いこなしていくようになるには少少時間がかかるものだが、とにかく来月くらいには一度お邪魔してみようと思う。

夜、千駄ヶ谷にてSBIホールディングス社長の北尾氏講演会。北尾さんというとホリエモンを思い出すのだが、さすが北尾さんだけあって、ばりばりの経済話であった。でも聴けば聴くほどホリエモンと大して変わらないような気がしたのは私だけではなさそうだったな。

2009/2/17

午前中各プロジェクト進行状況確認など。

午後、近所のWさんよりリフォームの問い合わせ。ビルトイン車庫を部屋にしたいという内容であったが、ビルトイン車庫の上部が中2階になっているので、そこを部屋にした場合、天井高さが取れるかどうかなどのご相談であった。リフォームの計画を一通り伺い、明後日もう一度打ち合わせに来ることをお約束。

夜、ニートの就業支援のための講演会。

2009/2/16

では、ハウスメーカが不要な組織かといえばそんなことはない。少なくとも昔は大変重要な国家的役割を持っていたといえる。1974年ごろのピーク時の持ち家着工数は80万件弱であったのにたいし、2000年時点ではその着工数は45万件弱と減少している。総床面積で比較するとそれほどの差はないので、持ち家の着工数が減った変わりに分譲住宅や貸家の供給量が増えたということである。

もともと、ハウスメーカーは都市部への大量人口流入時代に不足する住宅を大量に作り上げるために国によって作られた組織である。現在少なくとも住宅ストックが総世帯数を上回ったわけであるので、その本来の役割は終えたといえるだろう。

大量の供給を目指すということは、画一的で合理的な設計を行い、工場生産の利を取り入れながら、現場一品生産である建築産業の不確定な要素をなるべく取り払うという方向に進まざるを得ない。セキスイハイムのユニット住宅などはその典型であり、大工さんは工場内で内装工事を行うほどである。ますいいに来るクライアントから良く聞く話だが、あるハウスメーカーでは土地の形状が斜めなのに斜めの壁は作れないから段々の形状にするということだ。これも、合理化の結果生じてくる現象だろう。

住宅ストックがすでに世帯数を上回る現在、持ち家を建設する動機はなんだろうか。それはやはり、人間としての尊厳の結果であり、自分のこだわりを形にするという意思からでしかないとおもう。ただ生活するためであれば、そのストックはすでに町にあふれ、利用者を待っている状況なのだ。しかし、たった一度の人生、自分がもっともくつろぐことのできる質を持つ空間において暮らしたいというのは誰もが思うことである。まして現代はインターネットや書籍による情報収集が簡単にできる時代であり、素人でも自分の家を頭の中で空想的に設計することは簡単なのだ。

さらに言えば無料のソフトをダウンロードすることで、そこに敷地データを書き込み、間取りを作成してみることくらいは朝飯前なのである。

川口駅前にあるマンション群を見ているといつも思うのだが、映画「マトリックス」の中の人間培養器を思い出す。ディベロッパーの下請けの設計事務所が書いた誰にでもウケル間取りと、ディスポーザーや食洗機などのただでさえなまった人間をさらに怠けさせる機器に彩られた空間で、均質な生活を強いられる現象にどうしても違和感を感じざるを得ないである。だってマトリックスの中の培養器は人間は何もしないで栄養を供給され、仮想現実の夢の中で生きている満足を味わうことができる、最高級の培養器だから。

で、そのマンションの価格が驚くほど安いかと思うとそうでもない。4000万円、5000万円と驚くような値段がついている。確かに便利な駅前。でもちょっと離れれば一戸建てが建つ値段である。自分の土地に自分の好きなように住宅を建築することのできる値段で、当たり前のようにマンションが売られていたのだ。(今はまったく売れていないようだが)

マンションギャラリー、大量のチラシ、場合によっては新聞の1ページ広告、駅前でのティッシュ配り、・・・これほどの経費をかけても利益が出る価格でマンションは売られている。中小企業ではまねのできない広告戦略によって、ショウルームに吸い込まれていった人の何割かの方々は契約まで進んでしまうのだろう。かつて国策によって作られた一流企業も、そんな怪しげなシステムのなかで仕事をせざるを得ないのである。

2009/2/14

朝10時より、大宮の9坪ハウス打ち合わせ。今回は見積書の提出という内容だったが、若干のコストオーバー。もう少し予算を抑える工夫をしなければならない。

14時、川口市内の伊刈というところで家を建てたいという方のご相談。RC住宅を希望しているということで、地盤の調査などを行うことをお約束。

先日、住宅のコストはどのように決まるのかというご質問がメールで送られてきた。私は日曜日などはよく妻と一緒に夜ご飯の買い物に出かける。すると、キャベツが150円で安いねとか、鶏肉はグラム150円の国産にしようかねなどと相談しながら買い物をする。1日の食事をいくらで納めるかなどという問題は主婦である妻にとっては一大事であり、私が横から口を挟もうものなら即座に却下されてしまう。

この感覚はみなさんも一緒だと思う。一日の食費は家計にとって重要な課題だ。

しかし、家を建てるということになると話は違うようだ。ハウスメーカーや建売などの坪いくらという表示は、その値段がどのように決まってるものかまったく不明であるし、分かりようもないものである。一生に一度の経験であるので、施主の側もそれに対してどのように対応してよいのか分からない。結局自分達の予算に合ったメーカーを探し、高級層ならSハウス、やすく納めるならTホームというような選択をするしかないのである。

しかし、実際は住宅の値段も夕食の買い物もそう違わない。たとえば30坪程度の家だと柱はだいたい60本ほど使用するが、その柱に杉を使用した場合1本当たり2220円で購入できる。ヒノキの場合は4200円であるので値段はほぼ倍だ。構造計算は杉でもヒノキでも両方クリアしているとしよう。そこであなたなら杉とヒノキ、どちらを選ぶであろうか。12万円の差額なら悩むところだろう。

写真の螺旋階段は、狭いスペースに開放感のあるデザイン性の高い階段を収めようと作られた。この階段は2基で100万円近くする。でももしコストを納めることを優先するなら通常の木製周り階段も製作可能だ。(開放感はだいぶ失われるが)そしてその場合はコストは半額以下になる。

もう一枚の写真の浴室はFRP防水にトップコートを施して仕上げとしている。これについても通常のユニットバスを使用した場合と比べてコストはアップする。ユニットバスがセットで30万円強というところに対し、このように造作で製作した場合、浴槽だけで十数万円、水栓金具で数万円、シャワーセット、防水工事費、壁、天井仕上げ、塗装工事、・・・これらを積み上げた値段は30万円では収まらない。そこで、ユニットバスと製作風呂のどちらを選択するか考えるわけである。

人生に一度の家作り。経験も無いのにそんなこと全て考えられるわけが無いと考える方もいるだろう。でも考えてみて欲しい。今の話のように分かってしまえば簡単なのである。説明してくれる人がいればその判断は誰にでも出来るのだ。


2009/2/11

朝9時より、Sさん打ち合わせ。今回は初めてのプラン打ち合わせということで、プレゼンしたプランに対するご夫妻の意見をうかがう形で進めていった。初めてにしては、だいぶご希望の形に近いものを提案できたようだった。基本設計はまだまだ続くが、初回としては合格だろう。

14時、調布のYさん打ち合わせ。16時ごろまで。

今日は建国記念の日。かつての紀元節で『日本書紀』にある神武天皇が即位したとされる日だそうだ。そして、建国をしのび、国を愛する心を養う日とされているということだった。私はといえば、普通に仕事、そして夜は大学時代の友人と会っていて愛国心を養うという雰囲気は作れなかった。

しかし、最近の経済状況を見るに不景気不景気とは言うものの、これでよいのではないかという気がしてくるのは私だけであろうか。生産と消費で計られる経済というものを活性化させようとすれば、需要を生み出すことが一番である。アメリカの低所得者層に必要以上の消費をうながすためにお金を与えよう。それに賛同した世界中の投資家や国家がお金を提供しやすいように、お金を貸すローン自体を証券化しよう。たくさんのお金を借りたアメリカの人々に多くのものを買うことで大金を使ってもらって、日本の自動車メーカーなどもその恩恵にあずかったわけだが、そんなことがいつまでも続くはずもなく、不安を感じた投資家がお金を引き上げた瞬間に、破綻。そもそも、返済が計画通りにできるということ自体がはじめから怪しいわけで、でもそれに賛同しないと世界の消費を作れないから、みんなで投資して、世界規模の消費を生み出したわけである。

今の円高にしても、円が高いわけではなく、これまでの公定金利と今の金利を比較するとその落ち幅が日本が一番少ないから、そして今回の不況の影響を受けている度合いが少ないから、まだ日本のほうがましだろうというくらいの原因であがっているに過ぎず、身の丈に会わない評価をされているわけである。あれだけ振り回されたガソリンの値段もまたしかり。

なんだかそういうことを考えていくと、本当は普通の経済を助けるために作られたシステムである金融によって、実態のの経済が振り回されている今の状況がどこか矛盾しているように思えてしまう。こういう時期には必ず国家の役割とか、小さな政府、大きな政府という議論がなされる。そして今は、今後の10年の流れを決める大変大きな岐路に立たされている大切な時期であることもわかる。首相がこれだけ支持率が下がる中で消費税の値上げを掲げることも、ある意味将来の国家像を表明している現われだろう。近い将来、必ず選挙が開催される。唯一の意思表示の手段であるこの選挙、今回はきっと投票率も上がるんだろうな。

2009/2/9

朝7時過ぎより撮影の準備。今日は船橋の家の雑誌撮影立会いということで、朝から池上と一緒に現場に向かった。今回の雑誌は扶桑社の「住まいの設計」である。現場に着くとすでにカメラマンさんや施主のWさんが来ていて、準備を始めていた。Wさんのお子さんも撮影の協力者ということで現場で遊んでくれていた。

実はWさん、この雑誌のライターさんである。そしてライターさんが自分の家を取材するというなんとも珍しい状況となったわけだ。私の聴いたところによるとこのようなことはまずないとのこと。確かに、珍しい話である。でも、施主である自分が打ち合わせを経て建設した住宅を、客観的に取材するというのは興味深い。どのような原稿が出来上がるかが非常に楽しみだ。

夜、西川口駅の活性化をしようと活動している長谷川君のフリーペーパー創刊記念パーティー出席。西川口というところは数年ほど前にこれまで悪名高かった風俗街が一掃され、今では駅の周辺の店舗がほとんど埋まらないというゴーストタウン状態になってしまっている。そういう街が今後どのように再生していくかということは、多くの方の興味を引いているようでこの創刊記念パーティーにも早稲田大学の都市計画系の教授が二人も来ているほどであった。ギャラリーを通した地域の再生活動をしている妹も会場に来ていたようで、久しぶりに会ったので終わった後に二人で食事などをして11時過ぎ帰宅。

2009/2/6

今日は船橋の家の最後の大工工事が進められた。昨年より進めてきた船橋の家もいよいよ完成を迎えようとしている。来週の月曜日は雑誌の撮影。そして火曜日は引越しとなる予定だ。

この家のリビングにはお寺のお堂のような大屋根がかかっている。リビングは庭に面していて、その庭から直接入ることができる。中に入るとそこには杉の柱がスーッと大屋根のほうに伸び上がり、そこには高窓に照らされる明り取りが設けられている。


リビング見上げ

一生に一度の家族のための一大事である住宅。

しっかりとした構造のもと、安心して風雪、地震から守られて暮らしたいと誰もが思うはずである。

時とともに味わいが生まれ、柱に付いた古い傷を見るたびに家族の成長を思い出せる、そんな質感。

光や風の流れを感じて、ゆったりと暮らすことが出来るおおらかさ。

ささやかな自然を取り込み、家での暮らしにひろがりを与えてくれる庭との関係。

暮らしの中の豊かな要素を、しっかりとした構造の建築のなかで安心して体感できること、これが設計のテーマである。

材料はローコストの要素に当てはまるものの中から、先のテーマに会うものを選び出して使用している。

セルフビルドを取り入れ、コストのコントロールを行いながら、自然素材をふんだんに取り入れ、心地よい空間となるよう留意した。


リビング

2009/2/4

午前中、倉庫の整理。トラック一台分の過去の資料などを処分した。この会社も10年を超える実績がついたわけだが、常に新しいことへの朝鮮の気持ちだけは忘れたくないものである。私は引越しや大掃除が大好きなのだが、それもひとつのリフレッシュ。過去だけに縛られるのではなく、常に前を見るためのリフレッシュだ。

川口市内のガーデニングのための小住宅は着々と工事を進めている。屋根が貼られ、天井の化粧の杉板もごらんのように出来上がった。平屋の高天井のこの小屋、出来上がるとなんとも贅沢なセカンドハウスとなることだろう。大工工事がもう少し進むといよいよセルフビルドのタイル貼り等が始まる。これだけの面積を貼るとなるとなかなか大変な作業ではあるのだが、Kさんなら大丈夫だろう。

2009/2/3

午前中、事務所にて雑務。扶桑社の雑誌への掲載が決まっている船橋の家の取材についての打ち合わせも大体終わったのだが、なんとその取材を施主であるWさんにしていただくこととなった。もともとWさんは扶桑社のライターさんで、以前ますいいで建てた住宅を取材していただいたことがきっかけで、自宅の建築を依頼していただいた。そしてまた、その住宅の取材をWさんにしていただくということで、なんともうれしい運びとなったのである。しかし、これまで長い時間をかけて打ち合わせをし、作り上げてきた自分の家の取材というのはどういう気分なのだろう。客観的な取材というよりも、施主としての主観的なコメントが期待されるのだろうか。だとしたら通常の雑誌とは少少趣の違うものになるのかもしれない。

夜、地元の大先輩の旭日双光賞受賞祝いに参加。旭日賞とは数ある勲章のひとつでその中の双光賞は年間500人程度の方が受賞されるそうだ。これまで私には無縁の話だったのだが、このように身近に受賞者が現れると、なるほどという感じであった。そもそも受賞された先輩は悪いうわさを聞いたことがないというくらいに人格者である。誰もが目標にするようなかたで、私もお話をするたびに感銘を受ける。やっぱり見ている人はいるということですね。

2009/2/1

日曜日の今日は、妻と娘が幼稚園の音楽発表会に参加しているので、息子と2歳の娘を連れて近所のアリオにある映画館に足を運んだ。当てもなく映画館に来てしまったので見るものも特に決めてはいない。ちょうど20世紀少年NO2が上映される時間だったので、親子3人でそれを見ることにした。

映画を見終わると最後にテロップが流れる。ふんふん、こんな人が作っているんだと見ていると、協力者の名前に知り合いの会社がつらつらと流れてきた。どれも地元の企業さんで、どうやら今回の映画もスキップしティーという川口市内の施設で撮影されたのだろうということが予想された。スキップシティーというのはもともとNHKの鉄塔が建っていた広大な土地に作られた施設で、映像関連産業の拠点として川口市を成長されることを目的としている。その施設の中には撮影に利用できる土地があり、山田洋二監督の母べえのときなどはやっぱり知り合いの会社で本当の撮影用の住宅を建築していた。

じゃあ、川口市が映像産業の拠点になったか?これをたずねられると、地元の特に政治家さんは答えに困るだろう。だってそんなこと知っている人は地元の人くらいのものである。映画のテロップだって、関係者がいそうだと思うから見ているようなもので、そうでなければ我先にと部屋を飛び出すのが普通だ。

町の発展というのはこのように何の脈絡もないところから攻めるものではないと思う、というのが私の考え方である。特に川口市のように長い歴史のある街において、突然箱物を一つ作ったからってそこが映像産業の拠点にならなければいけない理由はどこにもない。とはいえ特徴のない高層マンションが立ち並ぶ巨大ベッドタウンになってしまっているという現実は何とかしなければならないわけで、その中でこの町の方向性を考えることは非常に大切なことだろう。ただ、それが映像産業拠点ではないような気がするということである。

 

 

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