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11月
2009/11/28
午前中、調布の集合住宅併用住宅打ち合わせ。来週の打ち合わせに向けてプランを反転させるなどの操作を行いつつ見積もりを作成している。この住宅では3階部分にオーナー世帯のリビングを配置している。その屋上との仕切りとなるスラブに長方形の大きな穴を開け、そこにハイサイドライトを設置することになっているのだが、その吹き抜けの中央部分に一本の梁が貫通している。今日は、その3階の吹き抜け部分に出てくる構造上必要な梁の形状などを原寸大の模型などを作って検討。
見積もり作業のほうは現在数社の見積もりを待つところまですすんでいるが、大体予算の範囲内で納めることができそうな気配だ。規模が大きいだけに慎重に進めてきたのだが、何とかなりそうで何より。
午後、川口神社にて七五三のお参り。ほかにも数人の参拝者がいたが、すべては子供のためのお参りであった。日本の伝統文化は消えつつあるが、子供の健康を祝うお参りの風習だけは根深く残っているから不思議だ。食べることができなかった時代、若しくは医療の技術が進歩していなかった時代には子供が健康に成長すると言うことが非常に大変なことだったのだろうが、時代が変わっても子を思う親の気持ちは変わらないと言うことなのだろう。
下の写真は緑区の家のルーフバルコニーの写真。中々このような状況を見ることは無いと思うが、皆さんの住宅にあるバルコニーもこのような下地の上にFRPの防水を施工することによって作られている。場合によってはその上にウッドデッキを作って仕上げとなる。普段目にするものはすでに仕上がった表面であるが、下地は綿密に計算されて一つ一つ大工さんの手によって作られている。こんな状況を見るもの中々面白いものであるので掲載してみた。

2009/11/24
朝一番、臨時朝礼。事務所の決まりごとについての話し合い。規則と言うのはなんとなく与えられるものだと言う認識でいるわけであるが、そもそも組織がうまく機能するために、その組織の構成員が作るものである。ますいいのように少人数の組織であれば、私が独りで決めるよりもみなの意見を聴きながら決めたほうが良いに決まっている。と言うわけで一人ひとりの意見を聴きながら、安藤事務所の規則を参考にますいいの規則も決めることとした。内容は単純明快。
・月曜日の朝礼では次週の予定と先週の成果を報告。
・呼ばれたらペンを持って駆けつける。
・朝は8時30分。
・夜は9時には帰る。
・机で飲食禁止。
・約束は守れ。
・筆記用具は自分で買う。
・礼儀正しい服装をする。
当たり前のことばかりなのだが、改めて書かれると身が引きしまる思いがするので不思議なものだ。

先週の土曜日に、緑区の家で行われた上棟式の様子である。最近は現場でこのように上棟式が行われることは少なくなったが、やはり実際に家を造る大工さんと設計者、現場管理者とクライアントが一堂に集い、たとえ短時間であってもともに時間を過ごすことは大切な行事ではないかと思う。誰の家を作っているかわからないのではやっぱり気合が入らない。機械化ができない建築と言う業態だからこそ、必要なことなのだろう。
2009/11/23
午前中いつもどおりの朝礼。今後1年間のプロジェクトの進行予定などについて話し合う。
朝礼終了後、八潮のリフォームについての打ち合わせ。耐震診断をした結果、補強が必要であるとの結果を得たのだが、その補強をする方向で進めることとなった。補強工事と意匠的なリフォーム工事を両方行う上で、まずは意匠的なリフォームの予算と図面をFIXさせなければならない。その上で行程を調整し進めていくことになるだろう。
夜、ブルータスを読んでいたら安藤事務所での事務所運営についての記事があった。メール禁止、FAX禁止など今の事務所で取り入れることは難しいものもあったが、そのほとんどがますいいですでに取り入れているもの、若しくは取り入れたほうが良いと思われるものであった。明日は臨時の朝礼を開いて、みなの意見を聴いてみよう。そして事務所の決まりごととして取り入れるものは取り入れることにしよう。
2009/11/21
3連休初日。ますいいリビングカンパニーは日曜日のみの休日なのであまり関係ないが、街の中はいつもよりずっと静かだ。そういえば息子に23日はなぜ休みかについて聞かれた。勤労感謝の日だからだよ、の答えで一応は満足してくれたもののなぜこの日に勤労を感謝するのかの不に落ちない様子であった。
ちょっと調べてみたところでは、もともと11月23日は新嘗祭と言う祭日であった。この日は一年の豊作を祝い、天皇が祭事を行う日だったらしい。それがGHQの指導によって勤労感謝の日に変えられたと言うことである。「秋の新米の時期、豊作を祝いさまざまな祭りがとりおこなわれる日だよ」と言う説明ができればどれだけわかりやすいか。11月23日と言う中途半端な日に、いきなり普段の勤労を感謝すると言う説明はやはり無理があるように感じた。
2009/11/19
朝一番に事務所を出て、池上と一緒に現場周り。
まずはじめはさいたま市緑区の家に向かった。上棟を終えたばかりのこの現場では大工さんが屋根の下地作りを行っている。続いて板金屋さんが屋根下地や土台の水切りを取り付けられるよう急ピッチで作業を進めているところだ。先日の雨養生のブルーシートをたたんで一通りのチェックを行い次の現場へ。
続いて、さいたま市見沼区の家へ。今日はちょうど上棟作業と言うことで4人の鳶さんと二人の大工さんが作業をしている。現場に着いたときには大方の作業をすでに終了していて、屋根の下地や床の下地の材料の受け取りや金物締めの作業に取り掛かろうとしているところであった。長方形の敷地に建つ、直方体のシンプルな構造が印象的な建築だ。敷地の建物のバランスも良く、完成が楽しみなところである。

引き続きさいたま市東大宮の家へ。こちらはちょうど職人が作業をしていないタイミングであった。すでに大工工事も終え、仕上げ工事を残すばかりの段階であるがセルフビルドなどまだまだ大変な作業は山積している。ますいいの家作りにおいてはほとんどすべての現場においてセルフビルドを取り入れることとなるのであるが、その量の多少は現場監督の指示の難しさに直結する。職人さんを入れるタイミング、工期の遵守、中々一筋縄でできるものではない。とはいえ、施主が施主のために行う工事である。多少の時期のずれや工期の遅れはクライアントも納得してくれるのであるわけで、うまく調整しながら進めるよりないのである。
最後に、さいたま市本郷町の家へ。こちらは明日クリーニング作業が入ると言うことでいよいよ追い込み、最終段階である。今日の作業は養生はがし。監督の中村と田村が行ったのだが、地味な作業であるにもかかわらず、この作業、実はもっとも感慨深い瞬間なのだ。なんといっても美しいフロアリングが顔を見せる瞬間だ。この瞬間がまさに完成した建物のイメージが現実に変わる瞬間だ。下の写真はその様子。完成写真をお楽しみに。

2009/11/18
朝一番、事務所にて構造計算の意義についての話が話題に上がった。構造計算なんてやるのが当たり前と思っている方には、何でこんな話題が出るのかも疑問に感じるであろうが、実は現在の建築基準法では2階建ての木造建築物においては構造計算は義務付けられてはいないのである。
確認申請時に必要な簡易計算では、面積や立面の見つけ面積から算出された耐力壁を配置して、これまた簡易的な方法で計算されるバランスを判断する診断の結果、OKであればそれでよい。しかし、2階建ての建築について構造計算をしてみると、この簡易計算よりも多くの壁が必要だと言う結果が出ることがある。
ということは、確認申請上認められている建築であっても、耐震上はNGということがありうるとなるわけだ。「屋根の軽い、2階建て建築であれば構造計算までするのはもったいない」と言う考えも理解できるが、やはり「2階建て建築でも3階建てと同様に構造計算をする」と言う考えのほうが安心感はあるのである。
10時より打ち合わせを行ったのだが、その中でフロアリングの産地や生産状況についての問い合わせがあった。産地というのはたまに話題にのぼるのであるが、大概は西川材の杉のように地産地消などの価値観の元で話題に上がるのであって、外材や南洋材の産地についてはなんとなくこっちのほうで取れるのだろうくらいで済ませていた。
現在日本で使われている木材は、東南アジアや中国、カナダなどさまざまなところから輸入されている。そういわれてみるとかば桜のようなフロア材がどこで取れているのか、どのような会社が作っているのか、製造過程の様子や安全性について、このようなことはこれまであまり深く興味を持ったことがなかったので調べてみることとしよう。
2009/11/17
午前中、事務所にてさいたま市本郷町の家の外構工事の打ち合わせ。有孔ブロックを積むアイデアが出ているのだが予算が中々落ちないと言うことであった。6年ほど前に同じような工事をしているのでそれを参考にするようにとの指示。この現場では、200×400の有孔ブロックにポーターズペイントなるオーストラリア産の塗料を施工し仕上げている。エントランスまでのピンコロ敷き、植栽の植え込み、駐車スペースの平板ブロックなど全部で150万円ほどの工事だったと思う。

2009/11/12
午前中各プロジェクト打ち合わせ。調布の集合住宅併用住宅についてなど。今回は住居部分などの詳細設計について打ち合わせを行う予定。この打ち合わせを終えるといよいよ見積もり取りとなる。金額が大きいものだけにこれまで慎重に概算見積もりなどを取って進めてきたので大丈夫だとは思うのだが、初めての見積もりのときは、どれだけオーバーしてしまうのかいつも緊張するものだ。
夕方より、西川口経営者フォーラムにゲスト参加。ゴーストタウン化している西川口の町をどのように再生させるかについての会議で、早稲田大学早田先生をはじめとして、地域の経営者など15名程度の会議であった。それぞれにみな異なる意見をぶつからせる会議となったが、私はインキュベートオフィスの設立経緯などをお話させていただいた。地元経営者として逼迫した状況の中にある方々と、あくまで理想を追い求める研究者とがダッグを組むことの意義は、ともすると目先のことに走りがちな会の方針を、大きな目標へ向けて進路捜査することであろう。そういう関係の中で大学研究者が社会の役に立つ姿を見ていると、建築や都市についての学問も捨てたものではないなと思えてくるものである。
2009/11/11
朝8時事務所にて池上と打ち合わせ。見積書ほかについて。
10時過ぎ、息子の小学校にて講演会に参加。
14時過ぎ、八潮の家の改修工事打ち合わせ。改修計画を進める中で、既存住宅の耐震性に不安を感じて耐震診断をした結果余り良い結果が得られなかったのであるが、今回はこの住宅を耐震改修するといったいどれくらいのお金がかかり、そしてどのような工事が行われるのかについての説明となった。今回採用する工法はガーディアンという金物を使用した耐震改修工法である。作業はとても簡単そうで、内側の壁を一度はがし床から天井までの間で作業が終わるというものである。つまり天井や床をはがす必要がないというものなので、補強のための破壊作業が最低限で済むというメリットがある。2種類の強度について、それぞれの工事を行った場合の金額などの説明をして終了。
2009/11/9
午前中、各プロジェクト打ち合わせ。
川島町の家はいよいよ模型の制作に取り掛かっている。内部に構造の柱や梁を露出し外壁が杉板とガルバリウム鋼板の組み合わせと言うことで、その雰囲気が伝わるような模型を作ってみた。バルサ材にオスモの塗装などを施してみたのだが、こういう色の出具合と言うのは本物の雰囲気を出そうとすると中々難しいものだなと思った。

見沼区の家の基礎が完成した。鋼管杭を打設した上にベタ基礎を造ったわけだが、いよいよ今週の13日には上棟工事を迎えることとなる。それまでの準備で土台敷き、足場組みなどがあるが、ここまで無事工事が進行して何よりである。

2009/11/8
日曜日、今日は川口稲門会の友人の結婚式に参加。朝から夜の9時過ぎまでの長丁場となったが、大学時代のつながりは良いものだと思う。
2009/11/5
午前中、練馬の家の打ち合わせ。12時ごろまで。
今回の現場でも地盤改良を行うか否かが打ち合わせの中のひとつの焦点になった。この地盤改良というのは、地盤調査データによってはじき出された地盤の耐力と建物の重さとを比較して、その地盤が建物を支えることができるかどうかを判断して行うかどうかが決定される。ほとんどの地盤は軟弱であるので、それほど悩む余地もなく地盤改良を行いましょうと言う風になるのだが、今回のように微妙な数値が出ると本当に悩ましい。建築基準法上はやる必要はなく、沈下が起きたとしてもせいぜい1〜2センチくらいだろうという状況の中で、本当に改良工事を行うべきなのだろうか。
近年この地盤に関する意識が大変高まっており、民間の保険会社による10年間の地盤沈下に対する保険制度も充実してきている。でもこの保険でさえも、許容沈下量というものは設定されているし、しかもたった10年間しか保証はしてくれないのだ。正直に今の状況をお話した上で、クライアントとともに決めることになるわけだが、いたずらに不安をあおって工事につなげるような方法だけは取りたくないと思う。それにしても本当に判断の難しい題材だ。

2009/11/4
午前中、川口市内の焼肉屋さん改修の御相談。
午後より、練馬の家の打ち合わせ。前回の打ち合わせのときに御提出した見積もり金額が大幅にオーバーしてしまったことを受けて、今回は減額のための微調整を続けている。明日の打ち合わせに向けて最終的なまとめを行いながら、説明のための資料作りなどを行った。
建築士会の資料を見ていたら、なんでも建築基準法をまた改正するらしい旨が掲載されていた。姉羽事件を受けてかなり厳しい規準が制定されたわけだが、これが今回の不景気の原因のひとつにもなっていると言う見解から、何でも罰則は厳しいままに、そして確認申請の基準は緩やかにと言うのが今回の改正の方向性らしい。私個人としては、これ以上現場を混乱させるような改正は繰り返して欲しくないのだが、業界団体からの支援を受けている政治家の考えることは、まったくわからないな。
2009/10/31〜2009/11/1
昨日は朝10時より川口の家の打ち合わせ。今回は見積もりの提示を行ったのだが、予算よりもオーバーしている見積書を提示するのはいつもながら複雑な心境である。とはいえ概ねその結果にも御納得いただけたようで一安心。一部変更の箇所を訂正し、予算書の訂正を行った後、構造計算、そして確認申請と進むであろう。
午後はハウジングトリビューンという建築業界専門誌の取材。
・家作りに対する基本的な考え方・姿勢
・セルフビルドを活用したローコスト住宅を始めた背景
・アートギャラリーを始めた理由
・よみがえる家について
・コンテナハウスの話
というテーマで1時間ほどお話をしたのだが、基本的には以前地方新聞への配信記事として時事通信社さんに寄稿した内容と同じような話になった。この雑誌さんは何でも以前はハウスメーカーを中心に扱っていたのだが、最近は地元の工務店に焦点を当てているとのことであった。扶桑社の住まいの設計さんも最近は工務店の取材に力を入れているといっていたが、そういう流れがあるのだろう。本来よほどの豪邸でない限り住宅というのは工務店が造っていたものである。工務店がクライアントと打ち合わせをしながら設計し、それを地元の職人さんたちと協働しながら作り上げて、メンテナンスも地元のつながりの中で行う、それが自然な姿であるのだ。いつのころからか、いい加減な工務店に取って代わる形で、大資本によって作られたシステマチックなハウスメーカーという企業体が台頭し、営業マン→キャド入力担当の設計部→工事監督という流れでできる商品化住宅のほうが普通だと感じるようになってしまったのである。でも家作りなんてそんなに難しいものではないんだよ、と私は言いたいのだ。ここ数十年の間に何か劇的に木造の作り方が変わりましたか?と言いたいのである。なんだか画期的な技術革新でもあったかのような商品広告はしばしば目にするが、そのほとんどが目立つネーミングと薄っぺらい新技術の広告でしかないのだ。そんなものよりも家作りの中で大切なことは、実際に造っている職人さんの作業であり、それを設計する設計士の思い入れであり、そのすべてをコントロールする施主の思い入れであると思う。そういう強い思いに支えられた自由ないえ作りを楽しむ環境をつくることこそ私のやりたい一番の目標であるのだ。
夕方より一部の職人さんやスタッフとともに会社の庭でバーベキューを行った。会社の行事をあまり派手に行うことが嫌いなので私から何かをやろうと言うことはめったにないのだが、今回は水道屋さんの関さんと大工さんの草間さんが言い出してくれたようだ。関さんは私にとってはじめてのクライアントでもある。そう、会社を始めた当初、何の実績もない私に家作りを任せてくれた、言ってみれば恩人だ。その関さんがちょっと酔っ払いながら、「俺の家は最高ですよ。・・・・」と言っていたのを聞いた。これは作り手にとって何よりもうれしい一言。今では水道業者さんとして協力していただいているが、何とかこれからも良い関係を続けていきたいものだ。
日曜日の今日は荒川の河川敷で開催された川口ふれあい祭りに家族で参加。ちょっと風は強かったが、暖かい一日でとても楽しく過ごすことができた。こういうお祭りは運営している側の大きな苦労のもと成り立っている場合が多いが、このお祭りもそうである。そういう人たちに感謝する気持ちを持ちつつ楽しむ、そんな気遣いを忘れないようにしたいものだ。
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